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ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジェファーソン・エアプレインのランキングを作成しました。

彼らは精神的な部分の魅力が大きいバンドかもしれません。

曲の端々に理想主義的な考え方が伺えます。

また彼らは有名曲「あなただけを(Somebody to Love)」ばかりが取り上げられがちですが、それ以外にも良い曲がたくさんあります。

人間らしさあふれる曲をご堪能ください。

 

1位「Watch Her Ride」(アルバム:After Bathing at Baxter’s)

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■曲名:Watch Her Ride
■曲名邦題:ウォッチ・ハー・ライド
■アルバム名:After Bathing at Baxter’s
■アルバム名邦題:アフター・ベイジング・アット・バクスターズ(ヒッピーの主張)
■動画リンク:「Watch Her Ride」

アルバムタイトルの「After Bathing at Baxter’s」の「Baxter」とは、ドラッグのことです。

つまり「ドラッグ漬けになった後」というようなアルバム名です。

ちなみに当時の邦題は「ヒッピーの主張」だったとか。

鳥山明が書いたような飛行機のイラストもいい感じですね。

彼らはヒッピー・カルチャーの影響下にあります。

ヒッピー文化では、平等という概念がとても重要なのだそうです。

この曲はイントロのギターのカッティングの背後で流れる口笛がクールですね。

このバンドはギタリストが多いのですが、以下のような分担になっています。

・ヨーマ・カウコネン(Jorma Kaukonen):リード・ギター
・ポール・カントナー(Paul Kantner):リズム・ギター
・マーティ・バリン(Marty Balin):リズム・ギター

ちなみにボーカルはもっと多くて、上の全員とグレイス・スリック(Grace Slick)を入れて、4人もいます。

つまりリズム以外誰もがギターを弾き、誰もが歌える体制になっているというわけです。

彼らの思想は、こういうところにも表れているかもしれません。

 

2位「Have You Seen the Saucers?」(アルバム:Thirty Seconds Over Winterland)

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■曲名:Have You Seen the Saucers?
■アルバム名:Thirty Seconds Over Winterland
■アルバム名邦題:サーティ・セカンズ・オーヴァー・ウィンターランド
■動画リンク:「Have You Seen the Saucers?」

1973年にリリースされたライブ・アルバムからの選曲です。

ジェファーソン・エアプレインなら大体聞いているよという方でも、ご存知ない曲かもしれません。

注目度が低い時期のライブ・アルバムですし、スタジオ・バージョンは「Early Flight」という未発表曲集にしか収録されていません。

いわゆる隠れ名曲ですが、なかなか良い曲だと思います。

イントロから、エモーショナルで絡みつくようなギターが炸裂していますね。

ボブ・ディラン(Bob Dylan)の「見張塔からずっと(All Along the Watchtower)」に似た雰囲気の曲かもしれません。

ただこの頃はセールス的に徐々に下降していた時期で、メンバーの気持ちも離れつつありました。

このアルバムの後に、ヨーマ・カウコネンとジャック・キャサディ(Jack Casady)というホットツナ(Hot Tuna)組が脱退したことにより、バンドを解散することになりました。

とはいえこのアルバムの出来はとても良く、有終の美を飾ったといえます。

 

3位「We Can Be Together」(アルバム:Volunteers)

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■曲名:We Can Be Together
■曲名邦題:ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー
■アルバム名:Volunteers
■アルバム名邦題:ヴォランティアーズ
■動画リンク:「We Can Be Together」

彼らの最高傑作として有名なのは「Surrealistic Pillow」ですが、私はこのアルバムが一番良いと思います。

このアルバムでは彼らの理想が高らかに歌われていて、メッセージ性の面でも代表作といえます。

ちなみにアルバム名の「Volunteers」とは、日本語で言うボランティアのことではありません。

志願する人という意味です。

おそらく反戦運動の志願者という意味ではないかと思います。

歌詞を意訳してみましょう。

私たちは普通のアメリカ人の目から見たら、無法者

私たちは団結し、仲間にならなければいけない

私たちは、今ここから始めなければいけない

だから壁を壊そう

一緒にやってみませんか?

