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DMXの名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はDMXのランキングを作成しました。

いつも以上に自分の好みを優先しましたので、半数がシングル以外の曲になりました。

その他の有名曲や定番については、文中にリンクを貼っています。

そちらも合わせて聞くと、彼の全体像がつかみやすいと思います。

 

1位 「Walk These Dogs」(アルバム:Year of the Dog… Again)

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■アーティスト名:DMX(featuring Kashmere)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング カシミーア)
■曲名:Walk These Dogs
■曲名邦題:ウォーク・ジーズ・ドッグス
■アルバム名:Year of the Dog… Again
■アルバム名邦題:イヤー・オブ・ザ・ドッグ・アゲイン
■動画リンク:「Walk These Dogs」

この曲は、シングルカットされていません。

この人は典型的なアルバム・アーティストです。

アルバムでは5作連続1位という快挙を達成していますが、シングルはそれほどヒットしていません。

アメリカのシングル・チャートで、トップ40に入った曲は2曲だけで、最高位は27位です。

またほぼ半数のシングルは、100位にも入っていません。

そういうところから彼はセルアウトしていないと、高く評価するファンも多いようです。

しかし売れ線ではなくても、曲の魅力は問題ありません。

この曲もシングルカットはされていないものの、とてもすばらしい出来です。

ちなみにこの曲は、次のような歌詞で始まります。

俺を縄でつないでおけよ

俺は獣だからな

やはり1曲目にふさわしいようですね。

 

2位 「I Get Scared」(アルバム:Undisputed)

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■アーティスト名:DMX(featuring Rachel Taylor)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング レイチェル・テイラー)
■曲名:I Get Scared
■アルバム名:Undisputed
■アルバム名邦題:アンディスピューテッド
■動画リンク:「I Get Scared」

後で触れますが、彼は品行方正な人ではありませんでした。

彼の人生は犯罪まみれで、人間性が疑われるようなことばかり繰り返してきました。

しかし一方で彼は敬虔なキリスト教徒としての側面を持っています。

彼の信仰心は強く、単に日曜日に教会行く程度ではありませんでした

毎日欠かさず聖書を読み、2009年には聖書の勉強をするため、セミリタイヤまでしています。

かなり信仰心が強い人みたいですね。

この曲にはその影響が表れているかもしれません。

この曲の高揚感の背景には、ゴスペルがあると思われますから。

そういえばこの人の趣味は、蘭の栽培だそうです。

それも意外ではないでしょうか。

この人を一面だけで語るのは難しいかもしれません。

聖と俗が極端な形で同居している人だと思います。

 

3位 「X Gon’ Give It to Ya」(アルバム:The Best of DMX)

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■アーティスト名:DMX
■曲名:X Gon’ Give It to Ya
■曲名邦題:X・ゴン・ギヴ・イット・トゥ・ヤ
■アルバム名:The Best of DMX
■動画リンク:「X Gon’ Give It to Ya」

彼は俳優としても活躍しました。

この曲は彼が出演した「ブラック・ダイヤモンド(Cradle 2 the Grave)」という映画のテーマ歌です。

彼はその映画で、泥棒グループのリーダー役をやっています。

しかしそれは彼にうってつけの役だったかもしれません。

彼の半生は、様々な犯罪歴で埋め尽くされています。

窃盗、暴力、麻薬、詐欺、あまりに犯罪歴がありすぎてご紹介しきれません。

その背景には、幼少期に母親と交際相手から暴力をふるわれたトラウマがあるようです。

彼は暴力が支配する家庭で育ち、虐待から逃れる為に街をさまよい、野良犬との交流に慰めを見出しました。

彼はよく犬の吠える声を真似ています。

この曲でも犬の鳴き真似で始まっていますね。

ちなみに彼が犯した最初の犯罪は、犬を盗んだ窃盗罪だったそうです。

 

4位 「Baby Motha」(アルバム:Year of the Dog… Again)

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■アーティスト名:DMX(featuring Janyce)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング ジャニース)
■曲名:Baby Motha
■曲名邦題:ベイビー・マザ
■アルバム名:Year of the Dog… Again
■アルバム名邦題:イヤー・オブ・ザ・ドッグ・アゲイン
■動画リンク:「Baby Motha」

