今回はスウィート・ソウルのランキングを作成しました。
この記事ではスウィート・ソウルを好きになってもらえよう、アップの曲を多めに選曲しました。
ノーザン・ソウルが好きな方にもおすすめです。
甘美で狂おしい音楽をご堪能ください。
- 1 1位 Terry Huff & Special Delivery「Where There’s A Will」(アルバム:The Lonely One)
- 2 2位 The Chi-Lites「Stoned Out Of My Mind」(アルバム:Chi-Lites)
- 3 3位 The Escorts「By The Time I Get To Phoenix」(アルバム:All We Need Is Another Chance)
- 4 4位 The Montclairs「Hey You! Don’t Fight It」(アルバム:Soulful Thangs Vol. 3)
- 5 5位 Keith Barrow「If It’s Love That You’re Looking For」(アルバム:Physical Attraction)
- 6 6位 Timeless Legend「I Was Born To Love You」(アルバム:Synchronized)
- 7 7位 The Whatnauts「My Thing」(アルバム:Reaching For The Stars)
- 8 8位 The Soul Generation「Sailing」(アルバム:Beyond Body & Soul)
- 9 9位 Sly, Slick & Wicked「Sho’ Nuff」(アルバム:Sly, Slick & Wicked)
- 10 10位 Elegant Taste「Champagne & Caviar」(アルバム:Underground Oldies: Rare and Hard To Find, Vol. 8)
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1位 Terry Huff & Special Delivery「Where There’s A Will」(アルバム:The Lonely One)
■アーティスト名:Terry Huff & Special Delivery
■アーティスト名カナ:テリー・ハフ&スペシャル・デリバリー
■曲名:Where There’s A Will
■曲名邦題:ホエア・ゼアーズ・ア・ウィル
■アルバム名:The Lonely One(1976年)
■アルバム名邦題:ザ・ロンリー・ワン
■動画リンク:Terry Huff & Special Delivery「Where There’s A Will」
何はともあれ、このアルバムをご紹介しなければなりません。
多くのマニアにとって心のスウィート・ソウル名盤1位か、それに近いと思われる至高盤です。
ナマズ髭の異名で知られるテリー・ハフは、このアルバムでソウルの歴史に爪跡を残しました。
この曲以外にもキラー曲が目白押しです。
ちなみに彼は1982年にも、以下のシングルを発表しています。
私は以前クラブDJをやっていました。
基本的に私はロック系のDJでしたが、他のDJとの兼ね合いではソウル担当に回ることがありました。
ただ来ているのは、ほぼロックを好む客ばかり。
そんなアウェイの中でもこの曲はかなり反応が良く、ジャンルの壁を超えてフロアーを温めてくれました。
テリー・ハフは人間関係の問題がこじれた結果、この1枚限りで音楽業界を干され、最後はホームレスになったそうです。
そんな彼の曲がロック好きの客をも熱狂させ、極東のこんな記事で1位に推されるとは、数奇な人生を送った彼らしいといえるかもしれません。
2位 The Chi-Lites「Stoned Out Of My Mind」(アルバム:Chi-Lites)
■アーティスト名:The Chi-Lites
■アーティスト名カナ:シャイ・ライツ
■曲名:Stoned Out Of My Mind
■曲名邦題:ストーンド・アウト・オブ・マイ・マインド
■アルバム名:Chi-Lites(1973年)
■動画リンク:The Chi-Lites「Stoned Out Of My Mind」
この記事では多くの有名アーティストを対象外にしました。
というのは、単独で記事を書くかもしれないからです。
シャイ・ライツも迷いましたが、今のところ単独記事の予定がないので取り上げることにしました。
一般にこのグループはポール・ヤング(Paul Young)の名カバーでも知られる、以下の曲が有名です。
シャイ・ライツはこの曲の作曲者でリード・ボーカルとプロデューダー、ユージーン・レコード(Eugene Record)が大黒柱です。
彼自身のソロもすばらしい出来でした。
Eugene Record – Here Comes the Sun
単独記事を書かない代わりに、最低限ご紹介させていただきました。
3位 The Escorts「By The Time I Get To Phoenix」(アルバム:All We Need Is Another Chance)
■アーティスト名:The Escorts
■アーティスト名カナ:エスコーツ
■曲名:By The Time I Get To Phoenix
■曲名邦題:恋はフェニックス
■アルバム名:All We Need Is Another Chance(1973年)
■アルバム名邦題:オール・ウィ・ニード・イズ・アナザー・チャンス
■動画リンク:The Escorts「By The Time I Get To Phoenix」
このグループはメンバー全員が刑務所で服役中の囚人です。
しかも「護衛」や「監視」を意味する「The Escorts」というグループ名が笑えますね。
