今回はフォガットのランキングを作成しました。
このバンドは、ハード・ブギ一辺倒のバンドです。
決して器用なバンドではありません。
しかし彼らの音楽には、オールド・ロックの魅力を凝縮したようなところがあります。
どの曲もかっこいいとしか言いようがありません。
- 1 1位「I Just Want to Make Love to You」(アルバム:Foghat)
- 2 2位「Fool for the City」(アルバム:Fool for the City)
- 3 3位「Honey Hush」(アルバム:Energized)
- 4 4位「My Babe」(アルバム:Fool for the City)
- 5 5位「Ride, Ride, Ride」(アルバム:Foghat)
- 6 6位「Easy Money」(アルバム:Stone Blue)
- 7 7位「Take It or Leave It」(アルバム:Fool for the City)
- 8 8位「Rock and Roll Outlaw」(アルバム:Rock and Roll Outlaws)
- 9 9位「Take Me to the River」(アルバム:Night Shift)
- 10 10位「Slow Ride」(アルバム:Live)
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1位「I Just Want to Make Love to You」(アルバム:Foghat)
■曲名:I Just Want to Make Love to You
■曲名邦題:アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー
■アルバム名:Foghat
■アルバム名邦題:フォガット
■動画リンク:「I Just Want to Make Love to You」
彼らはサヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)のメンバーが独立して結成されたバンドです。
サヴォイ・ブラウンからリーダーのキム・シモンズ(Kim Simmonds)を含む4名中、なんと3名が脱退しました。
デビュー時の構成は、以下の通りです。
■サヴォイ・ブラウン脱退組
・トニー・スティーブンス(Tony Stevens):ベース
・ロジャー・アール(Roger Earl): ドラム
・デイヴ・ペヴァレット(Dave Peverett):ギター
※別名:ロンサム・デイヴ(Lonesome Dave)
■新加入
・ロッド・プライス(Rod Price):ギター
4人中3人いるのですから、こちらがサヴォイ・ブラウンと名乗った方がいいかもしれません。
ただサヴォイ・ブラウンもキム・シモンズが踏ん張って立て直しましたし、フォガットも人気バンドになりましから、結果オーライではないでしょうか。
この曲はフォガットのファースト・アルバムの1曲目で、ファースト・シングルでもあります。
まさに名刺代わりの1曲といえるでしょう。
ミディアム~スローで演奏されることの多い曲ですが、攻めの解釈をしていて、とてもかっこいいです。
2位「Fool for the City」(アルバム:Fool for the City)
■曲名:Fool for the City
■曲名邦題:フール・フォー・ザ・シティ
■アルバム名:Fool for the City
■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ
■動画リンク:「Fool for the City」
まず「Fool for the City」というタイトルからして意味不明です。
「for」をどう訳せばいいのかよく分かりませんが、歌詞を読むとシンプルに「都会の愚か者」と訳していいような気がしてきました。
「俺は田舎の少年じゃない」と主張していますし。
都会ではみんな忙しそうにしているけれど、俺はまったりさせてもらうぜみたいな歌詞です。
アルバム・ジャケットもそんな感じに見えますね。
ちなみに写真の人物は、ドラムのロジャー・アールです。
フォガットが所属する事務所近くのストリートで、石鹸箱に座っています。
よく見ると、釣り竿を持っていますね。
そして彼の目の前には、フタの開いたマンホールがあります。
ワカサギ釣りでしょうか(笑)
なんでもベースのニック・ジェイムソン(Nick Jameson)のアイデアだったのだとか。
眠らないまま日曜日の朝を迎えて、そのままノリで撮影したそうです。
この曲はそんな能天気な彼ららしい名曲です。
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)に通じるような乾いたギター・サウンドが、とても心地よい曲ですね。
3位「Honey Hush」(アルバム:Energized)
■曲名:Honey Hush
■曲名邦題:ハニー・ハッシュ
■アルバム名:Energized
■アルバム名邦題:電撃のフォガット
■動画リンク:「Honey Hush」
