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ローリン・ヒル(Lauryn Hill)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】 【フージーズ(The Fugees)時代含む】

今回はローリン・ヒルのランキングを作成しました。

彼女はオリジナル・アルバムが1枚だけで、他にライブ・アルバムが1枚あるだけです。

そこでフージーズ時代も対象にしました。

加えてあまり知られていないアルバム未収録曲も発掘しています。

 

1位 Lauryn Hill「To Zion」(アルバム:The Miseducation of Lauryn Hill)

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■アーティスト名:Lauryn Hill (featuring Carlos Santana)
■アーティスト名カナ:ローリン・ヒル (フィーチャリング カルロス・サンタナ)
■曲名:To Zion
■曲名邦題:トゥ・ザイオン
■アルバム名:The Miseducation of Lauryn Hill
■アルバム名邦題:ミスエデュケーション
■動画リンク:Lauryn Hill「To Zion」

曲名「To Zion」とは「ザイオンへ」という意味。

「ザイオン」とは、彼女が初めて授かった子供の名前です。

つまり自分の息子に捧げた曲なのですね。

この曲は最後に「美しい、美しい、ザイオン」と締めくくられています。

歌詞を読むと、彼女が子供を身ごもった時、周囲からキャリアを考えろとか利口になれと言われたというエピソードが語られています。

彼女は当時人気の絶頂期にありましたから、実話なのかもしれません。

しかし彼女は反対を押し切って産むと決心し、産んでからも自分の選択は間違いではなかったと言っていました。

「ザイオン」とはレゲエではよく使われる言葉で、ラスタファリズムで「約束の地」とか「神の国」という意味の言葉です。

ちなみにザイオンが生まれたのは1997年で、2017年ザイオンは結婚して子供を授かっています。

一方ローリンは夫のローハン・マーリー(Rohan Marley)との間で合計5人の子供を生み、2011年には違う男性の子供も生みました。

 

2位 Lauryn Hill「Lost Ones」(アルバム:The Miseducation of Lauryn Hill)

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■アーティスト名:Lauryn Hill
■アーティスト名カナ:ローリン・ヒル
■曲名:Lost Ones
■曲名邦題:ロスト・ワンズ
■アルバム名:The Miseducation of Lauryn Hill
■アルバム名邦題:ミスエデュケーション
■動画リンク:Lauryn Hill「Lost Ones」

今回このアルバムから4曲を選びました。

私はこのアルバムが、彼女の最高傑作だと思っています。

もし本当に私の好きな曲だけを選んだら、10曲中8曲がこの作品から選ぶことでしょう。

このブログではセールスの邪魔にならないよう、1枚のアルバムから多くても4曲までというルールを設けています。

そのため泣く泣く4曲に絞り込みました。

とはいえもう2曲リンクだけ貼っておきましょう。

Lauryn Hill – Forgive Them Father

Lauryn Hill – Can’t Take My Eyes Off of You

もしこれから彼女を聞こうという方は、いや音楽ファン全般にとって、このアルバムはマストだと思います。

発表後全米ビルボードNo.1ヒットを記録し、ローリング・ストーン誌やスピン誌などで年間のベストアルバムに選ばれるなど興行面、批評面の双方で高い評価を受けた。

発売翌年の1999年に開催された第41回グラミー賞では『ミスエデュケーション』が11部門にノミネートされ、最優秀新人賞、最優秀アルバム賞など、女性アーティスト史上最多の5部門を制した。

ヒップホップアルバムがグラミー賞の主要部門の最優秀アルバム賞を受賞したのは本作が初めてである

ミスエデュケーション ウィキペディア

このアルバムについてはそのぐらいの評価は当然かもしれません。

 

3位 Lauryn Hill「Doo Wop (That Thing)」(アルバム:The Miseducation of Lauryn Hill)