デビュー時のDMXは、よく2PACが引き合いに出されていました。

2PACは1996年凶弾に倒れましたが、DMXはその2年後1998年にデビューしています。

この曲は2006年の曲ですが、2PACみたいではないでしょうか。

ちなみに2PACには「ディア・ママ(Dear Mama)」という母親への感謝の気持ちを表した名曲があります。

こちらの曲も「Baby Motha」ですから、同じようなテーマの曲かと思いきや、むしろ真逆の内容でした。

この曲にあるのは、女性への強い憎しみです。

嫌いだからファ〇クしてやらないぜとか、愚かなビッチだとか、罵詈雑言の嵐です。

それが妻に向けられているのか、妻以外の女性に向けられているのかは分かりません。

彼は結婚してもおかまいなしに、浮気しまくりでしたから。

彼には15人の子供がいますが、その内9人の母親は別の女性という有様です。

 

5位 「I Got Your Back」(アルバム:Undisputed)

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■アーティスト名:DMX(featuring Kashmere)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング カシミーア)
■曲名:I Got Your Back
■アルバム名:Undisputed
■アルバム名邦題:アンディスピューテッド
■動画リンク:「I Got Your Back」

私は彼が女性シンガーと共演した曲が好きです。

このアルバムは女性ボーカルと共演した曲が多く、他も名曲ぞろいです。

もう1曲ご紹介しておきましょう。

DMX(featuring Dani Stevenson) – Sucka 4 Love

このアルバムは1位か2位が当たり前だった中19位と、セールス面では苦戦しました。

私は1位を争うぐらいすばらしいと思いますが。

このアルバムは前作から6年ぶりでしたから、リリースにホッとしたファンも多かったかもしれません。

2021年4月9日、あるニュースが飛び込んできました。

DMXは自宅で意識不明の状態で発見され、そのまま亡くなりました。

死因は薬物の過剰摂取だったそうです。

本名アール・シモンズ(Earl Simmons)、享年50歳。

双極性障害と幼少期のトラウマに苦しみ、多くの犯罪を犯してきた人でした。

早すぎる死だとは思いますが、同時によくぞここまで生きてくれたという思いもあります。

ちなみに彼のラスト・アルバムは「Redemption of the Beast」つまり「獣のつぐない」という名前です。

 

6位 「No Love 4 Me」(アルバム:Flesh of My Flesh, Blood of My Blood)

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■アーティスト名:DMX(featuring Drag-On and Swizz Beatz)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング ドラッグ・オン・アンド・スウィズ・ビーツ)
■曲名:No Love 4 Me
■曲名邦題:ノー・ラブ・4・ミー
■アルバム名:Flesh of My Flesh, Blood of My Blood
■アルバム名邦題:フレッシュ・オブ・マイ・フレッシュ,ブラッド・オブ・マイ・ブラッド
■動画リンク:「No Love 4 Me」

セカンド・アルバムからの曲です。

彼について語る時、スウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)に触れないわけにはいきません。

DMXは元々ラフ・ライダーズ(Ruff Ryders)というHIPHOPクルーに所属していました。

スウィズ・ビーツは、ラフ・ライダーズの専属プロデューサーだった人です。

DMXがデビューするとそのままプロデュースを担当し、その関係はラスト・アルバムまで続きました。

この曲でもスウィズ・ビーツがプロデュースしています。

DMXが最初から売れたのは、彼の貢献が大きいかもしれません。

スウィズ・ビーツの魅力は、キーボード主体の中毒性の高いループです。

試しにこの曲をお聞きください。

クセの強い音づくりをする人ですが、それがDMXの野性味あふれるラップと融合した時、ある種のマジックが生まれています。

 

7位 「When I’m Nothing」(アルバム:The Great Depression)

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■アーティスト名:DMX(featuring Stephanie Mills)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング ステファニー・ミルズ)
■曲名:When I’m Nothing
■曲名邦題:ウェン・アイム・ナシング
■アルバム名:The Great Depression
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・ディプレッション
■動画リンク:「When I’m Nothing」

彼の4枚目のアルバムからの曲です。

このアルバムでは「ウィ・ライト・ヒア(We Right Here)」が有名です。

そちらもリンクを貼っておきましょう。

DMX – We Right Here

最後までどちらにするか迷いました。

今回取り上げたのは、ステファニー・ミルズを歌姫に迎えたこの曲です。

ステファニー・ミルズといえば「燃える恋心(Never Knew Love Like This Before)」という曲が有名です。

この曲では同じく彼女の代表曲「ホワット・チャ・ゴナ・ドゥ・ウィズ・マイ・ラヴィン(What Cha Gonna Do with My Lovin’)」をサンプリングしています。

