今回はオールマン・ブラザーズ・バンドのランキングを作成しました。
彼らは「At Fillmore East」というライブ・アルバムが有名です。
ただそのライブと「Brothers and Sisters」以外、あまり聞かれていない感じがしないでもありません。
この記事ではその2枚からも選曲しています。
しかしバンドの全体像を把握できるよう、様々な時期からバランスよく選曲してみました。
- 1 1位「Wasted Words」(アルバム:Brothers and Sisters)
- 2 2位「Statesboro Blues」(アルバム:At Fillmore East)
- 3 3位「Mean Woman Blues」(アルバム:Where It All Begins)
- 4 4位「Soulshine」(アルバム:An Evening With The Allman Brothers Band: 2nd Set)
- 5 5位「Ramblin’ Man」(アルバム:Brothers and Sisters)
- 6 6位「Sail Away」(アルバム:Enlightened Rogues)
- 7 7位「It Ain’t Over Yet」(アルバム:Seven Turns)
- 8 8位「Blue Sky」(アルバム:An Evening With The Allman Brothers Band: First Set)
- 9 9位「Melissa」(アルバム:Eat a Peach)
- 10 10位「In Memory of Elizabeth Reed」(アルバム:At Fillmore East)
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1位「Wasted Words」(アルバム:Brothers and Sisters)

■曲名:Wasted Words
■曲名邦題:むなしい言葉
■アルバム名:Brothers and Sisters(1973年)
■アルバム名邦題:ブラザーズ&シスターズ
■動画リンク:「Wasted Words」
彼らは楽曲の魅力を前面に押し出すバンドではありません。
それでも高く評価されているのは、演奏の魅力がそれを補ってあまりあるからです。
名曲ではなく名演のバンドといえるかもしれません。
そのためスタジオ録音のアルバムは比較的人気がなく、ライブ盤ばかり高く評価される傾向があるような。
その例外がこのアルバムといえるかもしれません。
中でもこの曲は楽曲そのものに魅力があります。
実際このアルバムは全米1位を記録していて、セールス面でも彼らの代表作ですし。
最初の1枚としてもおすすめしたいアルバムです。
2位「Statesboro Blues」(アルバム:At Fillmore East)

■曲名:Statesboro Blues
■曲名邦題:ステイツボロ・ブルース
■アルバム名:At Fillmore East(1971年)
■アルバム名邦題:フィルモア・イースト・ライヴ
■動画リンク:「Statesboro Blues」
このライブは彼らの最高傑作という枠を超えて、ロックの歴史にそびえ立つ名盤として評価されています。
なにせ「ローリング・ストーン」誌の「オールタイム・グレイテスト・ライヴ・アルバム50」で2位に選ばれていますし。
ちなみに1位はジェームス・ブラウン(James Brown)の「ライヴ・アット・ジ・アポロ(Live at the Apollo)」。
ということは、ロックのライブ・アルバムとしては1位ということになります。
この記事でも、多くの人がこの曲を1位と予想したかもしれません。
しかしこのブログは入門者を想定して選曲していますので、この順位になりました。
この曲は洋楽初心者には難しいように思います。
良さが分からない方は、ひたすらギターに注目して聞くといいかもしれません。
「スカイドッグ」と呼ばれる伝説のデュアン・オールマン(Duane Allman)のギターは抜きん出ています。
あとは繰り返し聞くこと。
私も何度も聞き返す内にすごい演奏だと思えるようになりました。
最初からすんなりこの曲を気に入った人は、ロックを聞く才能に恵まれていると思います。
3位「Mean Woman Blues」(アルバム:Where It All Begins)

■曲名:Mean Woman Blues
■曲名邦題:ミーン・ウーマン・ブルース
■アルバム名:Where It All Begins(1994年)
■アルバム名邦題:ホエア・イット・オール・ビギンズ
■動画リンク:「Mean Woman Blues」
この時期彼らは2度目の全盛期を迎えていました。
1度目は「At Fillmore East」から「Brothers and Sisters」で、おそらく全期間通じてもピークの時期です。
2度目は私の独断で選ぶと「An Evening With The Allman Brothers Band: First Set」から「An Evening With The Allman Brothers Band: 2nd Set」です。
もちろんそれ以外の時期にも良いアルバムはありますが。
どの時期もライブが人気となるあたりが、生粋のライブ・バンドである彼ららしいです。
このアルバムは第2の全盛期の真っ只中にリリースされ、ゴールドディスクを獲得しました。
グレッグ・オールマン(Gregg Allman)も健在で、小手先に走らないまっすぐな歌を聞かせてくれます。
ギターではウォーレン・ヘインズ(Warren Haynes)が絶好調で、1:16からよく歌っていますね。
4位「Soulshine」(アルバム:An Evening With The Allman Brothers Band: 2nd Set)