この曲はヤードバーズ(The Yardbirds)の「トレイン・ケプト・ア・ローリン(Train Kept A-Rollin’)」を改作した曲です。
リフがかなり似ているので、改作ではなくカバー曲のように思えますが。。。
通算3枚目のアルバムで、彼らは成功の過程にありました。
このアルバムは、アメリカのアルバム・チャートで34位を記録しています。
ちなみに彼らはイギリス出身のバンドですが、アメリカでの人気が突出して高く、日本を含めて他の国ではそれほど人気がありません。
アメリカは彼らのような陽性のブルース・ロックが受け入れられやすい土地柄です。
日本でももっと聞かれてほしいですが。
この曲はひたすらギターのリフで押していく、とても痛快な曲です。
ちなみにアルバムの邦題は「電撃のフォガット」ですが、原題「Energized」は「元気づけられる」という意味です。
まさしくそんな感じの曲ではないでしょうか。
4位「My Babe」(アルバム:Fool for the City)
■曲名:My Babe
■曲名邦題:マイ・ベイブ
■アルバム名:Fool for the City
■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ
■動画リンク:「My Babe」
彼らの最高傑作といわれることが多いアルバムです。
彼らの音楽は、ストレートなブギ・サウンドが特徴です。
ブギとは何か、以下に引用しておきましょう。
ブギ(boogie)とはスウィングまたはシャッフルのリズムによる反復フレーズでありブルース、スウィング・ジャズ、ロックンロールなどの音楽で用いられる。ブギーとも表記される。
言葉では伝わってこないかもしれません。
感覚的な話なので人によっては違う思うかもしれませんが、私はこの曲の冒頭30秒までの演奏が、ブギという感じがします。
ザックザック反復している感じといいますか。
このバンドの場合はハードロック色が強いこともあって、ハード・ブギと呼ばれたりもします。
ただ土台にはブルースがあって、この曲でも2:08からブルースっぽいギターソロを聞かせてくれています。
このバンドの主要成分は、ハードロック + ブギ + ブルースかもしれません。
5位「Ride, Ride, Ride」(アルバム:Foghat)
■曲名:Ride, Ride, Ride
■曲名邦題:ライド・ライド・ライド
■アルバム名:Foghat
■アルバム名邦題:フォガット(ロックン・ロール)
■動画リンク:「Ride, Ride, Ride」
このセカンド・アルバムの原題は「Foghat」です。
ファーストアルバムと同じタイトルで区別できないことから、通称「ロックンロール」と呼ばれています。
2作連続で同じタイトルとは、とてもまぎわらしいですよね。
アルバムタイトルを考えるのが面倒だったのでしょうか(笑)
また「ロックンロール」という通称も、私だったら「石とパン」とでも呼びたいところですけどね。
それはさておき、このセカンド・アルバムはファーストの音楽性を、そのまま引き継いでいます。
彼らが活躍した1970年代は、音楽の進歩が著しい時代でした。
多くのアーティストが変化に合わせて、適宜時代に合わせていました。
一方このバンドは判で押したように、ずっとこの調子です。
1979年の「Boogie Motel」で少しポップになるまで、8枚のアルバムほぼ全てがこんな曲ばかりです。
彼らはワンパターンなバンドだと言われますが、私は否定しません。
むしろそこがいいと答えることでしょう。
6位「Easy Money」(アルバム:Stone Blue)
■曲名:Easy Money
■曲名邦題:イージー・マネー
■アルバム名:Stone Blue
■アルバム名邦題:ストーン・ブルー
■動画リンク:「Easy Money」
このアルバムが発売されていた1978年、彼らは古い化石みたいな存在だと思われていました。
世間ではパンク・ロックが勃興して、とかく古いロック・バンドは否定されがちでした。
もしかしたら彼らもこの曲で、少しパンクを意識したのかもしれません。
このアルバムはそれほど注目されませんが、内容的にはとても充実しています。
ただ同時にその後の低迷を予感させる部分も感じられますが。
このアルバムからもう一曲ご紹介しておきましょう。
とてもよくできた曲なのですが、このバンドの場合「よくできた」ということが問題です。
上記の曲は、少し型にはまっているというか、優等生的な感じがしないでもありません。
このバンドの魅力は、天然で作為のないところです。
彼らは「Fool for the City」のジャケットのように、時には単なる思いつきで暴走するようなところもあります。
ちなみにバンド名は「fog」+「hat」つまり「霧の帽子」という意味です。
これも単なる言葉遊びらしいのですが、大事なはずのバンド名を決める時でさえこんな調子です。
こういうバンドは小さくまとめず、彼らの本能に任せておくべきかもしれません。
7位「Take It or Leave It」(アルバム:Fool for the City)
