今回はブルース・ロックのランキングを作成しました。
ブルース・ロックとは、ブルースからの影響を強く受けたロックのことです。
1960年代半ばぐらいからおおよそ10年ぐらいの間が全盛期ですが、現在でも根強い人気のあるジャンルです。
今回はレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のブルース曲を苦手としているような人にもアピールできればと思って、選曲してみました。
なお単独でランキングを組めそうな人は、選外としています。
ブルースとロックの良さを兼ね備えた音楽をご堪能ください。
- 1 1位 Savoy Brown「Payback Time」(アルバム:City Night)
- 2 2位 The Paul Butterfield Blues Band「Born in Chicago」(アルバム:The Paul Butterfield Blues Band)
- 3 3位 Fleetwood Mac「Black Magic Woman」(アルバム:English Rose)
- 4 4位 Canned Heat「On the Road Again」(アルバム:Boogie with Canned Heat)
- 5 5位 Harvey Mandel「Peruvian Flake」(アルバム:The Snake)
- 6 6位 John Mayall & The Bluesbreakers「Steppin’ Out」(アルバム:Blues Breakers with Eric Clapton)
- 7 7位 Chicken Shack「Crying Won’t Help You Now」(アルバム:Imagination Lady)
- 8 8位 Groundhogs「Soldier」(アルバム:Thank Christ for the Bomb)
- 9 9位 Climax Blues Band「Hey Mama」(アルバム:Tightly Knit)
- 10 10位 Taste「I’m Moving On」(アルバム:Taste)
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1位 Savoy Brown「Payback Time」(アルバム:City Night)
■アーティスト名:Savoy Brown
■アーティスト名カナ:サヴォイ・ブラウン
■曲名:Payback Time
■アルバム名:City Night
■動画リンク:Savoy Brown「Payback Time」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから
このバンドは1965年、サヴォイ・ブラウン・ブルース・バンド(Savoy Brown Blues Band)として結成されました。
元メンバーを母体として、フォガット(Foghat)という名バンドを生んだことでも有名です。
このアルバムは2019年のリリースですから、デビューしてから54年後の作品ということになります。
まだ現役であることに、驚く方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現役どころか、今でも高い人気を誇っています。
このアルバムはAmazonのレビューでも、100を超えるコメントが寄せられていますし。
おそらく固定ファンが多いのでしょう。
特にこのアルバムは、近年の代表作と言われています。
この曲はZZトップ(ZZ Top)に似た曲調ですが、キム・シモンズ(Kim Simmonds)のギターは、ビリー・ギボンズ(Billy Gibbons)にも負けていませんね。
圧巻の横綱相撲ギターです。
曲の出来が良いだけでなく、一途なブルース魂に敬意を表して1位とさせていただきました。
2位 The Paul Butterfield Blues Band「Born in Chicago」(アルバム:The Paul Butterfield Blues Band)
■アーティスト名:The Paul Butterfield Blues Band
■アーティスト名カナ:ポール・バターフィールド・ブルース・バンド
■曲名:Born in Chicago
■曲名邦題:ボーン・イン・シカゴ
■アルバム名:The Paul Butterfield Blues Band
■アルバム名邦題:ポール・バターフィールド・ブルース・バンド
■動画リンク:The Paul Butterfield Blues Band「Born in Chicago」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから
このアルバムは、ホワイト・ブルースの頂点といえる1枚です。
なにしろダウンビート誌が選出した名作ブルースアルバムで11位を獲得しています。
今回はブルースではなく、ブルース・ロックの特集です。
取り上げたのは白人が演奏したブルースばかりですが、ブルースは黒人プレイヤーが優位なジャンルといえるでしょう。
