今回はバリー・ホワイトのランキングを作成しました。
彼はイージーリスニングとか、軟弱だというイメージを持たれがちです。
そういう方は今回ご紹介した曲を聞くと、驚くかもしれません。
なお動画のリンクは、アルバム・バージョンではなく短縮バージョンでご紹介しています。
- 1 1位「Don’t Make Me Wait Too Long」(アルバム:Is This Whatcha Wont?)
- 2 2位「We Can’t Let Go of Love」(アルバム:Barry & Glodean(Barry White & Glodean White))
- 3 3位「Heavenly, That’s What You A to Me」(アルバム:Just Another Way to Say I Love You)
- 4 4位「Never, Never Gonna Give Ya Up」(アルバム:Stone Gon’)
- 5 5位「You’re the First, the Last, My Everything」(アルバム:Can’t Get Enough)
- 6 6位「Sha La La Means I Love You」(アルバム:The Man)
- 7 7位「You See the Trouble with Me」(アルバム:Let the Music Play)
- 8 8位「It’s Ecstasy When You Lay Down Next to Me」(アルバム:Barry White Sings for Someone You Love)
- 9 9位「I Love to Sing the Songs I Sing」(アルバム:I Love to Sing the Songs I Sing)
- 10 10位「Can’t Get Enough of Your Love, Babe」(アルバム:Can’t Get Enough)
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1位「Don’t Make Me Wait Too Long」(アルバム:Is This Whatcha Wont?)
■曲名:Don’t Make Me Wait Too Long
■曲名邦題:恋のときめき
■アルバム名:Is This Whatcha Wont?
■アルバム名邦題:イズ・ディス・ワッチャ・ウォント
■動画リンク:「Don’t Make Me Wait Too Long」
この人は自ら「愛の伝道師」と名乗っています。
彼のテーマは愛、愛、そして愛です。
この曲の歌詞も、相手が愛おしすぎて一緒に過ごすのを待ちきれないというもの。
このアルバムでは他の曲も「あなたに恋をする」とか「一緒にいたい」とか、そういう曲ばかりです。
そもそも彼が手掛けた女性3人組のグループ名「The Love Unlimited Orchestra」で、つまり「無制限の愛のオーケストラ」ですからね。
この人の頭の中は愛だらけです。
ちなみにこのアルバムがリリースされた1976年は、ダムドが「地獄に堕ちた野郎ども」をリリースし、翌年はクラッシュが「白い暴動」セックス・ピストルズが「勝手にしやがれ!!」をリリースしています。
以前は反戦運動絡みで愛を訴える人が大勢いましたが、この頃にはベトナム戦争もほぼ決着していました。
それでも「愛だろ、愛」と熱病にうなされていたこの人は、少し時代に置いていかれようとしていたかもしれません。
この曲でも暑苦しく愛を訴えていますが、私はこういう人も必要だと思います。
2位「We Can’t Let Go of Love」(アルバム:Barry & Glodean(Barry White & Glodean White))
■曲名:We Can’t Let Go of Love
■曲名邦題:ウィ・キャント・レット・ゴー・オブ・ラヴ
■アルバム名:Barry & Glodean(Barry White & Glodean White)
■アルバム名邦題:バリー・ホワイト & グローディーン・ホワイト
■動画リンク:「We Can’t Let Go of Love」
この人はラブ・アンリミテッド・オーケストラのプロデューサーとして知られています。
この曲はそのメンバー、グローディーン・ホワイトとデュエットしています。
当時2人は夫婦でした。
彼の人気は1970年代終わり頃から低下し始め、このアルバムは最高201位と散々な結果に終わりました。
ちなみにこの人は過小評価されがちですが、通算1億枚ものレコードを売ってきた人です。
このアルバムがリリースされた1981年頃は、そんな彼の低迷期といっていいでしょう。
ただ音楽自体は決して悪くありません。
たとえばこの曲をお聞きください。
低迷期にはこんなすばらしい曲でも売れないものなのですね。
3位「Heavenly, That’s What You A to Me」(アルバム:Just Another Way to Say I Love You)
■曲名:Heavenly, That’s What You Are to Me
■曲名邦題:ヘヴンリィ・ザッツ・ホワット・ユー・アー・トゥ・ミー
■アルバム名:Just Another Way to Say I Love You
■アルバム名邦題:ジャスト・アナザー・ウェイ・トゥ・セイ・アイ・アイ・ラヴ・ユー
■動画リンク:「Heavenly, That’s What You Are to Me」
私はこの人のボーカルが好きです。
一般的には低い声でぼそぼそと歌うイメージかもしれませんが、この曲のように狂おしく歌う曲もあります。
そんな私も彼のボーカルが上手いとは思いません。
ただこの曲などでのひたむきな歌唱には心打たれるものがあります。
まるでジャケット写真そのもの。
ただボーカルは無骨でも野暮ったくならないのは、洗練されたバックゆえかもしれません。
この曲はメロウなギターと、2:41からヴィブラフォンも入っています。
この洗練されたバックの演奏と無骨な歌のギャップに、グッと来ないでしょうか。
ちなみにこのアルバムには「愛の炎(What Am I Gonna Do with You)」という有名曲も入っていますが、私はこの曲の方が好みです。
