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アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はアストラッド・ジルベルトのランキングを作成しました。

彼女はボサノヴァを代表するシンガーです。

この記事ではいつもと違って、私の好みを反映させた曲を多めにしました。

なおこの記事では、彼女のソロ・アルバムのみを対象としています。

 

1位「Beach Samba」(アルバム:Ipanema Girl: the Very Best of Astrud Gilberto)

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■曲名:Beach Samba
■曲名邦題:ビーチ・サンバ
■アルバム名:Ipanema Girl: the Very Best of Astrud Gilberto
■動画リンク:「Beach Samba」

この記事を書くにあたり、私は彼女の有名曲やヒット曲を思い出してみました。

しかしそれらの曲はほぼ全て彼女というより、ボサノヴァの代表曲だと思いました。

つまり彼女の代表曲=ボサノヴァの代表曲。

それぐらい彼女はボサノヴァという音楽を体現している存在です。

それはこのベスト盤の曲目を見ても実感できます。

今回私はベスト盤と差別化するため、ボサノヴァの代表曲を少な目にしてみました。

いつもは選曲時初めてそのアーティストを聞く人に気に入ってもらえることしか考えていませんが、今回は自分好みの曲を少し多めにしています。

ただ以下の曲はご紹介しなければいけません。

Stan Getz & Astrud Gilberto – The Girl From Ipanema

ソロ名義の曲ではありませんが、彼女の曲としては最も有名な曲です。

このベスト・アルバムにも収録されています。

ちなみにスタン・ゲッツのアルバムでの彼女の他の曲は、以下の記事でも取り上げました。

スタン・ゲッツ(Stan Getz)の名曲名盤10選

もし良かったら合わせてご覧ください。

1位に推した「Beach Samba」は同名アルバムの収録曲ですが、ベスト盤の曲としてご紹介してみました。

 

2位「Goodbye Sadness (Tristeza)」(アルバム:A Certain Smile, a Certain Sadness)

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■曲名:Goodbye Sadness (Tristeza)
■曲名邦題:グッドバイ・サドネス(トリステーザ)
■アルバム名:A Certain Smile, a Certain Sadness
■アルバム名邦題:サマー・サンバ
■動画リンク:「Goodbye Sadness (Tristeza)」

オルガン奏者ワルター・ワンダレイ(Walter Wanderley)との共同名義のアルバムの曲です。

同アルバムからもう1曲ご紹介します。

Astrud Gilberto – So Nice (Summer Samba)

彼女の音楽は、アルバム名や曲名に特有の雰囲気があります。

一部を直訳してみると、

「The Shadow of Your Smile」 →「あなたの笑顔の影」
「Goodbye Sadness」 →「悲しみよ、さようなら」
「A Certain Smile, a Certain Sadness」 →「確かな笑顔、確かな悲しみ」

それら憂いを含んだ言葉を、彼女がアンニュイに表現する時、リスナーにある種の余韻を残します。

ちなみに彼女のアルバムには、こんなジャケットもあります。

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やりすぎな感じもしますが(笑)

初めて私が彼女の音楽を後追いで聞いたのは、中学か高校ぐらいの時だと思います。

当時はよく分からず、ここには大人ならではの意味深な世界があるのだろうと、ぼんやり感じた程度だったと思いますが。

 

3位「Fly Me to the Moon」(アルバム:The Shadow of Your Smile)

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■曲名:Fly Me to the Moon
■曲名邦題:フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
■アルバム名:The Shadow of Your Smile
■アルバム名邦題:いそしぎ
■動画リンク:「Fly Me to the Moon」

有名なジャズ・スタンダードです。

彼女は歌が下手だと言われています。

私はそれを否定するつもりはありません。

実際この曲のスキャットも音程が不安定な感じがして、聞いていてハラハラしますし。

特にこの曲は超絶歌の上手いジャズ・シンガーもよく歌っているので、どうしても比較してしまいます。

ただ同時に彼女は歌が下手だからつまらないと言うつもりはありません。

その代わりに彼女の歌には素の魅力があります。

よく簡単な鉛筆書きの絵でも、上手くはないけれど感覚的に良いなと感じることがありますが、そういうイメージ。

そしてボサノヴァという音楽は、素の魅力が問われる音楽です。

ボサノヴァでは素の魅力を持っている人には、多少歌が上手いぐらいでは太刀打ちできません。

彼女は歌が上手くありませんし、表現の幅も狭いでのですが、この曲のアレンジも簡素すぎて欠点をカバーしれきていません。

しかしそれにも関わらず、彼女の歌にはどこかしら惹かれるものがあります。

今の私ではその何かをうまく説明できませんが。

彼女の歌には何か特別な魅力があるように感じます。

 

