今回はアレサ・フランクリンのランキングを作成しました。
アレサはソウル・ミュージックに限らず、オールタイム/オールジャンルのシンガーとして、頂点の1人です。
しかし一方で、私はいつも紹介される曲が偏っているように感じます。
今回の記事は、名前は知っているけれど聞いたことがない、又はよく紹介されている曲しか知らないという人に向けて選曲しました。
音楽初心者にアレサ・フランクリンの良さを知ってもらうとしたら、どういう曲を薦めたらいいかというテーマです。
そのためじっくり味わう曲というより、聞きやすさや楽曲の良さを重視しています。
もしかしたらロックファンとかフリーソウルが好きな人向けといえるかもしれません。
希代のシンガーの歌をぜひご堪能ください。
- 1 1位「I Say a Little Prayer」(アルバム:Aretha Now)
- 2 2位「Don’t Go Breaking My Heart」(アルバム:With Everything I Feel in Me)
- 3 3位「Don’t Let Me Lose This Dream」(アルバム:I Never Loved a Man the Way I Love You)
- 4 4位「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」(アルバム:Lady Soul)
- 5 5位「April Fools」(アルバム:Young, Gifted and Black)
- 6 6位「Make It with You」(アルバム:Aretha Live at Fillmore West)
- 7 7位「Look into Your Heart」(アルバム:Sparkle)
- 8 8位「Until You Come Back To Me (That’s What I’m Gonna Do)」(アルバム:Let Me in Your Life)
- 9 9位「Oh No Not My Baby」(アルバム:Spirit in the Dark)
- 10 10位「Day Dreaming」(アルバム:Young, Gifted and Black)
- 11 番外編「Elusive Butterfly」(アルバム:Soul ’69)
1位「I Say a Little Prayer」(アルバム:Aretha Now)
■曲名:I Say a Little Prayer
■曲名邦題:小さな願い
■アルバム名:Aretha Now
■アルバム名邦題:アレサ・ナウ
■動画リンク:「I Say a Little Prayer」
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この曲はボーカルものでは、アレサのバージョンが決定版といえる出来です。
ちなみにボーカルなしだとローランド・カーク(Roland Kirk)の演奏が、図抜けていると思います。
勝因はアレサが少し抑えめに歌っていることです。
アレサはボーカルの表現力だけでなく、曲の解釈も怪物級の人で、曲を自分色に染め上げてしまうところがあります。
彼女が秘められた力を解放した結果、楽曲がつまらないのに、名曲となった例も沢山あります。
しかしこの曲はオリジナルが名曲中の名曲ですから、できればあまり曲の雰囲気を変えてほしくありません。
アレサはこの曲のメロディを、忠実に再現して歌っています。
そもそもアレサは派手な歌唱だけの人ではありません。
私は彼女が少し抑えめに歌った時の方が、真価が発揮されるとさえ思っています。
ベンツは40キロの公道を走っている時でも、大衆車とは乗り心地が違うものです。
この曲でアレサは抑え気味で歌っていても、確実にこの曲に生命力を与えています。
アレサ初心者の方は、まずはこの曲で彼女の魅力になじんでから、他の曲に進んでいただきたいと思います。
2位「Don’t Go Breaking My Heart」(アルバム:With Everything I Feel in Me)
■曲名:Don’t Go Breaking My Heart
■曲名邦題:ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート
■アルバム名:With Everything I Feel in Me
■アルバム名邦題:燃える愛の炎
■動画リンク:「Don’t Go Breaking My Heart」
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一方この曲では彼女の奔放さが魅力です。
アルバムジャケットも奔放すぎて、気まずいというか、掲載するのがためらわれてしまいました。
ドラマティックなイントロの後にスキャットが始まり、その後ラップのように話しているのか歌っているのか分からない展開となります。
この一連の展開がかっこよすぎます。
このアルバムは1974年にリリースされて、チャック・レイニー(Chuck Rainey)、リチャード・ティー(Richard Tee)、バーナード・パーディ(Bernard Purdie)など、新しい感覚のミュージシャンのサポートを得ています。
時代はニュー・ソウル全盛期、そしてフュージョンの黎明期です。
周囲のミュージシャンもアレサも、新しい時代の空気を吸い込んでいた時期です。
アレサ・フランクリンは意外と時代の変化に順応できた人で、時代によってスタイルを変えています。
デビュー時も泥くさいサザン・ソウルを歌っていましたが、当時はサザン・ソウルがヒットチャートで1位を取れる時代でした。
私はニューソウルを感じさせるこの頃が一番好きで、今回のランキングはこの頃の曲を多めにしました。
このアルバムでは他に、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の「アイ・ラヴ・エヴリ・リトル・シング(I Love Every Little Thing About You)」などもカバーしています。
