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ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジェファーソン・エアプレインのランキングを作成しました。

彼らの曲にはヒッピー文化らしい理想主義がうかがえます。

「あなただけを(Somebody to Love)」以外にも良い曲が沢山あります。

 

1位「Watch Her Ride」(アルバム:After Bathing at Baxter’s)

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■曲名:Watch Her Ride
■曲名邦題:ウォッチ・ハー・ライド
■アルバム名:After Bathing at Baxter’s(1967年)
■アルバム名邦題:アフター・ベイジング・アット・バクスターズ(ヒッピーの主張)
■動画リンク:「Watch Her Ride」

アルバムタイトルの「After Bathing at Baxter’s」の「Baxter」とは、ドラッグのことです。

つまり「ドラッグ漬けの後」というアルバム名です。

ちなみに当時の邦題は「ヒッピーの主張」だったのだとか(笑)

鳥山明が描いたような飛行機のイラストもいい感じですね。

彼らはアルバム邦題の通り、ヒッピー・カルチャーの影響下にあります。

ヒッピー文化では「平等」という概念がとても重要ですが、彼らの活動にはその痕跡がうかがえます。

さてこの曲はイントロのギターのカッティングと口笛がクールですね。

このバンドはギタリストが多いのですが、以下のような分担になっています。

・ヨーマ・カウコネン(Jorma Kaukonen):リード・ギター
・ポール・カントナー(Paul Kantner):リズム・ギター
・マーティ・バリン(Marty Balin):リズム・ギター

ちなみにボーカルはもっと多くて、上の全員とグレイス・スリック(Grace Slick)を入れて4人います。

つまりリズム陣以外のメンバーは流動的にギターを弾き、誰もが歌える体制でした。

彼らの思想はこういうところにも表れています。

 

2位「Have You Seen the Saucers?」(アルバム:Thirty Seconds Over Winterland)

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■曲名:Have You Seen the Saucers?
■アルバム名:Thirty Seconds Over Winterland(1973年)
■アルバム名邦題:サーティ・セカンズ・オーヴァー・ウィンターランド
■動画リンク:「Have You Seen the Saucers?」

1973年にリリースされたライブ盤からの選曲です。

注目度が低い時期の作品ですし、スタジオ・バージョンは「Early Flight」という未発表曲集にしか収録されていません。

いわゆる隠れ名曲というわけですが、なかなか良い曲だと思います。

イントロから、エモーショナルで絡みつくようなギターが炸裂していますね。

ボブ・ディラン(Bob Dylan)の「見張塔からずっと(All Along the Watchtower)」に少し似た雰囲気の曲かもしれません。

ただこの頃はセールス的に徐々に下降しつつあって、メンバーの気持ちもバンドから離れつつありました。

このアルバムの後、ヨーマ・カウコネンとジャック・キャサディ(Jack Casady)というホットツナ(Hot Tuna)組が脱退したことにより、バンドを解散することになりました。

とはいえこのアルバムの出来はとても良く、有終の美を飾ったといえます。

 

3位「We Can Be Together」(アルバム:Volunteers)

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■曲名:We Can Be Together
■曲名邦題:ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー
■アルバム名:Volunteers(1969年)
■アルバム名邦題:ヴォランティアーズ
■動画リンク:「We Can Be Together」

彼らの最高傑作として有名なのは「Surrealistic Pillow」ですが、私はこのアルバムを推します。

このアルバムでは彼らの理想が高らかに歌われていて、メッセージ性の面でも代表作といえます。

ちなみにアルバム名の「Volunteers」とは、日本語で言うボランティアのことではありません。

志願する人という意味です。

おそらく「(反戦運動の)志願者」という意味ではないかと思います。

歌詞を意訳してみましょう。

私たちは普通のアメリカ人から見たら、無法者

私たちは団結し、仲間にならなければいけない

私たちは、今ここから始めなければいけない

だから壁を壊そう

一緒にやってみませんか?