■曲名:Soulshine
■曲名邦題:ソウルシャイン
■アルバム名:An Evening With The Allman Brothers Band: 2nd Set(1995年)
■アルバム名邦題:セカンド・セット
■動画リンク:「Soulshine」
この曲のオリジナルは「Where It All Begins」に収録されています。
そちらのスタジオ録音も悪くありませんが、ここではライブ・バージョンの方を選んでみました。
彼らの音楽はサザン・ロック(Southern Rock)に分類されています。
サザン・ロックとは、アメリカ南部のルーツに根差した土くさいロックのこと。
やぼったさと背中合わせの味わい深さが魅力の音楽といえるかもしれません。
この曲でもザ・バンド(The Band)の「ザ・ウェイト(The Weight)」あたりに似た、人間くさい生の感情が魅力的です。
いや正確にいえば、男くさいというべきか。
というのは、バンド名からして「Allman Brothers Band」つまり「全員男の兄弟バンド」です。
これ以上なく男くさいバンド名ですね(笑)。
実際メンバーの7人全員が男で、かなりむさ苦しいかもしれません。
5位「Ramblin’ Man」(アルバム:Brothers and Sisters)

■曲名:Ramblin’ Man
■曲名邦題:ランブリン・マン
■アルバム名:Brothers and Sisters(1973年)
■アルバム名邦題:ブラザーズ&シスターズ
■動画リンク:「Ramblin’ Man」
時々このバンドには、フュージョンとロックの中間みたいな曲があります。
「アイドルワイルド・サウス(Idlewild South)」に収録された以下の曲にその萌芽を確認できます。
The Allman Brothers Band – Revival
ちなみにこのアルバムでは、以下の曲も知られています。
The Allman Brothers Band – Jessica
そしてこの系統で私が最も好きなのが、この「Ramblin’ Man」。
レス・デューデック(Les Dudek)の伸びやかなギターが聞きものです。
曲を書いたのはディッキー・ベッツ(Dickey Betts)で、彼はこのバンドにポップなカントリー・テイストを持ち込みました。
この曲ではボーカルも担当していて、当時彼はバンドの中心的存在でした。
しかしその後ディッキー・ベッツ体制は行き詰まり、1976年バンドは一度解散してしまいます。
6位「Sail Away」(アルバム:Enlightened Rogues)

■曲名:Sail Away
■曲名邦題:セイル・アウェイ
■アルバム名:Enlightened Rogues(1979年)
■アルバム名邦題:いま、再び
■動画リンク:「Sail Away」
先程申し上げたように、彼らはとても男くさいバンドです。
しかしこの曲は珍しく女性ボーカルとのデュエット曲。
しかも昔の彼らとは趣向の違う、ウェストコーストの香り漂うライトな曲です。
この頃はまだそのさわやかさや軽さが裏目に出ていませんでした。
それどころかセールス的には大成功で、アルバムチャートで9位を獲得しています。
しかしこれで味を占めたのか、この後「リーチ・フォー・ザ・スカイ(Reach For The Sky)」 と「ブラザーズ・オブ・ザ・ロード(Brothers Of The Road)」では、もっと音楽が軽くなりました。
後者からは「ストレイト・フロム・ザ・ハート(Straight from the Heart)」というヒット曲が生まれています。
このアルバムは再結成後にリリースされましたが、やはり古くからのファンは失望したようです。
1979年という時節を考えると、当時全盛だったウェストコースト・ロック (West Coast Rock)」に寄せたアプローチは悪くなかったかもしれません。
しかし彼らはこの路線では人気を維持できず、更に低迷していきました。
7位「It Ain’t Over Yet」(アルバム:Seven Turns)

