今回はエリックB. & ラキムのランキングを作成しました。
彼らは私がまだ充分HIPHOPになじめずにいた頃からカッコいいと思える存在でした。
特にこの頃のラキムは、他に比べて一際クールなスタイリストでした。
HOPHOPの本質的な魅力をご堪能ください。
- 1 1位「I Know You Got Soul」(アルバム:Paid in Full)
- 2 2位「Don’t Sweat the Technique(BL Socks Remix)」
- 3 3位「Microphone Fiend」(アルバム:Follow the Leader)
- 4 4位「Paid In Full (Seven Minutes Of Madness – The Coldcut Remix)」(アルバム:Paid in Full)
- 5 5位「Follow the Leader」(アルバム:Follow the Leader)
- 6 6位「Run For Cover」(アルバム:Let the Rhythm Hit ‘Em)
- 7 7位「What’s on Your Mind?」(アルバム:Don’t Sweat the Technique)
- 8 8位「Lyrics of Fury」(アルバム:Follow the Leader)
- 9 9位「Friends」(アルバム:c
- 10 10位「Juice (Know the Ledge)」(アルバム:Juice)
- 11 関連記事
- 12 記事一覧
- 13 他ブログ・SNS等
1位「I Know You Got Soul」(アルバム:Paid in Full)
■曲名:I Know You Got Soul
■曲名邦題:アイ・ノウ・ユー・ガット・ソウル
■アルバム名:Paid in Full(1987年)
■アルバム名邦題:ペイド・イン・フル
■動画リンク:「I Know You Got Soul」
この曲の元ネタは、レア・グルーヴを代表する曲です。
リンクを貼っておきましょう。
Bobby Byrd – I Know You Got Soul
上の曲は以下の記事でもご紹介していますので、興味のある方はチェックしてみてください。
この曲はボビー・バードのトラックを引用していますが、よく聞くと音を少し低めに加工しています。
低音が魅力のラキムに合わせたのかもしれません。
また原曲はホットな曲ですが、こちらはラキムのラップのせいかクールな印象を受けますね。
元ネタのセレクトと適切な加工、そしてラキムのスキルによって誕生した最強のHIPHOPクラシックです。
2位「Don’t Sweat the Technique(BL Socks Remix)」
■曲名:Don’t Sweat the Technique(BL Socks Remix)(2019年)
■動画リンク:「Don’t Sweat the Technique(BL Socks Remix)」
この曲はリミックス・バージョンの方をご紹介します。
オリジナルとは少しリズム・トラックが異なりますが、こちらの方が私好みです。
この後彼らは解散することになりました。
私は解散理由を知らなかったので、この機会に調べてみました。
ウィキペディアによれば当時2人はMCAレコードの契約が満了する予定で、その後は各自ソロ契約に移行しようとしていたそうです。
しかしエリックBはラキムから離れることを恐れてソロ契約を拒否し、最終的には訴訟を経て解散したそうです。
確かにこの2人では、ラキムに人気が集中していました。
とりあえずトラックをつくってラキムに任せておけば、傑作になるようなところがありました。
サッカーでいえば、とりあえずパスをしたらそのままゴールしてしまう、怪物フォワードみたいなものかもしれません。
解散後もラキムが活躍したのに対して、エリックBは一時音楽活動を辞めていました。
2人はしばらく音信不通でしたが、2016年には再会してライブで再結成したそうです。
3位「Microphone Fiend」(アルバム:Follow the Leader)
■曲名:Microphone Fiend
■曲名邦題:マイクロフォン・フィーンド
■アルバム名:Follow the Leader(1988年)
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■動画リンク:「Microphone Fiend」
こちらもまず元ネタからご紹介します。
Average White Band ~ School Boy Crush
「Microphone Fiend」とは「マイク中毒」という意味。