彼らは1960年代後期のカウンター・カルチャーを象徴するバンドです。

理想主義の強いバンドだといってもいいでしょう。

あのピーター・バラカンも、このバンドのメッセージに感動したことがあるそうです。

 

4位「Embryonic Journey」(アルバム:Surrealistic Pillow)

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■曲名:Embryonic Journey
■曲名邦題:旅する前に
■アルバム名:Surrealistic Pillow(1967年)
■アルバム名邦題:シュールリアリスティック・ピロー
■動画リンク:「Embryonic Journey」

ヨーマ・カウコネンによるギター・ソロの曲です。

元々はアルバム用として書いた曲ではないようですが、他メンバーからすすめられてアルバムに収録することになったのだとか。

彼らは互いにエゴがぶつかり合うことが多かったのですが、こういう一面もあります。

「Embryonic」とは「萌芽」という意味ですから「Embryonic Journey」とは「旅に出たい気持ちが芽生えた」みたいな感じでしょうか。

アコースティック・ギターの調べがとても美しい曲です。

この時代のロック・バンドは良いギタリストがいないと、一流とはいえませんでした。

しかしその点このバンドにはヨーマがいました。

ヨーマはローリングストーン誌の「グレイテスト・ギタリスト」のランキングで54位と、とても高く評価されています。

ちなみにジェファーソン・エアプレインというバンド名は、ヨーマがジャニス・ジョップリン(Janis Joplin)と一緒に活動していた頃、仲間が付けた名前なのだそうです。

 

5位「The Other Side of This Life」(アルバム:Bless Its Pointed Little Head)

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■曲名:The Other Side of This Life
■曲名邦題:人生の裏側
■アルバム名:Bless Its Pointed Little Head(1969年)
■アルバム名邦題:フィルモアのジェファーソン・エアプレイン
■動画リンク:「The Other Side of This Life」

彼らは当時サンフランシスコを代表するバンドでした。

サンフランシスコには、フィルモア・イーストとフィルモア・ウェストという、有名な2つのライブハウスがありました。

このアルバムは、その2会場で行われたライブの模様を収録したライブです。

冒頭から2本のギターの絡みが続き、なかなか歌が始まりません。

1:46になってようやく歌が始まります。

しかしイントロが長くても全然退屈しません。

むしろオールド・ロックの醍醐味を、ギュっと凝縮したイントロだと思います。

3:21からギターソロが入りますが、私などは歌のパートよりも耳をそばだててしまいますし。

この曲はアシッド・フォークの奇才フレッド・ニール(Fred Neil)が書いた曲で、ここではブルース・ロック的な解釈が施されています。

 

6位「A Song for All Seasons」(アルバム:Volunteers)

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■曲名:A Song for All Seasons
■曲名邦題:ア・ソング・フォー・オール・シーズン
■アルバム名:Volunteers(1969年)
■アルバム名邦題:ヴォランティアーズ
■動画リンク:「A Song for All Seasons」

私的名曲枠で選んだ曲です。

ハート・ウォーミングなコーラスを聞いていただきたいと思いました。

グレイスによるオールド・タイミーなピアノも心温まります。

彼女はシンガー、ピアノ、作曲など、多方面に才能を発揮していました。

彼らは自由奔放なバンドですが、彼女は更にそれを加速しました。

彼女のボーカルは時に奔放すぎて、他のメンバーから自分が歌っている時はおとなしくするよう言われたりしています。

そうした奔放さは私生活でも同じでした。

バンド在籍時彼女は既婚者でしたが、彼女はマーティ・バリン以外メンバー全員と肉体関係を持っていたそうです。

またテレビの生放送で「マザーファッカー」という放送禁止用語を初めて言った人ですし。

ただ当時の彼女はジャニス・ジョップリンと並んで、新しい女性像を象徴する存在でした。

 

7位「Young Girl Sunday Blues」(アルバム:After Bathing at Baxter’s)

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■曲名:Young Girl Sunday Blues
■曲名邦題:ヤング・ガール・サンデー・ブルース
■アルバム名:After Bathing at Baxter’s(1967年)
■アルバム名邦題:アフター・ベイジング・アット・バクスターズ
■動画リンク:「Young Girl Sunday Blues」

