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ジョアン・ドナート(Joao Donato)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジョアン・ドナートのランキングを作成しました。

彼はインストにも良い曲が多いですが、この記事ではボーカル曲を多めに取り上げました。

もちろん彼のピアノも聞き逃せません。

彼の愛らしい音楽をお楽しみください。

 

1位「Chorou,Chorou」(アルバム:Quem e Quem)

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■曲名:Chorou,Chorou
■アルバム名:Quem e Quem(1973年)
■アルバム名邦題:ケン・エ・ケン(紳士録)
■動画リンク:「Chorou,Chorou」

おそらく誰が選んでも1位はこの曲しかありません。

それぐらい決定的な曲ですし、実際耳にする機会がとても多い曲です。

さて彼はピアニストが本職ですが、トロンボーン奏者でもあります。

元々は歌手ではなく、プレイヤーが本職といえるでしょう。

しかしこのアルバムで彼は初めてボーカルを披露しました。

ボサノヴァの頃からブラジル音楽は素人っぽい魅力を活かすのに長けていますが、ここでも結果は吉と出ているようですね。

間奏ではフェンダーローズが躍動しています。

この人の魅力は人懐こさと小気味良い演奏だと思いますが、この曲にもその魅力を確認できます。

 

2位「Deixei Racado」(アルバム:Lugar Comum)

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■曲名:Deixei Racado
■アルバム名:Lugar Comum(1975年)
■アルバム名邦題:ルガール・コムン
■動画リンク:「Deixei Racado」

この人の最高傑作は「Quem e Quem」一択だと思います。

では次点はどの作品でしょうか。

ピアノの演奏を重視する方は「Sambou Sambou」。

一方彼のボーカルを聞きたい方は、このアルバムか「Coisas Tao Simples」どちらかがおすすめです。

特にこのアルバムは「Quem e Quem」の続編といえそうなボーカル作品。

なぜ人は彼の歌に惹かれるのでしょうか。

彼の歌は決して上手くはありませんが、独特の味わいがあります。

声が幾分オフ気味で、それがシャイな印象を高めているかもしれません。

ちなみに前作で初めて彼が歌ったのは、40歳の少し手前のことだったそうです。

それにしては初々しい歌だったですね。

 

3位「Nana Das Aguas」(アルバム:Quem e Quem)

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■曲名:Nana Das Aguas
■アルバム名:Quem e Quem(1973年)
■アルバム名邦題:ケン・エ・ケン(紳士録)
■動画リンク:「Nana Das Aguas」

元々この人はピアニストなので、本来はそこに焦点を当てるといいかもしれません。

しかし多くの人は彼のボーカル曲がお好きなようです。

そこでこの記事ではボーカル曲を多めにしました。

大人気の「Chorou,Chorou」以外にも良いボーカル曲があるので、ぜひご紹介したいと思いましたし。

元々彼は歌手になりたいわけではありませんでした。

なぜ彼は歌うことになったのでしょうか。

しかしこのアルバムのアシスタント・プロデューサー、マルコス・ヴァーリ(Marcos Valle)とアゴスチーニョ・ドス・サントス(Agostinho Dos Santos)が歌うように説得したのだそうです。

2人のおかげで彼は新たな魅力を開花させました。

 

4位「Malandro」(アルバム:A Bad Donato)

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■曲名:Malandro
■アルバム名:A Bad Donato(1970年)
■アルバム名邦題:ア・バッド・ドナート
■動画リンク:「Malandro」

このアルバムはかなりの異色盤です。

基本的に彼はピアノ中心のインストか、ボーカル入りのアルバムが多いです。

しかしこのアルバムはインストですが、ピアノ中心ではありません。

フュージョン/クロスオーバー作品です。

ただブラジリアン・レア・グルーヴ名盤としても、その種の特集でも度々紹介されています。

他にも以下のようなすばらしい曲が収録されていますし。

Joao Donato – Celestial Showers

アルバム・ジャケットも人気の要因かもしれません。

 

5位「Olhou Pra Min」(アルバム:Sambou Sambou)

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■曲名:Olhou Pra Min
■アルバム名:Sambou Sambou(1965年)
■アルバム名邦題:サンボウ・サンボウ
■動画リンク:「Olhou Pra Min」

ここでピアノ曲をご紹介します。

彼のピアノ曲はこの曲と同水準の名演ばかりなので、もしこの曲を気に入ったらアルバムをチェックしてみてください。

彼のピアノは音の粒立ちが良いのが特徴です。

ボーカルと違ってピアノでは少し饒舌になりますが、彼の演奏には濁りとか間合いなど感じません。

フェイクとか奇をてらったアプローチも一切なし。

しかしそれでいて不足感はありません。

一方アメリカのジャズのピアニストは、もっと個性を出そうとするものです。

決して悪い意味ではありませんが、それはある種のエゴと言ってもいい。

しかしこの人の演奏には、全くその種のエゴを感じません。

個性的な演奏ではありませんが、その分人懐こさとピュアな感覚が魅力です。

 

