今回はリンゴ・スターのランキングを作成しました。
この記事では彼の曲をご紹介しつつ、私なりに彼の強みと弱みを整理してみました。
彼は自分の弱みを的確に把握し、強味をもって克服した人でした。
あと意外と彼は不遇な時期が長いですが、それを乗り越えた経緯についても触れています。
- 1 1位「Photograph」(アルバム:Ringo)
- 2 2位「You Don’t Know Me At All」(アルバム:Ringo’s Rotogravure)
- 3 3位「Have You Seen My Baby」(アルバム:Ringo)
- 4 4位「You Always Hurt The One You Love」(アルバム:Sentimental Journey)
- 5 5位「In My Car」(アルバム:Old Wave)
- 6 6位「What Goes Around」(アルバム:Time Takes Time)
- 7 7位「La De Da」(アルバム:Vertical Man)
- 8 8位「Tonight」(アルバム:Bad Boy)
- 9 9位「You Belong To Me」(アルバム:Stop And Smell The Roses)
- 10 10位「Only You (And You Alone)」(アルバム:Goodnight Vienna)
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1位「Photograph」(アルバム:Ringo)
■曲名:Photograph
■曲名邦題:想い出のフォトグラフ
■アルバム名:Ringo(1973年)
■アルバム名邦題:リンゴ
■動画リンク:「Photograph」
このアルバムでは、リンゴ以外のビートルズ(The Beatles)のメンバー3人が参加しています。
まるでリンゴを通じて、ビートルズが疑似再結成しているかのよう。
実際このアルバムに収録された「アイム・ザ・グレーテスト(I’m the Greatest)」では、ジョン・レノン(John Lennon)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)が参加していて、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)を除く3人が集結しています。
Ringo Starr – I’m The Greatest
ただポール・マッカートニーも違う曲を提供しています。
一方この「Photograph」でリンゴと共作しているのは、ジョージ・ハリスン。
ファンならご存じのようにリンゴはビートルズの中で緊張感を和らげたり、バランサーとしての役割を果たしました。
意外に思われるかもしれませんが、ビートルズ末期最初に脱退宣言したのはリンゴです。
しかし他の3人はあわててリンゴを引き留めて、結局リンゴは脱退を撤回することになりました。
その時スタジオを花で飾り、戻ったリンゴを祝福したのがジョージです。
2人の友情はビートルズ解散後も続き、全米1位になったこの曲として結実しました。
2位「You Don’t Know Me At All」(アルバム:Ringo’s Rotogravure)
■曲名:You Don’t Know Me At All
■曲名邦題:ユー・ドント・ノウ・ミー・アット・オール
■アルバム名:Ringo’s Rotogravure(1976年)
■アルバム名邦題:リンゴズ・ロートグラヴィア
■動画リンク:「You Don’t Know Me At All」
リンゴは自分に曲を書く才能がないことを自覚していたようです。
ちなみにビートルズ時代に彼が単独で書いたのは、以下の2曲のみ。
The Beatles – Don’t Pass Me By
The Beatles – Octopus’s Garden
その後ソロ活動でも彼は同じ方法を採用しました。
それはビートルズの元メンバーや外部ライターに曲を提供してもらって、自分は歌とドラムに専念すること。
リンゴは良いシンガーでドラマーですから、良い曲さえあれば作品の質は保証されたようなもの。
こういう時は人脈と人徳がものを言います
このアルバムで彼は3曲で共作者としてクレジットされていますが、単独名義の曲はありません。
次作「ウィングズ〜リンゴ IV(Ringo the 4th)」では元メンバーの曲がなくなり、リンゴ中心で曲を書きましたが、そのせいかセールス的に大惨敗でした。
3位「Have You Seen My Baby」(アルバム:Ringo)
■曲名:Have You Seen My Baby
■曲名邦題:ハヴ・ユー・シーン・マイ・ベイビー
■アルバム名:Ringo(1973年)
■アルバム名邦題:リンゴ
■動画リンク:「Have You Seen My Baby」
リンゴの最高傑作は、このアルバム一択です。
とにかく良い曲がそろっていて、ビートルズの元メンバーのソロ・アルバムを含めても上位といえるすばらしい出来です。
