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ブルース・ロック(Blues Rock)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はブルース・ロックのランキングを作成しました。

ブルース・ロックとは、ブルースからの影響を強く受けたロックのことです。

全盛期は1960年代半ばぐらいからおおよそ10年ぐらいの間ですが、今でも根強い人気があります。

今回はレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のブルース曲を苦手としているような人にも気に入ってもらえるよう、分かりやすい選曲をしてみました。

なお単独でランキングを組めそうな人は、対象外としています。

 

1位 Savoy Brown「Payback Time」(アルバム:City Night)

savoy-brown-city

■アーティスト名:Savoy Brown
■アーティスト名カナ:サヴォイ・ブラウン
■曲名:Payback Time
■アルバム名:City Night
■動画リンク:Savoy Brown「Payback Time」
※アルバム・バージョンが見つからないため、ライブ・バージョンでご紹介します

彼らは1965年、サヴォイ・ブラウン・ブルース・バンド(Savoy Brown Blues Band)として結成されました。

フォガット(Foghat)の母体となったことでも知られています。

このアルバムは2019年のリリースされていますから、デビューしてから54年が経過しています。

現役であることに、驚く方もいらっしゃるかもしれません。

しかし現役であるどころか、今でも高い人気を誇っています。

特にこのアルバムは、近年の代表作と言われています。

この曲はZZトップ(ZZ Top)に似た曲調ですが、キム・シモンズ(Kim Simmonds)のギターは、ビリー・ギボンズ(Billy Gibbons)に負けていませんね。

堂々たる横綱相撲のギターです。

長年に渡る一途なブルース魂に敬意を表して、1位とさせていただきました。

 

2位 The Paul Butterfield Blues Band「Born in Chicago」(アルバム:The Paul Butterfield Blues Band)

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■アーティスト名:The Paul Butterfield Blues Band
■アーティスト名カナ:ポール・バターフィールド・ブルース・バンド
■曲名:Born in Chicago
■曲名邦題:ボーン・イン・シカゴ
■アルバム名:The Paul Butterfield Blues Band
■アルバム名邦題:ポール・バターフィールド・ブルース・バンド
■動画リンク:The Paul Butterfield Blues Band「Born in Chicago」

このアルバムはホワイト・ブルースの頂点の1枚です。

なにしろダウンビート誌選出の名作ブルース・アルバムでも11位ですし。

今回はブルースではなく、ブルース・ロックの特集です。

取り上げたのは白人が演奏したブルースばかりですが、ブルースは黒人プレイヤーが優位なジャンルといえるでしょう。

正直なところ黒人ミュージシャンの一音のインパクトやニューアンスの深さには、かなわないなと思ってしまうところがあります。

しかしこのバンドは、白人でもこのようなすばらしいブルースを演奏できることを証明しました。

勝因は粋でいなせな解釈と、グループの総合力です。

このバンドにはリーダーのポール・バターフィールド以外にも、すばらしいタレントがそろっていました。

特にマイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)とエルヴィン・ビショップ(Elvin Bishop)という2人のギタリストは強力です。

もう1曲ご紹介しておきましょう。

The Paul Butterfield Blues Band - East-West

ギターをやっている人は上の演奏を聞くと、軽く絶望感を味わうことができます。

 

3位 Fleetwood Mac「Black Magic Woman」(アルバム:English Rose)

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■アーティスト名:Fleetwood Mac
■アーティスト名カナ:フリートウッド・マック
■曲名:Black Magic Woman
■曲名邦題:ブラック・マジック・ウーマン
■アルバム名:English Rose
■アルバム名邦題:英吉利の薔薇
■動画リンク:Fleetwood Mac「Black Magic Woman」

この曲はサンタナ(Santana)のバージョンの方が有名かもしれません。

実はこちらのバージョンがオリジナルで、サンタナの方はカバー曲です。

フリートウッド・マックについては、いずれ単独でランキング記事を書く予定です。

ただこの時期とそれ以降では音楽性が違いすぎますので、ブルース期は選外にする予定です。

それではもったいないので、この記事で取り上げることにしました。

初期の彼らは、この曲を書いたピーター・グリーン(Peter Green)が中心のバンドでした。

彼はギターだけでなく曲づくりの才能にも恵まれていて、他にも「アルバトロス(Albatross)」などの名曲を残しています。

この曲を聞くと、サンタナは原曲を踏襲していることが分かりますね。

特に1:00ぐらいからのギターは聞きもの。

またこのアルバムは「クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)」を思わせるようなジャケットも有名です。

これはミック・フリートウッド(Mick Fleetwood)の女装らしいです。

 

4位 Canned Heat「On the Road Again」(アルバム:Boogie with Canned Heat)

