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ジョイス(Joyce)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジョイスのランキングを作成しました。

彼女は一時期ジョイス・モレーノ(Joyce Moreno)と名乗っていましたが、一般的にはジョイスで通っています。

ボサノヴァから出てきた人ですが、ボサノヴァっぽい曲は多くありません。

ジャンルとしては、MPBに分類した方がしっくりくるかもしれません。

ただこの人には「ジョイス・ミュージック」としか言いようがない独特の魅力があります。

必殺のスキャットとキレのあるギター、どちらも絶品です。

 

1位「Feminina」(アルバム:Feminina)

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■曲名:Feminina
■曲名邦題:フェミニーナ
■アルバム名:Feminina
■アルバム名邦題:フェミニーナ
■動画リンク:「Feminina」
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「Feminina」とは「女性たち」という意味です。

彼女はフェミニストとして有名です。

ただ言動を見ていれば分かりますが、男性排他的なタイプのフェミニストではありません。

この曲では小さい女の子が母親に、女性になるとはどういうことかと質問していますが、答えは次のようなものです。

母親が「髪型や見た目のことではないのよ。あなたの中にいつもあるの」と答える。「自分自身のことは自分で見つけなさい」と歌っているの

ボサノヴァの女王ジョイスが語る、女性音楽家としての戦い「私は自分の思想で、歌を表現したかった」

彼女は音楽を通じて自分が何者か探し求めているのかもしれませんね。

それにしてもこの曲の自由奔放さはすばらしいです。

 

2位「Sem Poder Dancar」(アルバム:Tudo)

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■曲名:Sem Poder Dancar
■アルバム名:Tudo
■アルバム名邦題:トゥード
■動画リンク:「Sem Poder Dancar」
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彼女は1980年以降に数多くの作品をリリースしています。

どれを買ったらいいか分からないという方もいらっしゃると思いますが、どれを買っても問題ありません。

駄作がなく、充実作ぞろいです。

たとえばこの曲をお聞きください。

このアルバムは2013年にリリースされていますが、全盛期といわれる時期に比べても勝るとも劣りません。

彼女の変遷を追いかけていくと、初期から才能の片鱗がうかがえますが、当初はこじんまりとしていましたし、少しカタい部分がありました。

その後「Feminina」からは、奔放路線で才能が全面開花しました。

しかしその後の活動を追いかけると、奔放なだけではないことに気が付きます。

彼女は年齢の経過と共に、表現力を磨き続けていきました。

成熟していったという方がいいかもしれませんが。

若い頃のように才気煥発で聞く人を圧倒する彼女はここにはいません。

しかしこの曲のふくよかな表現力は、以前よりも磨きがかかっているように感じます。

 

3位「Moreno」(アルバム:Agua e Luz)

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■曲名:Moreno
■曲名邦題:モレーノ
■アルバム名:Agua e Luz
■アルバム名邦題:水と光
■動画リンク:「Moreno」
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ジョイスにとって最初の結婚は、あまり良い経験ではなかったようです。

最初の夫は、ネルソン・アンジェロ(Nelson Angelo)というミュージシャンでした。

彼とは「ネルソン・アンジェロ & ジョイス(Nelson Angelo E Joyce)」という名盤を発表しています。

しかし彼女は家庭に縛り付けられるのを嫌い、音楽の世界で自分を表現したいと望んでいました。

彼女は離婚すると音楽の道にまい進し、ニューヨークでトゥッチ・モレーノ(Tutty Moreno)というドラマーと出会います。

その後2人は結婚することになりました。

この曲名「Moreno」とは、トゥッチ・モレーノのことです。

その後の2人の関係は、下のジャケットを見ると明らかですかね。

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彼女は現在まで高水準の作品を連発していますが、夫との良好な関係が音楽に良い影響を与えているかもしれません。

インタビューでは、のろけ話をすることもあります。

きっとトゥッチは、夫としても音楽パートナーにしても、すばらしい人なのでしょう。

 

4位「Aldeia de Ogum」(アルバム:Feminina)

