今回はチャック・マンジョーネのランキングを作成しました。
この人はフュージョンで活躍したフリューゲルホルン奏者です。
彼は美しいメロディを、柔らかくふくよかな音色で表現しました。
この記事では代表曲をご紹介して、彼の魅力に迫ってみたいと思います。
- 1 1位「Feels So Good」(アルバム:Feels So Good)
- 2 2位「Give It All You Got」(アルバム:Fun and Games)
- 3 3位「Chldren Of Sanchez Overture」(アルバム:Children of Sanchez )
- 4 4位「Love The Feelin’」(アルバム:Main Squeeze)
- 5 5位「Main Squeeze」(アルバム:An Evening of Magic, Live at the Hollywood Bowl)
- 6 6位「Come Take A Ride With Me」(アルバム:Bellavia)
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1位「Feels So Good」(アルバム:Feels So Good)
■曲名:Feels So Good
■曲名邦題:フィール・ソー・グット
■アルバム名:Feels So Good(1977年)
■アルバム名邦題:フィール・ソー・グット
■動画リンク:「Feels So Good」
この人の代表曲です。
チャック・マンジョーネは元々ジャズ・トランペッターでした。
1960年彼は兄と一緒にザ・ジャズブラザーズ(The Jazz Brothers)を結成しデビューしました。
その後彼はアート・ブレイキーのバンドに参加しています。
彼が参加したアート・ブレイキーの曲をご紹介しましょう。
Art Blakey & The Jazz Messengers – Secret Love
この曲で彼はミュートを付けていますが、とても良い演奏ですね。
ただ名門グループとはいえ、それでジャズ・ファンに彼の名前が知れ渡ったわけではありません。
そのせいか彼についてジャズでは活躍できなかったけれど、フュージョンで人気者になった印象があるかもしれません。
ジャズ時代の彼は既に優秀なトランペット奏者でした。
しかしそれを理解した上でなお私はフュージョンで才能が開花した人だと思っています。
詳しくは後で書きますが、A&Mに移籍した後彼は自分なりの勝利の方程式を確立しました。
2位「Give It All You Got」(アルバム:Fun and Games)
■曲名:Give It All You Got
■曲名邦題:栄光をめざして
■アルバム名:Fun and Games(1979年)
■アルバム名邦題:ファン・アンド・ゲームス
■動画リンク:「Give It All You Got」
1980年レークプラシッド冬季オリンピックのテーマ曲です。
他にも彼の曲は「Chase the Clouds Away」が、1976年モントリオール夏季オリンピックに使用されました
彼の曲がオリンピックに使用されるのは、彼の音楽の特徴を考えると必然かもしれません。
まず大衆受けする聞きやすいメロディがあることです。
加えて彼のフリューゲルホルンが、オリンピックのようなイベントに向いていること。
この曲が採用された同年のモスクワ夏季オリンピックでは、チャック・マンジョーネと同じトランペット奏者ハーブ・アルパートの曲が採用されています。
トランペットやフリューゲルホルンは、その高音域の特性ゆえに、こうした晴れの舞台に向いています。
ファンファーレとか進軍ラッパなどもトランペットが多いですし。
チャック・マンジョーネが提供したこの曲名「Give It All You Got」は「全力を尽くせ」という意味です。
そしてアルバム名は「楽しみとゲーム」。
彼はオリンピックが成功するよう、曲名に力強いメッセージを込めました。
3位「Chldren Of Sanchez Overture」(アルバム:Children of Sanchez )
■曲名:Chldren Of Sanchez Overture
■曲名邦題:サンチェスの子供たち 序曲
■アルバム名:Children of Sanchez (1978年)
■アルバム名邦題:サンチェスの子供たち
■動画リンク:「Chldren Of Sanchez Overture」
ボーカル入りの曲です。
14分8秒と長い曲ですが、その分聞きごたえがありますね。
ちなみにこの曲は三菱ミラージュのCMにも使われたようです。
このアルバムは同名映画の2枚組サントラです。
とても聞きごたえあるので、この曲が気に入ったらぜひアルバムを通してお聞きください。
さてこの人は名前から想像がつくかもしれませんが、イタリア・シチリア系のアメリカ人です。
つまりラテン系がルーツの人なのですね。
映画自体はメキシコ民族を取り上げた話のようですが、この曲はスパニッシュなメロディが特徴です。
彼はメインのメロディを手を変え品を変え繰り返すところがあり、元々から映画音楽にうってつけの人だったかもしれません。
あとこの人の曲は学校の吹奏楽部でよく使われています。