その時期で、私が最高傑作だと思うのがこの曲です
3位「Don’t Let Me Lose This Dream」(アルバム:I Never Loved a Man the Way I Love You)
■曲名:Don’t Let Me Lose This Dream
■曲名邦題:夢をさまさないで
■アルバム名:I Never Loved a Man the Way I Love You
■アルバム名邦題:貴方だけを愛して
■動画リンク:「Don’t Let Me Lose This Dream」
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この曲は初期の中では少し異色です。
とても洗練されて小粋な曲で、アルバムから少し浮き気味です。
なぜ私が今回のような切り口でアレサをご紹介しようと思ったかというと、昔の私はこの曲や「小さな願い」を聞いて、アレサの魅力に気付いたからです。
この曲はダスティ・スプリングフィールド(Dusty Springfield)も歌っていて、そちらもなかなかの出来です。
しかしそれでもやはり、このオリジナルバージョンが上回っているように思います。
ボッサな感じがある軽めの曲調ですが、アレサは声に張りがあります。
この曲はアレサ自身が作曲した曲です。
彼女はカバー曲がとても多いのですが、こんなすばらしい曲を書ける人なんですね。
この頃彼女はジャズシンガーとしてデビューしていましたが、人気が低迷していました。
そこでソウルシンガーとして心機一転再出発、その第一弾がこのアルバムです。
この曲の出だしでは「この夢を失ったら、どうなるのだろうか」という不安な気持ちが歌われています。
この時彼女は24歳で、あと数日で25歳になろうとしていました。
日本でもそういうところがありますが、アメリカでも女性シンガーは若さが重要な要素でした。
25歳までに売れていなければ、リードを許している状態で後半戦に臨むサッカー選手みたいな気持ちになったことでしょう。
しかし彼女はこのアルバムが大ヒットして、チャンスをつかむことができました。
この曲は後に大輪の華を咲かせる彼女が、不安に打ち震えていた頃の名曲です。
4位「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」(アルバム:Lady Soul)
■曲名:(You Make Me Feel Like) A Natural Woman
■曲名邦題:ナチュラル・ウーマン
■アルバム名:Lady Soul
■アルバム名邦題:レディ・ソウル
■動画リンク:「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」
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今回はディープすぎたり、味わいが濃すぎるものはあえて外しました。
とはいえ1960年代後半、歌唱力を武器に頭角を現してきた頃にも、捨てがたい名曲が沢山あります。
デビュー作にはタイトル曲の「貴方だけを愛して(I Never Loved a Man the Way I Love You)」と「ベイビー・ベイビー・ベイビー(Baby, Baby, Baby)」が収録されています。
翌年発売されたこのアルバムにも「チェイン・オブ・フールズ(Chain of Fools)」や「ピープル・ゲット・レディ(People Get Ready)」など珠玉のナンバーが収録されています。
良い出来なのに選ばれなかった曲を代表して、この曲だけ取り上げることにしました。
今回のテーマである聞きやすさも兼ね備えていますしね。
原曲はキャロル・キング(Carole King)とジェリー・ゴフィン(Gerry Goffin)のコンビが書いた名曲です。
この曲は「ある男性と出会ったことで、自然な形で自分が女性であることに気づくことができた」という内容です。
この曲は松浦理恵子さんの小説「ナチュラル・ウーマン」という小説のタイトルにも使われています。
愛憎入り乱れるレズビアンカップルのストーリーですが、既にこの曲の歌詞を知っていた私は、その小説を興味深く読みました。
とてもすばらしい小説でしたので、この曲が気に入った方は、そちらの小説の方も読んでみていただければと思います。
5位「April Fools」(アルバム:Young, Gifted and Black)
■曲名:April Fools
■曲名邦題:エイプリル・フール
■アルバム名:Young, Gifted and Black
■アルバム名邦題:ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック
■動画リンク:「April Fools」
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この曲は「Don’t Go Breaking My Heart」と似た感じの曲です。
それもそのはず、曲を書いたのはどちらも同じバート・バカラック(Burt Bacharach)とハル・デヴィッド(Hal David)のコンビです。
歌詞は、恋をした2人が「この喜びはエイプリル・フールでしょうか」と周囲の人に訊ねているというほほえましい内容です。
この曲のリリースは1972年です。
私は時系列でその年に発売された主だったアルバムはおおよそ聞いていますが、1972年は特に傑作が多い年だと思っています。
このアルバムもその輝かしい中の1枚です。
私はアレサの中でもこのアルバムがとても好きで、今回唯一2曲を選びました。
ちなみに私の好きなアレサのアルバムベスト3は、以下の通りです。
・貴方だけを愛して(I Never Loved a Man the Way I Love You)
・ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック(Young, Gifted and Black)
