今回はジミ・ヘンドリックスのランキングを作成しました。
この人はロック系のレジェンドであり、アイコンといえる存在です。
一般の人でも「ジミヘン」という彼の愛称を知っていたり、それっぽい風貌やファッションを知っていたりします。
この記事では、ロックの象徴する魅力をご紹介していきたいと思います。
- 1 1位「All Along the Watchtower」(アルバム:Electric Ladyland)
- 2 2位「Johnny B. Goode」(アルバム:Hendrix In The West)
- 3 3位「Killing Floor」(アルバム:Jimi Plays Monterey)
- 4 4位「Crosstown Traffic」(アルバム:Electric Ladyland)
- 5 5位「Little Wing」(アルバム:Axis: Bold as Love)
- 6 6位「Day Tripper」(アルバム:BBC Sessions)
- 7 7位「Stone Free」(アルバム:Smash Hits)
- 8 8位「Hey Joe」(アルバム:Smash Hits)
- 9 9位「Fire」(アルバム:Are You Experienced)
- 10 10位「Crash Landing」(アルバム:People Hell & Angels)
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1位「All Along the Watchtower」(アルバム:Electric Ladyland)
■曲名:All Along the Watchtower
■曲名邦題:ウォッチタワー(見張塔からずっと)
■アルバム名:Electric Ladyland
■アルバム名邦題:エレクトリック・レディランド
■動画リンク:「All Along the Watchtower」
この曲をジミ・ヘンドリックスがオリジナルだと思っている人は少なくないかもしれません。
もちろんオリジナルはボブ・ディラン(Bob Dylan)です。
ディランもこう言っています。
ディランはこのカバーを「この曲の権利の半分くらいはヘンドリックスのもの」、「これが公式の完成版」などと絶賛し、コンサートではこれに近いスタイルで演奏することが多くなったという。
そんなディランもかっこいいですけどね。
まずイントロからしてフェロモン過多で、9秒あたりからギターがほとばしっています。
その後のボーカルのスモーキーなこと!
52秒と1:43のギターソロも、最初の一音から半端ありません。
現在この曲はこう評価されていします。
2000年に、イギリスの雑誌「トータル・ギター」が選んだ「これまでで最もすぐれたカヴァー・バージョン」、
及びイギリスの新聞「デイリー・テレグラフ」の音楽評論家が2004年に選出した「ベスト・カヴァー・ソングTOP50」では1位となった。
2位「Johnny B. Goode」(アルバム:Hendrix In The West)
■曲名:Johnny B. Goode
■曲名邦題:ジョニー・B.グッド
■アルバム名:Hendrix In The West
■アルバム名邦題:ヘンドリックス・イン・ザ・ウエスト
■動画リンク:「Johnny B. Goode」
この曲を生んだチャック・ベリー(Chuck Berry)は偉大な人です。
ただ私はこの曲の最高傑作は、このバージョンだと思います。
さて話題は変わりますが、このアルバムには注意が必要です。
というのは、このアルバムは同じ「In The West」でも、古いバージョンと新しいバージョンの2種類があるからです。
一部の曲が違うバージョンに差し替えられていたり、そもそも曲順や収録曲が異なります。
ファンにとってこの違いは、とても気になる問題かもしれません。
というのは古いバージョンのCDは、ジミの最高傑作の1枚と言われているからです。
もし自分が大好きなアルバムがいつの間にか別バージョンになっていたり、曲が差し替えられていたらどう思うでしょうか。
見分け方は、古いバージョンは「Johnny B. Goode」から始まり、新しいバージョンは「The Queen」から始まるということ。
私は最初から古いバージョンの方で買いましたので、逆に新しいバージョンの方を聞いたことがありません。
このアルバムを買う予定の方は、くれぐれも1曲目にご注意ください。
ただこの曲はどちらにも入っていますので、この曲目当ての方はそこまで気にする必要はありません。
3位「Killing Floor」(アルバム:Jimi Plays Monterey)
■曲名:Killing Floor
■曲名邦題:キリング・フロア
■アルバム名:Jimi Plays Monterey