この人の音楽には親しみやすいメロディと展開の妙味があり、確かに吹奏楽に向いているかもしれません。
4位「Love The Feelin’」(アルバム:Main Squeeze)
■曲名:Love The Feelin’
■曲名邦題:ラブ・ザ・フィーリン
■アルバム名:Main Squeeze(1976年)
■アルバム名邦題:メイン・スクイーズ
■動画リンク:「Love The Feelin’」
この人はジャズでは大成せず、フュージョン/クロスオーバーで頭角を現した人です。
彼がブレイクした背景には、いくつかの変更点がありました。
まずトランペットからフリューゲルホルンに楽器を変えたこと。
フリューゲルホルンはトランペットの仲間なので、大幅に変わった感じはしないかもしれません。
ただ注意して聞くとフリューゲルホルンは、トランペットに比べると音色が柔らかくてふくよかです。
それならばジャズでもフリューゲルホルンで良いのではと思われるかもしれません。
しかしトランペットはハツラツとしていて、音色が輝かしくハリがあります。
ジャズではそれらによる突破力を活かした方が、強いインパクトを与えられるかもしれません。
その違いを考えて彼はフュージョンではフリューゲルホルンの方が向いていると思ったのではないでしょうか。
またジャズでは基本的に即興、つまりアドリブが重視されます。
もちろんフュージョンでもアドリブを得意とするプレイヤーは沢山います。
しかしチャック・マンジョーネはフュージョンではアドリブより、美しいメロディが必要だと考えた形跡があり、その魅力の訴求で一点突破しようとしました。
実際この記事で対象としたA&M時代、彼はメロデイメイカーとして開花しました。
彼はジャズからフュージョンへの変化に合わせてスタイルを変え、新たな魅力を打ち出すことに成功したようです。
5位「Main Squeeze」(アルバム:An Evening of Magic, Live at the Hollywood Bowl)
■曲名:Main Squeeze
■曲名邦題:メイン・スクイーズ
■アルバム名:An Evening of Magic, Live at the Hollywood Bowl(1979年)
■アルバム名邦題:アンイブニング〜ライブ・アット・ハリウッド・ボウル
■動画リンク:「Main Squeeze」
この曲をご紹介するかは少し迷いました。
というのはこの曲はバンドが一丸となっていて、特にチャックが目立っている印象はありません。
それとこの曲は「Main Squeeze」というアルバムのタイトル曲ですが、そちらをご紹介した方が良いとも思いました。
しかし最終的にこの曲を選んだのには理由があります。
チャック・マンジョーネの魅力は、幅広い層に受け入れられる大衆性です。
しかし硬派なフュージョン・ファンは、少し違った基準で音楽を聞いている場合があります。
たとえばアドリブのキレとかスリルとか。
そうした人はシャカタクよりもブレッカー・ブラザーズなどを高く評価する傾向があるかもしれません。
私はどちらも好きですし、それぞれ以下の記事を書いています。
シャカタク(Shakatak)の名曲名盤10選
ブレッカー・ブラザーズ(Brecker Brothers)の名曲名盤10選
私はこの曲をご紹介して、硬派なファンにもアピールしたかったのですね。
このライブ・バージョンではスタジオ録音と比べホットで、特にベースのチョッパーが目立っています。
6位「Come Take A Ride With Me」(アルバム:Bellavia)
■曲名:Come Take A Ride With Me
■曲名邦題:カム・テイク・ア・ライド・ウィズ・ミー
■アルバム名:Bellavia(1975年)
■アルバム名邦題:哀しみのベラヴィア
■動画リンク:「Come Take A Ride With Me」
今回の記事はいつもとは異なり曲数を減らして6選にしました。
ただ長い曲が多い6選でもトータルの時間が長いので、10曲でも多いと思ったぐらいです。
ただその分全盛期を対象に良い曲を厳選してご紹介できました。
私が考える彼の全盛期は、このアルバムから「Fun and Games」ぐらいまでです。
A&Mに移籍後第一弾である前作「Chase the Clouds Away」も良い出来ですが、このアルバムでは更に質を上げてきました。
実際このアルバムはグラミー賞を受賞していますし。
一般にチャック・マンジョーネの最高傑作は「Feels So Good」だと言われています。
しかし私は今回選んだアルバムは、どれも甲乙つけがたいと思います。
あと彼は代表曲に長い曲が多いので、大幅にカットされたシングルが収録されたベスト盤では物足りなく感じる可能性があります。
逆に言えば、長い曲が苦手な方はベスト・アルバムでいいかもしれません。
比較できるよう、2曲短縮バージョンをご紹介してこの記事を終えたいと思います。
Chuck Mangione – Feels So Good
Chuck Mangione – Children Of Sanchez
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