正直なところ黒人ミュージシャンのキレやニューアンスの深さには、かなわないなと思ってしまうところがあります。
一音で鳥肌にさせたりしますし。
しかしこのバンドは、黒人以外もすばらしいブルースを演奏できることを示してくれました。
それはいなせで粋な解釈と、グループ全体の表現力です。
このバンドにはリーダーのポール・バターフィールド以外にも、すばらしいタレントをそろえていました。
特にマイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)とエルヴィン・ビショップ(Elvin Bishop)という2人のギタリストは強力です。
どちらにしようか迷った「イースト・ウエスト(East-West)」のリンクも貼っておきましょう。
The Paul Butterfield Blues Band - East-West
ギターをやっている人は上の演奏を聞くと、軽く絶望感を味わうことができます。
3位 Fleetwood Mac「Black Magic Woman」(アルバム:English Rose)
■アーティスト名:Fleetwood Mac
■アーティスト名カナ:フリートウッド・マック
■曲名:Black Magic Woman
■曲名邦題:ブラック・マジック・ウーマン
■アルバム名:English Rose
■アルバム名邦題:英吉利の薔薇
■動画リンク:Fleetwood Mac「Black Magic Woman」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから
この曲はサンタナ(Santana)のバージョンの方が有名かもしれません。
実はこちらのバージョンがオリジナルで、サンタナの方はカバー曲です。
フリートウッド・マックについては、いずれ別途ランキングを作成しようと思っています。
ただこの時期とそれ以降では音楽性が違いすぎるので、ブルース期は選外にする予定ですが、それではもったいないのでこちらで取り上げることにしました。
初期の彼らは、この曲を書いたピーター・グリーン(Peter Green)が中心のバンドでした。
彼はギターだけでなく曲づくりの才能にも恵まれていて、他にも「アルバトロス(Albatross)」などの名曲を残しています。
この曲を聞くと、サンタナは原曲を意識してカバーしていることが分かりますね。
特に1:00ぐらいからのギターは本当にすばらしい。
またこのアルバムは「クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)」を思わせるようなジャケットも有名です。
ミック・フリートウッド(Mick Fleetwood)の女装らしいですが、中身と合っていないような気がするのは、きっと気のせいでしょう。
4位 Canned Heat「On the Road Again」(アルバム:Boogie with Canned Heat)
■アーティスト名:Canned Heat
■アーティスト名カナ:キャンド・ヒート
■曲名:On the Road Again
■曲名邦題:オン・ザ・ロード・アゲイン
■アルバム名:Boogie with Canned Heat
■アルバム名邦題:ブギー・ウィズ・キャンド・ヒート
■動画リンク:Canned Heat「On the Road Again」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから
彼らは有名なブルース研究家でもあるアラン・ウィルソン(Alan Wilson)、ボブ・ハイト(Bob Hite)の2人を中心に結成されました。
このアルバムは、その2人とギターのヘンリー・ヴェスティン(Henry Vestine)がそろった黄金期の作品です。
ブルースおたくのバンドといえるかもしれません。
この曲は彼らの代表曲だと言われています。
この曲ではサイケデリック・ロックの影響を伺わせながらも、彼ら特有の奇妙な世界をつくり出しています。
特にアン・ウィルソンの軽妙なボーカルは、破壊力抜群ですね。
またこのバンドの強みは、良い曲が書けることです。
ブルース・ロックの世界では、演奏が良ければそれで良しみたいなところがあるかもしれません。
その為必ずしもオリジナル曲に固執しませんし、カバー曲が多い傾向にあります。
その点彼らはオリジナル曲ばかりでしたし、しかも全員が曲を書けるという珍しいブルース・バンドでした。
この曲は唯一フロイド・ジョーンズ(Floyd Jones)の曲の改作ですが、ほとんど原曲の面影を感じさせないほど変えています。
オリジナルのリンクを貼っておきましょう。
Floyd Jones - On The Road Again
確かに彼らはブルースおたくだったかもしれませんが、単なる知識だけに留まらず、ブルースを自分たちの血肉として消化していたように思います。
5位 Harvey Mandel「Peruvian Flake」(アルバム:The Snake)
■アーティスト名:Harvey Mandel