この曲はランディ・ニューマン(Randy Newman)が書いた曲。
さて彼はドラムの名手だと言われていますが、一体どこがすごいのでしょうか。
時々ビートルズは演奏が下手という意見を見かけることがあります。
しかしそういう人はテクニック面を重視しすぎているかもしれません。
ポール・マッカトニーのベース・ラインには目を見張るものがあります。
またジョン・レノンやジョージ・ハリスンは短所があっても、それ以上に長所が上回るタイプのプレイヤーでした。
それを下手だと言ってしまうのは、いささか乱暴かもしれません。
その中でリンゴは欠点が少なく曲に合った、しかも独特のグルーヴ感を持った人でした。
バランスの中で上手く機能する、職人タイプといえるかもしれません
そういえば彼の息子のザック・スターキー(Zak Starkey)も、タイプは違っても良いドラマーですね。
4位「You Always Hurt The One You Love」(アルバム:Sentimental Journey)
■曲名:You Always Hurt The One You Love
■曲名邦題:あなたはいつも
■アルバム名:Sentimental Journey(1970年)
■アルバム名邦題:センチメンタル・ジャーニー
■動画リンク:「You Always Hurt The One You Love」
ファースト・アルバムの曲です。
先程私はリンゴは作曲が得意ではないと自己認識していると書きました。
もちろんビートルズ時代の2曲だけで充分という気もしますが。
このソロデビュー・アルバムは、ジャズなどのスタンダード・ナンバーを歌っています。
その企画は高く評価されイギリスのアルバム・チャートで7位、アメリカでも22位を記録しました。
スタンダード・ナンバーは多くの人に歌われることが前提なので、彼の歌は自然と他のシンガーと比較されたはずです。
その結果良いシンガーであることを再確認した人も多かったのではないでしょうか。
彼が書いた曲ではありませんが、ビートルズ時代もイエロー・サブマリンでも曲に合った歌を聞かせてくれました。
The Beatles – Yellow Submarine
ただ同じく企画色が強い次作「カントリー・アルバム(Beaucoups of Blues)」は売れませんでした。
その後ビートルズの元メンバーの力を借りて製作されたのが、先程ご紹介した「Ringo」です。
5位「In My Car」(アルバム:Old Wave)
■曲名:In My Car
■曲名邦題:イン・マイ・カー
■アルバム名:Old Wave(1983年)
■アルバム名邦題:オールド・ウェイヴ
■動画リンク:「In My Car」
彼は「Ringo the 4th」から低迷期に入りました。
「Ringo the 4th」がリリースされたのは、セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のデビュー作と同じ1977年のこと。
パンクは時代の空気を一新しました。
一方リンゴの低迷期は予想外に長く続き「Bad Boy」「Stop and Smell the Roses」も売れませんでした。
その次の「Old Wave」に至っては、アメリカとイギリスで発売を見送られるという屈辱的な扱いを受けています。
ちなみに「Old Wave」が発売された1983年は「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」がシーンを席巻していました。
「Old Wave」というアルバム名は「ニューウェーヴ(New Wave)」に対する自虐だったかもしれません。
リンゴ・スターの魅力は、カントリーやオールディーズなど古き良き部分です。
1970年代後半から1980年代前半のシーンの変化は、そういう彼の魅力を反転させてしまいました。
6位「What Goes Around」(アルバム:Time Takes Time)
■曲名:What Goes Around
■曲名邦題:ホワット・ゴーズ・アラウンド
■アルバム名:Time Takes Time(1992年)
■アルバム名邦題:タイム・テイクス・タイム
■動画リンク:「What Goes Around」
このアルバム」は「Old Wave」から9年後に発売されましたが、チャート圏外と散々でした。
その9年間彼の生活はかなりすさんでいたようです。
しかし1989年に施設入ってアルコール中毒を克服すると、同年彼はリンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドを結成しました。
彼はそのバンドを率いて、初めての世界ツアーに挑戦しました。
その後1992年にリリースされたのがこのアルバム。
このアルバムもやはりチャート圏外と売れませんでしたが、音楽に明るい表情を感じます。
今の時代に合わせて生き延びようという意志も。
特にこの曲には、まだまだ俺は終われないという意気込みを感じます。
7位「La De Da」(アルバム:Vertical Man)
