今回はNOBODYのランキングを作成しました。
この記事では音楽的背景を含めて、彼らの魅力に迫ってみました。
ただこの記事でご紹介したのは、すばらしい曲の中のごく一部にすぎません。
もし気に入っていただけたら、アルバム単位でチェックしていただければと思います。
- 1 1位「DARLIN’ DARLIN’」(アルバム:NIGHT WALKER)
- 2 2位「EVERYBODY SHOUT」(アルバム:From A Window)
- 3 3位「BACK TO ’64」(アルバム:POP GEAR)
- 4 4位「SILENT NIGHT」(アルバム:NIGHT WALKER)
- 5 5位「RAIN」(アルバム:From A Window)
- 6 6位「MY ROAD SHOW」(アルバム:NOBODY)
- 7 7位「真夜中のラナウェイ」(アルバム:NIGHT WALKE)
- 8 8位「ANOTHER DAY」(アルバム:From A Window)
- 9 9位「FOR ONLY YOU」(アルバム:POP GEAR)
- 10 10位「DANCE IN THE DARK」(アルバム:NOBODY)
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1位「DARLIN’ DARLIN’」(アルバム:NIGHT WALKER)
■曲名:DARLIN’ DARLIN’
■アルバム名:NIGHT WALKER(1984年)
■動画リンク:「DARLIN’ DARLIN’」
彼らの音楽は歌詞も魅力です。
その一例として、この曲の歌詞をご紹介します。
君をさらって八月が行く(中略)
いつもの場所に車とめれば
耳をかすめる遠い潮騒
ダッシュボードに見つけた 光る君のピアスは
あの夏の忘れものさ(中略)
君をただひと夏の 思い出には出来ない
この曲のテーマは「ひと夏の恋」ですが、男性は女性を忘れられないようです。
最初の歌詞からもうかがえるように、彼らの歌詞は簡潔で時にハードボイルド調です。
詩的な状況描写から思いがあふれるまでの流れが見事ですね。
クレジットは「NOBODY」となっていますが、作詞は主に相沢行夫が担当しているようです。
「ひと夏の恋」というよくあるテーマを、このレベルに仕上げるのは並大抵のことではありません。
2位「EVERYBODY SHOUT」(アルバム:From A Window)
■曲名:EVERYBODY SHOUT
■曲名邦題:エブリバディ・シャウト
■アルバム名:From A Window(1985年)
■動画リンク:「EVERYBODY SHOUT」
今回の記事では1982年から1985年まで、アルバムでいえば4枚目までを対象にしました。
私は上記の時期に特有の音楽的背景があるように感じます。
それはニューウェーヴの影響によるもの。
この曲はサウンド的には当時のホワイト・ファンク色が強いですが、ドラムがタテ割りっぽいですよね、
ドラムというよりビートと呼んだ方がいいようなトンガリ。
上記の時期はBOØWYの前期と重なりますが、この曲には両者に共通する時代の音を感じます。
あと1985年から1987年まで連載された上條淳士の漫画「TO-Y」にも。
当時は尖っていることが大きな意味を持つ時代だったように思います。
3位「BACK TO ’64」(アルバム:POP GEAR)
■曲名:BACK TO ’64
■アルバム名:POP GEAR(1983年)
■動画リンク:「BACK TO ’64」
彼らの音楽はマージービート、特にビートルズから影響を受けています。
曲名にある「1964」年は、マージービートの全盛期でした。
アルバム名の「POP GEAR」も、ビートルズなどが出演した音楽映画のことだと思われます。
そういえばビートルズのパロディバンド、ザ・ラトルズ(The Rutles)にも「Back In 64」という曲がありました。
私はNOBODYにビートルズからの影響を感じますが、特にビートルズ初期の影響が色濃いように感じます。