■アーティスト名カナ:ハーヴェイ・マンデル
■曲名:Peruvian Flake
■アルバム名:The Snake
■アルバム名邦題:ザ・スネイク
■動画リンク:Harvey Mandel「Peruvian Flake」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから
この曲はブルース・ロックといえるかというと、少し微妙かもしれません。
ただこの人は元々ブルース・ギタリストとして名を上げた人です。
先程ご紹介したキャンドヒートにも、一時期加入していましたし。
しかしその後この人は思いの外、様々なスタイルの音楽をやるようになりました。
私がこの人のことを知ったのは、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「ホット・スタッフ(Hot Stuff)」でギターを弾いていたことからでした。
一時はストーンズへの加入も噂されていたはずです。
しかし私はそうならなくて良かったと思います。
というのはこの人はかなり奔放なプレイヤーですから、バンドという枠には収まりにくいと思うからです。
この人は「ザ・スネイク」という異名を持っていますが、それはフレーズがウネウネしているからです。
この曲の演奏などは、どこかしらジョン・スコフィールド(John Scofield)を思わせるところがありますが、少しタイプが似ているかもしれません。
6位 John Mayall & The Bluesbreakers「Steppin’ Out」(アルバム:Blues Breakers with Eric Clapton)
■アーティスト名:John Mayall & The Bluesbreakers
■アーティスト名カナ:ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ
■曲名:Steppin’ Out
■曲名邦題:ステッピン・アウト
■アルバム名:Blues Breakers with Eric Clapton
■アルバム名邦題:ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン
■動画リンク:John Mayall & The Bluesbreakers「Steppin’ Out」
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ブルース・ロック特集であれば、エリック・クラプトンを忘れてはいけません。
この人はソロになってからのランキングを作成したことがあります。
ソロになってからの彼は、ギタリストとしてのエゴを抑えているように感じることがありますが、このアルバムではブルース魂が爆発しています。
一般的には「オール・ユア・ラヴ(All Your Love)」の方が有名かもしれませんが、迷った末私はこちらの曲を選びました。
クラプトンはこのアルバムの前に、ヤードバーズ(The Yardbirds)に在籍していました。
バンドが次第にポップ路線になっていく中で、ブルースを追求したいクラプトンはやむを得ず脱退を決意したそうです。
しかしその決断は吉と出たかもしれません。
この頃、ロンドンの街中に“CLAPTON IS GOD”の落書きが現れ、「ギターの神」と呼ばれるようになった[1]。
この曲を聞くと、本当にブルースを弾きたかったのだなという感じがしないでしょうか。
まるで水を得た魚のようです。
7位 Chicken Shack「Crying Won’t Help You Now」(アルバム:Imagination Lady)
■アーティスト名:Chicken Shack
■アーティスト名カナ:チキン・シャック
■曲名:Crying Won’t Help You Now
■曲名邦題:クライング・ウォント・ヘルプ・ユー・ナウ
■アルバム名:Imagination Lady
■アルバム名邦題:イマジネーション・レディ
■動画リンク:Chicken Shack「Crying Won’t Help You Now」
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このバンドはフリートウッド・マックやサヴォイ・ブラウンと並んで、イギリスの三大ブルースバンドと呼ばれています。
この頃彼らはハードロック色を強めていましたが、それは意図的ではなかったかもしれません。
実は彼らはこのアルバムの前に、ベースとドラムをサヴォイ・ブラウンに引き抜かれてしまいました。
その代わりに入ったのが、異色の2人です。
この曲でのジョン・グラスコック(John Glascock)のベースと、ポール・ハンコックス(Paul Hancox)のドラムは、明らかにブルースのノリではありません。
そのリズムの上で、スタン・ウェッブ(Stan Webb)はサイケデリックなフレーズを連発していますが、時々ブルースっぽいフレーズを差し込んできます。
ブルースロックの全盛期は、サイケデリック・ロックの全盛期と重なっています。
