今回はウータン・クランのランキングを作成しました。
彼らは個性派集団のHIPHOPグループです。
しかもその個性が際立ちすぎています。
王道とは違った、風変りで型にはまらないHIPHOPをお聞きください。
- 1 1位「C.R.E.A.M.」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
- 2 2位「Protect Ya Neck」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
- 3 3位「Triumph」(アルバム:Wu-Tang Forever)
- 4 4位「Reunited」(アルバム:Wu-Tang Forever)
- 5 5位「Da Mystery of Chessboxin’」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
- 6 6位「It’s Yourz」(アルバム:Wu-Tang Forever)
- 7 7位「Uzi (Pinky Ring)」(アルバム:Iron Flag)
- 8 8位「Protect Ya Neck (The Jump Off)」(アルバム:The W)
- 9 9位「Method Man」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
- 10 10位「Family Reunion」(シングル・オンリー)
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1位「C.R.E.A.M.」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
■曲名:C.R.E.A.M.
■アルバム名:Enter the Wu-Tang (36 Chambers)
■アルバム名邦題:燃えよウータン
※上の画像はシングル用ジャケット
■動画リンク:「C.R.E.A.M.」
彼らの中で一番有名な曲の1つかもしれません。
まずこの曲の元ネタをご紹介しましょう。
The Charmels – As Long As I’ve Got You
上の曲から冒頭のピアノ部分を引用しています。
しかし上の曲は歌が目立つ曲で、確かにイントロのピアノは美しいですが、うっかりすると聞き流してしまいそう。
あえてその箇所だけピックアップしてループさせています。
RZA(レザ)のネタ使いは、こういうところがありますね。
映画でいえばメイキング映像の脇役の一人にスポットを当てて、映画とは別の魅力を引き出すような。
彼らは戦力が際立ったの実力派ラッパー集団でした。
しかしトラック担当の軍師RZAも充分個性派でした。
2位「Protect Ya Neck」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
■曲名:Protect Ya Neck
■アルバム名:Enter the Wu-Tang (36 Chambers)
■アルバム名邦題:燃えよウータン
■動画リンク:「Protect Ya Neck」
デビュー・アルバムからの曲です。
「ウータン」とは映画「少林寺武者房」(Shaolin and Wu Tang)から取られたそうです。
「ウータン」を漢字にすると「武闘」。
そしてクランとは「一族」という意味。
つまり彼らは「武闘一族」という意味なのですね。
このアルバムは、ウータン一族の精鋭が集結したというコンセプトです。
ちなみにウータン一族は総員200人ぐらいいるのだとか(笑)
アルバムでも少林寺っぽい効果音が入っていて笑えます。
この曲も「お前の首を守れ」という曲名からして、いい感じがしますね。
3位「Triumph」(アルバム:Wu-Tang Forever)
■曲名:Triumph
■アルバム名:Wu-Tang Forever
■アルバム名邦題:ウータン・フォーエヴァー
■動画リンク:「Triumph」
彼らの最高傑作はファースト・アルバムです。
それは疑いようがありません。
少なくとも私は異論を聞いたことがありませんし、私もそう思います。
長年このセカンド・アルバムはファーストと比較され、失望したと言われ続けました。
しかし個々の曲に注目すると、そう捨てたものではありません。
現に私はこの記事で3曲選びましたし。
このアルバムは前作と比べて、ローファイでオルタナティヴなHIPHOPではなくなりました。
また得体の知れない感、整合性のなさを魅力に転じるサムシングもありません。
しかしその代りに、この作品はより音楽的になりました。
それを代表するのがこの曲です。
4位「Reunited」(アルバム:Wu-Tang Forever)
■曲名:Reunited
■アルバム名:Wu-Tang Forever
■アルバム名邦題:ウータン・フォーエヴァー
■動画リンク:「Reunited」
このセカンド・アルバムは、アルバム・タイトルが「Wu-Tang Forever」。
つまり「ウータンよ、永遠に」
まるでこれで解散するみたいなタイトルですね。
しかし常に映画的なコンセプトを印象付けてきた彼らですから、多くのファンも真に受けませんでした。
そういえば007にも「ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)」という映画がありますした。
さてこの曲の名前は「再会」という意味。
ここで再会したのはGZA、メソッド・マン、オール・ダーティー・バスタード、RZA。
ファーストほどキャラが前面に出ていませんが、やはり個々の実力は半端ありません。
バイオリンを引用したトラックの上、彼らは次々にスキルを披露しています。
5位「Da Mystery of Chessboxin’」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
■曲名:Da Mystery of Chessboxin’
■アルバム名:Enter the Wu-Tang (36 Chambers)
