今回はゲイリー・ムーアのランキングを作成しました。
この記事ではハードロック時代に限定して選曲しました。
しかしそれでも他にも良い曲が多すぎてご紹介しきれません。
この記事では、彼の魅力のほんのさわりだけご紹介しました。
- 1 1位「Wild Frontier」(アルバム:Wild Frontier)
- 2 2位「Parisienne Walkways」(アルバム:Back on the Streets)
- 3 3位「Out in the Fields」(アルバム:Run for Cover)
- 4 4位「Always Gonna Love You」(アルバム:Corridors of Power)
- 5 5位「After the War」(アルバム:After the War)
- 6 6位「Hiroshima」(アルバム:Dirty Fingers)
- 7 7位「Spanish Guitar」(アルバム:Back on the Streets)
- 8 8位「You」(アルバム:G-Force)
- 9 9位「Speak for Yourself」(アルバム:After the War)
- 10 10位「Sunset」(アルバム:Rockin’ Every Night – Live in Japan)
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1位「Wild Frontier」(アルバム:Wild Frontier)
■曲名:Wild Frontier
■曲名邦題:ワイルド・フロンティア
■アルバム名:Wild Frontier(1987年)
■アルバム名邦題:ワイルド・フロンティア
■動画リンク:「Wild Frontier」
彼はヴァン・モリソン(Van Morrison)と同じく、北アイルランドのベルファストで生まれました。
このアルバムで彼は故郷への熱い思いを歌っています。
この歌詞には「ある友のことを思い出す」という一節があります。
そして「人々は時が経てば忘れる」と彼にアドバイスしていることも。
その後に言葉は続いていません。
どうやら時が経過したぐらいでは、忘れられるわけない言いたいようですね。
亡くなった友の名前は、シン・リジィ(Thin Lizzy)のフィル・ライノット(Phil Lynott)。
ゲイリー・ムーアの親友でした。
このアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。
2位「Parisienne Walkways」(アルバム:Back on the Streets)
■曲名:Parisienne Walkways
■曲名邦題:パリの散歩道
■アルバム名:Back on the Streets(1978年)
■アルバム名邦題:バック・オン・ザ・ストリーツ
■動画リンク:「Parisienne Walkways」
この曲はそのフィル・ライノットが歌っています。
ゲイリー・ムーアの特徴は「泣き」のギターです。
もちろんそれだけでありませんが、とにかく「泣き」がすごすぎて、その先の領域はないと思われるほど。
通常こういうメロディを演奏すると、間が抜けて安っぽくなりがちです。
普通の演奏すると、どうしてもお涙頂戴になってしまう。
しかし彼はそんな斜め上を行く、破壊的な表現力を持っていました。
この曲のインスト版は羽生結弦のショート・プログラムに使われたことで、一躍注目を集めました。
羽生結弦はフィギュア・スケートの歴史でも特筆すべき人です。
この曲は羽生結弦と互角に渡り合う芸術を感じさせます。
3位「Out in the Fields」(アルバム:Run for Cover)
■曲名:Out in the Fields
■曲名邦題:アウト・イン・ザ・フィールズ
■アルバム名:Run for Cover(1985年)
■アルバム名邦題:ラン・フォー・カヴァー
■動画リンク:「Out in the Fields」
この人はシングル・チャートを主戦場にしていません。
しかし彼にはトップテンヒットが2曲あります。
「Parisienne Walkways」が8位で、この「Out in the Fields」は5位を記録しています。
セールス的にいえば、この曲が彼の代表曲といえます。
この曲はフィル・ライノットとの共同名義でリリースされました。
フィル・ライノットとの関係は、スキッド・ロウ(Skid Row)時代にまでさかのぼります。
ちなみに、あの有名なアメリカのバンドではありません。
その後ゲイリー・ムーアは一時フィル・ライノットのバンド、シン・リジィに参加しました。
しかしフィル・ライノットは薬物に傾倒していきました。
