今回はメアリー・J. ブライジのランキングを作成しました。
彼女は現代でも最高峰のシンガーの1人です。
元々から彼女は才能あるシンガーでしたが、デビュー後更に成長しようとしました。
- 1 1位「Mary Jane (All Night Long)」(アルバム:My Life)
- 2 2位「Real Love」(アルバム:What’s the 411?)
- 3 3位「MJB da MVP (featuring 50 Cent)」(アルバム:The Breakthrough)
- 4 4位「I’m Goin’ Down」(アルバム:My Life)
- 5 5位「You Remind Me」(アルバム:What’s the 411?)
- 6 6位「Everything」(アルバム:Ballads)
- 7 7位「Be Without You」(アルバム:The Breakthrough)
- 8 8位「I Can Love You」(アルバム:Share My World)
- 9 9位「As」(アルバム:Mary)
- 10 10位「Work in Progress (Growing Pains)」(アルバム:Growing Pains)
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1位「Mary Jane (All Night Long)」(アルバム:My Life)
■曲名:Mary Jane (All Night Long)
■曲名邦題:メアリー・ジェーン (オール・ナイト・ロング)
■アルバム名:My Life(1994年)
■アルバム名邦題:マイ・ライフ
■動画リンク:「Mary Jane (All Night Long)」
この曲には様々な引用が含まれています。
しかしその中でもメインといえるのは以下の曲。
Mary Jane Girls – All Night Long
一般にこのアルバムは彼女の最高傑作だと言われています。
全世代のアルバムを対象とした各種のオールタイム・ランキングにも入り、ローリングストーン誌のオールタイム・ランキング500では2020年版で126位に食い込むなど(1999年・2003年 279位、2012年 281位)、彼女のキャリアを代表する筆頭作品となっている[9][4][5][8]。
しかしこのアルバムの制作時、彼女の精神状態は最悪だったようです。
のちにメアリーはこのアルバムについて、「misery(みじめ)でpain(苦悩)…あれは地獄のような苦しみのアルバムよ」と2003年に振り返っている[15][2]。その背景には、プロデューサーのパフィとの確執、当時の恋人 K-Ciヘイリーとの揉め事やドラッグ依存、鬱症状などがあり[1][16]、「人生の最悪期だった」とメアリーはインタビューに答えている
アルバム・ジャケットの鋭い目つきからも、当時の精神状態がうかがえそうな感じがします。
2位「Real Love」(アルバム:What’s the 411?)
■曲名:Real Love
■曲名邦題:リアル・ラヴ
■アルバム名:What’s the 411?(1992年)
■アルバム名邦題:ホワッツ・ザ・411?
■動画リンク:「Real Love」
デビュー・アルバムの曲です。
子供時代の彼女は幸せとはいえませんでした。
メアリーは幼い頃に知り合いの大人から児童性的虐待を受けていた過去を、のちの2009年に公の場で打ち明けている[10]。身を守るためボクシングを少し習ったり、苦悩から逃れるために酒や麻薬に頼るようになったという[11][12]。
彼女は痛みや悲しみの表現にすぐれていると言われますが、その背景には生い立ちが影響しているのかもしれません。
この曲で彼女は以下のように歌っています。
私が探し求めているのは本物の愛(中略)
そして今、私の夢や直感が私を本物の愛に導いてくれたらいいなと願っている
Mary J. Blige – Real Love Lyrics(意訳:おとましぐら)
裏を返せば、この時彼女は本物の愛を得られていなかったということ。
当時彼女は21歳でしたが、どうにか過酷な子供時代をくぐり抜け、切実に幸せを求めていました。
3位「MJB da MVP (featuring 50 Cent)」(アルバム:The Breakthrough)
■曲名:MJB da MVP (featuring 50 Cent)
■曲名邦題:MJB・ダ・MVP (フィーチャリング 50セント)
■アルバム名:The Breakthrough(2005年)
■アルバム名邦題:ザ・ブレイクスルー
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「MJB da MVP (featuring 50 Cent)」
現在の彼女は誰もが認める存在です。