・スパークル(Sparkle)
私は1980年代の一時期、少しアレサを敬遠していた時期があります。
歌い方もバックのサウンドも、厚化粧な感じになってきたように感じたものでした。
しかしこの時期は派手になり過ぎない一方で華もあって、とてもバランスが良い時期だったように思います。
6位「Make It with You」(アルバム:Aretha Live at Fillmore West)
■曲名:Make It with You
■曲名邦題:二人の架け橋
■アルバム名:Aretha Live at Fillmore West
■アルバム名邦題:アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト
■動画リンク:「Make It with You」
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アレサ・フランクリンは音楽に詳しい人でなくても、名前を知っている方も多いかもしれません。
彼女はアメリカを代表するシンガーです。
ちなみにロック界の権威雑誌、ローリングストーン誌ではこういう評価をしています。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第1位に選ばれている[3]。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第9位に選ばれている。
つまり男性女性関係なく、シンガー部門で1位に選ばれているということです。
今回は楽曲の魅力重視なので、必ずしも歌唱に焦点を当てて選曲をしていません。
アレサの歌のすごさを堪能したい方には「至上の愛〜チャーチ・コンサート〜(Amazing Grace)」あたりをおすすめします。
今回のランキングの中では、この曲などはいかがでしょうか。
このアルバムは彼女の代表作として挙げられることも多く「愛への讃歌(Love the One You’re With)」など、多くの有名曲が収録されています。
バックは比較的簡素ですが、彼女の歌だけでじわじわと盛り上がってきます。
7位「Look into Your Heart」(アルバム:Sparkle)
■曲名:Look into Your Heart
■曲名邦題:ルック・イントゥ・ユア・ハート
■アルバム名:Sparkle
■アルバム名邦題:スパークル
■動画リンク:「Look into Your Heart」
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このアルバムはCurtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)がプロデュースを担当したことで有名です。
当時カーテイスはこのアルバム以外にも、多くの人をプロデュースしていました。
私は当時そのことをピーター・バラカンさんの名著「魂のゆくえ」で知り、さっそくこのアルバムを買ってみました。
このアルバムはアレサのアルバムの中では珍しく、アルバムがトータルなイメージでつくられているように感じます。
それもそのはず、このアルバムは映画のサウンドトラックです。
しかしサントラということを意識しないでも、普通に楽しめる作品に仕上がっています。
このアルバムはピーター・バラカンさんが紹介していた頃は、それほど知られていたアルバムではなかったかもしれません。
しかしその後、時の経過と共に評価を上げてきています。
このアルバムの名声を高めるきっかけとなったのは、アン・ヴォーグ(En Vogue)が取り上げたことかもしれません。
彼女たちはこのアルバムに収録されている「フックト・オン・ユア・ラヴ(Hooked on Your Love)」を、すばらしい解釈でカバーしています。
その後ぐらいから、このアルバムをフェヴァリットに挙げるミュージシャンを、時々見かけるようになりました。
今ではこのアルバムをアレサの代表作に挙げる人も少なくありません。
もし今回のランキングでアレサに興味を持っていただけたら、聞きやすいこのアルバムに進むのがおすすめです。
8位「Until You Come Back To Me (That’s What I’m Gonna Do)」(アルバム:Let Me in Your Life)
■曲名:Until You Come Back To Me (That’s What I’m Gonna Do)
■曲名邦題:待ちこがれて
■アルバム名:Let Me in Your Life
■アルバム名邦題:輝く愛の世界
■動画リンク:「Until You Come Back To Me (That’s What I’m Gonna Do)」
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アレサはとてもカバー曲が多い人です。
彼女がある曲をカバーすると、自分の刻印を押してしまうところがあります。
その点はジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)に似ています。
ジミが「見張り塔からずっと(All Along the Watchtower)」や「ジョニー・B.グッド(Johnny B. Goode)」を演奏すると、その曲の決定版になってしまうように、アレサが歌うと彼女の曲みたいになってしまうことがあります。
この曲はスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の曲で、昔から私も大好きな曲です。
しかしオリジナルがいくらすばらしくても、そこはアレサです。
僅差ではありますが、私はこちらのバージョンの方が良いと思うようになりました。
アレサの歌もすばらしいですが、こちらのバージョンではバックの演奏にも魅力があります。