■アルバム名邦題:モンタレー・ポップ・フェスティヴァル・ライヴ
■動画リンク:「Killing Floor」
モンタレーのライブからの選曲です。
モンタレーとは、アメリカのカルフォルニア州にある地名です。
この時ジミはまだアメリカでは無名の存在でした。
しかし彼の出演を主催者に強く訴えた人物がいました。その人物の名は、ポール・マッカートニー(Paul Mccartney)。
ポールはジミが出演しないフェスティバルは考えられないと強く主張し、それが決定打となってジミの出演が了承されました。
またローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)は、既にアメリカで著名な存在でした。
当時のリーダー的存在であったブライアン・ジョーンズは「これまでに聞いた中で最もエキサイティングなパフォーマー」とジミを紹介しました。
大物たちがこぞってジミを大絶賛し、期待が高まった中ジミが登場しました。
そのステージの1曲目がこれです。
大多数の人がこの時初めてジミの音楽を聞いたと思われますが、さぞかし驚いたことでしょうね。
この曲にはイントロから口あんぐりです。
ギターのカッティングがとても鋭利で、津軽三味線的というか、何がどうなっているのか訳が分かりません。
4位「Crosstown Traffic」(アルバム:Electric Ladyland)
■曲名:Crosstown Traffic
■曲名邦題:クロスタウン・トラフィック
■アルバム名:Electric Ladyland
■アルバム名邦題:エレクトリック・レディランド
■動画リンク:「Crosstown Traffic」
このアルバムはスタジオ録音の最高傑作と言われています。
この頃彼は名声を確固なものとしていて、創作上の自由を手に入れていました。
彼はセルフ・プロデュースで、しかも2枚組にする予定でレコーディングを開始しました。
ジミはノエル・レディング(Noel Reddin)のベースに満足できず、多くの曲で自らベースを演奏しています。
ノエルはこの曲ではベースを弾かせてもらえましたが、ジミの厳しい監視下に置かれた演奏だったのだとか。
またドラムのミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)も、一部の曲でバディ・マイルス(Buddy Miles)に演奏を譲っています。
ジミはかなりの完璧主義者だったそうです。
ある時エリック・クラプトン(Eric Clapton)と共演した時にもこんなことがありました。
ヘンドリックスとエリック・クラプトンは、度々セッションを行っていたが、ヘンドリックスから見ると、クラプトンのサイドギターの技術は芳しくなかったらしい。
ヘンドリックスはクラプトンに対し「おまえはギターよりベースを弾いた方がいい」と面と向かって発言し、クラプトンが怒って帰ってしまうということもあったらしい(ノエル・レディングの談話)。
ギターの神様クラプトンにそんなことを言えるのは、この人ぐらいかもしれません。
話を戻しましょう。
彼はこのアルバムでやりたいことを思う存分表現しようとしました。
その結果ジミの音楽はスケールが大きく、多様性を含んだものとなりました。
彼はジャズの帝王マイルス・デイビス(Miles Davis)とロックの巨人フランク・ザッパ(Frank Zappa)という、辛口ご意見番の2人から絶賛されました。
ジミも2人と同様に、総合的なサウンド・クリエイターとしての資質があったようですね。
このアルバムには「ヴードゥー・チャイルド (スライト・リターン)(Voodoo Child (Slight Return))」「リトル・ミス・ストレンジ(Little Miss Strange)」など、他にも多くの名曲が収録されています。
5位「Little Wing」(アルバム:Axis: Bold as Love)
■曲名:Little Wing
■曲名邦題:リトル・ウィング
■アルバム名:Axis: Bold as Love
■アルバム名邦題:アクシス:ボールド・アズ・ラヴ
■動画リンク:「Little Wing」
この曲はスティングのカバー・バージョンでも知られています。
今回はテンション高めの曲を多めに取り上げましたが、スローな曲のジミも最高です。
他には「クライ・オブ・ラブ(Cry of Love)」に収録されている「エンジェル(Angel)」という曲もおすすめです。
さてこちらの「Little Wing」は、まずイントロにご注目ください。
ワイルドなジミが、ここではとろけるようなギターを弾いています。
後は1:40からのギターも鳥肌もの。
ジミにはブルースの曲を集めた「ブルーズ(Blues)」というコンピレーションがありますが、スローの曲だけを集めた編集盤もほしいところです。
