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エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はエイミー・ワインハウスのランキングを作成しました。

彼女は2000年以降の音楽シーンにおいて、特に記憶に残る歌手かもしれません。

オンリーワンの存在として、死後も高い人気を維持しています。

本物の歌の力を味わいたい方は、満腹感が得られると思います。

 

1位「Rehab [Remix](featuring Jay Z)」(アルバム:Remixes & B Sides)

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※ジャケットはシングルのものを使用

■曲名:Rehab [Remix](featuring Jay Z)
■曲名邦題:リハブ [リミックス](フィーチャリング ジェイ・Z)
■アルバム名:Remixes & B Sides
■動画リンク:「Rehab [Remix](featuring Jay Z)」

曲名の「Rehab」の邦題「リハブ」ですが、これは「リハビリ」のことです。

彼女の短い人生は、薬物中毒とアルコール中毒に彩られていました。

この曲で彼女は、アルコール中毒のリハビリテーション施設に行くよう勧める周囲に対して、反発する気持ちを歌っています。

施設送りはまっぴらゴメンと。

どうにか更生させようとする意見に対して、色々と言い訳を並べて拒否しています。

ただ大丈夫そうな感じではありません。

歌詞にもこんな箇所がありますから。

プライドが許さないとかではないの

ただ涙が乾ききっただけ

精神的にかなり追い詰められているような気がしないでしょうか。

ただそのぶっちゃけた暴露はインパクトがあって、彼女はこの曲によって記憶に残る存在になりました。

今回選んだのはオリジナルではなく、ジェイ・Zが参加したバージョンです。

オリジナルのリンクも貼っておきましょう。

Amy Winehouse – Rehab

やさぐれた歌いだしの時点で、ただならぬ曲だと分かってしまいます。

 

2位「Know You Now」(アルバム:Frank)

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■曲名:Know You Now
■曲名邦題:ノウ・ユー・ナウ
■アルバム名:Frank
■アルバム名邦題:フランク
■動画リンク:「Know You Now」

今回は意識的に軽快な曲を多くしました。

彼女の魅力は濃い歌唱ですが、その濃厚さゆえに、初めて聞く人には重く感じられるかもしれません。

そこで今回は軽めの曲を多めにして、その重量感に慣れていただくよう考えました。

この記事の読者には、そのアーティストをよくご存知の方も多いと思います。

しかしこのブログの方針として、初めてそのアーティストを聞く人を想定し、そういう人にも魅力が伝わるようにと選曲しています。

さてこの曲はエイミーを初めて聞く方に、特におすすめしたい曲です。

恋多き女だった彼女らしい曲かもしれません。

なにせ曲名の「Know You Now」は「今すぐあなたを知りたい」ですから。

「二度と会えなくなるかもしれないから」と。

生き急いでいた彼女らしい曲かもしれません。

シングルカットされていない曲ですが、なかなか良い曲ではないでしょうか。

こんな曲から彼女の魅力を知っていただくのもいいかもしれません。

 

3位「Tears Dry on Their Own」(アルバム:Back to Black)

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■曲名:Tears Dry on Their Own
■曲名邦題:ティアーズ・ドライ・オン・ゼア・オウン
■アルバム名:Back to Black
■アルバム名邦題:バック・トゥ・ブラック
■動画リンク:「Tears Dry on Their Own」

このアルバムは彼女の最高傑作だと言われていますし、私もそう思います。

同じアルバムから、もう1曲だけご紹介しておきましょう。

Amy Winehouse – You Know I’m No Good

ファースト・アルバムも良い作品でしたが、ダイヤの原石であった彼女をどう活かせばいいか、まだ模索している感じがしました。

実際彼女も後年、その出来に不満を述べています。

しかしこのセカンド・アルバムでは、荒馬のようなタフ魅力を活かすことに決めたようです。

「Tears Dry on Their Own」では、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)とタミー・テレル(Tammi Terrell)の「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ(Ain’t No Mountain High Enough)」が引用されています。

原曲のリンクを貼っておきましょう。

Marvin Gaye & Tammi Terrell – Ain’t No Mountain High Enough

実はファースト・テイクの時点では、この曲をサンプリングしていませんでした。

このアルバムは、マーク・ロンソン(Mark Ronson)とサラーム・レミ(Salaam Remi)がプロデュースを担当しています。

こちらはレミの方の曲ですが、彼は彼女が好きそうなこの曲を引用するよう提案しました。

そこにはセールスを考え、曲のテンポを上げたいという思惑もあったようです。

彼女のような本能に優れたタイプは、抑えつけたり制限するよりは、個性を引き出す方が良いかもしれません。

 

4位「Back to Black」(アルバム:Back to Black)

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■曲名:Back to Black
■曲名邦題:バック・トゥ・ブラック
■アルバム名:Back to Black
■アルバム名邦題:バック・トゥ・ブラック
■動画リンク:「Back to Black」