4位「Berimbau」(アルバム:Look to the Rainbow)

astrud-gilberto-look

■曲名:Berimbau
■曲名邦題:ビリンバウ
■アルバム名:Look to the Rainbow
■アルバム名邦題:ルック・トゥ・ザ・レインボウ
■動画リンク:「Berimbau」

彼女に最高傑作は人によって異なります。

私が今聞かれたら、このアルバムか「A Certain Smile, a Certain Sadness」だと答えます。

ただし10年後には違うアルバムと回答するかもしれません。

このアルバムの特徴は、ギル・エヴァンス(Gil Evans)が編曲を担当していること。

普段彼女の曲は甘めのアレンジが多いですが、ここではギルが音の魔術師との異名通りの仕事をしていますね。

天才メイクアップ・アーティストにも似た音の陰影と造形美、時に尖ったさじ加減も絶品です。

先程彼女は歌が上手くないと書きました。

しかし彼女は常にメロディを素直に解釈し、技巧で勝負する愚を避けています。

歌が上手くない人は、上手い人と同じフィールドで勝負すべきではありません。

例えばフェイクを入れて自己主張するような。

その点彼女は欠点が目立たないようストレートに解釈し、その歌の不安定さもうまく魅力に転化しています。

その結果、奇才ギル・エヴァンスのスコアを背負っても違和感を感じません。

 

5位「Zigy Zigy Za」(アルバム:Now)

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■曲名:Zigy Zigy Za
■曲名邦題:ジギ・ジギ・ザ
■アルバム名:Now
■アルバム名邦題:ナウ
■動画リンク:「Zigy Zigy Za」

ここからはベスト・アルバムでは聞けない曲を中心にご紹介します。

このアルバムは1972年にリリースされました。

当時はボサノヴァが下火になりつつあって、多くのボサノヴァ・アーティストは生き残る方法を摸索していました。

そんな中彼女は、こんな風変わりな曲をアルバムの冒頭に据えました。

出だしこそ土着的なサンバですが、その後クラブ受けしそうな洗練されたリズムに移行しています。

DJの方はこの曲をかけると、DJブースに何の曲か確認しようとする人が押し寄せることでしょう。

しかしピアノがキラーすぎますね。

アレンジャーはエウミール・デオダート(Eumir Deodato)。

彼女は前作までVerve→CTIと大手レーベルに在籍していましたが、このアルバムはインディのPerceptionからのリリース。

しかもセルフ・プロデュースです。

過渡期ならではの興味深い作品です。

 

6位「Sing Me a Rainbow」(アルバム:Windy)

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■曲名:Sing Me a Rainbow
■曲名邦題:シング・ミー・ア・レインボウ
■アルバム名:Windy
■アルバム名邦題:ウィンディ
■動画リンク:「Sing Me a Rainbow」

先程彼女はボサノヴァから脱皮しようとしていたと書きました。

そうした市場環境の変化への対応は、既に1968年のこの時点で始まっていました。

前作「Beach Samba」ではまだボサノヴァっぽい曲もありましたが、このアルバムはソフトロック色が強まりました。

そもそもアルバム・タイトルからして、ソフトロックの人気バンド、アソシエイション(The Association)のカバーですし。

アルバム・タイトル曲のリンクも貼っておきましょう。

Astrud Gilbert – Windy

私の感じだとこのポップス路線は、A&Mのクロディーヌ・ロンジェ(Claudine Longet)を参考にしている感じがします。

 

7位「Street Samba」(アルバム:Gilberto Golden Japanese Album)

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■曲名:Street Samba
■曲名邦題:ストリート・サンバ
■アルバム名:Gilberto Golden Japanese Album
■アルバム名邦題:ゴールデン・ジャパニーズ・アルバム
■動画リンク:「Street Samba」