絶対需要があると思いますけどね。
6位「Day Tripper」(アルバム:BBC Sessions)
■曲名:Day Tripper
■曲名邦題:デイ・トリッパー
■アルバム名:BBC Sessions
■アルバム名邦題:BBCライヴ
■動画リンク:「Day Tripper」
BBCのライブ音源から選曲しました。
よく出回っている「Radio One」の完全版と言ったら、お分かりいただけるかもしれません。
この曲のオリジナルはビートルズ(The Beatles)です。
私は原曲の良さを認めながらも、こちらのバージョンの方が好きです。
先程からボブ・ディラン、チャック・ベリーなどの曲で、オリジナルを超えたみたいなことを申し上げてきました。
だからといって、総合的にジミが彼らより上と言いたいのではありません。
ただ「ロックンロール」というジャンルはジミの領域であって、その絶対領域では誰もジミには勝てないのではないかという気がしないでもありません。
それはほとんどチートともいえるほどに。
ちなみに彼は史上最高のギタリストと呼ばれています。
没後50年経った現在でも、ロック史上最高のギタリストとして評価されており、
「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第1位、2011年の改訂版でも第1位に選ばれている[1]。
2008年5月にブラジルのメタル専門誌『ROADIE CREW』が行った「HR/HM系ミュージシャンが選ぶギタリスト・ランキング」[2]、
『ギター・マガジン』2010年12月号の「ギター・マガジンが選ぶ! 史上最も偉大なギタリスト100人」で1位となっている。
この種のアンケートの焦点は、誰が2位かということかもしれません。
7位「Stone Free」(アルバム:Smash Hits)
■曲名:Stone Free
■曲名邦題:ストーン・フリー
■アルバム名:Smash Hits
■アルバム名邦題:スマッシュ・ヒッツ
■動画リンク:「Stone Free」
この曲は聞きなれているベスト盤から選びましたが、実はライブで映える曲だと思います。
私は「Songs for Groovy Children:The Fillmore East Concerts」のライブ・バージョンのが、一番のお気に入りです。
ただそちらは15分超と長く、そもそも動画が見つかりませんでした。
彼は他の人の曲を取り上げることが多いのですが、彼は作詞作曲でも才能を発揮しました。
実際この曲もジミが書いています。
さて彼の人柄については、あまり知られていないかもしれません。
彼はワイルドなステージ・パフォーマンスの一方で、人見知りでシャイな性格だったようです。
ただその内向性には抑圧された面があって、それが時々攻撃的な言動として表に出ることがあったようです。
その人の内面を知るには、歌詞を読むのが手っ取り早いかもしれません。
この曲の歌詞では、自分を縛りつけるものに対する反発と、自由になりたいという思いが歌われています。
彼の歌詞を読んでいると、束縛や抑圧されている意識を持った人であることがうかがえます。
だからこそ音楽で自分を解放しようとした感じがします。
8位「Hey Joe」(アルバム:Smash Hits)
■曲名:Hey Joe
■曲名邦題:ヘイ・ジョー
■アルバム名:Smash Hits
■アルバム名邦題:スマッシュ・ヒッツ
■動画リンク:「Hey Joe」
初期は有名曲、ヒット曲が目白押しです。
今回取り上げられなかった曲では「パープル・ヘイズ(Purple Haze)」「風の中のマリー(The Wind Cries Mary)」「フォクシー・レディ(Foxy Lady)」「レッド・ハウス(Red House)」がよく知られています。
それらの多くは、このベスト盤で聞くことができます。
中でもこの曲を選んだのは、私が初めて好きになったジミの曲だからです。
私はジミの良さを理解するのに、少し時間がかかりました。
初めて聞いたのは小学生か中学生ぐらいだと思いますが、当時の私には全く理解できませんでした。
サイケデリックなサウンドやワウを強調したギターの演奏は、クセが強すぎるように感じましたし。
ただこの曲だけはかっこいいなと思っていました。
ちなみに彼は自分のボーカルを下手だと思っていて、あまり自信がなかったそうです。
上手いという表現は適切ではないかもしれません。
ただ高度にスタイリッシュで、声質に深みがあるとは思いますけどね。
そんな彼のスモーキーなボーカルを堪能できる曲です。
9位「Fire」(アルバム:Are You Experienced)
■曲名:Fire
■曲名邦題:ファイア
■アルバム名:Are You Experienced
■アルバム名邦題:アー・ユー・エクスペリエンスト?