またこの曲はどことなく浜田省吾を思い起こさせますが、浜省もビートルズから影響を受けていて、背景が同じせいかもしれません。
当時NOBODYの音楽には古くて新しいところがありました。
それはこのアルバム・ジャケットを見ても顕著です。
ジャケットの女性は網模様のものを頭にかぶって首に巻いていますね。
私は1950年代に流行したストールの巻き方、真知子巻きに少し似ていると思いました。
一方ジャケットの女性は髪を一部青く染めゴーグルしていて、ニューウェーヴっぽい印象を与えます。
彼らの音楽にある新旧の折衷ぶりを端的に表すアルバム・ジャケットではないでしょうか。
4位「SILENT NIGHT」(アルバム:NIGHT WALKER)
■曲名:SILENT NIGHT
■アルバム名:NIGHT WALKER(1984年)
■動画リンク:「SILENT NIGHT」
この曲はクリスマス・ソングです。
この曲を聞くに際しては、まず上のアルバム・ジャケットをご覧ください。
ジャケットの女性は男性にキスしていますが、男性は緑色の顔をしていますね。
おそらく男性はマネキンだと思われます。
クリスマスという世の中が祝福に包まれた日、独りぼっちでマネキンにキスをしている。
なんともせつないアルバム・ジャケットではないでしょうか。
そしてこの曲もまた独りぼっちのクリスマスイブを歌った曲。
ただこの曲はそんな孤独なクリスマス・イブであっても否、だからこそロマンティックに演出しています。
この「SILENT NIGHT」という曲は、アーバン・ブルースのほろ苦さを含んだハーフ・ビターなクリスマス・ソングです。
5位「RAIN」(アルバム:From A Window)
■曲名:RAIN
■曲名邦題:レイン
■アルバム名:From A Window(1985年)
■動画リンク:「RAIN」
この曲名を見るとビートルズの同名曲を思い出します。
このあたりのビートルズらしさは、少しXTCと似ているような気がします。
ただアレンジはニューウェーブ風で、やはりここでも新旧の要素を融合していますね。
彼らのアルバムを追って聞いていくと、初期はロック色が強く、次第にエレクトリック色が強くなっていったように思います。
その変化を好ましく思わなかったファンもいたかもしれません。
そういう私もこの曲を聞くと、ロック・アレンジで聞きたかったと思いますし。
しかし彼らは楽曲の魅力でリスナーに不満を抱かせませんでした。
この時期彼らのソングライティング力はピークに達していました。
実際私は彼らの最高傑作は前作「NIGHT WALKER」だと思いますが、次点はこのアルバムだと思っています。
次作「RESTLESS HEART」以降も良い曲は沢山ありますが、この記事ではこのアルバムまでを対象にしました。
6位「MY ROAD SHOW」(アルバム:NOBODY)
■曲名:MY ROAD SHOW
■アルバム名:NOBODY(1982年)
■動画リンク:「MY ROAD SHOW」
ファースト・アルバムの曲です。
デビュー前の彼らが矢沢永吉のバック・バンドにいたことは有名な話です。
ただ彼らは自分たちで音楽をやりたいという独立志向が強かったようです。
当時の彼らはまだ無名の存在。
そこで彼らは強味を活かして、HOUND DOGに「浮気な、パレット・キャット」という曲を提供するなど実績づくりから始めました。
その後ようやくデビューにごぎつけました。
この曲は彼らのデビュー・シングルですが、既に彼らの個性が確立されていますね。
その後彼らは多くのアーティストに曲を提供して、一躍ヒットメイカーと呼ばれる存在になりました。
提供曲が多すぎてご紹介しきれませんが、1曲選ぶとしたらやはりこの曲でしょうか。
彼らは独立後も矢沢永吉と良い関係を築いているようですが、そもそもバックバンドで終わる2人ではなかったようです。
NOBODYの最大の強味は良い曲が書けること。
しかし当時のボスである矢沢永吉も良いソングライターなので、彼らは他に自分たちの活躍の場を求める必要がありました。
7位「真夜中のラナウェイ」(アルバム:NIGHT WALKE)
