今回はオジー・オズボーンのランキングを作成しました。
彼は優れたシンガーですが、同時に才能あるギタリストを発掘した人でした。
この記事ではオジー本人だけでなく、歴代ギタリストもご紹介したいと思います。
- 1 1位「Crazy Train」(アルバム:Blizzard of Ozz)
- 2 2位「Mr. Crowley」(アルバム:Blizzard of Ozz)
- 3 3位「Bark at the Moon」(アルバム:Bark at the Moon)
- 4 4位「Miracle Man」(アルバム:No Rest for the Wicked)
- 5 5位「Flying High Again」(アルバム:Diary of a Madman)
- 6 6位「Goodbye to Romance」(アルバム:Tribute)
- 7 7位「Secret Loser」(アルバム:The Ultimate Sin)
- 8 8位「S.A.T.O.」(アルバム:Diary of a Madman)
- 9 9位「I Don’t Want to Change the World」(アルバム:No More Tears)
- 10 10位「So Tired」(アルバム:Bark at the Moon)
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- 13 他ブログ・SNS等
1位「Crazy Train」(アルバム:Blizzard of Ozz)
■曲名:Crazy Train
■曲名邦題:クレイジー・トレイン
■アルバム名:Blizzard of Ozz(1980年)
■アルバム名邦題:ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説
■動画リンク:「Crazy Train」
あるアーティストについて、どの時期が好きか聞かれることはないでしょうか。
もしオジーについてそう聞かれた場合は、いつもとは少し違う答え方が求められているかもしれません。
「<ギタリストの名前>の時期」と答えるのが一般的です。
その次に好きなアルバム名を答えるとなお良いでしょう。
この記事で取り上げた時期は特に顕著ですが、オジーは新たなギタリストを迎える度に音楽も変化します。
当たり前だと思われるかもしれません。
ヘヴィ・メタルはギターがサウンドの柱ですが、それはオジーも同じですから。
しかしオジーの場合は、変化する時に毎回サプライズがありました。
新しいギタリストが加入する度に、こんなすごいギタリストがなぜ無名だったのかと驚かされましたし。
しかもオジーは若い才能を最大限活かしきり、常にすばらしいアルバムを届けてくれました。
無名のすごいギタリストを抜擢し、その才能を活かすことによって彼は新機軸を打ち出していたのですね。
2位「Mr. Crowley」(アルバム:Blizzard of Ozz)
■曲名:Mr. Crowley
■曲名邦題:ミスター・クロウリー<死の番人>
■アルバム名:Blizzard of Ozz(1980年)
■アルバム名邦題:ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説
■動画リンク:「Mr. Crowley」
この記事では、以下の3人のギタリストの時期に限定しました。
■ランディ・ローズ(Randy Rhoads):1979年~1982年
「Blizzard of Ozz」
「Diary of a Madman」
■ジェイク・E・リー(Jake E. Lee):1983年~1987年
「Bark at the Moon」
「The Ultimate Sin」
■ザック・ワイルド(Zakk Wylde):1987年以降度々共演
「No Rest for the Wicked」
「No More Tears」
対象期間でも他のギタリストの作品もありますが、この記事では上記3名に絞ってご紹介しています。
最初に私の立ち位置を申し上げると、私はランディ・ローズ期が一番好きです。
ただそれは他の時期がつまらないという意味ではありません。
たとえば好きなラーメンを聞かれてとんこつラーメンと答えたとしても、他のラーメンが嫌いではないのと同じように。
私も実際どの時期も全部好きです。
3位「Bark at the Moon」(アルバム:Bark at the Moon)
■曲名:Bark at the Moon
■曲名邦題:月に吠える
■アルバム名:Bark at the Moon(1983年)
■アルバム名邦題:月に吠える
■動画リンク:「Bark at the Moon」
オジーの初代ギタリスト、ランディ・ローズはメタル・シーンに衝撃を与えました。
しかしランディが飛行機事故で亡くなると、オジーは次のギタリストとしてジェイク・E・リーを抜擢しました。
その第一弾となるアルバムの冒頭に置かれたこの曲は、ジェイクにとって名刺代わりの1曲になりました。
この曲での直線的でエッジの立ったギタープレイは、当時大きな衝撃を与えました。
ランディ・ローズもすごかったけど、またとんでもないのが出てきたなと。
オジーのボーカルはクセが強いので、主張の強いギタリストだと個性のぶつかり合いになりがちかもしれません。
ただオジーはいぶし銀とかボーカルを引き立てることよりも、自分のボーカルとせめぎ合う派手なギタリストを好んでいるようですね。
その意味でジェイクのような分かりやすい凄腕ギタリストは、うってつけだったかもしれません。
この曲などはボーカルよりギターの方が目立っているぐらいです。
4位「Miracle Man」(アルバム:No Rest for the Wicked)
■曲名:Miracle Man
■曲名邦題:ミラクル・マン