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■アーティスト名:Lauryn Hill
■アーティスト名カナ:ローリン・ヒル
■曲名:Doo Wop (That Thing)
■曲名邦題:ドゥー・ワップ
■アルバム名:The Miseducation of Lauryn Hill
■アルバム名邦題:ミスエデュケーション
■動画リンク:Lauryn Hill「Doo Wop (That Thing)」

彼女のソロ・アルバムは、このアルバムとライブ盤の「MTV Unplugged No. 2.0」しかありません。

ただライブ・アルバムからは、10選に入るほどの曲が見つかりませんでした。

ランクインに一番近かった曲を、1曲だけご紹介しておきましょう。

Lauryn Hill – Mr. Intentional

彼女は2枚どちらもほとんどの曲を書き、セルフ・プロデュースしています。

彼女はパーソナルな表現を重視する人です。

このアルバムのタイトルは「The Miseducation of Lauryn Hill」。

つまり「ローリン・ヒルの誤った教育」というアルバム名です。

彼女はこのアルバム・タイトル曲の中で、これまでの人生について、誰かがどう思うかばかり気にしてきたと歌っています。

しかしそんなのは私の人生ではない、これからは自分の運命を自分で定義するのだと。

彼女はコロンビア大学に進学していました。

コロンビア大学は、2021年の世界の大学ランキングで19位という難関大学です。

ちなみに東京大学は36位。

しかし彼女は名門大学を1年で中退し、音楽の道に専念しました。

自分の進むべき道でないならば、超名門大学であっても誤った進路だったようですね。

 

4位 The Fugees「Killing Me Softly」(アルバム:The Score)

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■アーティスト名:The Fugees
■アーティスト名カナ:フージーズ
■曲名:Killing Me Softly
■曲名邦題:やさしく歌って
■アルバム名:The Score
■アルバム名邦題:ザ スコア
■動画リンク:The Fugees「Killing Me Softly」

この曲は彼女が在籍していたHIPHOPグループ、フージーズの曲です。

オリジナルは超絶歌の上手いロバータ・フラック(Roberta Flack)ですから、取り上げることに勇気が必要な曲かもしれません。

しかし彼女は気負うことなく、肩の力を抜いた歌を披露しています。

彼女はフージーズの前作「ブランテッド・オン・リアリティ(Blunted on Reality)」では、あまり目立ちませんでした。

彼女の出番自体少ないのですが、彼女の出来はそれほど良いと思いませんでした。

しかしこのセカンド・アルバムあたりから、急に存在感が出てきました。

前作では脇役であった彼女は、このアルバムで主役に躍り出た感があります。

そしてソロ・アルバムへと続きますが、今回改めて聞き直してみて、彼女の成長速度が異常だと思いました。

ついにはアルバム1枚だけ、しかも世紀の大傑作を残してセミ・リタイヤですし。

確かにこの曲はすばらしいですが、この時彼女はまだ発展の途上にすぎませんでした。

 

5位 Lauryn Hill「Ex-Factor」(アルバム:The Miseducation of Lauryn Hill)

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■アーティスト名:Lauryn Hill
■アーティスト名カナ:ローリン・ヒル
■曲名:Ex-Factor
■曲名邦題:エックス-ファクター
■アルバム名:The Miseducation of Lauryn Hill
■アルバム名邦題:ミスエデュケーション
■動画リンク:Lauryn Hill「Ex-Factor」

この曲はフージーズのリーダー、ワイクリフ・ジョン(Wyclef Jean)に捧げられた曲だと言われています。

彼女がフージーズに加入したのは、1988年のこと。

まだ13歳という若さでしたし、当初はそれほどグループに貢献していたとはいえません。

一方ワイクリフ・ジョンはローリンより6歳年上で、とても才能のある人でした。

彼はローリンの才能が開花する知るやいなや、セカンド・アルバムでは彼女を大きくフィーチャーしました。

当時2人は恋人関係にあったようです。

またフージーズの解散理由も、2人の関係悪化が影響していました。

ワイクリフ・ジョンは結婚していたので、2人は不倫関係だったことになります。

この曲で彼女は、私よりあなたを愛している人はいないけれど、どうしてもうまくいかないと歌われています。

そして最後の言葉は、以下の通り

「なぜあなたは私のために生きてくれないの?」

どうやらワイクリフ・ジョンは彼女の気持ちに配慮し、解散によって2人の関係を終わらせたようです。

 

