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ザ・ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はザ・ストーン・ローゼズのランキングを作成しました。

このバンドはある一時代を象徴する存在を超えて、後世に絶大な影響を与えました。

それにしてもオリジナル・アルバムが2枚しかないのに、紹介したい曲が多すぎます。

この記事では彼らの特徴を整理し、なるべく公平な視点を意識して選曲してみました。

 

1位「Made Of Stone」(アルバム:The Stone Rose)

■曲名:Made Of Stone
■曲名邦題:メイド・オブ・ストーン
■アルバム名:The Stone Rose(1989年)
■アルバム名邦題:ザ・ストーン・ローゼズ(石と薔薇)
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Made Of Stone」

彼らの代表曲を決める時、人によってかなり意見が分かれるように思います。

まずどのアルバムが好きかによって異なりますし。

シングルチャートでは「Love Spreads」の2位が最高位で、続いて「One Love」が4位です。

ちなみに英ガーディアン誌が選んだランキングでは「Tell Me」が1位でした、

「Tell Me」は選外にしましたので、リンクだけ貼っておきましょう。

The Stone Roses- Tell me

この記事では私の独断と偏見で「Made Of Stone」を1位にしました。

あと「Fools Gold」「Begging You」を加えた3曲で、ある程度このバンドの概要は把握していただけるかもしれません。

この「Made Of Stone」は、以下の曲の影響を受けて書かれたそうです。

Primal Scream – Velocity Girl

 

2位「She Bangs The Drums」(アルバム:The Stone Rose)

■曲名:She Bangs The Drums
■曲名邦題:シー・バンクス・ザ・ドラムス
■アルバム名:The Stone Rose(1989年)
■アルバム名邦題:ザ・ストーン・ローゼズ(石と薔薇)
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「She Bangs The Drums」

このバンドが話題になり始めた頃、一様にザ・バーズ(The Byrds)からの影響が指摘されました。

当時の彼らはR.E.M.と並んで、ザ・バーズの影響を色濃く感じさせました。

デビュー時の彼らは古くて新しいバンドでしたが、古い部分はザ・バーズの影響が大きかったと思います。

ザ・バーズについては、以下の曲をお聞きください。

The Byrds – The Bells Of Rhymney

ローゼズを聞いた後だと、逆にザ・バーズがストーン・ローゼズっぽいと感じてしまいますね(笑)。

もちろん両者が似ていると言っても、表面上の印象にすぎません。

より重要なのは彼らの新しさの方ですが、次の曲の解説でご説明します。

 

3位「Fools Gold」(アルバム:Turns Into Stone)

■曲名:Fools Gold
■曲名邦題:フールズ・ゴールド
■アルバム名:Turns Into Stone(1992年)
※ジャケットはシングルのもの
■アルバム名邦題:ターンズ・イントゥ・ストーン
■動画リンク:「Fools Gold」

このバンドの革新性は、クラブ・ミュージックの影響を消化したリズム・アプローチです。

彼らはマッドチェスター (Madchester) と呼ばれるムーヴメントの中心的存在でした、

その音楽はマンチェスター・サウンドとも呼ばれ、ダンス・ミュージックとロックの融合が特徴の音楽でした。

この曲のリズムは、以下の2曲が元ネタです。

James Brown – Funky Drummer (Drum Break)
Young MC – Know How

ドラムについては、もう1曲あったと思いますが思い出せません。

このバンドは、マニ(Gary Michael Mounfield)のベースとレニ(Alan John Wren)のドラムが強力でした。

2人はただ影響を受けただけではありません。

批評的でクールな肌ざわりにした一方、大きなうねりが特徴のグルーヴを生み出しました。

2人はリズムの解釈力と応用力、それを可能とした演奏力によって、ジャンルの境界線を無効化しました。

 

4位「Begging You」(アルバム:Second Coming)

■曲名:Begging You
■曲名邦題:ベギング・ユー
■アルバム名:Second Coming(1994年)
■アルバム名邦題:セカンド・カミング
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Begging You」

最初に私の立場を述べておくと、私は1枚目の「The Stone Rose」が最高傑作だと思っています。

しかしこのセカンドには否定的ではありません。

当初私も待ちに待ったセカンド・アルバムを聞いて失望しました。

しかしその後私は好きになろうと、何度もこのアルバムを聞き返しました。

好きになろうと粘る時点でダメではないかと思われるかもしれませんが、私は今までそうやって苦手な曲を好きになりました。

それでもファーストにはわずかに届かないというのが、偽らざる今の私の考えです。

もちろん自分の感想も絶対ではありませんし、それが正しいと言い張るつもりは毛頭ありません。

思うのですが、ファーストが好きな人はセカンドを酷評しがちで、セカンドを好きな人はファーストを貶める風潮があるように思います。

中には「クソだ」とか「駄作」など強い言葉を使う人も。

そう言いたくなる時は、一旦時間を置いてから再度聞き直してみてはいかがでしょうか。

私は押してダメなら、更に何度でも押すみたいな聞き方をします。

しかし押してダメなら引いてみる方が、より賢明な方法だと思います。

 

