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エリック・クラプトン(Eric Clapton)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はエリック・クラプトンのランキングを作成しました。

予め申し上げておくと、以下の時代は選外とさせていただきました。

ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ(John Mayall&the Bluesbreakers)
クリーム(Cream)
ブラインド・フェイス(Blind Faith)
デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)

ソロ名義以外にも名曲が多いですが、それらについては別記事でご紹介する予定です。

 

1位「Bad Love」(アルバム:Journeyman)

eric-clapton-journeyman

■曲名:Bad Love
■曲名邦題:バッド・ラヴ
■アルバム名:Journeyman
■アルバム名邦題:ジャーニーマン
■動画リンク:「Bad Love」

1980年代のレイラと呼ばれている曲です。

「いとしのレイラ(Layla)」では、親友ジョージ・ハリスン(George Harrison)の妻パティ・ボイドへの片思いが、狂おしく歌われていました。

そのアピールが届いたのか、クラプトンはジョージと離婚した後パティと結婚することができました。

しかしそれは必ずしもハッピーエンドではなかったようです。

クラプトンはイボンヌ・ケリーと不倫したり、パティにも暴力をふるったりなど、幸せな結婚生活とはいえませんでした。

その後新たな不倫相手ロリー・デル・サントと結婚して、息子コナーを授かっています。

さてこの曲では「もう悪い恋愛は充分だ」と歌われています。

時期的にロリー・デル・サントのことだと思われます。

不倫して「悪い恋愛」とは少し身勝手な感じもしますが。

ちなみにパティとは1988年に離婚が成立していますが、結局子供をもうけたロリーとは結婚しませんでした。

その後53歳の時22歳の女性と再婚していますが、きっと彼は恋愛体質の人なのでしょう。

 

2位「Tears in Heaven」(アルバム:Unplugged)

eric clapton-unplugged

■曲名:Tears in Heaven
■曲名邦題:ティアーズ・イン・ヘヴン
■アルバム名:Unplugged
■アルバム名邦題:アンプラグド〜アコースティック・クラプトン
■動画リンク:「Tears in Heaven」

ロリー・デル・サントとの間にできた息子、コナー・クラプトンを失ったことから書かれた曲です。

1980年代半ばぐらいまで彼はドラッグと酒におぼれ、自堕落な生活を送っていました。

しかし息子が生まれたことで父親の自覚が芽生え、それらの問題を克服し、この頃はクリーンになっていたはずです。

その矢先、息子のコナーが高層ビルの53階から落下して亡くなりました。

コナーはわずか4歳半。

その時クラプトンは46歳。さぞかし息子の死はこたえたことでしょう。

この曲は息子に向けて「天国でお前に会えたら、お父さんだと気づいてくれるだろうか」と歌われています。

それから「強くならなければいけない。生き続けないといけない」と続いています。

 

3位「Let It Grow」(アルバム:461 Ocean Boulevard)

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■曲名:Let It Grow
■曲名邦題:レット・イット・グロウ
■アルバム名:461 Ocean Boulevard
■アルバム名邦題:461 オーシャン・ブールヴァード
■動画リンク:「Let It Grow」

このアルバムは、彼の代表作と言われることが多いです。

人気の秘密は、ヒット曲「I Shot the Sheriff」が入っていること。

しかし私はこの曲の方が好きです。

ベスト盤には入っていませんので、このアルバムを未聴の方は、ここでチェックしていただければと思います。

当時はまだ結婚はしていませんでしたが、彼はパティと同居生活を始めていました。

この曲では「愛を育てよう」と歌われています。

この曲のギターは、彼にしては珍しく情念を感じさせる演奏かもしれません。

特に3:34ぐらいからのレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の「天国への階段(Stairway to Heaven)」を思わせるアルペジオが聞きものです。

 

4位「Pretty Blue Eyes」(アルバム:There’s One in Every Crowd)

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■曲名:Pretty Blue Eyes
■曲名邦題:可愛いブルー・アイズ
■アルバム名:There’s One in Every Crowd
■アルバム名邦題:安息の地を求めて
■動画リンク:「Pretty Blue Eyes」

クラプトンは、ジェフ・ベック(Jeff Beck)、ジミー・ペイジ(Jimmy Page)と共に、3大ギタリストと呼ばれています。

3大ギタリストについては、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)を入れた方がいいとか、いやリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)だろうとか、様々な意見があることでしょう。