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■曲名:Aldeia de Ogum
■曲名邦題:オグンの村
■アルバム名:Feminina
■アルバム名邦題:フェミニーナ
■動画リンク:「Aldeia de Ogum」
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このアルバムからは3曲も選んでしまいました。

しかし他にも選びたい曲があって、どうにか3曲に抑えなければいけないぐらいでした。

彼女の代表作だと言われていますし、私も異言はありません。

このアルバムは彼女にとって、久しぶりにつかんだチャンスでした。

1980年には、11年ぶりの純リーダー作で、ジョイス本人が「初めて完璧なレコーディングを行えた[4]」と評したアルバム「フェミニーナ」を発表。

ジョイス ウィキペディア

1970年代の彼女は子育て、そして離婚してからは音楽の成功に向かってまっしぐらでした。

1970年代に正規発売されたのは、前夫との「Nelson Angelo e Joyce」と、プロモーション用「Passarinho Urbano」の2枚だけです。

11年ぶりということですから、曲のストックも相当たまっていたことでしょう

名曲ぞろいなのも分かろうというものです。

彼女は音楽活動も順調で、良い夫に恵まれ、娘のクララ・モレーノ(Clara Moreno)も大成して、とても順調な人生のように見えます。

しかし彼女がブレイクしたのは32歳と遅咲きで、長い下積みを経験してきました。

ありあまる才能を持ちながらハングリーに挑戦し続け、このアルバムでようやくチャンスをものにしました。

自ら切り開いて幸せを手に入れた人だと思います。

 

5位「Mulheres Do Brasil」(アルバム:Meus Momentos)

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■曲名:Mulheres Do Brasil
■アルバム名:Meus Momentos
■動画リンク:「Mulheres Do Brasil」
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このアルバムはコンピレーションですが、ベスト盤ではないようです。

選曲を見ると「ミステリオス(Misterios)」や「或る女(Essa Mulher)」のような有名曲も含まれていますが、その他定番の多くが収録されていません。

ただこの曲のように、他では聞けない曲が入っているので重宝しています

ブラジルのアーティストは、サンバをルーツに持つ人が多いです。

ジョイスはいかにもサンバな曲は多くありませんが、この曲のような典型的なサンバを歌わせても一級品であることが分かります。

歓声が入っていますから、ライブ録音みたいですね。

彼女は自分のボーカルとギターで自己完結できる人ですが、この曲ではコーラス隊との掛け合いがうまくはまっています。

もっとサンバを歌ってくれればいいのですけどね。

 

6位「Banana」(アルバム:Feminina)

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■曲名:Banana
■曲名邦題:バナナ
■アルバム名:Feminina
■アルバム名邦題:フェミニーナ
■動画リンク:「Banana」
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ジョイスはギターの演奏も魅力です。

彼女は独学でギターを習得したようです。

ある日、私が学校から帰ってくると、兄がリビングにいました。

友達の、既にブラジルでは有名なミュージシャンだったRoberto Menescalも一緒でした。そして、私が録音した自作の曲を聴いていたのです。

私はバカにされるだろうと思ってとても恥ずかしかったんですが、聴き終わるとMenescalが素晴らしい、がんばりなさいと応援してくれたんです。

私が14歳のときでした。

ブラジリアンミュージックの女王JOYCE MORENOの内面に迫る

14歳の頃には既に良いギタリストだったのですね。

それにしてもロベルト・メネスカルは、すばらしい後押しをしてくれたものです。

さてこの曲は、彼女のギターにご注目ください。

ギターが2本入っていますが、どちらが彼女の演奏かは分かりません。

私の感じだと両方彼女でオーバーダビングしたように思えますが、どちらにしてもすばらしい演奏です。

2:22から30秒ちょっとの演奏ですが、そこがこの曲の聞きどころだと思います。

 

7位「Nacional Kid」(アルバム:Tardes Cariocas)