5位「I Wanna Be Adored」(アルバム:The Stone Rose)

■曲名:I Wanna Be Adored
■曲名邦題:アイ・ウォナ・ビー・アドアード
■アルバム名:The Stone Rose(1989年)
■アルバム名邦題:ザ・ストーン・ローゼズ(石と薔薇)
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「I Wanna Be Adored」

昔インタビューでボーカルのイアン・ブラウン(Ian Brown)が「神がいるなら見てみたい」と発言をしているのを読んだことがあります。

当時このバンドは宗教がかっていたかもしれません。

この曲では「俺は崇拝されたい」と繰り返し歌われています。

そして同じアルバムの最後の曲「I Am The Resurrection」では「俺は復活した者であり生命そのものだ」と歌っています。

当時彼らはスキャンダラスな存在でした。

ブレイク前のイアン・ブラウンとレニは、自分たちが注目されていないことにいら立ち、ある日町中にバンド名を落書きしまくったそうです。

かなり自己評価が高かったのですね。

しかし彼らは後に、肥大した自我に見合った評価を得ました。

デビューアルバムは瞬く間にイギリスにおけるクラシックとなり、NME誌が選ぶイギリス史上最高のアルバムに選ばれた[4]。

ジョン・スクワイア ウィキペデイア

私はこの曲のもったいぶったイントロを宗教っぽいと感じます。

しかしこの曲ではむしろそれが魅力的に響きますが、セカンドの冒頭のイントロは、さすがに長すぎると思いました。

 

6位「One Love」(アルバム:Turns Into Stone)

■曲名:One Love
■曲名邦題:ワン・ラヴ
■アルバム名:Turns Into Stone(1992年)
■アルバム名邦題:ターンズ・イントゥ・ストーン
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「One Love」

彼らはオリジナル・アルバムを2枚しか残していません。

しかし1992年までのシングルを収録したこの編集盤は、オリジナル・アルバム相当と考えていいと思います。

ちなみに1枚目のイギリス盤とアメリカ盤では収録曲が違っていて、アメリカ盤では「Elephant Stone」が追加されています。

更にイギリス盤とアメリカ盤の両方共、再発時ラストに「Fools Gold」が追加されました。

私のは初盤のイギリス盤なので「I Am The Resurrection」でカタルシスが頂点に達した後「Fools Gold」が続くことには違和感があります。

一方この「Turns Into Stone」には「Elephant Stone」と「Fools Gold」が収録されています。

それ以外にファーストと被っている曲はありません。

ファーストをイギリス盤の初期盤で買いこのコンピを買うと、曲が重複しませんし、実質的なセカンド・アルバムとして聞けるのでおすすめです。

惜しくも選外となった「Elephant Stone」のリンクを貼っておきましょう。

The Stone Roses – Elephant Stone

 

7位「Love Spreads」(アルバム:Second Coming)

■曲名:Love Spreads
■曲名邦題:ラヴ・スプレッズ
■アルバム名:Second Coming(1994年)
■アルバム名邦題:セカンド・カミング
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Love Spreads」

このセカンド・アルバムの評価は、いま一つ高くありません。

音楽性の変化が世評の低さに影響しているように思います。

前作がザ・バーズ基調だとしたら、こちらはレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)がよく引き合いに出されました。

ゼップの影響が指摘されるのは、このファースト・シングルの印象が強いせいかもしれません。

あとファーストは音圧が低く、それが良くも悪くもアルバムの印象を左右していました。

ファーストではドリーミーで淡いメロディの曲が目立ちましたが、セカンドではそういう曲は少なくなりました。

ただファーストでは、音圧の低さが繊細ではかなげな印象を与えていた面もあり、必ずしも不利に働いていなかったかもしれません。

一方このセカンドは録音面が大幅に改善されました。

セカンドの方を高く評価する方は、録音面も一つの要因かもしれません。

このバンドは、ヘタウマなイアン・ブラウンと演奏力のある他の3人との間にギャップがありました。

録音が改善されサウンドが分厚くなったセカンドでは、声量のないイアン・ブラウンが埋没しているような印象を受けます。

以前長所として認識されていた面が、短所として気付かれやすくなったかもしれません。

 