■曲名:Take It or Leave It
■曲名邦題:テイク・イット・オア・リーヴ・イット
■アルバム名:Fool for the City
■アルバム名邦題:フール・フォー・ザ・シティ
■動画リンク:「Take It or Leave It」
ここまでハード・ブギな曲をご紹介しました。
しかし時々はバラードで変化を付けた方が、ハード・ブギな曲もより引き立つかもしれません。
さて彼らはデビュー以来、ずっと同じメンバーで、同じようなアルバムをつくり続けてきました。
レーベルも一貫してベアズヴィル・レコード(Bearsville Records)ですし。
しかしこのアルバムでは、初めてメンバーチェンジがありました。
ベースが「Rock and Roll Outlaws」でプロデューサーを務めたニック・ジェイムソン(Nick Jameson)になりました。
しかし次のアルバムでは、クレイグ・マクレガー(Craig MacGregor)に交代しています。
結局ニック・ジェイムソンは、このアルバム限りとなりましたが、彼の忘れ形見として記憶しておきたいのがこの曲です。
肉料理みたいな曲の中で、デザートみたいな役割を果たしている曲かもしれません。
8位「Rock and Roll Outlaw」(アルバム:Rock and Roll Outlaws)
■曲名:Rock and Roll Outlaw
■曲名邦題:ロックン・ロール・アウトロー
■アルバム名:Rock and Roll Outlaws
■アルバム名邦題:ロックン・ロール・アウトロー
■動画リンク:「Rock and Roll Outlaw」
彼らの特徴は、ツイン・リード・ギターです。
ロンサム・デイヴとロッド・プライスというギターの2人が、このバンドの看板といえるでしょう。
ツイン・リードなので、どちらもギターソロを弾くのだと思われます。
正直私は2人の演奏を聞き分けられませんが、一つはっきりしていることがあります。
それは豪快なスライド・ギターを弾いているのが、ロッド・プライスということ。
この曲でも2:52にスライドっぽいフレーズで曲を勢いづけているのが、ロッドかなと思います。
録音が悪いので少し聞こえにくいですが。
2本のギターが入っているメリットは、2本のギター間の妙味が味わえることです。
彼らはリフがすばらしいのですが、そこに絡むギターソロも実に聞きごたえがあります。
9位「Take Me to the River」(アルバム:Night Shift)
■曲名:Take Me to the River
■曲名邦題:テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー
■アルバム名:Night Shift
■アルバム名邦題:ナイト・シフト
■動画リンク:「Take Me to the River」
この曲はアル・グリーン(Al Green)のカバー曲です。
ちなみにこの曲名で検索すると、検索の1位はトーキング・ヘッズの曲が出てきます。
Talking Heads – Take Me To The River
フォガットとは全然タイプが違いますね。
さて先程フォガットは、ブルース・ロックだと申し上げました。
昔の私は、ZZトップやフォガットのようなグループを、ブルース・ロックと呼ぶことに違和感がありました。
黒人のブルース・メンの演奏とはかなり違うように感じられましたし、ただ単にロックではないのかと。
そんなことをふと思い出しました。
しかし今の自分で回答するとしたら、ギターがブルースを弾いていれば、ブルースだということです。
この曲でも2:29からのギターソロは、まさしくブルースですし。
また3:31からのギターソロも、大変すばらしい出来です。
ソウルの名曲をブルース・ロックとして、すばらしい解釈をしていると思います。
10位「Slow Ride」(アルバム:Live)
■曲名:Slow Ride
■曲名邦題:スロー・ライド
■アルバム名:Live
■アルバム名邦題:フォガット・ライヴ
■動画リンク:「Slow Ride」
1970年代のロックバンドは、必ずライブの代表作がありました。
彼らもこのライブ・アルバムが、アルバム・チャートの11位まで駆け上がり、最大のヒットを記録しています。
前半のレイドバックしたノリも良いのですが、この曲は後半の狂い方が聞きどころです。
この曲は「Fool for the City」に収録されている方がオリジナルですが、今回はこちらのライブ・バージョンの方を選んでみました。
特に7:08からのギターの演奏は、今のロックに聞きなれている人には、無駄に熱いとしか思えないかもしれません。
しかしこうした無軌道な熱狂こそが、オールド・ロックの醍醐味ではないでしょうか。
豪快で、男くさく、粗く、力技で、本能まかせの音楽。
古くさいと思う人もいるでしょう。
実際、細部では古びている部分もあるかもしれません。
しかし音楽そのものが持つ生命力は、いまだ格別な曲ではないでしょうか。
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