6位 The Fugees「Fu-Gee-La」(アルバム:The Score)

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■アーティスト名:The Fugees
■アーティスト名カナ:フージーズ
■曲名:Fu-Gee-La
■曲名邦題:フージーラ
■アルバム名:The Score
■アルバム名邦題:ザ スコア
■動画リンク:The Fugees「Fu-Gee-La」

この曲ではローリンの魅力が前面に押し出されています。

ワイクリフ・ジョンとプラーズ(Pras)のパートもありますが、彼女がおいしいところを持っていっています。

しかし彼女はその期待に見事応えこの曲をヒットさせ、グループは一躍注目を浴びる存在になりました。

このアルバムは全米1位を獲得しています。

ぜひPVもご覧になってみてください。

ちなみに「ウラララ~」という箇所は、ティナ・マリー(Teena Marie)の「ウー・ラ・ラ・ラ(Ooh La La La)」という曲が元ネタです。

Teena Marie – Ooh La La La

とても分かりやすい引用ですね。

フージーズはボブ・マーリー(Bob Marley)の「ノー・ウーマン、ノー・クライ(No Woman, No Cry」をカバーするなど、分かりやすい魅力がありました。

有名曲のカバーや大ネタ使いは、ともすれば軽々しく見られがちです。

しかし彼らの場合は、そういう軽率さも魅力に転化していたように思います。

 

7位 J.Period Presents Lauryn Hill「Manifest」(アルバム:J.Period Presents Lauryn Hill2)

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■アーティスト名:J.Period Presents Lauryn Hill
■曲名:Manifest
■アルバム名:J.Period Presents Lauryn Hill2
■動画リンク:J.Period Presents Lauryn Hill「Manifest」

今回は彼女の録音が少ないことが大きなネックとなりました。

フージーズの「The Score」とローリンの「The Miseducation of Lauryn Hill」の2枚が中心となりましたが、さすがに音源が少なすぎます。

しかも1アルバム4曲までという制約下ですし。

そこでアルバム未収録のシングルも一通り聞きなおしましたが、ご紹介したい曲が見つかりませんでした。

通常このランキングでは曲が足りないと思うことはなく、逆に苦心してどうにか曲を絞り込んでいます。

しかし今回はいつもの逆で曲が全然足りません。

そこで良い曲であればYoutube音源でもやむを得ないと思い、様々な動画を漁ってみました。

そこで見つけたのがこの曲。

この曲はJ.Periodが、ローリンヒルの曲をミックスしたアルバムに収録されている曲です。

いつの録音かは分かりませんが、ライブで歌っているようですね。

フージーズ時代に同じ曲名がありますが、それとは違う曲のようですし。

ウィキペディアにも情報が見つからない、あがいて探し求めた結果見つけた掘り出し物の曲です。

 

8位 The Fugees「Ready or Not」(アルバム:The Score)

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■アーティスト名:The Fugees
■アーティスト名カナ:フージーズ
■曲名:Ready or Not
■曲名邦題:レディ・オア・ノット
■アルバム名:The Score
■アルバム名邦題:ザ スコア
■動画リンク:The Fugees「Ready or Not」

この曲の元ネタは、デルフォニックス(The Delfonics)の「レディー・オア・ノット・ヒア・アイ・カム(Ready or Not Here I Come)」です。

引用元のリンクを貼っておきましょう。

The Delfonics – Ready or Not Here I Come (Can’t Hide from Love)

