今回はスガシカオのランキングを作成しました。
比較的親しみやすい曲を中心に選曲しました。
彼らしいファンクっぽい曲も聞きごたえがあります。
1位「愛について」(アルバム:FAMILY)
■曲名:愛について
■アルバム名:FAMILY
■動画リンク:「愛について」
この人はこういう記録を持っています。
2016年、男性ソロアーティストとして、1stアルバムからの連続アルバムTop10入りの日本記録を達成。
デビューアルバムも10位を記録しています。
しかしシングルは当初、それほどヒットしませんでした。
なにせあの名曲「黄金の月」ですら、最高位が72位止まりでしたし。
もしかしたら多くの人は、この曲で初めて彼を知ったかもしれません。
それでもこの曲も最高位44位ですから、曲の出来に見合うほどヒットはしていません。
ただこういう売れ方は、実力派アーティストに多いです。
実際彼はデビュー時から音楽業界内で評価が高く、その評価が後のブレイクへと繋がりました。
2位「黄金の月」(アルバム:Clover)
■曲名:黄金の月
■アルバム名:Clover
■動画リンク:「黄金の月」
デビュー・アルバムの曲です。
彼は大学を卒業するとそのまま就職し、1993年にインディーズからデビューしました。
その後1997年彼が28歳の時、メジャーデビューを果たしました。
下積みが長かったのですね。
彼のデビュー・シングル「ヒットチャートをかけぬけろ」は、曲名に反してチャートインすらしませんでした。
完全に曲名が裏目に出た感じがします。
そして続いてセカンド・シングル「黄金の月」がリリースされました。
ぼくの未来に 光などなくても
誰かがぼくのことを どこかで笑っていても(中略)
夜空に光る 黄金の月などなくても
未来に対する期待と不安が交錯している様子がうかがえます。
明るい月光に照らされるのではなく、自ら輝きたいと言いたいのかもしれません。
その後この曲が予告したように、運命の歯車が動き出しました。
翌年彼はSMAPに提供した「夜空ノムコウ」が超特大のヒットを記録し、ようやく実力に見合った輝きを放ち始めました。
3位「午後のパレード」(アルバム:PARADE)
■曲名:午後のパレード
■アルバム名:PARADE
■動画リンク:「午後のパレード」
この曲はアレンジが最高です。
このアレンジには、以下のような逸話があります。
ストリングスは屋敷と親しいジャミロクワイの制作陣に彼が直接電話で依頼し、ロンドンでレコーディングした音源をiChatを通じて東京のスタジオでオーバー・ダビングしたものである。
彼はディスコっぽい曲にしたかったようですね。
このアルバムには他にも、以下のようなバラードの名曲が収録されています。
このアルバムは彼の作品の中で、最もメジャーな感じがします。
私は最初の1枚にこのアルバムをおすすめします。
4位「夕立ち」(アルバム:Sweet)
■曲名:夕立ち
■アルバム名:Sweet
■動画リンク:「夕立ち」
アルバムも3枚目ともなれば、過去に書いた曲のストックがなくなるものです。
彼が曲を書き始めたのは大学生の時ですから、なお更曲は出尽くしているでしょう。
しかし彼はキリンジと同じく、3枚目で過去最高の楽曲を聞かせてくれました。
しかも平均水準が高いだけでなく、彼は決定的な曲を書くことができました。
ただそれだけではありません。
時に彼の曲にはクセが強いところがあります。
クセが強くても良い曲だと思って聞いていたら、いつの間にかクセの強さゆえに好きになるところがあります。
この曲のアレンジも少し重めですが、私はそこが気に入っています。
同じアルバムにはもう1曲私の好きな曲がありますのでご紹介しておきましょう。
5位「SPIRIT」(アルバム:4Flusher)
■曲名:SPIRIT
■アルバム名:4Flusher
■動画リンク:「SPIRIT」
彼の音楽の魅力は、ブラック・ミュージックとJPOPの理想的な融合です。
実際彼はこう語っています。
日本のポップスに、どこまでソウルなどを溶かし込めるかが課題であると語っていた[10]。
課題ではなく、実際できていると思いますけどね。
彼はスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)が好きだと公言しています。
彼のクセの強さは、スライやアイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)におけるアーニー・アイズレー(Ernie Isley)由来かもしれません。
一方彼の歌はそれほど黒くはありません。
いや日本人としては黒いけれど、サウンドとの対比で考えると相対的に白い。
一方楽曲のメロディは日本人らしい、つまりJPOPらしい魅力も備えています。