6位「Prata」(アルバム:Serotonina)

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■曲名:Prata
■アルバム名:Serotonina(2022年)
■アルバム名邦題:セロトニーナ
■動画リンク:「Prata」

今回ご紹介した中で最も新しいアルバムからの曲です。

彼は多くの人が自分の歌を聞きたがっていることを知っていたはずです。

ただ彼はなかなかその武器を活かそうとしませんでした。

それでも拒否していた様子はなく、気が向けば時々歌っていましたが。

彼はあくまで自分はピアニストだと考えていたのかもしれません。

しかし彼はこのアルバムで本格的にボーカリストとして復帰しました。

なんと単独名義としては、20年ぶりの歌ものアルバムなのだそうです。

「Quem e Quem」が好きな方は、ぜひチェックしてみてください。

 

7位「Ahie」(アルバム:Quem e Quem)

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■曲名:Ahie
■アルバム名:Quem e Quem(1973年)
■アルバム名邦題:ケン・エ・ケン(紳士録)
■動画リンク:「Ahie」

私は今回の記事を書く前に、手持ちの音源が足りないのではないかと心配していました。

しかし改めディスコグラフィで確認したところ、思っていたより網羅していたようです。

この人は作品のリリース間隔が長いのですが、2000年少し前まではかなり寡作な人でした。

1975年に「Lugar Comum」をリリースした後の次作は1986年の「Leiliadas」。

そして更にその次作は、1995年の「Coisas Tao simples」です。

つまり20年で3作というスローペースぶりです。

しかし2000年以降は一転して活動を活発化させ、1年で複数枚リリースする年も珍しくなくなりました。

ブラジルのアーティストに時々ありますが、活動ペースに少しムラがあるかもしれません。

 

8位「Nasci Para Bailar」(アルバム:Coisas Tao Simples)

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■曲名:Nasci Para Bailar
■アルバム名:Coisas Tao Simples(1995年)
■アルバム名邦題:コイザス・タォン・シンプレス
■動画リンク:「Nasci Para Bailar」

1995年に発表されたこのアルバムは、当時久しぶりの復帰作という触れ込みでした。

確かに前作「Leilíadas」から9年ぶり。

しかし彼の歌を聞きたい人にとっては「Lugar Comum」以来20年ぶりです。

「Sambou Sambou」のアルバム・ジャケットに似ているのが、なんともほほえましいです。

とはいえ肩の力が抜けた心地よさは健在で、この曲では女性シンガーと共演しています。

声は昔よりかすれていますが、それを女性シンガーが補っているようなところも。

音楽のみずみずしさは健在でした。

 

9位「Patumbalacunde」(アルバム:Lugar Comum)

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■曲名:Patumbalacunde
■アルバム名:Lugar Comum(1975年)
■アルバム名邦題:ルガール・コムン
■動画リンク:「Patumbalacunde」

このアルバムのキーマンは、ジルベルト・ジル(Gilberto Gil)です。

ジルベルト・ジルは、このアルバムの12曲中8曲で作詞を担当しています。

またバック・ボーカルでも参加していますし。

特にこの曲ではジルベルト・ジルの影響を強く感じます。

ジルベルト・ジルはナチュラル志向でアフロ・ファンク志向の強い人。

現在この曲がどのように評価されているか、私は知りません。

クラブ・ミュージックの文脈で評価されていい曲だと思います。

 

10位「Jungle Flower」(アルバム:The New Sound of Brazil)

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■曲名:Jungle Flower
■アルバム名:The New Sound of Brazil(1965年)
■アルバム名邦題:ニュー・サウンド・オブ・ブラジル
■動画リンク:「Jungle Flower」

彼は当初ボサノヴァ路線で売り出されました。

実際このアルバムはクラウス・オガーマン(Claus Ogerman)のアレンジを得て、ボサノヴァ色の強い作品になりました。

ただジョアン・ドナートはジャズに強いあこがれがあったようです。

彼の最初期の録音から1曲ご紹介しましょう。

Joao Donato – Se Acaso Voce Chegasse

上の曲は明らかにウェストコースト・ジャズの影響を感じます。

実際彼はウェストコースト・ジャズに大きな影響を与えたスタン・ケントン(Stan Kenton)を好んでいたようですし。

さて最後にご紹介した「Jungle Flower」は、A&MやCTIからの影響も感じます。

イージーリスニングになりそうでならないさじ加減がこの人らしいです。

 

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