フィル・ライノットの妻と子がこの世を去ったある日、ヴィヴィアン・キャンベル(Vivian Campbell)がフィル・ライノットの家を訪ねると、ゲイリー・ムーアが台所にいたそうです。
ゲイリー・ムーアは、フィル・ライノットを心配して駆けつけていたようです。
ヴィヴィアンはフィル・ライノットに薬物を提供するのではないかと警戒されて、ゲイリーから塩対応されました。
フィル・ライノットの自宅でゲイリー・ムーアと突然会ったヴィヴィアン・キャンベル、ムーアが友好的ではなかった理由を語る
4位「Always Gonna Love You」(アルバム:Corridors of Power)
■曲名:Always Gonna Love You
■曲名邦題:オールウェイズ・ゴナ・ラヴ・ユー
■アルバム名:Corridors of Power(1982年)
■アルバム名邦題:コリドーズ・オブ・パワー
■動画リンク:「Always Gonna Love You」
この記事の選曲時、バラードが多くなりすぎないよう意識しました。
この人はバラードの名曲が多すぎますから。
そもそも普段から私はロック系アーティストの場合、バラードが多くなりすぎないようにしています。
私の偏見であり自己満足ですが、まず最初にアップの曲聞いてからバラードを聞いてほしいと思うのですね。
そのため読者の方には、あのバラードの名曲が入っていないと思われがちかもしれません。
そういう方には、私の考え方をご了承いただければと思います。
このアルバムには、決定的なバラードが2曲収録されています。
惜しくもランク外となったもう1曲の方もご紹介しておきましょう。
Gary Moore – Falling in Love with You
5位「After the War」(アルバム:After the War)
■曲名:After the War
■曲名邦題:アフター・ザ・ウォー
■アルバム名:After the War(1989年)
■アルバム名邦題:アフター・ザ・ウォー
■動画リンク:「After the War」
この記事では彼のハードロック期を対象にしました。
この後彼は「スティル・ゴット・ザ・ブルーズ(Still Got the Blues)」というブルースのアルバムを発表しました。
そちらもすばらしい作品ですので、ブルース好きは要チェックです。
ただ日本で彼が愛され親しまれているのは、今回の対象時期が大きいと思われます。
私はブルースも聞く人なので「スティル・ゴット・ザ・ブルーズ」も大好物です。
しかし強いて彼の最高傑作を1枚挙げるとすれば「Wild Frontier」かもしれません。
次点は「Run for Cover」かこの「After the War」のどちらか。
彼は売れ線の「G-Force」「Corridors of Power」の後、硬派ハードロック路線にシフトしていきました。
「Run for Cover」からは、以前にも増して楽曲がキャッチーになってきたように思います。
たとえば以下の曲は選外ですが、とてもすばらしい曲ですし。
6位「Hiroshima」(アルバム:Dirty Fingers)
■曲名:Hiroshima
■曲名邦題:ヒロシマ
■アルバム名:Dirty Fingers(1983年)
■アルバム名邦題:ダーティ・フィンガーズ
■動画リンク:「Hiroshima」
日本人としては「ヒロシマ」という曲名は気になります。
この曲で彼は原爆が投下されたことについて、かなり心を痛めている様子がうかがえます。
しかもその言葉はかなり強く「stomach turn」つまり「はらわたが煮えくり返る」と表現までされていますし。
またこの曲は彼の中でも特に激しい曲の1つ。
彼は強い怒りと悲しみを表現しているようですね。
1人の日本人としてありがたいと思いますし、ますますゲイリー・ムーアが好きになりました。
またこのアルバムには他に「レスト・イン・ピース(Rest in Peace)」という曲が収録されています。
Rest in Peace」とは「R.I.P」つまり「安らかに眠れ」という意味。
先程ご紹介したフィル・ライノットを気遣う様子、そしてこの曲を聞くにつけ、とても人間らしい感情を感じます。
そしてそのあふれるエモーションは、彼のプレイと表裏一体かもしれません。
彼が日本人に愛されたのは当然だと思います。
7位「Spanish Guitar」(アルバム:Back on the Streets)
■曲名:Spanish Guitar
■曲名邦題:スパニッシュ・ギター
■アルバム名:Back on the Streets(1978年)
■アルバム名邦題:バック・オン・ザ・ストリーツ
■動画リンク:「Spanish Guitar」
この曲はボーナストラックです。