決して分厚いサウンドではありませんが、聞いていると様々なアイデアが盛り込まれていることに気がつきます。
まずイントロのピアノから46秒ぐらいのところで一瞬入るキーボードがすばらしいです。
また2:27から突然飛躍するフルートの演奏や、女性コーラスも力強く、アレサの歌を的確にサポートしています。
確かに彼女のボーカルは強力なので、歌だけでも曲が成立してしまうようなところがあります。
しかしこの曲のように良いアレンジや演奏が得られると、より曲の完成度が上がります。
サッカーでいえばメッシだけでも試合に勝てるかもしれないけれど、メッシを的確にサポートする選手がいると、より確実に勝てるようになるのと似ています。
9位「Oh No Not My Baby」(アルバム:Spirit in the Dark)
■曲名:Oh No Not My Baby
■曲名邦題:オー・ノー・ノット・マイ・ベイビー
■アルバム名:Spirit in the Dark
■アルバム名邦題:スピリット・イン・ザ・ダーク
■動画リンク:「Oh No Not My Baby」
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この曲は隠れた名曲かもしれません。
まずはイントロのふくらみのあるホーンの音色で、耳を惹きつけられてしまいます。
また曲を通じて軽快に鳴り響くギターの響きが、この曲の雰囲気を醸し出しています。
今回取り上げた中でも、特にフリーソウル色が強い曲といえるかもしれません。
私は初期のアレサのもっさりした曲も好きですが、同時にキャッチーだったり洗練されている曲が、もう少しあってもいいのではないかと思うことがあります。
この曲のような洗練された曲を見つけると得した気分になります。
この「Spirit in the Dark」というアルバムは、アレサの中では比較的聞く機会が多いアルバムです。
11曲目でこの曲のイントロが流れると、、たとえ何をしていても一瞬手が止まってしまいます。
今回はアレサ初心者向けの選曲をしようという趣旨ですが、自分としてもそういう曲ばかりを集めたら手っ取り早く聞けると思いました。
今回のアルバムは、そうした希少価値が高い曲や隠れた名曲が多いランキングかもしれません。
10位「Day Dreaming」(アルバム:Young, Gifted and Black)
■曲名:Day Dreaming
■曲名邦題:デイ・ドリーミング
■アルバム名:Young, Gifted and Black
■アルバム名邦題:ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック
■動画リンク:「Day Dreaming」
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この曲はニューソウル期の名曲です。
この曲も「April Fools」と同じアルバム「Young, Gifted and Black」から選曲しました。
アルバムタイトルは、ニーナ・シモン(Nina Simone)の曲「To Be Young, Gifted and Black」をカバーしていて、その曲名から取られています。
ニーナの曲名では「To Be」があるので「若く才能に恵まれた黒人になろう」という意味ですが、アレサの方は「To Be」がありません。
つまりそうなろうではなく、今現在彼女は既に「若く才能に恵まれた黒人」になっているという意味かもしれません。
確かに当時彼女は人気の絶頂で、まだ20代の若さでした。
しかし彼女は1970年代後半から、次第に低迷期に入ってしまいます。
その後1980年代に入ってからはド派手なサウンドと派手な歌を売りにしてセールス的には持ち直しましたが、私はそれほど良いとは思いませんでした。
アレサともあろう人が、時代に埋没してしまったような寂しさを覚えたものです。
しかし1998年に彼女は「ア・ローズ・イズ・スティル・ア・ローズ(A Rose is Still a Rose)」という快作をリリースしました。
流行の音を取り入れながらも、より自然な形で彼女の歌の魅力が味わえる作品でした。
後年の作品では彼女をリスペクトする人たちによるサポートを得て、比較的質の高い作品が続きました。
彼女は2018年に亡くなりましたが、最後まで一輪のバラとして人生を終えた人だったと思います。
番外編「Elusive Butterfly」(アルバム:Soul ’69)
■曲名:Elusive Butterfly
■曲名邦題:夢の蝶々
■アルバム名:Soul ’69
■アルバム名邦題:ソウル’69
■動画リンク:「Elusive Butterfly」
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さて最後に私が個人的に好きな曲をご紹介したいと思います。
私は一般的には知名度が低くても、自分が良いと思った曲を紹介しています。
しかし独りよがりにならないように、ある程度他の人にも気に入られる見込みがないと、ランキング内に入れるのをためらってしまいます。
しかし番外編はその範囲外です。
つまり私はこの曲を好きですが、他の人からしたらそれほどいいと思わないかもしれないと思っているというわけです。
正直この曲のどこがいいんですかと聞かれたら、答えに詰まってしまうところがあります。
この曲のサウンドは少し異色です。
アル・クーパーにアレンジが似ている曲がありますが、曲調としてはどことなくニューシネマの映画で使われそうな時代の空気を感じます。
そこにアレサの弾けたボーカルが乗っかっているという、組み合わせがおもしろいと思っています。
このアルバムが発売された1969年は、あの伝説のウッドストック・フェスティバルが開催された年です。
この曲を聞くと、アレサもそうしたカウンターカルチャーの影響を受けたのかなと想像しますが、曲の出来とは関係ないですね。
蛇足かもしれませんが、気に入っていただけたらうれしいです。