■曲名:La De Da
■曲名邦題:ラ・ディ・ダ
■アルバム名:Vertical Man(1998年)
■アルバム名邦題:ヴァーティカル・マン〜リンゴズ・リターン
■動画リンク:「La De Da」
今回の記事では幅広い期間に渡る彼のキャリア全般を対象にしました。
あと初期のアルバム以外聞いていない方が一定数いらっしゃると思いますし。
それと彼が復活した経緯も書きたいと思いました。
さてリンゴの音楽は、100点狙いの傑作みたいな音楽とは少し趣きが異なります。
いい具合に力が抜けていて、100点ではない佳作狙いみたいなところが逆に魅力的かもしれません。
たとえばこの曲もその1つ。
この曲を選んだ私でさえも傑作とは言いません。
ただ、こういう雰囲気は彼らしく良いなと思うのですね。
そうした彼の雰囲気、特にユーモア感覚はビートルズ時代から人を惹きつけるものがありました。
8位「Tonight」(アルバム:Bad Boy)
■曲名:Tonight
■曲名邦題:素敵なトゥナイト
■アルバム名:Bad Boy(1978年)
■アルバム名邦題:バッド・ボーイ
■動画リンク:「Tonight」
さてリンゴ・スターは著名なドラマーです。
もしかしたら世界一有名なドラマーかもしれません。
日本でも「にゃんごすたー」というゆるキャラのドラマーがいるほど。
ただリンゴ・スターは芸名で、本名はリチャード・スターキー(Richard Starkey)です。
なぜリンゴ・スターになったのか引用しておきましょう。
ロリー・ストーム&ハリケーンズ在籍中、スターは両手にいくつもの指輪を付けていたのでリングズ(Rings)と呼ばれていた。リンゴ・キッドに憧れていたスターはリンゴ(Ringo)・スターキーと名乗り始め、やがて正式にリンゴ・スターと改名した。一方、楽曲の作者の名義にはリチャード・スターキーの氏名を用いた。
このアルバム・ジャケットは、成功者らしい人が沢山の指輪をしていますね。
ただアルバム名の「Bad Boy」、そしてこのアルバム・ジャケットはリンゴのイメージとは少し違うかもしれませんが。
9位「You Belong To Me」(アルバム:Stop And Smell The Roses)
■曲名:You Belong To Me
■曲名邦題:ユー・ビロング・トゥ・ミー
■アルバム名:Stop And Smell The Roses(1981年)
■アルバム名邦題:バラの香りを
■動画リンク:「You Belong To Me」
私の考える彼のセールス上の低迷期は、1977年から1992年です。
このアルバムは1981年にリリースされました。
つまり低迷期のど真ん中に発表されたのですね。
この時期は彼にとって大変辛い時期でした。
セールスの不振を理由にレコード会社から契約を打ち切られたり、離婚してから独り身になってから大病をを患い、一時は危篤状態に陥りました。
更にはロサンゼルスにある自宅が全焼したりなど、まさにどん底の極み。
そもそも子供の頃から彼は度々病気で長期間学校を休むことになり、最終的にドロップアウトすることになりましたし。
しかし現在の彼は富と名声の両方を手にしています。
彼は、1988年にビートルズとして、2015年にソロ アーティストとして、ロックの殿堂入りを2回果たした[5]。2020年、彼は世界で最も裕福なドラマーとして引用され、純資産は3億5000万ドルであった[6]。
現在は出すアルバムもそれなりに売れています。
一方低迷期には、ビートルズの元メンバーなのにアルバムを発売してもらえないなどの屈辱も受けました。
どうやら起伏に富んだ彼の人生は、ハッピーエンドで終わりそうです。
10位「Only You (And You Alone)」(アルバム:Goodnight Vienna)
■曲名:Only You (And You Alone)
■曲名邦題:オンリー・ユー
■アルバム名:Goodnight Vienna(1974年)
■アルバム名邦題:グッドナイト・ウィーン
■動画リンク:「Only You (And You Alone)」
プラターズの有名曲のカバーです、
この曲を提案したのはジョン・レノンとのこと。
提案をそのまま受け入れるあたり、リンゴは素直な人なのかなと思います。
思えばビートルズの他の3人はこだわりが強い反面、エゴが強めなところがありました。
しかしバンドの最年長者であるリンゴは、そういうところを感じません。
ちなみにこのアルバムには、当時ジョン・レノンと一緒に飲んだくれていたハリー・ニルソン(Harry Nilsson)からも曲の提供を受けています。
リンゴはビートルズの元メンバーだけでなく、様々な人に曲の提供を依頼していますが、いつも受け入れられています。
この曲を提案したジョンは、ベーシック・トラックまで制作しました。
リンゴは天性の人たらしなのかなと思います。
そうした良い関係性を築ける彼の長所は、楽器間で輝く彼のドラミングにも表れているかもしれません。
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