先程彼のプレイの特徴は「泣き」だと申し上げました。
もちろんそれだけで語ることができるはずもありませんが、やはり彼の「泣き」は尋常ではありません。
泣きの演奏において、ロック史における頂点を争うギタリストです。
ここで彼に影響を与えたギタリストをご紹介します。
やがてジェフ・ベック、エリック・クラプトン、さらにジミ・ヘンドリックスなどの影響を受け始める。特にピーター・グリーンからは強い衝撃を受け、プロギタリストになる決意を固める。
私は以下の人もその候補に入ると思います。
Roy Buchanan – The Messiah Will Come Again
この曲はゲイリー・ムーアもカバーしています。
ロイ・ブキャナンは、ジェフ・ベック(Jeff Beck)の「哀しみの恋人達(Cause We’ve Ended as Lovers)」にも大きな影響を与えました。
オールド・ロックには多くのすぐれた泣きの名手がいましたね。
8位「You」(アルバム:G-Force)
■曲名:You
■曲名邦題:ユー
■アルバム名:G-Force(1980年)
■アルバム名邦題:G-FORCE
■動画リンク:「You」
このアルバムはソロ名義ではなく「G-Force」というバンド名義です。
この頃彼は産業ロックに接近していました。
ただこのアルバムは売れずメンバーの不仲も相まって、1枚限りで解散しました。
さてこの人はロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)に似たところがあるかもしれません。
彼は生まれつき音楽の表現強者で、ワンマン体制が似合うギタリストだと思います。
サッカーでもチームの一部分ではなく、中心に据えて本領を発揮するプレイヤーがいます。
ゲイリー・ムーアがメンバーの1人として輝かないという訳ではありません。
ただ彼のポテンシャルが引き出されれば、それだけ良い音楽が生まれると確信できる安心感があります。
9位「Speak for Yourself」(アルバム:After the War)
■曲名:Speak for Yourself
■曲名邦題:スピーク・フォー・ユアセルフ
■アルバム名:After the War(1989年)
■アルバム名邦題:アフター・ザ・ウォー
■動画リンク:「Speak for Yourself」
この曲は参加メンバーに注目です。
まずドラムがコージーパウエル(Cozy Powell)。
この曲はテンポの早いバースト・ナンバーですが、そのせいか速くて軽いではなく、速くても重量感があります。
また時々思うことですが、傑出したギタリストはベースより凄腕のドラムに触発されるかもしれません。
詳しくは述べませんが、サウンド空間の問題だと思いますが。
この曲でゲイリー・ムーアは、いつも以上に暴れまわっています。
またこの曲ではバック・コーラスで参加しているオジーオズボーン(Ozzy Osbourne)が、サビのカタルシスを高めています。
先程ゲイリー・ムーアはワンマンが似合うと申し上げました。
しかしそれは彼に合わせられるプレイヤーがいない場合。
サッカーの神メッシはネイマールやスアレスなど、卓越したサッカー・プレイヤーを従えていた時より一層輝いていました。
この曲でのゲイリー・ムーアもすばらしい共演者の存在により、水を得た魚のごとく躍動しています。
10位「Sunset」(アルバム:Rockin’ Every Night – Live in Japan)
■曲名:Sunset
■曲名邦題:サンセット
■アルバム名:Rockin’ Every Night – Live in Japan(1983年)
■アルバム名邦題:ロッキン・エヴリ・ナイト (ライヴ・イン・ジャパン)
■動画リンク:「Sunset」
彼は世界的に著名なギタリストです。
しかし本国を除くと、特に日本での人気が高い人かもしれません。
実際この作品は日本でのライブの模様を収録したこともあり、オリコン・チャートで15位を記録しています。
「クライング・イン・ザ・シャドウ (Crying In The Shadows)」をカバーした以下のオリジナルの曲でも、彼はギターを弾いています。
さて今回は駆け足で彼の一時期を振り返ってみました。
最期にご紹介できなかった「『ヴィクティムズ・オブ・ザ・フューチャー(Victims of the Future)」の曲もご紹介しておきましょう。
たった10曲では彼の魅力ごく一部しかご紹介できませんでした
すぐれたギタリストがいれば、ただそれだけでロックが輝いていた時代。
彼はそんな栄光が必然だったと思わせる、圧倒的な存在感を放つ人でした。
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