彼らはイントロでリスナーを魅了する曲が多いのですが、この曲はその筆頭と言えます。

彼らはお行儀が良い人たちではありません。

音楽から受ける印象そのままかもしれません。

実際このアルバムのレコーディング時、スタジオは傍若無人な状況だったそうです。

メンバーは各自好き勝手に行動し、ドラッグに耽溺したり、ヒッピー仲間をスタジオに出入りさせたそうです。

そんな状況でも、プロデューサーのアル・シュミット(Al Schmitt)が孤軍奮闘し、どうにかアルバムが出来上がりました。

ただこのカオスな中でバンド内の力関係に変化があったようです。

以前はマーティ・バリンがリーダー格でしたが、この頃からはポール・カントナーがバンドの中心になりました。

また女傑グレイス・スリックも、バンド内の立場をより強固にしました。

 

8位「Star Track」(アルバム:Crown of Creation)

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■曲名:Star Track
■曲名邦題:スター・トラック
■アルバム名:Crown of Creation(1968年)
■アルバム名邦題:創造の極致
■動画リンク:「Star Track」

彼らの作品で最も個性的で内省的なアルバムです。

売れ線の音楽とは言えませんが、全米6位と大ヒットしました。

この頃の彼らは、商業的には説明がつかない魅力があったように思います。

彼らはその後もジェファーソン・スターシップ(Jefferson Starship)やスターシップ(Starship)とバンド名に変えていき、バンドを存続させました。

ジェファーソン・スターシップはともかく、スターシップの頃には曲は良くても独自の個性が失われていったように思います。

さてこの曲のどこがいいかと聞かれたら、少し説明が難しいかもしれません。

アウトローっぽい雰囲気といいますか(笑)

クエンティン・タランティーノの映画に使われそうな感じが、とてもかっこいい曲です。

1:16からヨーマのギターソロも耳をそばだてるものがありますね。

ヨーマはこの曲でリード・ボーカルを取っており、彼の曲といえるかもしれません。

 

9位「Somebody to Love」(アルバム:Surrealistic Pillow)

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■曲名:Somebody to Love
■曲名邦題:あなただけを
■アルバム名:Surrealistic Pillow(1967年)
■アルバム名邦題:シュールリアリスティック・ピロー
■動画リンク:「Somebody to Love」

グレイス・スリックは元々グレート・ソサエティ(Great Society)というバンドに在籍していました。

この曲は彼女の義理の兄、ダービー・スリック(Darby Slick)が書いた曲で、前所属バンドのレパートリーでした。

オリジナル・バージョンのリンクを貼っておきましょう。

The Great Society – Someone to Love –

ジェファーソン・エアプレインは「テイク・オフ(Takes Off)」でアルバム・デビューしましたが、その頃はまだグレイスがいませんでした。

次作のこのアルバムでグレイスが加入し、アルバム、シングル共に初のトップテン・ヒットを記録しました。

またグレイスは「ホワイト・ラビット(White Rabbit)」も書いていて、そちらも大ヒットしています。

有名曲ですので、リンクだけ貼っておきましょう。

Jefferson Airplane – White Rabbit

正直私は今一つ良さが分からない曲ですが。

 

10位「When the Earth Moves Again」(アルバム:Bark)

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■曲名:When the Earth Moves Again
■曲名邦題:大地が再び動く時
■アルバム名:Bark(1971年)
■アルバム名邦題:バーク
■動画リンク:「When the Earth Moves Again」

ジャケットの「JA」は一瞬農協が思い浮かびますが、おそらくバンド名の略だと思います

彼らは男女混成コーラスが特徴のバンドです。

一般的にコーラスが用いられるのはサビなど一部だけが多いのですが、彼らは終始みんなで歌っている曲も少なくありません。

それはヒッピー文化の影響ゆえかもしれません。

しかもそのコーラスは正確に合わせようという感じではなく、かなりおおざっぱでラフです。

ただその分人の声中心のとても人間らしい音楽になったかもしれません。

彼らはこのアルバムの前に、自らのインディーズレーベル「Grunt(グラント)」を設立し、その後この作品をリリースしています。

ただその頃からメンバーのソロ活動が活発になりました。

この後彼らは「ロング・ジョン・シルヴァー(Long John Silver)」の後、ジェファーソン・エアプレインとしては一度解散することになりました。

 

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