■アルバム名:No Rest for the Wicked(1988年)
■アルバム名邦題:ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド
■動画リンク:「Miracle Man
このアルバムからザック・ワイルドがギタリストに交代しました。
ザック・ワイルドのプレースタイルは名は体を表していて、豪快でワイルドなところが魅力です。
しかしそれにしてもランディ・ローズ→ジェイク・E・リー→ザック・ワイルドと続く、この3人のリレーはすごかったと思います。
強者ぞろいのメタル界隈でも、頂点といえるギタリストばかり。
当初は全員無名か無名に近い存在でしたが、オジーに抜擢されたことで実力に見合った知名度を得ました。
ザック・ワイルドなどは当時10代で、デモテープを聞いたオジーが起用を決めたそうです。
オジーはギタリストの名伯楽だったのですね。
しかし上記3人レベルのギタリストに出会うこと自体極めて稀ですから、オジーの運の強さも感じます。
加えて抜擢しただけに留まらず、彼らの魅力を最大限に引き出したのもさすがです。
オジーは出る杭を伸ばす人だったのですね。
5位「Flying High Again」(アルバム:Diary of a Madman)
■曲名:Flying High Again
■曲名邦題:フライング・ハイ・アゲイン
■アルバム名:Diary of a Madman(1981年)
■アルバム名邦題:ダイアリー・オブ・ア・マッドマン
■動画リンク:「Flying High Again」
ランディ・ローズが参加して2作目の曲です。
このセカンドはファーストに比べると有名曲は多くないように思います。
私は個人的な思い入れからファーストを推しますが、客観的には2枚の出来は同等だと思います。
オジーの1枚目と2枚目は、ドアーズの初期2枚の関係に似ているかもしれません。
つまりファーストの方が目立つ曲は多いけれど、セカンドはアルバム・トータルで完成度が上がったと。
ランディのギターはリフではハードですが、ソロになると美しく華麗に変貌します。
クラシックの素養も違和感なくプレイに溶け込んでいます。
有名な「Mr. Crowley」のギターソロも良いですが、この曲のギターソロもすばらしいですね。
ランディはザックに比べると古典的なギタリストかもしれません。
しかしだからこそ古典的なギターヒーロー像がハマりました。
当時彼はエディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)、マイケル・シェンカー(Michael Schenker)と並んで、ギター小僧があこがれる存在でした。
6位「Goodbye to Romance」(アルバム:Tribute)
■曲名:Goodbye to Romance
■曲名邦題:グッバイ・トゥ・ロマンス
■アルバム名:Tribute(1987年)
■アルバム名邦題:トリビュート〜ランディ・ローズに捧ぐ
■動画リンク:「Goodbye to Romance」
事故で亡くなったランディの追悼アルバムの曲です。
オジーとランディの出会いは運命的なものでした。
ランディは、このオーディションに乗り気ではなかったという。とても受かる自信がなかったのだ。(中略)
そしてウォーミングアップのつもりで少し弾いていると、オジーはランディに近づいて言った。「君に決まりだ!」
この曲はオジーとランディ両者のメロディアスな側面を代表する曲。
ちなみにオジーはビートルズの熱狂的なファンです。
シャロン曰く、「オジーは生涯ずっとザ・ビートルズをアイドル視してきた。彼らがいたから、自分は音楽の道に進んだって言ってるわ。オジーとは35年近く一緒にいるけど、彼は35年間1日も欠かさずザ・ビートルズを聴いてるの。バイクの事故でこん睡状態にあったとき、私達、病室でザ・ビートルズをかけまくってたのよ」と語っている[22]。
オジーは共作が多く、彼単独のソングライティング力は把握しにくいかもしれません。
ただ誰と組んでもこういう美しいメロディの名曲を生んでいるので、オジーのソングライティング能力は相当高いと思われます。
もう1曲同じ傾向の曲をご紹介しましょう。
Ozzy Osbourne – Mama, I’m Coming Home
7位「Secret Loser」(アルバム:The Ultimate Sin)
■曲名:Secret Loser
■曲名邦題:シークレット・ルーザー
■アルバム名:The Ultimate Sin(1986年)
■アルバム名邦題:罪と罰
■動画リンク:「Secret Loser」
このアルバムは従来のファンからポップすぎると批判されました。
実際オジーも気に入っていないようで、リマスター対象からも除外されています。
このアルバムは「暗闇にドッキリ!(Shot in the Dark)というポップな異色曲が収録されています。
Ozzy Osbourne – Shot in the Dark
メタルに限りませんが、ポップになると硬派なファンは不満を抱くもの。
たとえばジューダス・プリースト(Judas Priest)でも、アメリカナイズされた「黄金のスペクトル(原題:Point of Entry)」を黒歴史扱いするファンがいます。
昔のメタルがポップ路線になる背景としては、アメリカの市場を意識したケースがあります。
ジューダス・プリースト、マイケル・シェンカー、アクセプトもそうでした。
実際オジーのこのアルバムも6位を記録し、初めてアメリカのアルバム・チャートのトップテンに入りました。
大衆的な人気を取るか、コアなファンを取るかは難しい問題です。
ただ批判的なコアなファンは、硬派なこの曲が入っていたことに救われたかもしれません。
8位「S.A.T.O.」(アルバム:Diary of a Madman)
■曲名:S.A.T.O.