2023年1月に発表されたローリングストーン誌の選ぶ「オールタイム・グレイテスト・シンガー200」(The 200 Greatest Singers of All Time)では、第25位となった[6]。
それは「メアリー・J. ブライジがMVP」という曲名からもうかがえます。
このアルバムのリリース時彼女は35歳を迎え、大人の女性になっていました。
私は彼女が真に偉大なシンガーになったのは、このアルバムからだと思っています。
しかも初期とは違う魅力を打ち出して再度ピークに達した意義は大きい。
私個人として彼女の最高傑作を聞かれたら「My Life」と「The Breakthrough」のどちらかだと答えます。
ただ2作の間の道のりは平坦ではありませんでした。
4位「I’m Goin’ Down」(アルバム:My Life)
■曲名:I’m Goin’ Down
■曲名邦題:アイム・ゴーイン・ダウン
■アルバム名:My Life(1994年)
■アルバム名邦題:マイ・ライフ
■動画リンク:「I’m Goin’ Down」
セカンド・アルバムの曲です。
この曲はカバーです。
元ネタの曲をご紹介しましょう。
彼女は初期の2作ですぐれた才能を持ったシンガーとして注目を浴びました。
「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」と称され[1][2]、「ニュー・ジャック・ディーヴァ」、「ニュー・チャカ(チャカ・カーン)」、「ニュー・アレサ(アレサ・フランクリン)」とも形容される[1]。
しかし私は当時の彼女について、チャカ・カーン(Chaka Khan)やアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)とは、少々タイプが異なるように思います。
比較された先人2人は、型にはまらない自由奔放なシンガーです。
しかし少なくともこの時期のメアリーは、その点で2人に及びません。
プロデューサーであるショーン・パフィ・コムズ(Sean John Combs)とチャッキー・トンプソン(Chucky Thompson)らが与えた枠の中で機能するシンガーでした。
ただ彼女は偉大なシンガーになる可能性を秘めていました。
上に挙げた称号は早すぎたかもしれませんが、そのプレッシャーは後に彼女の成長を加速させたかもしれません。
5位「You Remind Me」(アルバム:What’s the 411?)
■曲名:You Remind Me
■曲名邦題:ユー・リマインド・ミー
■アルバム名:What’s the 411?(1992年)
■アルバム名邦題:ホワッツ・ザ・411?
■動画リンク:「You Remind Me」
デビュー時の彼女が注目を浴びたのは、必ずしも歌のテクニックではなかったように思います。
確かに歌の上手い歌手でしたが、R&Bには驚異的な実力を備えたシンガーがひしめいています。
しかしその代わりに彼女には説得力という武器がありました。
当初から彼女の歌には芯があり、訴えかける力の強いシンガーだったように思います。
加えて、彼女の歌には生の感情やストリート感覚がありました。
たとえばホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)はとても偉大なシンガーですが、ストリートの香りはありません。
それは彼女が王道を歩む、メインストリームの歌姫だからです。
しかしメアリーには細部にヒリヒリしたニューアンスがあって、そのスタイルは生の感情を表現するのに向いていました。
丁寧に歌うより、ちょっとしたラフさが良い方向に作用したかもしれません。
後に彼女は王道寄りにシフトしていきますが、初期には未完の大器としての魅力があります。
6位「Everything」(アルバム:Ballads)
■曲名:Everything
■曲名邦題:エヴリシング
■アルバム名:Ballads(2000年)
■アルバム名邦題:バラッズ
■動画リンク:「Everything」
「Share My World」の収録曲ですが、日本独自企画のコンピレーションの曲としてご紹介します。
この記事で私はヒット曲を網羅しようと考えていません。
彼女のようにキャリアが長くヒットが多い場合、有名曲を並べただけでは魅力を伝えられるか疑問ですし。
私は私はヒットしたかどうかよりも、彼女の魅力が表れた良い曲を優先したいと思っています。
ただ以下のヒット曲は結構好きなので、ご紹介しておきましょう。
彼女はバラードに良い曲が多いので、このバラード集は良い企画だと思いました。
この曲は以下の曲を引用しています。
The Stylistics – You Are Everything
7位「Be Without You」(アルバム:The Breakthrough)
■曲名:Be Without You
■曲名邦題:ビー・ウィザウト・ユー
■アルバム名:The Breakthrough(2005年)
■アルバム名邦題:ザ・ブレイクスルー