私は、たまたま同じヤードバーズ(The Yardbirds)から、3人の偉大なギタリストが生まれたという偶然性を考えると、そのままでいい派です。

そもそも偉大なギタリストを3人に絞ること自体、無理があるように思いますし。

ただ彼は「461 Ocean Boulevard」あたりから、少し音楽性が変わってきています。

ギターの演奏より、楽曲全体の魅力を表現する方向へとシフトしました。

またテンションの高さで聞かせる演奏が減り、リラックスした演奏が多くなりました。

その楽曲重視の路線は思いの外うまく行き、違う魅力が開花したように思います。

この伸びやかで小気味良いギターは、その後「レイ・ダウン・サリー(Lay Down Sally)」へと繋がっていきました。

私はこのアルバムが最高傑作だと思っています。

 

5位「Lay Down Sally」(アルバム:Slowhand)

eric clapton-slowhand

■曲名:Lay Down Sally
■曲名邦題:レイ・ダウン・サリー
■アルバム名:Slowhand
■アルバム名邦題:スローハンド
■動画リンク:「Lay Down Sally」

アルバム・タイトルの「Slowhand」とは、どんなに速い演奏をしていても、ゆっくり弾いているように見えることから名付けられたニックネームです。

無駄な動きがないので速弾きでも余裕があるように見える、クラプトン伝説を表す言葉の1つ。

このアルバムは、そのアルバム・タイトルにふさわしい出来に仕上がっています。

他にも「コカイン(Cocaine)」など有名曲が多いですが、最後まで迷った「ワンダフル・トゥナイト(Wonderful Tonight)」については、リンクだけ貼っておきましょう。

Eric Clapton – Wonderful Tonight

「Lay Down Sally」ではマーシー・レヴィ(Marcy Levy)という女性ボーカルが目立っていて、まるでデュエットみたいです。

マーシーとは時々共演していて、この曲では曲づくりにまで参加しています。

また後で取り上げた「Promises」でもすばらしい歌声を披露していて、クラプトンとの相性が良い人かもしれません。

またこのアルバムでは他に、イヴォンヌ・エリマン(Yvonne Elliman)という女性ボーカルも参加しています。

クラプトンの声はシブいですが少し地味なので、女性ボーカルで彩りを添えると魅力が引き立ちます。

 

6位「Ain’t Going Down」(アルバム:Money and Cigarettes)

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■曲名:Ain’t Going Down
■曲名邦題:エイント・ゴーイング・ダウン
■アルバム名:Money and Cigarettes
■アルバム名邦題:マネー・アンド・シガレッツ
■動画リンク:「Ain’t Going Down」

クラプトンは最初から突出したギタリストでした。

ソロ活動以前に参加したどのバンドでも、ロック史に残るアルバムを発表してきました。

そんな中で強いて低迷期を挙げると、1980年代かもしれません。

このアルバムと、フィル・コリンズ(Phil Collins)がプロデュースした「ビハインド・ザ・サン(Behind the Sun)」「オーガスト(August)」は評価が高くありません。

とはいえ、この曲のような派手にギターを弾いてくれる曲もあります。

久しぶりにこのアルバムでこの曲を見つけた時、私は狂喜しました。

このアルバムは「ロックン・ロール・ハート(I’ve Got A Rock ‘N’ Roll Heart)」の印象が強いアルバムですが、私はこちらの方が好みです。

さて次作の「Behind the Sun」では更にファンの不評を買いましたが、そちらでは「フォーエヴァー・マン(Forever Man)」がロックっぽい良曲です。

 

7位「Holy Mother」(アルバム:August)

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■曲名:Holy Mother
■曲名邦題:ホリー・マザー(リチャード・マニュエルに捧ぐ)
■アルバム名:August
■アルバム名邦題:オーガスト
■動画リンク:「Holy Mother」

この曲はザ・バンド(The Band)のリチャード・マニュエル(Richard Manuel)に捧げられています。

リチャードは自ら命を絶ちました。

実はクラプトンはザ・バンドから、かなりの影響を受けていました。

クラプトンはアルバム「ノー・リーズン・トゥ・クライ(No Reason to Cry)」で、リチャードと「ビューティフル・シング(Beautiful Thing)」を共作しています。

リチャード以外のザ・バンドのメンバーでは、リック・ダンコ(Rick Danko)と名曲「オール・アワ・パスト・タイムズ(All Our Past Times)」、ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)とは「イッツ・イン・ザ・ウェイ・ザット・ユー・ユーズ・イット(It’s in the Way That You Use It)」を共作しています。