■アルバム名邦題:燃えよウータン
■動画リンク:「Da Mystery of Chessboxin’」
このファースト・アルバムは本当にすごいです。
今回はこのアルバムからは4曲選びました。
私は同じアルバムから4曲までしか取り上げないというルールを設けています。
その制約がなければ、もっと選びたい曲があります。
というより、こんなランキングをつくっておいてなんですが、アルバム単体で聞いてほしいです。
さてこの曲の動画ではチェス盤の上で、各ラッパーが妙技を披露しています。
人によって濃淡はありますが、彼らは型にはまらないタイプが多いです。
たとえば私の愛するラキム(Rakim)は、トラックからはみ出さずに過不足なく自分を表現し、それでいてしびれさせてくれました。
しかしこのグループのメンバーは韻を踏んだり、リズムに収まり切らない人が多いです。
型にはまらない自由奔放さは、初めて聞いた時とても新鮮でした。
6位「It’s Yourz」(アルバム:Wu-Tang Forever)
■曲名:It’s Yourz
■アルバム名:Wu-Tang Forever
■アルバム名邦題:ウータン・フォーエヴァー
■動画リンク:「It’s Yourz」
今回の記事も他の記事同様、私の好みでは選曲していません。
初心者に気に入ってもらえるかどうか、その一点しか考えていません。
その意味でこの曲はご紹介せざるを得ません。
もしかしたら最も一般受けする曲かもしれませんから。
さてこのセカンド・アルバムは2枚組になりました。
ただRZAはいくらでもトラックをつくれますし、所属ラッパーを多数抱えていたので、2枚組がちょうどいいかもしれませんが。
この時点でのラッパーを挙げておきましょう。
Raekwon(レイクウォン)
Method Man(メソッド・マン)
GZA(ジザ)
Ol’ Dirty Bastard(オール・ダーティー・バスタード)
inspectah deck(インスペクター・デック)
Ghostface Killah(ゴーストフェイス・キラー)
Masta Killa(マスタ・キラ)
U-God(U-ゴッド)
Cappadonna(カパドンナ)
7位「Uzi (Pinky Ring)」(アルバム:Iron Flag)
■曲名:Uzi (Pinky Ring)
■アルバム名:Iron Flag
■アルバム名邦題:アイアン・フラッグ
■動画リンク:「Uzi (Pinky Ring)」
今回の記事ではアルバム未収録曲を除いて、最初の4枚までを対象にしました。
それ以降も悪いわけではありませんが、個人的にはこの4枚で充分という感じがします。
このアルバムは、今回対象にした最後の4枚目。
彼らのデビューは1993年で、4枚目が2001年、5枚目は2007年ですから、一旦ここで区切ってもいいと思いました。
この曲はファーストの頃では考えられないような軟派な曲です。
それと彼らの曲の中では比較的スクラッチが目立ちます。
しかし意外とこれが悪くありません。
この路線でアルバム一枚をつくってくれたらと思ってしまうほどです。
できればオール・ダーティー・バスタードが亡くなる前だと良かったのですが。
8位「Protect Ya Neck (The Jump Off)」(アルバム:The W)
■曲名:Protect Ya Neck (The Jump Off)
■アルバム名:The W
■アルバム名邦題:THE W
■動画リンク:「Protect Ya Neck (The Jump Off)」
サード・アルバムの曲です。
このアルバムは、レッドマン(Redman)、スヌープ・ドギー・ドッグ(Snoop Doggy Dogg)、Nas、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)、ジュニア・リード(Junior Reid)など、多数のゲストを迎えています。
ただでさえ多いラッパーを増やしてどうするという感じがしないでもありません。
このアルバムの魅力は安定性です。
アルバム通して、安心して聞ける平均品質の高さがありますね。
それ自体喜ぶべきことかもしれませんが、危ういファーストが好きな人にとっては少し寂しさを覚えます。
とはいえこの曲はファーストの「Protect Ya Neck」の続編ともいえる曲で、かなり気合が入っていますが。
シンプルなトラックに乗って、各MCが躍動しています。
9位「Method Man」(アルバム:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))
■曲名:Method Man
■アルバム名:Enter the Wu-Tang (36 Chambers)
■アルバム名邦題:燃えよウータン
■動画リンク:「Method Man」
メンバーの名前がそのまま曲名になっています。
今回の記事ではメンバーの個性やパフォーマンスに焦点を当てませんでした。
いずれメンバーのソロ作だけの記事を書こうと思っていますから。
特に初期のメンバーのソロ・アルバムは傑作ぞろいです。
彼らのおもしろさは、漫画「NARUTO」に出てくる「暁」に似ています。
漫画を読んでいない方には分からなくて申し訳ありません。
実力と個性を兼ね備えた一匹狼が、やりたいようにやらせてもらうぜというたたずまいで、たまたま集まった感じがするのですね。
彼らの魅力は、そうした個の力と無法者的危さにあります。
10位「Family Reunion」(シングル・オンリー)
■曲名:Family Reunion
■動画リンク:「Family Reunion」
最後にアルバム未収録曲をご紹介します。
彼らの中では比較的歌もの色が強い曲です。
サンプリング元を引用しておきましょう。
思えばウータンはラッパーが多いせいか、シンガーと共演する必要がありませんでした。
しかしここで引き合いに出されているのはオージェイズ。
1970年代ソウルの王道中の王道オージェイズと奇才集団ウータンの疑似共演ともいえるこの曲は、個人的にうれしいサプライズでした。
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