■動画リンク:「Be Without You」
彼女は最初の2枚「What’s the 411?」「My Life」でプロデューサーを務めたショーン・パフィ・コムズと決別し、3枚目「Share My World」からは自立して試行錯誤し始めました。
そして7枚目のこのアルバムでは、そのトライ・アンド・エラーが実を結びました。
前作「ラヴ & ライフ(Love & Life)」では再びショーン・パフィ・コムズにプロデュースを依頼しましたが、初期の頃にあったマジックがありませんでした。
その和解と再会が不発に終わった後、このアルバムがつくられました。
「突破口」を意味するアルバム名からして、今作に賭ける決意のほどがうかがえます。
実際そのアルバム名にふさわしく、久々の快作となりました。
このアルバムはショーン・パフィ・コムズと組の初期2枚とは、音楽性が少し異なります。
試行錯誤した時期の延長線上に位置する作品だと思います。
8位「I Can Love You」(アルバム:Share My World)
■曲名:I Can Love You
■曲名邦題:アイ・キャン・ラヴ・ユー
■アルバム名:Share My World(1997年)
■アルバム名邦題:シェア・マイ・ワールド
■動画リンク:「I Can Love You」
ショーン・パフィ・コムズと決別した後、彼女に必要だったのは経験でした。
この3作目をリリースした時、彼女はまだ26歳という若さ。
最初の2枚はアルバムを通して聞きたくなるような、トータル性にすぐれた作品でした。
しかしこのアルバム以降は路線変更し、様々なプロデューサーと組んで多彩な曲を収録しました。
その分アルバム全体のコンセプトは弱まりますが、結果として彼女の経験値は飛躍的に高まったと思います。
しかもこのアルバムは試行錯誤しながらもセールス的に好調を維持し、上々のリスタートになりました。
その後も試行錯誤を継続しましたが、セールス的には一線級であり続けました。
私はその間の変化について、少なくとも音楽的には全てが上手くいったとは思っていません。
ただそれらを含め彼女にとっては必要な糧になったと思います。
9位「As」(アルバム:Mary)
■曲名:As
■曲名邦題:永遠の誓い
■アルバム名:Mary(1999年)
※この曲が収録されていないCDがあります
■アルバム名邦題:メアリー
■動画リンク:「As」
この曲はスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)のカバーで、ジョージ・マイケル(George Michael)とデュエットしています。
彼女はスティーヴィーが好きらしく、先程ご紹介した「Ballads」でも以下の曲をカバーしています。
彼女は古いソウル・ミュージックからの影響が色濃いシンガーです。
初期の2枚ではHIPHOP色の強いトラックを背負って、本格派ソウル・シンガーが歌うといった趣きがありました、
当時はその組み合わせが注目を浴び「ヒップホップ・ソウル(Hip Hop Soul)」と呼ばれました、
今でこそ珍しくありませんが、当時は新しさと古さの組み合わせが新鮮だったのですね。
彼女は古いソウル・ミュージックの良き伝承者です。
10位「Work in Progress (Growing Pains)」(アルバム:Growing Pains)
■曲名:Work in Progress (Growing Pains)
■曲名邦題:ワーク・イン・プログレス(グロウイング・ペインズ)
■アルバム名:Growing Pains(2007年)
■アルバム名邦題:グロウイング・ペインズ
■動画リンク:「Work in Progress (Growing Pains)」
「The Breakthrough」の次作の曲です。
このアルバムでは、以下のヒット曲も聞き逃せません。
初期の2枚での彼女は過酷な生い立ちがにじみ出ている、説得力のある歌でリスナーに強くアピールしました。
しかしいつまでも彼女は過去の不幸な記憶に縛られてはいられなかったかもしれません。
そこから得られた説得力も永続するとは限りませんし。
彼女は経験値を高めて音楽性を高め、更には過酷なボイス・トレーニングによって歌を磨きました。
この曲では初期に比べて、よりプロフェッショナルな歌を聞かせてくれます。
先程私は初期の彼女について、与えられた枠の中にいるシンガーだと申し上げました。
しかしこの頃の彼女は総合力と完成度を高め、初期には未完だった才能が開花しています。
ちなみ初期の彼女が比較されたアレサ・フランクリンとはこういう人。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第1位に選ばれている[5]。
もう今の彼女は「ニュ・アレサ」という称号も大げさではありません。
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