彼らの音楽には、それらが絶妙のバランスで配合されています。
6位「Progress〈Family Sugar Version〉」(アルバム:PARADE)
■曲名:Progress〈Family Sugar Version〉
■アルバム名:PARADE
■動画リンク:「Progress〈Family Sugar Version〉」
この時期の彼は一般的にも知名度が高まりつつありました。
この曲がNHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』主題歌に使われたことから、彼の知名度は飛躍的に高まりました。
その結果、この年彼は第57回NHK紅白歌合戦に出場しています。
ただこの曲は元々彼が参加していたバンド、kōkua(コクア)の曲でした。
スガシカオの曲としては、シングルカットされていません。
元々彼が作詞作曲しボーカルの曲でしたが、紅白では知名度の問題からか、彼1人で出演しました
他のバンドのメンバーは、少しかわいそうですね。
7位「June」(アルバム:TIME)
■曲名:June
■アルバム名:TIME
■動画リンク:「June」
彼の最高傑作は決めるのが難しいです。
私は3枚目の「Sweet」から「PARADE」までのどれかだと思います。
逆に言えばどのアルバムにも、そう思わせるほど安定した品質の高さがあります。
この曲はシングルカットされていませんが、シングルになっていたらきっと売れたと思います。
彼はソングライターとして一流でしたが、一方で彼はハスキーな声質とフェロモンを備えたシンガーでした。
ただ彼の音域は広くありませんし、テクニカルなタイプでもありません。
しかし彼の歌は曲と一体で、彼が書いた曲を歌うことにおいて、彼以上のシンガーはいません。
8位「アンシンメトリー」(アルバム:SMILE)
■曲名:アンシンメトリー
■アルバム名:SMILE
■動画リンク:「アンシンメトリー」
彼の基本はファンク・ミュージックです。
彼は作詞作曲だけでなく、アレンジも自分で手掛けることがあります。
彼がアレンジした曲は大体ファンク風です(笑)
この曲は森俊之と共同で編曲していますが、彼のファンキーなリズム・ギターが聞きものです。
ちなみに彼は2012年に、こんな共演が実現しています。
2012年9月、東京JAZZに出演。ルーファス(英語版)、タワー・オブ・パワーらファンクバンドと共演し、自身の持ち曲である「黄金の月」、「正義の味方」、「91時91分」を演奏した。
ルーファスと共演した動画を見つけました。
予想通りかなり自然体で共演していますね。
9位「光の川」(アルバム:TIME)
■曲名:光の川
■アルバム名:TIME
■動画リンク:「光の川」
私は彼に人間的な尊敬と同時に親しみを感じます。
大先輩に失礼ですが、友達になれそうというか、なりたいと感じさせる人です。
彼はノイズ・ミュージックから佐野元春、そしてファンク・ミュージックを愛する音楽ファン。
そして村上春樹や戦後を代表する詩人、鮎川信夫を愛する文学通。
様々なエピソードを読むにつけ興味深く、愛すべき人柄がうかがえます。
そういえば彼は本名が「菅 止戈男」(読み:スガシカオ)だというのは有名な話です。
しかし「止戈男」とは「争いを止める男」という意味なのだとか。
そういう逸話も含めて、人として魅力的です。
10位「海賊と黒い海」(アルバム:THE LAST)
■曲名:海賊と黒い海
■アルバム名:THE LAST
■動画リンク:「海賊と黒い海」
今回彼の曲のデータを見て、1つ思ったことがあります。
彼の曲はCMソング、映画やドラマの主題歌など、タイアップの曲が少なくありません。
企業側から見たら、安定した曲の水準と幅広い層に好かれるイメージは魅力だと思います。
しかし彼はそんな環境に危機感を感じていたようです。
2011年10月、オフィスオーガスタからの独立を発表。後のインタビューで、メジャーでは曲が生々しい形でリスナーに伝わらないためと語っている[3]。
このアルバムは従来の殻を壊して、集大成となる作品をつくりたいという構想の下つくられました。
その結果タイアップは激減しました。
その代りに彼の音楽には、従来とは違った魅力を帯び始めました。
たとえば「あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ」という曲は、その曲名だけで何か伝わってくる感じがしないでしょうか。
明らかにタイアップ向きの曲名ではありません。
彼は優秀な商業アーティストというだけでは、心が満たされない人なのでしょう。
これからも彼の音楽と生き様に注目です。
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