もちろんラキム自身のことだと思われます。
ラキムはこの曲のリリックで、自分がどれほどラップにハマってきたかを語り、自分の力を誇示しています。
マイク中毒の俺が最強で、どんなエンターテイナーも俺の前では地獄を見る、1対1では俺が勝つと。
この曲を聞く限り、口先だけではないようですね。
それにしても上の動画を見るにつけ、ラキムのカッコよさにはほれぼれしてしまいます。
4位「Paid In Full (Seven Minutes Of Madness – The Coldcut Remix)」(アルバム:Paid in Full)
■曲名:Paid In Full (Seven Minutes Of Madness – The Coldcut Remix)
■曲名邦題:ペイド・イン・フル(セヴン・ミニッツ・オブ・マッドネス-ザ・コールド・カット・・リミックス)
■アルバム名:Paid in Full(1987年)
■アルバム名邦題:ペイド・イン・フル
■動画リンク:「Paid In Full (Seven Minutes Of Madness – The Coldcut Remix)」
こちらもリミックス・バージョンでご紹介しますが、原曲より評価が高いかもしれません。
オリジナルは3分48秒の曲ですが、こちらでは倍近い長さですし様々なサウンド・コラージュが差し込まれています。
原曲と一番違うのはイスラエルのシンガー、オフラ・ハザ(Ofra Haza)がサンプリングされていること。
元ネタをご紹介しておきましょう。
またリミックスを担当したのは、コールドカット(Coldcut)というDJチーム。
ロック、ハウスやHIPHOPなどを、ジャンル横断的に活躍している人たちです。
このリミックスでたまたま良い仕事をしたのではないことは、以下の曲を聞いても分かります。
このアルバムは他に有名曲「アイ・エイント・ノー・ジョーク(I Ain’t No Joke)」も収録されていて、HIPHOPファンにとってマストの1枚です。
5位「Follow the Leader」(アルバム:Follow the Leader)
■曲名:Follow the Leader
■曲名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■アルバム名:Follow the Leader(1988年)
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■動画リンク:「Follow the Leader」
※ジャケット写真はシングルのものを使用しています
私は最初このアルバムを聞いた時、一発でノックアウトされました。
このアルバムがリリースされた1988年は、HIPHOP人気が急速に拡大していました。
当時のHIPHOPは派手だったり、キメが目立ちすぎていたり、男らしさを強調しすぎていたりして、今はともかく当時の私はなじめませんでした。
私はまだ若すぎましたし、充分消化しきれていなかったように思います。
しかしそんな中、最初からこの曲はすごいと思いました。
ラキムのラップは低音が特徴的ですが、このトラックも低音が強調されています。
その低音偏重の音づくりが、当時の私にはとてもクールに聞こえました。
その後古いHOPHOPを聞き漁るようになりましたが、今でもこの曲を聞くと一際血が騒ぎます。
6位「Run For Cover」(アルバム:Let the Rhythm Hit ‘Em)
■曲名:Run For Cover
■曲名邦題:ラン・フォー・カヴァー
■アルバム名:Let the Rhythm Hit ‘Em(1990年)
■アルバム名邦題:レット・ザ・リズム・ヒッテム
■動画リンク:「Run For Cover」
彼らのアルバムは4枚だけですが、どれも傑作といえる出来です。
ただこのサード・アルバムが、最も人気が低いかもしれません。
不人気の理由は、圧倒的なキラーがないことだと思われます。
同時に曲の粒がそろっているとも思いますが。
タイトル曲や「イン・ザ・ゲットー(In the Ghetto)」「マホガニー(Mahogany)」といったシングルも良いですが、前作の傑作シングル群れには及びません。
ただ私はこの曲が大好きで、シングルカットにふさわしい曲だと思います。
ちなみにこの曲はまだ高校生だったラージ・プロフェッサー(Large Professor)がトラックを製作したそうです。
7位「What’s on Your Mind?」(アルバム:Don’t Sweat the Technique)
■曲名:What’s on Your Mind?
■曲名邦題:ホワッツ・オン・ユア・マインド?