実際アルバム・ジャケットもそれ風ですし、アルバム名も「私たちに必要なのはもう一度のチャンスだけ」です。
かなり管理がゆるい感じがしないでもありません(笑)。
そもそも囚人がレコード・デビューすること自体どうかと思われるかもしれません。
デビューのきっかけは、スウィート・ソウル界の大物プロデューサー、ジョージ・カー(George Kerr)が、刑務所内のショーで彼らを見て気に入ったことから。
ジョージ・カーが様々な関係筋から働きかけた結果、刑務所内での録音が許可されました。
ちなみにこのアルバムは話題性もあってか好評だったようで、翌年には2枚目がリリースされています。
その頃にはメンバー7人中3人が出所していたそうですが。
4位 The Montclairs「Hey You! Don’t Fight It」(アルバム:Soulful Thangs Vol. 3)
■アーティスト名:The Montclairs
■アーティスト名カナ:モントクレアーズ
■曲名:Hey You! Don’t Fight It(1969年)
■アルバム名:Soulful Thangs Vol. 3(コンピレーション)
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:The Montclairs「Hey You! Don’t Fight It」
彼らはフィル・ペリー(Phil Perry) が在籍していたグループとして知られています。
フィル・ペリーはグループのリード・ボーカリストでした。
さてこの記事の曲を聞いて、選曲がイメージとは違うと思われるかもしれません。
一般にスウィート・ソウルは、バラードが多いイメージだと思います。
しかしこの記事では純粋にスローといえるのは2曲だけで、他の曲はミッドテンポからアップの曲ばかり。
その選曲には理由があります。
この記事を書く前、私は以下のようなコンセプトを考えました。
「胸が張り裂けそうなほど狂おしいのに、なぜか身体はノリノリでステップを踏んでしまう」
そのため自然とアップの曲が多くなりました。
ただそれだとスローの曲をご紹介できないので、10曲をレコードのA面とB面に見立てて、それぞれの5曲目にスローを配置してみました。
5位 Keith Barrow「If It’s Love That You’re Looking For」(アルバム:Physical Attraction)
■アーティスト名:Keith Barrow
■アーティスト名カナ:キース・バロウ
■曲名:If It’s Love That You’re Looking For
■アルバム名:Physical Attraction(1978年)
■アルバム名邦題:フィジカル・アトラクション
■動画リンク:Keith Barrow「If It’s Love That You’re Looking For」
フリーソウルのコンピで取り上げられた比較的知名度の高い曲です。
さて、この人はシカゴ出身です。
シカゴといえば先程ご紹介したシャイ・ライツやウィンディ・シティ(Windy City)など、スウィート・ソウルの名グループを数多く生んだ土地柄。
シカゴは、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ人口のアメリカ第三の大都会です。
スウィート・ソウルの多くは、都会で好まれるタイプの音楽でした。
先程のエスコーツは少し事情が違うかもしれませんが(笑)。
この記事ではスロー以外を多めにした関係で、結果的にノーザン・ソウルっぽくなったかもしれません。
おそらくそれはノーザン・ソウルと同じく、都会で好まれた音楽だからでしょう。
ノーザン・ソウルについては、いずれ別途記事を書こうと思っています。
もう1曲キース・バロウの曲をご紹介します。
Keith Barrow – You Know You Want To Be Love
6位 Timeless Legend「I Was Born To Love You」(アルバム:Synchronized)
■アーティスト名:Timeless Legend
■アーティスト名カナ:タイムレス・レジェンド
■曲名:I Was Born To Love You
■曲名邦題:アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
■アルバム名:Synchronized(1976年)
■アルバム名邦題:シンクロナイズド
■動画リンク:Timeless Legend「I Was Born To Love You」
スウィート・ソウルについて「甘茶ソウル」と呼ばれることがあります。
しかし私はその呼び方があまり好きではありません。
砂糖を入れたすぎた紅茶みたいなイメージだと思いますが、いま一つ美味しそうな感じはしませんし。
腹を立てているわけではありませんが、聞く人を限定するネーミングのような気がしています。
そもそもスウィート・ソウルで良いと思いますし。
さてスウィート・ソウルは、アルバム全編がそればかりというケースはそれほど多くありません。
特定のグループ以外は、スウィート・ソウルではない曲と混在しています。
このアルバムも適度に曲調がばらけていて、アルバムを最後まであきずに楽しめます。
同じアルバムから、もう1曲をご紹介しましょう。
Timeless Legend – Where There’s A Way
7位 The Whatnauts「My Thing」(アルバム:Reaching For The Stars)
■アーティスト名:The Whatnauts
■アーティスト名カナ:ザ・ホワットノーツ
■曲名:My Thing
■アルバム名:Reaching For The Stars(1971年)
■アルバム名邦題:リーチング・フォー・ザ・スターズ
