three-degrees-dimensions2

スリー・ディグリーズ(The Three Degrees)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はスリー・ディグリーズのランキングを作成しました。

彼女たちはフィリーソウルを代表するグループです。

華やかなイメージがありますが、実力的にも申し分ありません。

前半はヒット曲を、後半は私のおすすめ曲を中心にご紹介しました。

 

1位「When Will I See You Again」(アルバム:The Three Degrees)

three-degrees-three

■曲名:When Will I See You Again
■曲名邦題:天使のささやき
■アルバム名:The Three Degrees(1973年)
■アルバム名邦題: スリー・ディグリーズ(荒野のならず者)
■動画リンク:「When Will I See You Again」

この曲は第3回東京音楽祭で金賞を受賞しています。

その年出場したアーティストはアラン・オディ(Alan O’day)、ザ・ギミックス(The Gimmicks)、フレダ・ペイン(Freda Payne)など。

その中でもこの曲は金賞にふさわしいと思います。

というのは他の曲が無名のまま終わったのに対して、この曲は世界的にも大ヒットしましたから。

当時としては珍しく東京発のヒットということもあり、日本でも大きな話題となりました。

その人気ぶりがうかがえる曲をご紹介しましょう。

スリー・ディグリーズ ~ 天使のささやき(日本語版)

日本語で歌っているシングルです。

白井章生による歌詞は、なぜ会ってくれないのと訴える原曲の歌詞より良い出来かもしれません。

 

2位「Get Your Love Back」(アルバム:International)

three-degrees-international

■曲名:Get Your Love Back
■曲名邦題:私は片想い
■アルバム名:International(1975年)
■アルバム名邦題:世界の恋人
■動画リンク:「Get Your Love Back」

いかにもフィリーらしい曲です。

ここで言う「フィリー」とは、フィラデルフィア・ソウルのこと。

一般にフィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR/Philadelphia International Records)というレーベルからリリースされた音楽を指す言葉です。

ケニー・ギャンブル(Kenneth Gamble)とレオン・ハフ(Leon A.Huff)の2人からなるギャンブル&ハフ(Gamble and Huff)というソングライティング・チームを擁し、当時急速に頭角を現しました。

彼女たちがPIRに移籍した1973年は、フィリーの快進撃が始まった時期でした。

しかし当時は在籍アーティストが少なく、方々で才能あるアーティストをスカウトしていたようです。

当時スリー・ディグリースは、まだダイヤの原石にすぎませんでした。

しかし美貌と実力を持ち合わせた逸材で、モータウンからも声がかかるほどでした。

最終的に彼女たちはモータウンへの移籍を断り、PIRに移籍しています。

この曲もギャンブル&ハフが書いていますが、彼女たちとの相性が抜群に良い曲ですね。

彼女たちの持ち味とレーベル・カラーが合致したこの移籍は、大成功だったと思います。

 

3位「TSOP (The Sound of Philadelphia)」(アルバム:International)

three-degrees-international

■曲名:TSOP (The Sound of Philadelphia)
■曲名邦題:ソウル・トレインのテーマ
■アルバム名:International(1975年)
■アルバム名邦題:世界の恋人
■動画リンク:「TSOP (The Sound of Philadelphia)」

シグマ・スタジオのハウス・バンドであったMFSBのインストに、彼女たちが客演している曲です。

彼女たちはコーラスを担当し、この曲に華を添えています。

この曲はアメリカの音楽TV番組「ソウル・トレイン」のテーマ曲。

そのおかげかこの曲は異例の大ヒットとなりました。

おそらくディスコソングとして初めてBillboard Hot 100で1位を獲得した。

ソウル・トレインのテーマ ウィキペディア

上に引用した動画からは、当時の様子がうかがえます。

映像は3分半程度ですが、ブラック・ミュージックのすばらしさが伝わってきますね。

曲をご存知の方も、ぜひ一度ご覧になってみてください。

 

4位「Love Is the Message」(アルバム:The Very Best of Three Degrees)

three-degrees-best

■曲名:Love Is the Message
■曲名邦題:愛はメッセージ
■アルバム名:The Very Best of Three Degrees(1993年)
■動画リンク:「Love Is the Message」