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■曲名:Nacional Kid
■曲名邦題:ナショナル・キッド
■アルバム名:Tardes Cariocas
■アルバム名邦題:カリオカの午後
■動画リンク:「Nacional Kid」
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彼女は一般的には「Feminina」「Agua e luz」「Tardes Cariocas」あたりが全盛期と言われることが多いように思います。

この曲は人気三部作の三作目からの選曲です。

この曲は1976年「Visions of Dawn」でレコーディングしている曲を、1983年再録音したものです。

どちらのバージョンにするか迷いましたが、僅差でこちらを選びました。

1976年の端正なバージョンも、リンクを貼っておきましょう。

Joyce Moreno – Nacional Kid

こちらのバージョンを選んだ決め手になったのは、1:54のスキャットです。

彼女はスキャットの名手ですが、私はこのスキャットが彼女のベストだと思っています。

 

8位「See You In Rio」(アルバム:Rio)

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■曲名:See You In Rio
■曲名邦題:シー・ユー・イン・リオ
■アルバム名:Rio
■アルバム名邦題:リオ
■動画リンク:「See You In Rio」
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本来のジョイスの音楽は、かまえて聞く種類の音楽ではありません。

日常使いに向いている音楽だと思います。

ちょっとしたのコーヒーブレイクなどで、気軽に聞くのがいいでしょう。

この曲などは、くつろぎたい時に最適な曲かもしれません。

この人のすごさが分かる曲を選ぼうと思ったら、他にいくらでも見つかります。

ただ彼女の音楽は、必ずしもテンション頼りではありません。

時にはこういう肩の力が抜けた曲をたしなむのも一興ではないでしょうか。

この曲は「リオで会おう」という曲名です。

彼女はブラジルのリオ生まれです。

昔からの友人に地元で会おうと呼びかけている歌なのですね。

前半はしっとり歌い上げていますが、後半にピアノというかキーボードの音が、とても情緒豊かなアクセントを加えています。

 

9位「Azul Bahia」(アルバム:Gafieira Moderna)

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■曲名:Azul Bahia
■曲名邦題:アズル・バイーア
■アルバム名:Gafieira Moderna
■アルバム名邦題:ガフィエイラ・モデルナ
■動画リンク:「Azul Bahia」
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この当時ジョイスは絶好調でした。

ファー・アウト・レコーディングス(Far Out Recordings)に移籍して発表した前作「Hard Bossa」は、彼女のキャリアの中でも屈指の名作でした。

ファー・アウトは、自身もDJとして活躍しているジョー・デイヴィス(Joe Davis)が運営しているレーベルです。

イギリスのレーベルですが、ブラジル音楽専門のレーベルで、他にもアジムス(Azymuth)やナナ・ヴァンコンセロス(Nana Vasconcelos)などが所属していました。

このアルバムは、ブラジル音楽に造詣の深いジョー・デイヴィスがエグゼクティブ・プロデューサーを務めて製作されました。

アルバムタイトル「Gafieira Moderna」の「Gafieira」とは「ブラジルのダンス場」、「Moderna」は「モダンな」という意味です。

つまり古き良き踊り場のブラジル音楽を、今の時代に合わせた形で再現しようということでしょう。

そのコンセプト通り、このアルバムの曲は洗練されていて躍動感に満ちあふれています。

 

10位「Barracumbarra」(アルバム:Tardes Cariocas)

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■曲名:Barracumbarra
■曲名邦題:バラクンバラ
■アルバム名:Tardes Cariocas
■アルバム名邦題:カリオカの午後
■動画リンク:「Barracumbarra」
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彼女の曲の中でもクラブ受けがする曲の1つです。

聞きどころはやはり後半のスキャットではないでしょうか。

これまでスキャットの曲ばかりご紹介していますが、どれもすばらしい曲ばかりですので、選曲せざるを得ません。

ただこの曲の前半は、珍しくスローなスキャットです。

スローな展開が3分半続きますが、少し長いと思われるかもしれません。

待ちきれない方は、3:36から聞いてみてください。

お時間のある方は、スローな助走から加速するのをじっくり楽しむといいでしょう。

後半の高速スキャットとアコーディオンが、とても心地よい曲です。

 

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