■曲名:真夜中のラナウェイ
■アルバム名:NIGHT WALKER(1984年)
■動画リンク:「真夜中のラナウェイ」
デビューしてからの彼らは毎年アルバムを発表していますが、どのアルバムも高品質です。
加えて彼らは外部ライターとして多くの曲を外部に提供し、自身でもアルバム未収録曲のシングルをリリースしました。
アルバム未収録曲から1曲ご紹介しましょう。
NOBODY – ディア・マイ・ハート 〜君のためにラヴ・ソング〜
このレベルの曲ですら選外になるのですから、この頃の彼らは無敵のソングライティング・チームでした。
ただ現在彼らの曲が多くの人に聞かれているかといえば、そんな感じはしません。
CDの再発が進んでいないこともその要因の1つかもしれません。
そこで私はこの記事を書いて、彼らをご紹介することにしました。
私は彼らの曲は聞いてさえもらえれば、気に入る人が少なくないと思います。
耳にする機会さえ増えれば。
8位「ANOTHER DAY」(アルバム:From A Window)
■曲名:ANOTHER DAY
■曲名邦題:彼女とアナザー・デイ
■アルバム名:From A Window(1985年)
■動画リンク:「彼女とアナザー・デイ」
ここで遅ればせながら2人をご紹介したいと思います。
・相沢行夫
・木原敏雄
彼らはどちらもボーカルとギター担当です。
しかし彼らは演奏面よりも、ソングライティング・コンビとしての色合いが強かったように思います。
曲の多くでクレジットは「NOBODY」となっていますが、作詞は相沢行夫、作曲は木原敏雄が担当することが多かったようですね。
さてNOBODYという名前は「誰でもない」という意味。
彼らはバックバンドや他アーティストへの曲の提供が多く、裏方の仕事が多かったことから名付けられたのかもしれません。
彼らには「I’M NOBODY」という曲があります。
歌詞を読むと「誰かがいないと自分たちは何者でもない」というようなことが歌われています。
9位「FOR ONLY YOU」(アルバム:POP GEAR)
■曲名:FOR ONLY YOU
■アルバム名:POP GEAR(1983年)
■動画リンク:「FOR ONLY YOU」
彼らの音楽をシティポップとして聞いている人もいると思います。
この曲もシティポップ・ファンに好かれそうですし。
派手なアレンジではありませんが、純粋に楽曲に魅力があります。
そもそも彼らはシティポップのアーティストにも曲を提供していました。
以下の曲は、山本達彦に提供したシティポップ名曲のセルフ・カバーです。
これまで述べてきたように、彼らの音楽にはマージービートやニューウェーヴ、シティポップなど様々な要素が含まれています。
しかしその土台には良い曲を生むソングライティング力の高さがありました。
加えて彼らの歌には男の色気があって、それも彼らの特徴だったと思います。
10位「DANCE IN THE DARK」(アルバム:NOBODY)
■曲名:DANCE IN THE DARK
■アルバム名:NOBODY(1982年)
■動画リンク:「DANCE IN THE DARK」
私は日本のアーティストを表現する時、洋楽的邦楽という言葉を使うことがあります。
それは洋楽の影響を受けつつも、邦楽としての魅力を放っているという意味。
和洋折衷が上手くいっている音楽と言い換えてもいいかもしれません。
彼らの音楽には、多くの日本人にとって洋楽があこがれだった頃の残り香を感じます。
キラ星のような魅力を持った洋楽を彼らのフィルターに通した時、一連の名曲群が誕生しました。
近年日本のシティポップが海外で再評価されています。
NOBODYはシティポップとして聞ける曲もありますが、ど真ん中ではないかもしれません。
しかしシティポップと同じく、洋楽を日本的に解釈した成功例です。
私は彼らの音楽が日本だけでなく、あわよくば海外でも評価されたらと願っています。
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