そのためブルース・ロックの曲の中には、サイケとブルースが奇妙に同居している曲が少なくありません。
この曲では異色の2人に煽られて、スタン・ウェッブもテンション高めの演奏をしています。
8位 Groundhogs「Soldier」(アルバム:Thank Christ for the Bomb)
■アーティスト名:Groundhogs
■アーティスト名カナ:グランドホッグス
■曲名:Soldier
■曲名邦題:ソルジャー
■アルバム名:Thank Christ for the Bomb
■アルバム名邦題:サンク・クリスト・フォー・ザ・ボム
■動画リンク:Groundhogs「Soldier」
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彼らはトニー・マクフィー(Tony McPhee)を中心にしたブルース・ロックのバンドですが、このバンドも少し異色です。
ブルースらしい演奏をしたと思ったら、プロフレッシヴな演奏をしたり、つかみどころがないバンドです。
今回はその中でもポップな曲を取り上げてみました。
最初はクリーム(Cream)の「ホワイト・ルーム(Wite Room)」みたいな雰囲気がありますね。
しかし1:42ぐらいから2本のギターが、スペイシーでアシッド・フォークっぽい演奏をしていますが、とても心地よい演奏ではないでしょうか。
ちなみにアルバム・タイトルは「爆弾のことを神に感謝する」という、とても皮肉なタイトルが付けられています。
なんとなくフランク・ザッパ(Frank Zappa)やキャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)と、気が合いそうな感じがしますね。
9位 Climax Blues Band「Hey Mama」(アルバム:Tightly Knit)
■アーティスト名:Climax Blues Band
■アーティスト名カナ:クライマックス・ブルース・バンド
■曲名:Hey Mama
■曲名邦題:ヘイ・ママ
■アルバム名:Tightly Knit
■アルバム名邦題:タイトリー・ニット
■動画リンク:Climax Blues Band「Hey Mama」
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さて異端っぽい曲が続きましたから、正統派ブルース・ロックに戻しましょう。
印象的なジャケットは、ヒプノシスが手掛けています。
ジャケットは奇をてらった感じがしますが、曲は良くも悪くも安心して聞けるブルース・ナンバーです。
これが大名曲かと言われたら自信ありませんが、ブルース・ロックを聞く楽しみを味わえる曲であることは間違いありません。
このバンドは元々クライマックス・シカゴ・ブルース・バンド(The Climax Chicago Blues Band)というバンド名でしたので、私はアメリカのバンドだと思っていましたが、イギリスのバンドなのですね。
アルバムとしては「A Lot of Bottle」が一番良いかもしれませんが、曲単位ではこの曲が一番好きです。
しかしピート・ヘイコック(Pete Haycock)のギターは、本当によく歌っています。
10位 Taste「I’m Moving On」(アルバム:Taste)
■アーティスト名:Taste
■アーティスト名カナ:テイスト
■曲名:I’m Moving On
■曲名邦題:アイム・ムーヴィン・オン
■アルバム名:Taste
■アルバム名邦題:テイスト
■動画リンク:Taste「I’m Moving On」
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ロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)が在籍していたバンドです。
同じトリオ編成だったこともあって、第二のクリーム(Cream)として売り出されました。
ハードロックっぽい曲もいいのですが、私は軽快なこの曲が好みです。
この頃ロリーは21歳でしたが、既にプレイは堂々たるものですね。
しかも選曲もシブいです。
この曲はカバーですが、オリジナルはブルースの曲ではありません。
カントリー歌手のハンク・スノウ(Hank Snow)の曲で、それをフォーキー・ブルース風に解釈しています。
特に1:13ぐらいからのギターは最高ではないでしょうか。
さて今回はブルース・ロックの曲をご紹介してきましたが、様々なスタイルの曲があることをご理解いただけたと思います。
玄人の方はあの曲はどうしたと思うかもしれませんが、限られた曲数ですので何卒ご了承ください。
ブルース・ロック初心者の方は、気に入った曲が見つかったら、そこが自分のツボかもしれません。
そこから芋づる式に掘り下げてみるといいでしょう。
このランキングが、ツボを探し当てる一助になれば幸いです。
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