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■アーティスト名:Canned Heat
■アーティスト名カナ:キャンド・ヒート
■曲名:On the Road Again
■曲名邦題:オン・ザ・ロード・アゲイン
■アルバム名:Boogie with Canned Heat
■アルバム名邦題:ブギー・ウィズ・キャンド・ヒート
■動画リンク:Canned Heat「On the Road Again」

このバンドは、有名なブルース研究家アラン・ウィルソン(Alan Wilson)と、ボブ・ハイト(Bob Hite)の2人を中心に結成されました。

このアルバムは、その2人とギターのヘンリー・ヴェスティン(Henry Vestine)がそろった黄金期の作品です。

彼らはブルースおたくのバンドといえるかもしれません。

この曲ではサイケデリック・ロックの影響を伺わせながら、彼ら特有の奇妙な世界をつくり出しています。

特にアン・ウィルソンの軽妙なボーカルは、破壊力抜群ですね。

またこのバンドの強みは、良い曲が書けることです。

ブルース・ロックの世界では、歌と演奏が良ければそれで良しかもしれません。

そのため必ずしもオリジナル曲に固執しませんし、カバー曲が多い傾向にあります。

その点彼らはオリジナル曲ばかりでしたし、しかも全員が曲を書けるという珍しいブルース・バンドでした。

この曲は唯一フロイド・ジョーンズ(Floyd Jones)の曲の改作ですが、原曲の面影を感じさせないほど変えています。

Floyd Jones - On The Road Again

彼らはブルースを血肉として消化していていました。

 

5位 Harvey Mandel「Peruvian Flake」(アルバム:The Snake)

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■アーティスト名:Harvey Mandel
■アーティスト名カナ:ハーヴェイ・マンデル
■曲名:Peruvian Flake
■アルバム名:The Snake
■アルバム名邦題:ザ・スネイク
■動画リンク:Harvey Mandel「Peruvian Flake」

この曲はブルース・ロックといえるかというと、少し微妙かもしれません。

ただこの人は元々ブルース・ギタリストでした。

先程ご紹介したキャンドヒートにも、一時期在籍していましたし。

しかしその後この人は、様々なスタイルの音楽をやるようになりました。

私がこの人のことを知ったのは、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「ホット・スタッフ(Hot Stuff)」でギターを弾いていたことから。

一時はストーンズへの加入も噂されていたはずです。

しかしそうならなくて良かったかもしれません。

この人はかなり奔放なギタリストですから、バンドという枠には収まりにくいと思いますから。

この人は「ザ・スネイク」という異名を持っていますが、それはフレーズがウネウネしているからです。

この曲の演奏などは、少しジョン・スコフィールド(John Scofield)を思わせるところがあります。

 

6位 John Mayall & The Bluesbreakers「Steppin’ Out」(アルバム:Blues Breakers with Eric Clapton)

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■アーティスト名:John Mayall & The Bluesbreakers
■アーティスト名カナ:ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ
■曲名:Steppin’ Out
■曲名邦題:ステッピン・アウト
■アルバム名:Blues Breakers with Eric Clapton
■アルバム名邦題:ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン
■動画リンク:John Mayall & The Bluesbreakers「Steppin’ Out」

ブルース・ロック特集であれば、エリック・クラプトンを忘れてはいけません。

この人はソロになってからのランキングを作成したことがあります。

エリック・クラプトン(Eric Clapton)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

ソロになってからの彼は、ギタリストとしてのエゴを抑えているように感じることがあります。

しかしこのアルバムではブルース魂が爆発しています。

このアルバムでは「オール・ユア・ラヴ(All Your Love)」の方が有名かもしれませんが、迷った末こちらの曲を選びました。

クラプトンはこのアルバムの前に、ヤードバーズ(The Yardbirds)に在籍していました。

バンドが次第にポップ路線になっていく中で、彼はブルースを追求したいと脱退を決意したそうです。

しかしその決断は吉と出たかもしれません。

この頃、ロンドンの街中に“CLAPTON IS GOD”の落書きが現れ、「ギターの神」と呼ばれるようになった[1]。

エリック・クラプトン ウィキペディア

この曲を聞くと、ブルースを弾きたかったという感じがしないでしょうか。

 

7位 Chicken Shack「Crying Won’t Help You Now」(アルバム:Imagination Lady)

chicken-shack-imagination

■アーティスト名:Chicken Shack
■アーティスト名カナ:チキン・シャック
■曲名:Crying Won’t Help You Now
■曲名邦題:クライング・ウォント・ヘルプ・ユー・ナウ
■アルバム名:Imagination Lady
■アルバム名邦題:イマジネーション・レディ
■動画リンク:Chicken Shack「Crying Won’t Help You Now」