■曲名:It Ain’t Over Yet
■曲名邦題:イット・エイント・オーヴァー・イェット
■アルバム名:Seven Turns(1990年)
■アルバム名邦題:セヴン・ターンズ
■動画リンク:「It Ain’t Over Yet」
彼らは一時期らしくないさわやか路線に走り、古参ファンは離れていきました。
そうしたファンは、男くさい音楽を望んでいたようですね。
そこで心機一転、従来の路線で復活したのがこのアルバム。
成功の要因は、ウォーレン・ヘインズという凄腕ギタリストの加入です。
プレイ・スタイルこそ幾分異なりますが、デュアンと同じくスライド・ギターを得意とする人です。
ファンが待ち望んでいた救世主みたいな存在でした。
その後ディッキー・ベッツが去り、グレッグ・オールマンが亡くなる中、ウォーレンはデレク・トラックス(Derek Trucks)と共にバンドを支えました。
このバンドには今もなお多くの根強いファンがいるのは、この人のおかげです。
ウォーレン・ヘインズは中興の祖といえる人でした。
8位「Blue Sky」(アルバム:An Evening With The Allman Brothers Band: First Set)

■曲名:Blue Sky
■曲名邦題:ブルー・スカイ
■アルバム名:An Evening With The Allman Brothers Band: First Set(1992年)
■アルバム名邦題:ファースト・セット
■動画リンク:「Blue Sky」
ライブ・アルバムの曲です。
ウォーレン・ヘインズが加入してから「Seven Turns」「シェイズ・オブ・トゥ・ワールズ(Shades of Two Worlds)」というスタジオ録音の良作が続きました。
しかし彼らは生粋のライブ・バンドです。
彼らはこのアルバムで、今でも有数のライブ・バンドであることを証明しました。
ウォーレン・ヘインズは、ライブでもその実力をいかんなく発揮しました。
彼らはドラムやキーボードが2人いた時期もありますが、基本的にギターが中心のバンドです。
ギターの演奏が良ければ全て良しというところがあります。
この曲でウォーレン・ヘインズは、とても気持ちよさそうにキターを弾いていますね。
グレイトフル・デッド(Grateful Dead)のライブでもそうですが、アメリカ人はこういうゆったりしたリズムの上でギターが気持ちよさそうに泳いでいるような演奏を好む傾向があります。
ビールを片手にフェス気分で聞くと盛り上がること必至です。
9位「Melissa」(アルバム:Eat a Peach)

■曲名:Melissa
■曲名邦題:メリサ
■アルバム名:Eat a Peach(1972年)
■アルバム名邦題:イート・ア・ピーチ
■動画リンク:「Melissa」
ここで小作品といった曲をご紹介します。
デュアン・オールマンをオートバイ事故で失って、その追悼としてリリースした2枚組からの選曲です。
ほどなくして彼らはベースのベリー・オークリー(Berry Oakley)もオートバイ事故により失いました。
その混乱のさ中で、ディッキー・ベッツが音楽的イニシアティブを握って、どうにかこのアルバムを仕上げました。
この曲はデュアンの死後にレコーディングされています。
歌詞にも「交差点 彼を手放さなければいけないのでしょうか」という一節がありますし。
この2枚組はスタジオ録音とライブが混在している変則アルバムで、スタジオ録音では後の彼らの方向性がうかがえる曲が収録されています。
この曲はとても地味ですが、聞けば聞くほど沁みますね。
10位「In Memory of Elizabeth Reed」(アルバム:At Fillmore East)

■曲名:In Memory of Elizabeth Reed
■曲名邦題:エリザベス・リードの追憶
■アルバム名:At Fillmore East(1971年)
■アルバム名邦題:フィルモア・イースト・ライヴ
■動画リンク:「In Memory of Elizabeth Reed」
最後はこの曲です。
本来この曲はこの順位に甘んじていい曲ではありません。
それでもあえてこの順位にしたのは、曲の長さゆえです。
なにせ13:10という長さですから。
自分が聞く分には長くてもかまいませんが、人に紹介する時にはついためらってしまいますね。
それにもかかわらずご紹介したのは、この曲なくしてバンドの魅力を伝えられないと思ったからです。
確かに時間はかかりますが、それに見合った満足は得られる曲だと思います。
多くの人が時間に追われる昨今ですが、たまには時間を気にせず長い曲をじっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。
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