このアルバムは、彼女が日本語で歌っている異色作です。

日本限定発売のアルバムですが、内容的には決して悪くありません。

いかにも日本人が好きそうな選曲を含め、日本人としては聞き逃せません。

彼女はブラジル出身ですが、デビュー時から世界を舞台に活躍していました。

その反面本国での人気は限定的なようですが。

彼女はボサノヴァの代表的な歌手という、海外における一定の評価もある反面、英語で歌ったために、ブラジル国内ではあまり実績を残していない。そのため、同国内における評価はあまり高くない。

アストラッド・ジルベルト ウィキペディア

ただその代わり北米、ヨーロッパ、日本ではよく知られています。

そもそも彼女がブレイクしたのは、アメリカ録音のゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)のゲスト・ボーカルとしてでしたし。

日本との繋がりも深く、1982年には向井滋春との共作アルバム「SO&SO」を発表しています。

 

8位「On My Mind」(アルバム:Windy)

astrud-gilberto-windy

■曲名:On My Mind
■曲名邦題:オン・マイ・マインド
■アルバム名:Windy
■アルバム名邦題:ウィンディ
■動画リンク:「On My Mind」

この曲でもエウミール・デオダートがすばらしいアレンジを提供しています。

今回選曲して改めて思ったのですが、彼女は曲の出来不出来が少ない人です。

人気曲とその他の曲を比べても、それほど大きく変わりません。

今回私が有名曲を少なくしたのも、そのあたりを考えてのことです。

またボサノヴァの有名曲はあちらこちらでカバーされすぎていて、またかと思う人も多いと思いますし。

曲の出来が同じぐらいであれば、曲の知名度よりアレンジ等が特徴的な曲を優先しようと考えました。

そこが今回の私のこだわりポイントです。

ちなみにアレンジの良い曲では、他に「あなたと夜を(I Haven’t Got Anything Better to Do)」に収録された以下の曲もおすすめです。

Astrud Gilbert – Without Him

 

9位「You Didn’t Have to Be So Nice」(アルバム:Beach Samba)

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■曲名:You Didn’t Have to Be So Nice
■曲名邦題:ママと歌おう(ユー・ディドント・ハヴ・トゥ・ビー・ソー・ナイス)
■アルバム名:Beach Samba
■アルバム名邦題:ビーチ・サンバ
■動画リンク:「You Didn’t Have to Be So Nice」

この曲はラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonful)のカバーです。

彼女はこの曲で当時6歳だった息子マルセロ・ジルベルト(Marcello Gilberto)とデュエットしています。

心なしか彼女の歌もお母さんっぽい感じがしますね。

ちなみにこの曲の邦題は、ラヴィン・スプーンフルでは「うれしいあの娘」ですが、アストラッドの方では「ママと歌おう」となっています。

ナラ・レオンも幼い娘と歌っていましたし、ボサノヴァのアーティストはこういうのがお好きなようです。

それもまたボサノヴァという音楽の魅力かもしれません。

有名な話ですが、彼女はボサノヴァの創始者ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)と結婚していました。

マルセロ・ジルベルトはジョアンとの間に出来た子供で、後にベーシストとして彼女のバンドで活躍しました。

1964年アストラッドとジョアンは離婚し、この1967年頃彼女は音楽活動と子育てに追われていたようです。

 

10位「Photograph」(アルバム:The Astrud Gilberto Album)

astrud-gilberto-album

■曲名:Photograph
■曲名邦題:フォトグラフィア
■アルバム名:The Astrud Gilberto Album
■アルバム名邦題:おいしい水
■動画リンク:「Photograph」

前述したように彼女はジョアン・ジルベルトと結婚していました。

しかし音楽的には、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)の方が近かったかもしれません。

実際この曲を書いたのはジョビンですし、このアルバムにはジョビンがギターで参加しています。

確かに彼女は歌が下手で、表現の幅も狭かったかもしれません。

しかし彼女は自分のテリトリーの中では、アントニオ・カルロス・ジョビンやギル・エバンスなどの巨人たちとも渡り合えました。

普通のようでありながら、その実全然普通ではありません。

さて短い曲ばかりだし全然聞き足りないぞという声が聞こえてきそうなので、もう1曲ご紹介しておきましょう。

Astrud Gilbert – Frevo

私は昔名画座で、パレードのシーンで終わるフェリーニの映画を見たことがあります。

その時私は、物語の終わりはこのように華やかでありたいものだと感じました。

この記事は彼女の追悼記事です。

アストラッド・ジルベルトという物語の終わりにはこんな曲がふさわしいかもしれません。

 

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