彼女のブルース・シンガーとしての魅力が、よく表れている曲です。

彼女がベッシー・スミス(Bessie Smith)やダイナ・ワシントン(Dinah Washington)に連なる系譜の人であることを確認できる曲です。

さてこの曲は、ある男性をテーマにした曲。

ブレイク・フィールダー・シビル(Blake Fielder-Civil)という男性で、彼女の元夫だった人物です。

歌詞の概要はこんな感じです。

あいつから別れると言われたけれど、口先だけだと思っていた

すぐにヨリを戻すだろうとと思っていた

しかし違っていたようだ

今頃あいつは新しい女と楽しくやっているのだろう

おかげでこちらは何度も何度も死んでいるのにさ

どん底に落ちて、いまだ暗闇から抜け出すことができずにいるよ

私は本当にあいつのことを好きだったけれど、あいつが一番好きだったのはコカインだった

またしても、かなりぶっちゃけている歌詞ですね。

2人の写真を掲載しておきます。

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Amy Winehouse’s ex-husband Blake Fielder-Civil is ‘making a £1million grab for her estate’

そんな男とは別れて正解だったと思いますが、本人的にはそう簡単に割り切れないのかもしれません。

 

5位「Valerie」(アルバム:Amy)

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■曲名:Valerie
■曲名邦題:ヴァレリー
■アルバム名:Amy
■アルバム名邦題:AMY エイミー
■動画リンク:「Valerie」

彼女は自分のことをジャズ・シンガーだと思っていたそうです。

ファースト・アルバムではジャズっぽい曲が目立っていました。

私はジャズも聞く人ですが、女性ジャズ・シンガーの世界は、とんでもない才能がひしめいています。

アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)も美空ひばりも、ジャズ・ボーカルのアルバムを出していますが、ついに頭角を現すには至りませんでした。

本物のジャズ・シンガーの凄さを味わいたい方は、以下の曲で体感してみてください。

Anita O’Day – Tea For Two

私はエイミーについて、男女問わず2000年以降最高のシンガーの1人だと思っています。

しかしそんな彼女も傑物ぞろいの女性ジャズシンガーの歴史においては、総合力で分が悪いかもしれません。

なにしろ相手はレジェンドたちですから。

ただエイミーには強力な武器がありました。

それは圧倒的に存在感のある声。

彼女をボクサーに例えると、総合力では上位ランカーに届かないけれど、とんでもないパンチ力を持ったボクサーといった感じでしょうか。

その声のインパクトもってすれば、過去のレジェンドにも通用するかもしれないと期待させるような。

彼女がジャズを歌った曲も、ご紹介しておきましょう。

Tony Bennett, Amy Winehouse – Body and Soul

この曲では男性ジャズ・ボーカルのトニー・ベネット(Tony Bennett)とも、互角に渡り合っているようですね。

 

6位「Stronger Than Me」(アルバム:Frank)

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■曲名:Stronger Than Me
■曲名邦題:ストロンガー・ザン・ミー
■アルバム名:Frank
■アルバム名邦題:フランク
■動画リンク:「Stronger Than Me」

場末感のある昭和歌謡みたいな曲です。

彼女のPVを見ると、いつも胸元をあらわにしています。

彼女は女性としての自分をアピールすることに、全く抵抗がないタイプのようですね。

現代は男女の性差をなくそうとする風潮がありますが、彼女はそういうタイプではなさそうです。

この曲の内容を一言でいえば「あなたは男だから、私よりも強くなければいけない」です。

男は強くあるべきだと。

この曲のPVでは、彼女が交際しているらしき男性が登場していますが、彼は酔ってヘロヘロの状態です。

彼女はそんな彼に対して冷たい視線を浴びせ、ついには路上で寝ている彼を置き去りにして、家の中に入ってしまいました。

彼女は良くも悪くも本音で生きていて、それがある種の女性からかっこいいと思われているようです。

 

7位「Our Day Will Come」(アルバム:Lioness: Hidden Treasures)

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■曲名:Our Day Will Come
■曲名邦題:アワ・デイ・ウィル・カム
■アルバム名:Lioness: Hidden Treasures
■アルバム名邦題:ライオネス:ヒドゥン・トレジャーズ
■動画リンク:「Our Day Will Come」

彼女のスタジオ録音のオリジナル・アルバムは、たった2枚しかありません。

このアルバムは未発表曲集で、アルバム名を直訳すると「雌ライオン:隠された宝物」という意味です。

「雌ライオン」ですか。(笑)

このアルバムは、デビュー前の音源が中心の編集盤です。

彼女は27歳の若さで亡くなりました。

ロックには「27歳クラブ」という才能のあるアーティストが、なぜか皆27歳で命を落とすというジンクスがあります。

彼女もその列に加わわることになりました。

彼女の死因は、アルコールの飲みすぎだそうです。

彼女は薬物中毒とアルコール中毒が悪化して、入退院を繰り返していました。

晩年はライブで歌うことができないほど悪化し、音楽活動を無期限停止にしていました。

パパラッチにも、こんな写真を撮られています。

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エイミー・ワインハウス(iДi)