細かい点に注目すると、3:10彼女は「Buffalo Soldier」と歌っています。

これは明らかにローリンが尊敬している、ボブ・マーリーの曲名のことでしょう。

ちなみに彼女の夫、ローアン・マーリーはボブ・マーリーの息子です。

彼女の土台にはレゲエも含まれていると思いますが、正面切ってレゲエに取り組んでいる感じはしません。

もしかしたらレゲエが好きというより、ボブ・マーリーが好きなのかもしれません。

こんな疑似デュエット曲もありますし。

Bob Marley & Lauryn Hill – Turn Your Lights Down Low

彼女は本当にボブ・マーリーが好きなのですね。

 

9位 The Refugee All Stars(featuring Lauryn Hill)「The Sweetest Thing」(アルバム:Love Jones: The Music)

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■アーティスト名:The Refugee All Stars(featuring Lauryn Hill)
■アーティスト名カナ:ザ・レフュージー・オールスターズ (フィーチャリング ローリン・ヒル)
■曲名:The Sweetest Thing
■曲名邦題:ザ・スウィーテスト・シング
■アルバム名:Love Jones: The Music
■アルバム名邦題:ラブ・ジョーンズ
■動画リンク:The Refugee All Stars(featuring Lauryn Hill)「The Sweetest Thing」

この曲はサウンドトラックからの選曲です。

クレジットでは、ザ・レフュージー・オールスターズ名義になっています。

ただ彼女が曲を書きプロデュースして歌っているのですから、実質的に彼女の曲といえるかもしれません。

このサントラでは彼女の曲はこれだけですが、注目すべきはこの曲が1997年の曲だということです。

「The Miseducation of Lauryn Hill」は1998年のリリースですから、その前年の曲ということになります。

ソロ・アルバムと同じ路線だと思いますが、この時既に彼女の音楽性は固まっていたようですね。

アコースティックでオーガニックなサウンドに、重心が低めの歌とリズムという型が既に出来上がっています。

ソロ・アルバムに入っていたら目立たない曲だったかもしれません。

ただあのアルバムはあまりに名曲が多すぎますし、この曲も充分紹介する価値はあると思いますが。

私のように「The Miseducation of Lauryn Hill」が大好きな方には、同じ香りがするというだけでご満足いただけると思います。

 

10位 The Fugees「Killing Me Softly(Live From MCM) 」(アルバム:Greatest Hits)

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■アーティスト名:The Fugees
■アーティスト名カナ:フージーズ
■曲名:Killing Me Softly(Live From MCM)
■曲名邦題:やさしく歌って(ライブ・フロム・MCM)
■アルバム名:Greatest Hits
■アルバム名邦題:グレイテスト・ヒッツ
■動画リンク:The Fugees「Killing Me Softly(Live From MCM) 」

ライブ・バージョンとはいえ同じ曲を取り上げるのは気が引けますが、この曲の場合仕方ありません。

スタジオ・バージョンとは違った良さがありますから。

最初に彼女が声を張り上げると、観客から大歓声が返ってきています。

こちらの方がスタジオ録音より、リラックスした仕上がりではないでしょうか。

オリジナル・アルバムが2枚だけなのに、ベスト盤かと思われるかもしれませんが、これが意外と悪くありません。

他にはサム・クック(Sam Cooke)の「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(A Change Is Gonna Come)」のカバー曲も聞きものです。

私はラッパーとしてのローリンも大好きですが、本人は歌手としての自覚が強いようです。

後年ニーナ・シモン(Nina Simone)の曲をカバーしていますし。

そういえば彼女は1993年に映画「天使にラブ・ソングを2(Sister Act 2: Back in the Habit)」に出演していました。

当時若かった彼女は、歌手になることを夢見る女の子役を演じていました。

私は歌手としてのローリンを、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)からニーナ・シモンに連なる系譜の延長線上にマッピングしています。

 

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