■動画リンク:The Whatnauts「My Thing」
この曲は他にモーメンツも取り上げています。
プロデューサーはエスコーツのところでご紹介したジョージ・カー。
スウィート・ソウルというと、スタイリスティックス(The Stylistics)、デルフォニックス(The Delfonics)、ブルー・マジック(Blue Magic)などの人気グループがよく知られています。
ジョージ・カーはそれらの有名グループと同じ位、スウィート・ソウルにおける重要人物です。
さてこの記事を書くにあたって、最初はプロデューサーを軸に曲を選ぶ予定でした。
私の記憶に抜けがあるといけないので、AIにスウィート・ソウルの有名プロデューサーを聞いたところ、予想外の答えが返ってきました。
フィリー・ソウルとバリー・ホワイトは、私がイメージするスウィート・ソウルとは少し違いますし。
この記事で私は範囲を広げすぎず、私の頭の中にあるスウィート・ソウルど真ん中の曲をご紹介したいと思いました。
AIの答えには名前がありませんでしたが、私はジョージ・カーと次に触れるポール・カイザー(Paul Kyser)の2人は、スウィート・ソウルを語る上で外せないプロデューサーだと思います。
8位 The Soul Generation「Sailing」(アルバム:Beyond Body & Soul)
■アーティスト名:The Soul Generation
■アーティスト名カナ:ソウル・ジェネレーション
■曲名:Sailing
■アルバム名:Beyond Body & Soul(1972年)
■アルバム名邦題:ビヨンド・ボディ・アンド・ソウル
■動画リンク:The Soul Generation「Sailing」
このグループはテリー・ハフと同じく、アルバムを1枚しか残していません。
とびっきりのアルバムが1枚だけというのは、マニア心をくすぐります。
しかしアーティスト側からすると、背景にはほぼ間違いなく不幸な事情があるもの。
代表例としてはセールスの不振ですが、他にもグループ内の人間関係に問題があるケースも散見されます。
後者の場合は、たとえ売れても長続きしません。
特にボーカル・グループの場合は、誰がリードを担当するかぶつかる傾向があります。
このアルバムはその質の高さに反して、グループとしていささかまとまりに欠けます。
ファルセットのクリフ・パーキンス(Cliff Perkins)は他音域のシンガーとの掛け合いが少なく、概してグループとしてのまとまりを感じません。
ファルセットに良い曲が多いのも事実ですが。
このアルバムをプロデュースした名匠ポール・カイザーは、そのあたりをどう思っていたのでしょうね。
9位 Sly, Slick & Wicked「Sho’ Nuff」(アルバム:Sly, Slick & Wicked)
■アーティスト名:Sly, Slick & Wicked
■アーティスト名カナ:スライ・スリック&ウィックト
■曲名:Sho’ Nuff
■アルバム名:Sly, Slick & Wicked(1976年)
■動画リンク:Sly, Slick & Wicked「Sho’ Nuff」
さてスウィート・ソウルを聞く時には、ある種の適性が問われます。
それはファルセット・ボーカルの甘い曲が続いても、あきずに聞き通せるかどうか。
それはスイーツの食べ放題の問題と似ています。
最初は良くても、途中からキツいと感じる人もいるのではないかと。
正直この記事を書いている私さえも、キツいと感じることがありますし。
スウィート・ソウルはファルセット限定ではありませんし、実際他にバリントン・シンガーがいるグループも少なくありません。
ただこの記事では違う音域のシンガーとの掛け合い曲は、少な目にしようと思っていました。
それだとスウィート・ソウルというより、ボーカル・グループ特集になりそうな気がしたのですね。
ただこの記事も既に終盤です。
そろそろ高音域の歌がキツくなってきているのではないかと思い、一旦低音ボイスが混在するこの曲を選んでみました。
ここで一息ついたら、次でファルセットの絶品バラードをご賞味ください。
10位 Elegant Taste「Champagne & Caviar」(アルバム:Underground Oldies: Rare and Hard To Find, Vol. 8)
■アーティスト名:Elegant Taste
■曲名:Champagne & Caviar(1975年)
■アルバム名:Underground Oldies: Rare and Hard To Find, Vol. 8(コンピレーション)
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:Elegant Taste「Champagne & Caviar」
今回の選曲は思いついた範囲で選曲しましたので、後でこの曲も入れておけばよかったと思うことが多くなりそうです。
10曲だけでは、今この時点でさえ同程度のすばらしい曲をご紹介しきれていませんし。
また後で考えて曲を追加すればいいと思い、取り急ぎ10曲だけ見繕ってみました。
とかくスウィート・ソウルを好んで聞く層は、マニア比率が高くなりがちかもしれません。
しかしこのブログは初心者を意識して選曲しています。
そこで考えたのが先程ご紹介した、この記事のコンセプト。
「胸が張り裂けそうなほど狂おしいのに、なぜか身体はノリノリでステップを踏んでしまう」
このコンセプトに基づいて10曲を選んでみました。
最後にチークタイム代わりとして、このバラードで記事を終えたいと思います。
入門者の方がスウィート・ソウルを好きになるお役に立てれば、とてもうれしいです。
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