彼らは1960年代後期のカウンター・カルチャーを象徴するバンドです。

理想主義色が強いバンドいってもいいでしょう。

あのピーター・バラカンも、このバンドのメッセージに感動したことがあるそうです。

 

4位「Embryonic Journey」(アルバム:Surrealistic Pillow)

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■曲名:Embryonic Journey
■曲名邦題:旅する前に
■アルバム名:Surrealistic Pillow
■アルバム名邦題:シュールリアリスティック・ピロー
■動画リンク:「Embryonic Journey」

ヨーマ・カウコネンによるギター・ソロの曲です。

元々はアルバム用で書いた曲ではないようですが、他メンバーから言われてアルバムに収録することになったのだとか。

彼らはエゴがぶつかり合うことが多かったバンドですが、こういう側面も持っています。

「Embryonic」とは「萌芽」ですから「Embryonic Journey」とは「旅に出たい気持ちが芽生えた」みたいな感じでしょうか。

アコースティックギターの調べが美しい曲です。

この時代のロックは良いギタリストがいないと、一流のバンドとはいえませんでした。

しかしこのバンドには、ヨーマがいました。

ヨーマはローリングストーン誌の「グレイテスト・ギタリスト」のランキングにおいて54位と、とても高く評価されています。

ちなみにジェファーソン・エアプレインというバンド名は、ヨーマがジャニス・ジョップリン(Janis Joplin)と一緒に活動していた頃、仲間が付けた名前だそうです。

ヨーマがこのバンドの重要な存在であることを示す1曲ではないでしょうか。

 

5位「The Other Side of This Life」(アルバム:Bless Its Pointed Little Head)

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■曲名:The Other Side of This Life
■曲名邦題:人生の裏側
■アルバム名:Bless Its Pointed Little Head
■アルバム名邦題:フィルモアのジェファーソン・エアプレイン
■動画リンク:「The Other Side of This Life」

彼らは当時、サンフランシスコを代表するバンドでした。

サンフランシスコには、フィルモア・イーストとフィルモア・ウェストという、有名なライブハウスが2つありました。

このアルバムは、その2会場で行われたライブの模様を収録したものです。

冒頭から2本のギターの絡みが続いて、なかなか歌に入りません。

1:46からようやく歌が始まります。

しかしイントロが長くても、全然退屈しませんね。

むしろオールド・ロックの醍醐味を、ギュっと凝縮したようなイントロだと思います。

3:21からギターソロが入りますが、私などは歌のパートよりも耳をそばだててしまいますし。

この曲はアシッド・フォークの奇才フレッド・ニール(Fred Neil)によるもので、ブルース・ロック的な解釈が施されています。

 

6位「A Song for All Seasons」(アルバム:Volunteers)

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■曲名:A Song for All Seasons
■曲名邦題:ア・ソング・フォー・オール・シーズン
■アルバム名:Volunteers
■アルバム名邦題:ヴォランティアーズ
■動画リンク:「A Song for All Seasons」

これは私的名曲です。

ランクインさせていいものか、少し迷いました。

しかしハート・ウォーミングなコーラスを聞いていただきたいと思い、取り上げてみました。

グレイスによるオールド・タイミーなピアノも心温まります。

特に2:52からのピアノが、とても美しいですね。

グレイスは歌手としてだけでなく、ピアノ・プレイヤーとしてもバンド内で存在感を放っていました。

グレイスは、シンガー、ピアノ、作曲など、多方面に才能を発揮していました。

彼らは自由奔放なバンドですが、彼女はその特徴を更に加速した人でした。

彼女のボーカルは時に奔放すぎて、他の人から自分が歌っている時はおとなしくするよう言われたのだとか。

そうした奔放さは、私生活でも同じでした。

バンド在籍時、彼女は既婚者だったようですが、彼女はマーティ・バリン以外のメンバー全員と肉体関係を持っていたそうです。

また彼女はテレビの生放送で「マザーファッカー」という放送禁止用語を言った、最初の人物だったという逸話もあります。

当時彼女はジャニス・ジョップリンと並んで、新しい女性像を象徴する存在でした。

 

7位「Young Girl Sunday Blues」(アルバム:After Bathing at Baxter’s)

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■曲名:Young Girl Sunday Blues
■曲名邦題:ヤング・ガール・サンデー・ブルース
■アルバム名:After Bathing at Baxter’s
■アルバム名邦題:アフター・ベイジング・アット・バクスターズ
■動画リンク:「Young Girl Sunday Blues」