■動画リンク:「Fire」
※スタジオバージョンが見つからない為、ライブ音源
彼はアメリカ人ですが、イギリスでデビューしています。
元アニマルズのチャス・チャンドラーが、当時ジミー・ジェームズ・アンド・ザ・ブルー・フレイムズ(Jimmy James And The Blue Flames)というバンドをやっていたジミをスカウトしたのです。
当時の曲のリンクを貼っておきましょう。
Jimi Hendrix (Jimmy James – The Blue Flames) – I’m a Man (1966)
渡英後はサウンド面で少し派手めに変身しました。
ブルースをベースにしたファズやワウを多用した爆音サウンドが、当時のイギリスで大きな評判になりました。
私がジミの音楽がすごいと思うのは、ロックンローラーとしての純度の高さです。
まず先にこういうシンプルな曲でジミの魅力に慣れてから、ライブでの長くひらめきに満ちた即興演奏を聞くといいかもしれません。
10位「Crash Landing」(アルバム:People Hell & Angels)
■曲名:Crash Landing
■曲名邦題:クラッシュ・ランディング
■アルバム名:People Hell & Angels
■アルバム名邦題:ピープル、ヘル & エンジェルズ
■動画リンク:「Crash Landing」
ジミは1966年にデビューして1970年に亡くなっています。
彼の死後は権利関係があいまいなこともあって、粗悪な録音のアルバムが多数リリースされました。
中には明らかに集中力を欠いた演奏もあって、ジミに対する敬意が感じられないものも散見されました。
しかし現在は「エクスペリエンス・ヘンドリックス」という組織がジミの音源を管理していて、粗悪なアルバムは駆逐されつつあります。
また「エクスペリエンス・ヘンドリックス」は、良質な過去音源の発掘もしています
死の直前まで製作していた「ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン(First Rays of the New Rising Sun)」をリリースしました。
そのアルバムには「鏡の部屋(Room Full Of Mirrors)」や「自由(Freedom)」など、聞き逃せない曲が多数収録されています。
今回取り上げたこの曲も「エクスペリエンス・ヘンドリックス」が発掘した音源。
彼らの仕事で賞賛したいのは、著しい音質面の向上です。
ジミはロックンローラーとしては無敵です。
唯一の敵は音質の悪さだけかもしれません。
古い録音は音が団子状態ですので、ある意味迫力はありますが、やはり音が良い方が曲の魅力が伝わりやすいです。
この曲は彼の中でも最上級とは言い難いかもしれません。
ただ元々未発表音源だったこともあり、私は普段着のジミという感じで気に入っています。
「バンド・オブ・ジプシーズ(Band of Gypsys)」の頃から顕著になってきたファンク路線の萌芽も感じますし。
他の曲もこのぐらい鮮明だったったら、どんなに良かっただろうと思います。
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