ほぼカバー曲といえるかもしれません。

この曲では、原曲を歌っているステファニーをゲスト・ボーカルに迎えています。

このアルバムでは他にフェイス・エヴァンス(Faith Evans)と共演した「アイ・ミス・ユー(I Miss You)」がシングルカットされています。

後年彼は女性シンガーとの共演が増えましたが、その傾向はこのアルバムから顕著になってきました。

 

8位 「Party Up (Up in Here)」(アルバム:…And Then There Was X)

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■アーティスト名:DMX
■曲名:Party Up (Up in Here)
■曲名邦題:パーティ・アップ
■アルバム名:…And Then There Was X
■アルバム名邦題:アンド・ゼン・ゼア・ワズ・エックス
■動画リンク:「Party Up (Up in Here)」

3枚目のアルバムからの曲です。

一般的に彼の最高傑作は、最初の3枚のどれかと言われることが多いです。

このアルバムを最高傑作と言う人は、この曲が好きな人が多いかもしれません。

他にも「ホワッツ・マイ・ネーム(What’s My Name?)」や「メイク・ア・ムーヴ(Make a Move)」なども聞き逃せませんが、やはりこの曲は強力です。

今回はパーティー向けのアッパー・チューンは、あまり選んでいません。

しかしこの曲を外すことは考えられません。

この曲でもDMXとスウィズ・ビーツの最強コンビが絶好調です。

DMXの声質は、他のラッパーに比べて個性的です。

かなりのダミ声だと思いますが、一方で彼はスキルのあるMCで、シャウトや犬の鳴きまねなどを織り交ぜながら、リスナーを自分の世界に引き込んできます。

この曲にはおなじみのホイッスルも入っていますね。

 

9位 「Ruff Ryders’ Anthem」(アルバム:It’s Dark and Hell Is Hot)

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■アーティスト名:DMX
■曲名:Ruff Ryders’ Anthem
■曲名邦題:ラフ・ライダーズ・アンセム
■アルバム名:It’s Dark and Hell Is Hot
■アルバム名邦題:イッツ・ダーク・アンド・ヘル・イズ・ホット
■動画リンク:「Ruff Ryders’ Anthem」

デビュー・アルバムからの曲です。

彼は意外と早い時期にデビューしています。

1991年にはRuffhouse Recordsと契約し、1993年にシングル「Born Loser」を発表しています。

しかしなかなか人気に火が点きませんでした。

その間彼は地道に客演をこなして知名度を上げ、ついに1998年アルバム・デビューすることができました。

このアルバムは、いきなり1位を獲得しています。

この曲と「Get At Me Dog(ゲット・アット・ミー・ドッグ)」は初期を代表する名曲で、一躍彼の名声を高めました。

そちらもリンクを貼っておきましょう。

DMX – Get At Me Dog

どちらもHIPHOPクラシックと言っていいでしょう。

ちなみにケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)は、このアルバムを聞いてラッパーになることを決意したそうです。

このアルバムの名前は「It’s Dark and Hell Is Hot」で、DMXという名前は「Dark Man X」の略です。

デビュー時は、ダークなイメージで売ろうとしていたようですね。

 

10位 「Get It on the Floor」(アルバム:Grand Champ)

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■アーティスト名:DMX(featuring Swizz Beatz)
■アーティスト名カナ:DMX(フィーチャリング スウィズ・ビーツ)
■曲名:Get It on the Floor
■曲名邦題:ゲット・イット・オン・ザ・フロアー
■アルバム名:Grand Champ
■アルバム名邦題:グランド・チャンプ
■動画リンク:「Get It on the Floor」

このアルバムからは「ウェア・ザ・フッド・アット(Where the Hood At?)」とどちらにしようか、かなり迷いました。

せめてリンクでご紹介しておきましょう。

DMX – Where The Hood At?

この人は多様な魅力を持っています。

歌姫と共演したR&Bっぽい曲、シリアスでダークな曲、パーティ・チューン、歌もすばらしいです。

正直10曲ではカバーしきれません。

先程申し上げたように、この人の生き方は決してほめられたものではありません。

人として過ちを犯しすぎていますから。

しかし一方で彼の力強さや生命力は、そうしたモラルを超えて人を熱くさせます。

彼の音楽を楽しむということは、彼の熱さに触れるということに他なりません。

彼の音楽は2PACと同じように、これからも聞き継がれていくことでしょう。

 

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