先程と同じくMFSBと共演した曲です。

前シングル「TSOP (The Sound of Philadelphia)」が全米1位になったことを受けてリリースされました。

今回彼女たちのチャート・アクションを確認して、1つ気付いたことがあります。

彼女たちが本国アメリカで人気だったのは1974の一年だけで、その年は1位と2位を記録した2枚のヒット・シングルを放っています。

1974年は東京音楽祭で金賞を受賞、ソウルトレインのテーマ曲に起用されたりなど、大きな出来事が続きました。

その一方翌年からはどんなに良い曲を発表しても、1曲たりとも100位圏内に入りません。

ただ彼女たちはその一年で知名度を得ました。

彼女たちは売れなくなってからも、その知名度を活かして音楽業界でしぶとく存続しました。

ウィキペディアで確認したところ今もなお健在のようですし。

この曲には華やかなりし時代の空気を感じます。

 

5位「Dirty Ol’ Man」(アルバム:The Three Degrees)

three-degrees-three

■曲名:Dirty Ol’ Man
■曲名邦題:荒野のならず者
■アルバム名:The Three Degrees(1973年)
■アルバム名邦題:スリー・ディグリーズ(荒野のならず者)
■動画リンク:「Dirty Ol’ Man」

この曲は「荒野のならず者」という邦題です。

しかし原題は「Dirty Ol’ Man」で「小汚い年老いたおっさん」みたいな感じでしょうか。

「荒野の」とは当時西部劇が流行っていたので、それに便乗して付けたと思われます。

曲名があまりに強烈なので、歌詞を読んでみました。

この曲は女の子がいやらしいおっさんからおさわりされるのを嫌がって、やめてほしいと訴えています。

男は結婚しているのに、ゲーム感覚で若い子に手を出さないでと。

不倫もセクハラも絶対いけません。

ただ断りつつそれをネタにした曲を歌う女性たちもたくましくしたたかです。

 

6位「Year of Decision」(アルバム:The Three Degrees)

three-degrees-three

■曲名:Year of Decision
■曲名邦題:幸せの季節
■アルバム名:The Three Degrees(1973年)
■アルバム名邦題:スリー・ディグリーズ(荒野のならず者)
■動画リンク:「Year of Decision」

今回上位は全盛期の曲を並べました。

彼女たちの全盛期はフィリー時代で、アルバムでいえば「The Three Degrees」と「International」の2枚の頃です。

この曲は前者に収録されていますが、後者のアルバムからもう1曲ご紹介しておきましょう。

The Three Degrees – Take Good Care of Yourself

彼女たちはこの曲で、もしあなたの魂が満ち足りていないのなら、私たちと一緒に成功しようと歌っています。

彼女たちは自分たちが成功すると確信していたようですね。

翌年その夢は現実のものとなりました。

彼女たちは次のシングル「TSOP (The Sound of Philadelphia)」で、全米1位を獲得して一躍ブレイクしました。

 

7位「Magic in the Air」(アルバム:New Dimensions)

three-degrees-dimensions

■曲名:Magic in the Air
■曲名邦題:恋のマジック
■アルバム名:New Dimensions(1978年)
■アルバム名邦題:恋にギヴ アップ
■動画リンク:「Magic in the Air」

このアルバムは、ジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)がプロデュースを担当しました。

ジョルジオ・モロダーの特徴は、ミュンヘン・サウンドと呼ばれるディスコ・サウンド。

このアルバムにもそういう曲が収録されています。

The Three Degrees – The Runner

このアルバムは久々の快作と呼べる出来でした。

彼女たちの最高傑作を聞かれたら、私は「The Three Degrees」と即答することでしょう。

しかし2番目に好きなアルバムを聞かれたらこのアルバムを推します。

このアルバムで私が一番好きなのは、ミニー・リパートン(Minnie Riperton)あたりに似合いそうなこの曲です。

 

8位「Rose Garden」(アルバム:Maybe)

three-degrees-maybe

■曲名:Rose Garden
■曲名邦題:ローズ・ガーデン
■アルバム名:Maybe(1970年)
■アルバム名邦題:メイビー
■動画リンク:「Rose Garden」