イントロから笑い声とタメを利かせたドラムがいいですね。

その後入るギターも鳥肌ものです。

彼らはイントロでリスナーを悶絶させる曲が多いのですが、この曲などはその筆頭と言えます。

彼らはあまりお行儀が良い人たちではありません。

音楽から受ける印象そのままかもしれません。

このアルバムのレコーディング・スタジオは、カオスのような状況だったそうです。

メンバーは好き勝手に行動し、時にはドラッグをやっていたり、ヒッピー仲間をスタジオに出入りさせたそうです。

そんな状況でも、プロデューサーのアル・シュミット(Al Schmitt)が孤軍奮闘し、無事作品が出来上がりました。

ただこの過程でバンド内の力関係に変化が起こったようです。

以前はマーティ・バリンがリーダー格でしたが、この頃からポール・カントナーが中心のバンドになりました。

またグレイス・スリックも、バンド内の立場をより強固にしています。

 

8位「Star Track」(アルバム:Crown of Creation)

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■曲名:Star Track
■曲名邦題:スター・トラック
■アルバム名:Crown of Creation
■アルバム名邦題:創造の極致
■動画リンク:「Star Track」

この作品は、最も個性的で内省的なアルバムです。

売れ線の音楽とは言えませんが、全米6位と大ヒットしました。

この頃の彼らは、商業的な面だけでは説明がつかない魅力があったように思います。

彼らはその後もジェファーソン・スターシップ(Jefferson Starship)やスターシップ(Starship)とバンド名に変えていき、バンドを存続させました。

ジェファーソン・スターシップはともかく、スターシップの頃になると、独自の個性が失われていったように思います。

この曲のどこがいいかと聞かれたら、少し説明が難しいかもしれません。

アウトローっぽい雰囲気といいますか(笑)

クエンティン・タランティーノの映画に使われそうな感じが、とてもかっこいい曲です。

1:16からヨーマのギターソロも、不思議と耳をそばだてるものがありますね。

ヨーマはこの曲でリード・ボーカルを取っており、彼の曲といえるかもしれません。

 

9位「Somebody to Love」(アルバム:Surrealistic Pillow)

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■曲名:Somebody to Love
■曲名邦題:あなただけを
■アルバム名:Surrealistic Pillow
■アルバム名邦題:シュールリアリスティック・ピロー
■動画リンク:「Somebody to Love」

グレイス・スリックは元々グレート・ソサエティ(Great Society)というバンドに在籍していました。

この曲は彼女の義理の兄、ダービー・スリック(Darby Slick)が書いた曲で、前バンドのレパートリーでした。

オリジナル・バージョンのリンクを貼っておきましょう。

The Great Society – Someone to Love –

ジェファーソン・エアプレインは「テイク・オフ(Takes Off)」というアルバムでデビューしましたが、その頃はまだグレイスがいませんでした。

次作のこのアルバムでグレイスが加入し、アルバム、シングル共に初のトップテン・ヒットを記録しています。

またグレイスは「ホワイト・ラビット(White Rabbit)」も提供していて、そちらも大ヒットしています。

有名曲ですので、リンクだけ貼っておきましょう。

Jefferson Airplane – White Rabbit

正直私は今一つ良さが分からない曲ですが。

 

10位「When the Earth Moves Again」(アルバム:Bark)

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■曲名:When the Earth Moves Again
■曲名邦題:大地が再び動く時
■アルバム名:Bark
■アルバム名邦題:バーク
■動画リンク:「When the Earth Moves Again」

ジャケットのJAは一瞬農協かと思いますが、おそらくバンド名の略だと思います

彼らは男女混成コーラスが特徴のバンドです。

一般的にコーラスが用いられるのはサビなど一部だけが多いのですが、彼らは終始みんなで歌っている曲が多いです。

しかもそのコーラスも正確に合わせようとしている感じがなく、かなりラフです。

人の声中心のとても人間らしい曲といえるかもしれません。

添えられているギターもいいですね。

彼らはこの前に、自らのインディーズレーベル「Grunt(グラント)」を設立し、その後このアルバムをリリースしています。

ただその頃からメンバーのソロ活動が活発になりました。

この後彼らは「ロング・ジョン・シルヴァー(Long John Silver)」を発表後、バンドを解散することになりました。

 

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