リチャードは、ザ・バンドの中で最も静かで穏やかな人でした。

ジョージ・ハリスンを含め、クラプトンはそういう人と相性が良いかもしれません。

クラプトン自身も内向的な性格らしいですし。

この曲でクラプトンは、聖なる母に嘆きを聞いてほしいと訴えています。

彼はセンチメンタルな曲を書く人で、そのあたりが玄人衆から疎まれる原因かもしれません。

実は私も昔はこういう曲をあまり好きではありませんでしたが、最近は普通に聞いて感動しています。

クラプトンの音楽の魅力を語るには、こういうセンチメンタルな側面を避けては通れません。

 

8位「I Shot the Sheriff」(アルバム:461 Ocean Boulevard)

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■曲名:I Shot the Sheriff
■曲名邦題:アイ・ショット・ザ・シェリフ
■アルバム名:461 Ocean Boulevard
■アルバム名邦題:461 オーシャン・ブールヴァード
■動画リンク:「I Shot the Sheriff」

この曲のオリジナルはボブ・マーリー(Bob Marley)です。

Bob Marley – I Shot The Sheriff

オリジナルが収録されている「バーニン(Burnin’)」は、1973年10月19日のリリース。

クラプトンはこの曲を1974年の春頃に録音していますから、見つけてすぐにカバーしたのですね。

ただこの曲が正統派のレゲエかといえば、少し違うように思います。

曲のメロディを借りていますが、オリジナルのディープで沈み込むようなリズムとは少し違います。

ただクラプトンのバージョンの方が、楽曲の魅力は伝わりやすいかもしれません。

これはブルースのカバー曲にもいえますが、彼はコアでディープな音楽を、普通の人にも分かりやすく伝えることに長けています。

そもそもクラプトンは影響を受けやすい人です。

J・J・ケイル(J. J. Cale)からの影響を強く受けた時期もありました。

ボックスセットでサンタナ(Santana)と共演したライブ演奏では、途中から明らかにサンタナ寄りの演奏になっていましたし。

ただ受けた影響をうまく解釈し、一般化するのが上手な人だと思います。

 

9位「Promises」(アルバム:Backless)

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■曲名:Promises
■曲名邦題:プロミセス
■アルバム名:Backless
■アルバム名邦題:バックレス
■動画リンク:「Promises」

ここまで聞いていただいた人はこういう感想を持ったのではないでしょうか。

ソロ名義のクラプトンとは、

1.センチメンタルで
2.軽めの曲やレイドバックした曲が多く
3.時々ロックっぽい演奏をしては古参ファンを喜ばせてくれる

という特徴があります。

ただそれだけでは、今のような大スターにはなっていないかもしれません。

私はクラプトンの魅力は総合力だと思います。

つまりボーカル、ギター、作曲能力、どれもが一流だということです。

たとえばこの曲などはいかがでしょうか。

ボーカルの飄々とした魅力、時々差し込まれるギターの粋な味わい、マーシー・レヴィのバック・ボーカルもいい感じです。

こんな地味な曲を、このレベルに持っていけるクラプトン恐るべしです。

 

10位「Change the World」(アルバム:Clapton Chronicles: The Best of Eric Clapton)

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■曲名:Change the World
■曲名邦題:チェンジ・ザ・ワールド
■アルバム名:Clapton Chronicles: The Best of Eric Clapton
■動画リンク:「Change the World」

やはりこの曲は外せません。

この曲の原曲は、アメリカのカントリー・シンガー、ワイノナ・ジャッド(Wynonna Judd)です。

Wynonna Judd – Change the World

この曲は映画「フェノミナン(Phenomenon)」で音楽総監督を務めていたロビー・ロバートソンが提案し、カバーすることになったそうです。

シングルカットされていないこの曲を提案したロビーは、さすがの慧眼ですね。

またこの曲は、ベイビーフェイス(Babyface)がプロデュースしたことでも知られています。

現在のクラプトン人気は、比較的保守的なリスナー層が支えているようですが、この曲はその路線を代表する曲といえるでしょう。

クリス・レアあたりのファン層と、少し被っているかもしれません。

 

番外編「Signe」(アルバム:Unplugged)

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■曲名:Signe
■曲名邦題:サイン
■アルバム名:Unplugged
■アルバム名邦題:アンプラグド〜アコースティック・クラプトン
■動画リンク:「Signe」

最後にギタリストの魅力を味わえる曲をご紹介しましょう。

この曲が収録されている「Unplugged」では、アコースティック楽器だけが使用されています。

クラプトンはソロ活動後、ギタリストとしてを強く主張しなくなりました。

しかしこの曲を聞けば、依然最高峰のギタリストだということが分かります。

アコースティックギター一本で大勢の聴衆をうならせる、ロック・レジェンドの演奏に思わずうなります。

 

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