■アルバム名:Diary of a Madman(1981年)
■アルバム名邦題:ダイアリー・オブ・ア・マッドマン
■動画リンク:「S.A.T.O.」
この記事では彼のソロ・キャリアの前期までを対象にしました。
正直良い曲が多すぎて、10選では晩年まで網羅できません。
特にこのアルバムは曲の出来がほぼ同等なので、選曲時にかなり迷いました。
同じくこの記事の対象期間はアルバムの出来が安定して高水準なので、彼の最高傑作を選ぶのは容易なことではありません。
しいていえば「The Ultimate Sin」がコアなファンには不評ですが、ヒットメイカーのロン・ネヴィソン(Ron Nevison)がプロデュースしただけあって、売れ線の曲が好きな人にはおすすめできます。
一般的にはソロデビュー作がメタル名盤として名高いですが、頭一つ抜けている感じはしません。
最終的にはどのギタリストの好みかで、その人にとっての最高傑作が決まるような気がします。
今のところ入門編に最適なベスト盤も見当たりませんし。
初めて聞く方は1枚目から順に聞いて、劇的なギタリストの交代劇を追体験するのがおすすめです。
9位「I Don’t Want to Change the World」(アルバム:No More Tears)
■曲名:I Don’t Want to Change the World
■曲名邦題:アイ・ドント・ウォント・トゥ・チェンジ・ザ・ワールド
■アルバム名:No More Tears(1991年)
■アルバム名邦題:ノー・モア・ティアーズ
■動画リンク:「I Don’t Want to Change the World」
この曲でオジーは初めてグラミー賞を受賞しました。
この曲はモーターヘッド (Motörhead) のレミー・キルミスター(Lemmy Kilmister)との共作曲。
先程オジーは共作が多いと書きましたが、それが彼なりのやり方なのかもしれません。
奇抜なキャラクターに反して、私は彼にアーティスト・エゴを感じません。
そもそも自分の意思を音楽に反映させたいのならば、できるだけ共作はしない方がいい。
誰かを曲づくりに介入させることは、自分の考えを取り下げることに他なりません。
彼の奇人エピソードは誰かを楽しませたいというサービス精神からくるものが少なくありません。
あの有名な蝙蝠を食いちぎった事件も、レプリカだと思ってかみついたら本物だったというのが真相です。
彼は自虐的なジョークを得意としていました。
それらはすべて誰かがいて初めて成り立ちます。
オジーには計算とかなくて、単に誰かと一緒に曲を書きたかったのかもしれません。
10位「So Tired」(アルバム:Bark at the Moon)
■曲名:So Tired
■曲名邦題:ソー・タイアード
■アルバム名:Bark at the Moon(1983年)
■アルバム名邦題:月に吠える
■動画リンク:「So Tired」
彼はアメリカのリアリティショーに出演したことで、更に有名になりました。
彼はアメリカで愛すべきキャラクターとして認識されているようです。
オジーから息子のように可愛がられたザック・ワイルドは、在籍時について常に笑いが絶えなかったと語っています。
そもそもオジーはザックと初対面からこんな感じですし。
翌日ぐらいにはオジーもやって来た。俺は“オジーだ、信じられない!”という感じだった。すると彼は“ザック、ただただ心で演奏してくれ。それからパンツを替えろ。何かすごく臭いぞ”と言ったんだ(笑)
ザック・ワイルド、オジー・オズボーンからオーディション中に「ただただ心で演奏してくれ。それからパンツを替えろ。何かすごく臭いぞ」と言われたと回想
その一方で彼は生涯アルコールとドラッグの問題を抱えていました。
彼は自伝の中で依存症によって多くの失敗や家族に迷惑をかけたと告白し「俺は弱い人間だ。でも戦ってる」と語っています。
時にはこんなことも。
おどけて人を笑わせたり、恐怖と戦ったり、失敗もあった一方誠実であろうとしたり、そうした振れ幅の大きさこそがオジーという愛すべき人間の尊さを表しています。
2025年7月22日彼は亡くなりました。享年76歳。
オジーはこの曲の冒頭で、さよならを告げる時が来たと歌っています。
常に注目を浴び、サービス精神旺盛な彼の人生は、さぞかし忙しかったことと思われます。
これからは天国でゆっくり休んでほしいです。
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