泣いているようですね。

彼女の歌がこんなに刺さるのは、直接命をぶつけてくるように思えるからかもしれません。

 

8位「October Song」(アルバム:Frank)

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■曲名:October Song
■曲名邦題:オクトーバー・ソング
■アルバム名:Frank
■アルバム名邦題:フランク
■動画リンク:「October Song」

彼女の存在は世界を驚かせました。

その後の音楽シーンを俯瞰した時、アデル(Adele)が登場する下地をつくったという人もいます。

実際アデルは、かなりエイミーに影響されたようです。

もし、エイミーと『フランク』がなかったら、100%ギターを弾いてないわ。(中略)

崇拝してるの(中略)

エイミーのことは大好きで、ファンとしてすごく嘆き悲しむ時期を過ごしてきたの。

やっとあらゆる意味で、彼女がわたしの人生に与えてくれたものを素晴らしいと思えるようになったのよ。

アデル、エイミー・ワインハウスがいなければ今の自分はいないと語る

この現代において、歌姫になるのは大変です。

みんなそれなりに歌が上手いですし、歌が上手いだけの人はいくらでもいます。

しかし彼女は高レベルで均質化しつつあった音楽シーンに、グリグリと風穴を開けてきました。

彼女の歌は異物感があって、その声の存在感で一点突破してきました。

この曲は現代的なサウンド・プロダクションの曲ですが、エイミーが歌うとボーカルしか耳に入らなくなりますね。(笑)

彼女の声はあの偉大なニーナ・シモン(Nina Simone)にも比肩しうると思います。

 

9位「Addicted」(アルバム:Back to Black)

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■曲名:Addicted
■曲名邦題:アディクティッド
■アルバム名:Back to Black
■アルバム名邦題:バック・トゥ・ブラック
■動画リンク:「Addicted」

彼女の音楽には、古い音楽からの影響が濃厚です。

実際ジャズ、ソウル、ブルース、ガールズ・ポップ、レゲエなど、様々なジャンルの音楽が溶け込んでいます。

彼女は古い音楽の生命力を、現代で再現しようとしていました。

彼女の古い時代へのあこがれは、ファッションにも表れています。

彼女のヘアースタイルは、1960年代に流行したビーハイブ・ヘアーと呼ばれるもの。

あの歌舞伎のようなメイクも、ロネッツ(The Ronettes)のクレオパトラ・メイクを参考にしたのだそうです。

おそらくシャングリラス(The Shangri-las)あたりの影響もあるでしょう。

古い時代の髪型やメイクは、まだ家庭用テレビが小さく画質が悪い時代に、テレビ映えするよう意図されたものです。

今のように画面が大きく画質が精細だと、トゥ・マッチな感じになるかもしれません。

しかし古い音楽とファッションにこだわった彼女は、古めかしさはそのままに、時代を象徴する存在にまで昇りつめました。

2008年の第50回グラミー賞ではカニエ・ウェストの8部門に次ぐ主要4部門を含む6部門でノミネートされ、最優秀新人賞や最優秀楽曲賞など5部門を受賞。

エイミー・ワインハウス ウィキペディア

このアルバムが全世界で1100枚売れたという事実は、とても痛快ではないでしょうか。

 

10位「Monkey Man」(アルバム:Amy Winehouse at the BBC)

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■曲名:Monkey Man
■曲名邦題:モンキー・マン
■アルバム名:Amy Winehouse at the BBC
■アルバム名邦題:アット・ザ・BBC
■動画リンク:「Monkey Man」

最後に楽しい曲をご紹介しておきましょう。

ライブ・アルバムからの選曲です。

この曲は元々トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ(Toots and The Maytals)がオリジナルで、その後スペシャルズ(The Specials)がカバーしたことでも知られています。

彼女は他にもスペシャルズのオリジナル曲を歌っていますから、スペシャルズが好きだったようですね。

彼女は元々歌手になりたいとか、なれるとか思っていなかったそうです。

ただ歌うことが好きな多くの内の1人にすぎませんでした。

しかし彼女に潜む才能が、彼女を放っておきませんでした。

彼女の親友が彼女のデモテープをレコード会社に送ると、とんとん拍子にアイランド・レコード(Island Records)からのデビューが決まりました。

私はまだ見ていませんが、彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画「Amy」に、こんなシーンがあるそうです。

ネタバレになりますので、まだ映画を見ていない方は、この先は読まなくても結構です。

(エイミーが)次から次へと言葉が湧いてきてどうしようもないから早く一緒に(アルバムを)作りたいとサラームに訴えているんです。

命の糸が切れそうな状況でも音楽のことをずっと語っている。

最後の最後まで彼女は〈歌いたい〉という気持ちが滲み出ているので、彼女の悲劇的な人生以上に、音楽への強い想いを感じてほしい

間違いなく、傑作。ピーター・バラカンら登壇したエイミー・ワインハウスの生涯描く映画「AMY エイミー」の公開記念キックオフ・イヴェントをレポ

ただ歌うだけでよかった女の子は、最後は歌うことを切実に求めていたのですね。

 

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