このバンドはフリートウッド・マックやサヴォイ・ブラウンと並んで、イギリスの三大ブルースバンドと呼ばれています。

この頃彼らはハードロック色を強めていましたが、それは意図的ではなかったようです。

実はこのアルバムの前に、ベースとドラムをサヴォイ・ブラウンに引き抜かれていました。

その代わりに入ったのが、異色の2人です。

この曲でのジョン・グラスコック(John Glascock)のベースと、ポール・ハンコックス(Paul Hancox)のドラムは、ブルースのノリではありません。

そのリズムの上で、スタン・ウェッブ(Stan Webb)はサイケデリックなフレーズを連発しています。

ブルース・ロックの全盛期は、サイケデリック・ロックと重なっています。

そのためブルース・ロックの曲には、サイケとブルースが同居している曲が少なくありません。

 

8位 Groundhogs「Soldier」(アルバム:Thank Christ for the Bomb)

groundhogs-thank

■アーティスト名:Groundhogs
■アーティスト名カナ:グランドホッグス
■曲名:Soldier
■曲名邦題:ソルジャー
■アルバム名:Thank Christ for the Bomb
■アルバム名邦題:サンク・クリスト・フォー・ザ・ボム
■動画リンク:Groundhogs「Soldier」

彼らはトニー・マクフィー(Tony McPhee)を中心にしたブルース・ロックのバンドです。

ただブルースらしいと思ったら、プロフレッシヴな演奏をしたりなど、つかみどころがありません。

今回はその中でもポップな曲を取り上げてみました。

少しクリーム(Cream)の「ホワイト・ルーム(Wite Room)」みたいな雰囲気がありますね。

しかし1:42ぐらいから2本のギターが、スペイシーでアシッド・フォークっぽい演奏をしています。

とても心地よい演奏ではないでしょうか。

ちなみにアルバム・タイトルは「爆弾のことを神に感謝する」という、とても皮肉なもの。

フランク・ザッパ(Frank Zappa)やキャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)と、気が合いそうな感じがします。

 

9位 Climax Blues Band「Hey Mama」(アルバム:Tightly Knit)

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■アーティスト名:Climax Blues Band
■アーティスト名カナ:クライマックス・ブルース・バンド
■曲名:Hey Mama
■曲名邦題:ヘイ・ママ
■アルバム名:Tightly Knit
■アルバム名邦題:タイトリー・ニット
■動画リンク:Climax Blues Band「Hey Mama」

異端っぽい曲が続きましたので、正統派ブルース・ロックに戻しましょう。

印象的なジャケットは、ヒプノシスが手掛けています。

ジャケットは奇をてらった感じがしますが、曲は安心して聞けるブルース・ナンバーです。

これが大名曲かと言われたら自信ありません。

しかしブルース・ロックを聞く楽しみを味わえる曲だと思います。

彼らは元々クライマックス・シカゴ・ブルース・バンド(The Climax Chicago Blues Band)というバンド名でした。

アメリカのバンドだと思われるかもしれませんが、イギリスのバンドです。

アルバムとしては「A Lot of Bottle」が一番良いかもしれませんが、曲単位ではこの曲がおすすめです。

しかしピート・ヘイコック(Pete Haycock)のギターは、とてもよく歌っていますね。

 

10位 Taste「I’m Moving On」(アルバム:Taste)

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■アーティスト名:Taste
■アーティスト名カナ:テイスト
■曲名:I’m Moving On
■曲名邦題:アイム・ムーヴィン・オン
■アルバム名:Taste
■アルバム名邦題:テイスト
■動画リンク:Taste「I’m Moving On」

ロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)が在籍していたバンドです。

同じトリオ編成だったこともあって、第二のクリーム(Cream)として売り出されました。

ハードロックっぽい曲も良いですが、軽快なこの曲もなかなかです。

この頃ロリーは21歳でしたが、既にプレイは堂々としていますね。

しかも選曲がシブいです。

この曲はカバーですが、オリジナルはブルースではありません。

カントリー歌手のハンク・スノウ(Hank Snow)の曲で、それをフォーキー・ブルース風に解釈しています。

特に1:13ぐらいからのギターは最高ではないでしょうか。

さて今回はブルース・ロックの曲をご紹介してきましたが、様々なスタイルの曲をご紹介しました。

玄人の方はあの曲はどうしたと思うかもしれませんが、限られた曲数ですので何卒ご了承ください。

初心者の方は気に入った曲が見つかったら、そこが自分のツボかもしれません。

そこから芋づる式に掘り下げてみるといいでしょう。

このランキングが、ツボを探し当てる一助になればうれしいです。

 

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