彼女たちの結成は意外と古く、1963年に結成しています。

その後1965年に「Gee Baby (I’m Sorry)」という曲で、シングル・デビューしました。

そんな彼女たちが最初に注目を浴びたのは、ルーレット・レコード(Roulette Records)と契約してから。

ルーレットでこのデビュー・アルバムをリリースすると、アルバム・タイトル曲が全米シングル・チャートで29位を獲得しました。

その曲はリンクだけ貼っておきましょう。

The Three Degrees – Maybe

語りが中心の曲で、正直どこにヒットの要素があったのかと感じますが。

彼女たちはルーレットにアルバム1枚だけ残して、フィリー時代に花開きました。

 

9位「Standing Up for Love」(アルバム:Standing Up for Love)

three-degrees-standing

■曲名:Standing Up for Love
■曲名邦題:スタンディング・ アップ・フォー・ラヴ(恋にアタック)
■アルバム名Standing Up for Love(1977年)
■アルバム名邦題:スタンディング・ アップ・フォー・ラヴ(恋に乾杯)
※動画はシングル・バージョンです
■動画リンク:「Standing Up for Love」

彼女たちはフィリーで全盛期を迎えた後、いくつかのレーベルを渡り歩いています。

1976年ソニー・ミュージック・エンタテインメント・ジャパン(Sony Music Entertainment Japan)に移籍し、アルバム「恋に乾杯(A Toast of Love)」を発表しました。

その後1977年にはエピック・レコード(Epic Records)に移籍して、このアルバムを発表しています。

この曲のクレジットを見て驚きました。

なんとP-Funkの総帥、ジョージ・クリントン(George Clinton)が曲を書いています。

なかなかの名曲ではないでしょうか。

さてこのアルバムの製作中、大事件がありました。

創立メンバーのファイエット・ピンクニーは、当時ルー・ロウルズ(Lou Rawls)と付き合っていましたが、音楽活動より男を選んだため解雇されてしまいました。

代わりに以前メンバーだったヘレン・スコット(Helen Scott)が復帰しています。

ピンクニーはアフロ・ヘアーの人ですが、このジャケットにはいませんね。

前作「A Toast of Love」は今ひとつの内容でしたが、このアルバムでは復調してきています。

 

10位「Woman in Love」(アルバム:New Dimensions)

three-degrees-dimensions

■曲名:Woman in Love
■曲名邦題:恋にギヴアップ
■アルバム名:New Dimensions(1978年)
■アルバム名邦題:恋にギヴ アップ
■動画リンク:「Woman in Love」

彼女たちは常に3人編成でしたが、これまでのべ15人が在籍しています。

その中で特に重要な黄金期のメンバーは、以下の3人。

・フェイエット・ピンクニー(Fayette Pinkney)
・シーラ・ファーガソン(Sheila Ferguson)
・ヴァレリー・ホリデイ(Valerie Holiday)

中でもグループの顔といえるのが、リード・ボーカルのシーラ・ファーガソンです。

彼女は1966年から1986年までの20年間、リード・ボーカルを担当しました。

このグループが売れたのは、甘い声と実力を両立した彼女の存在抜きに語れません。

この曲ではシーラの歌だけでなく、サビを盛り上げるコーラスの2人もすばらしいですね。

この動画に踊るシーンを見るにつけ、競争の激しいショービジネスを生き抜いてきた感じがして、感慨深いものがあります。

 

関連記事

オージェイズ(The O’Jays)の名曲名盤10選

シュープリームス(The Supremes)の名曲名盤10選

ザ・スピナーズ(The Spinners)の名曲名盤10選

ドナ・サマー(Donna Summer)の名曲名盤12選

 

記事一覧

全記事リストは、こちらからどうぞ

 

他ブログ・SNS等

このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!

おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています

note(ジャンル別おすすめ曲一覧)
※選りすぐりの名曲を1曲単位でご紹介しています

おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!

three-degrees-dimensions2
最新情報をチェックしたい方は、フォローをお願いします!