■アルバム名:Don’t Sweat the Technique(1992年)
■アルバム名邦題:ドント・スウェット・ザ・テクニック
■動画リンク:「What’s on Your Mind?」
ラスト・アルバムの曲です。
この曲では以前と雰囲気が変わり、R&B色が強くなっています。
元ネタであるミッドナイト・スター(Midnight Star)の「キュリアス(Curious)」もご紹介しておきましょう。
この曲にはラキムのリリシストぶりがよく表れています。
リリックはストーリー仕立てになっていて、ある女性との出会いから親密な関係になるまで、まるで小説のように描かれています。
最後の箇所を引用しておきましょう。
さあ今俺は君の内的世界を探求する準備を整えたよ
その旅はとても時間がかかるかもしれない
なぜならまだ始まったばかりだから
What’s On Your Mind
※おとましぐらによる意訳
8位「Lyrics of Fury」(アルバム:Follow the Leader)
■曲名:Lyrics of Fury
■曲名邦題:リリックス・オブ・フューリー
■アルバム名:Follow the Leader(1988年)
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■動画リンク:「Lyrics of Fury」
このアルバムは最初の3曲がすばらしいので、絞るのをあきらめて3曲とも入れました。
この曲は少し速めですが、そこは「ラップの神」ラキム、熱にうなされたようなすばらしいパフォーマンスを披露しています。
こちらもドラムが印象的ですが、元ネタのリンクを貼っておきましょう。
彼らの最高傑作は意見が割れると思います。
「Paid in Full」「Follow the Leader」「Don’t Sweat the Technique」の三つ巴の戦いになりそうです。
私は「Follow the Leader」派ですが、インスト曲がいらないような気がしないでもありません。
エリックBのファンに怒られるかもしれませんが。
シングルカットされた「The R」を含めて、このアルバムは質の高い曲がそろっています。
9位「Friends」(アルバム:c
■アーティスト名:Jody Watley (featuring Eric B. & Rakim)
■アーティスト名カナ:ジョディ・ワトリー (フィーチャリング エリックB. & ラキム)
■曲名:Friends
■曲名邦題:フレンズ
■アルバム名:Larger than Life(1989年)
■アルバム名邦題:ラージャー・ザン・ライフ
■動画リンク:「Friends」
この曲は元シャラマーのジョディ・ワトリー名義の曲ですが、2人が客演しています。
彼らについて語る時、この曲に触れずして済ませるわけにはいきません。
ラキムは野球の大エースみたいなもので、独力で曲を傑作に押し上げることができます。
しかしこの曲ではその大エースが中継ぎで登板したかのような、とても贅沢な気分を味わえます。
1:38から満を持してラキムが登場しますが、結構長尺で出番が与えられていますね。
2:34からはエリックBがシブいスクラッチを披露していますが、その後またラキムの出番に戻ります。
こういうキラキラしたサウンドを背負ったラキムもなかなか良いですね。
10位「Juice (Know the Ledge)」(アルバム:Juice)
■曲名:Juice (Know the Ledge)
■曲名邦題:ジュース(ノウ・ザ・レッジ)
■アルバム名:Juice(1991年)
■アルバム名邦題:ジュース
■動画リンク:「Juice (Know the Ledge)」
このサントラは1991年当時のHIPHOPシーンを知る上でチェックしておきたい一枚です。
私は映画を見ていませんが、2パック主演のクライム・ムーヴィーとのこと。
彼ら以外にもノーティ・バイ・ネイチャー(Naughty by Nature)、ビッグ・ダディ・ケイン(Big Daddy Kane)、EPMDといった顔ぶれだけで食指が動く人もいるのではないでしょうか。
このアルバムがリリースされたのは1991年。
私は1980年代のHIPHOPを聞くと、チープで音圧の低い音質を残念に思うことがあります。
それは彼らとて例外ではなく、初期の曲でプラスチックな音が流れるといささかテンションが下がります。
それは時代の宿命ですし、悪いことばかりではありませんが。
しかしこのアルバムがリリースされた1992年になると、今に近い音になっているかもしれません。
私は彼らがこの時期にギリギリ間に合って良かったと思います。
この曲は今聞いても違和感なしに正味を味わえる傑作だと思います。
関連記事
■ブギ・ダウン・プロダクションズ(Boogie Down Productions)の名曲名盤10選
■ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)の名曲名盤10選
記事一覧
他ブログ・SNS等
■このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!
■おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています
■note(ジャンル別おすすめ曲一覧)
※選りすぐりの名曲を1曲単位でご紹介しています
■おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!