8位「Breaking Into Heaven」(アルバム:Second Coming)

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■曲名:Breaking Into Heaven
■曲名邦題:ブレイキング・イントゥ・ヘヴン
■アルバム名:Second Coming(1994年)
■アルバム名邦題:セカンド・カミング
■動画リンク:「Breaking Into Heaven」

この曲は11分19秒とかなり長いですが、前半の効果音みたいな部分を4分半程度をカットして再生するようにしました。

このバンドには音楽とビジュアルの両方において、サイケデリックなイメージがあります。

そうした側面は、ギターのジョン・スクワイア(John Squire)が主導していました。

たとえばジャクソン・ポロックのアクション・ペインティングから影響されたファーストのジャケットは彼の作品です。

現在彼は画家として活動しているようですね。

今回は彼の作品をご紹介したいと思い、シングル・ジャケットを多めにご紹介しました。

ちなみにファーストのジャケは10位、セカンドはこの8位をご覧ください。

このバンドでは、無軌道でカリスマ性のあるイアン・ブラウンとアート志向と作曲・サウンドの中心人物、ジョン・スクワイアとの間でマジックが生まれていました。

そしてそのマジックは、マニとレニという最強リズムで増幅されました。

このバンドには、この4人でしか生まれなかった組み合わせの奇跡があったように思います。

 

9位「Sally Cinnamon」(アルバム:The Complete Stone Roses)

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■曲名:Sally Cinnamon
■曲名邦題:サリー・シナモン
■アルバム名:The Complete Stone Roses(1995年)
■アルバム名邦題:ザ・コンプリート・ストーン・ローゼズ
■動画リンク:「Sally Cinnamon」

このバンドの音源を収集する場合、2枚のオリジナル・アルバムと「Turns Into Stone」は必須科目といえます。

しかしこのアルバムはコレターズ・アイテム色が強く、選択科目みたいなものかもしれません。

このアルバムには初期のシングルが収録されており、そこまで網羅したいかどうかが収集時の焦点になります。

初期のシングルでは、特にこの曲の出来が良いと思います。

このアルバムを買う一つの判断ポイントになると思い、ご紹介させていただきました。

その他の音源では初期音源集の「ガレージ・フラワー(Garage Flower)」と「ザ・リミキシーズ The Remixies」があります。

特に後者のリミックス・アルバムは、人によってかなり評価が別れます。

私のある友人はかなり嫌っていますが、私はそこまで悪いとは思っていません。

リミックス・アルバムから1曲ご紹介しておきましょう。

The Stone Roses – Waterfall (12″ Remix)

 

10位「I Am The Resurrection」(アルバム:The Stone Rose)

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■曲名:I Am The Resurrection
■曲名邦題:アイ・アム・ザ・レザレクション
■アルバム名:The Stone Rose(1989年)
■アルバム名邦題:ザ・ストーン・ローゼズ(石と薔薇)
■動画リンク:「I Am The Resurrection」

ファーストのラストを飾るこの曲は、やはりこの位置が良いように思いました。

1996年このバンドは解散することになりました。

1995年3月レニが脱退すると、翌年1996年4月にはジョン・スクワイアも続きました。

ジョンは脱退理由について、以下のように語っています。

過去数年間にしだいに生じていった人間関係と音楽性の溝から避けられない結果だった

ザ・ストーン・ローゼズ ウィキペディア

バンドは新たなメンバーを迎えて存続しましたが、1996年10月についに解散することになりました。

解散の前はこんな状態でした。

レディング・フェスティバルの大トリに出演[14]。しかし、終始音を外したイアンのボーカルや女性バックコーラス兼ダンサー陣を加えたステージは観客に受け入れられず、ブーイングや物が飛び交う事態になった。加えてプレスも一斉にローゼズのパフォーマンスを批判した[15]。

ザ・ストーン・ローゼズ ウィキペディア

イアンが音を外すのは、もっと以前からのことです。

ただ4人がそろっていた頃は、むしろそれは強味にさえ思えました。

その後バンドは再結成し、以下の曲をリリースして再度解散しました。

The Stone Roses – Beautiful Thing

良い曲ですが、どことなく後日談といった感じがします。

一方この「I Am The Resurrection」では、魔法がかっていた頃のスリルを体感できます。

ためしに3:40からをお聞きください。

最初にマニがスイッチを入れると、ジョンとレニが続き、スリリングな演奏が繰り広げられます。

このアルバムが歴史的傑作と言われる理由は、ラストのこの曲を聞けば分かります。

 

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