4位「Never, Never Gonna Give Ya Up」(アルバム:Stone Gon’)
■曲名:Never, Never Gonna Give Ya Up
■曲名邦題:忘れられない君
■アルバム名:Stone Gon’
■アルバム名邦題:ストーン・ゴーン
■動画リンク:「Never, Never Gonna Give Ya Up」
この人が敬遠される理由は、曲の長さが影響しているかもしれません。
この曲もアルバム・バージョンでは8分近くもありますし、アルバム全曲でも5曲とプレグレ並みです。
今回はショート・バージョンばかりご紹介していますが、私としてはロング・バージョンでもいいと思っています。
良い曲であれば、長い方がありがたいかもしれません。
このアルバムでは他にも「ハニー・プリーズ、キャント・ヤ・シー(Honey Please, Can’t Ya See)」などの名曲ぞろいです。
もしこの曲が気に入ったら、ロング・バージョンでも聞いてみてください。
最初は地味に感じる曲ですが、サビでは一転力強く歌い上げています。
ただ2:41でようやくサビですから、少し引っ張りすぎな感じもしますが。
5位「You’re the First, the Last, My Everything」(アルバム:Can’t Get Enough)
■曲名:You’re the First, the Last, My Everything
■曲名邦題:マイ・エヴリシング
■アルバム名:Can’t Get Enough
■アルバム名邦題:キャント・ゲット・イナフ
■動画リンク:「You’re the First, the Last, My Everything」
今回はなるべく多くのアルバムから選曲しようと思いました。
1970年代の彼は多作でしたが、どのアルバムにも必ずキラー曲が入っています。
その中からいつがピークか聞かれたら、私は間違いなくこのアルバムと答えることでしょう。
本国アメリカではアルバムチャート1位、イギリスでも4位を記録しています。
しかしそれ以上にすばらしいのは、このアルバムの内容です。
他にも「Oh Love, Well We Finally Made It」など、ご紹介したい曲が一番多いアルバムでした。
とかくこの人はベスト盤で済まされることが多いように思います。
しかしシングル以外にも曲にもすばらしい曲が多いので、少しもったいないかもしれません。
実は私も最初はベスト盤を持っていましたが、途中からアルバム単位でそろえるよう方針転換しました。
6位「Sha La La Means I Love You」(アルバム:The Man)
■曲名:Sha La La Means I Love You
■曲名邦題:シャ・ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー
■アルバム名:The Man
■アルバム名邦題:ザ・マン
■動画リンク:「Sha La La Means I Love You」
彼にしては珍しいラテン・ナンバーです。
彼はアメリカ、カルフォルニア州のサウスセントラルという土地で育ちました。
そこは治安が良いとは言えない土地柄で、ストリートギャングが跋扈していました。
ちなみに彼の兄弟は対立するギャングに殺されてしまい、バリー自身も16歳で窃盗容疑で投獄されています。
当時のそうした地域の例にもれず、彼のいた環境はヒスパニックの割合も多かったようです。
すると自然とラテン音楽に親しむようになるもの。
投獄された彼は、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー(It’s Now or Never)」を聞いて感銘を受け、音楽の道に進むことを決意しました。
「It’s Now or Never」とは「いつやるか? 今でしょ!」という意味の曲名です。
その後の彼の音楽には、荒んだ生い立ちを感じません。
この曲はストリートから学んだラテン・ナンバーですが、ポジティヴなメッセージで満ちあふれています。
7位「You See the Trouble with Me」(アルバム:Let the Music Play)
■曲名:You See the Trouble with Me
■曲名邦題:恋のトラブル
■アルバム名:Let the Music Play
■アルバム名邦題:レット・ザ・ミュージック・プレイ
■動画リンク:「You See the Trouble with Me」
彼のサウンドの特徴は、ボリューム満点の甘いストリングスでしょう。
当初アレンジャーはかの有名なジーン・ペイジ(Gene Payge)でしたが、このアルバムからはドン・ピーク(Don Peake)に交代しています。
しかし心配ご無用。
クレジットを見ないと気づかないぐらい、ジーンの仕事ぶりを踏襲しています。
特にこの曲のストリングス・アレンジは、ジーンの頃を含めて1、2争うほど華麗さです。
曲としては平均的な出来かもしれませんが、あまりにストリングスがすばらしいのでランクインしました(笑)
こういう曲は、甘いケーキに似ています。
時々無性にケーキが食べたくなるように、私はこういう曲が聞きたくなることがあります。
そういう時はこの人とか、ヴァン・マッコイ(Van McCoy)などで満たしています。
8位「It’s Ecstasy When You Lay Down Next to Me」(アルバム:Barry White Sings for Someone You Love)
■曲名:It’s Ecstasy When You Lay Down Next to Me
■曲名邦題:エクスタシー
■アルバム名:Barry White Sings for Someone You Love
■アルバム名邦題:バリー・ホワイト・シングス・フォー・サムワン・ユー・ラブ
■動画リンク:「It’s Ecstasy When You Lay Down Next to Me」
彼の1970年代のアルバムは、似たようなものばかりと言われがちです。
確かににその通りですが、注意して聞くと少しずつ変わってきていることに気が付きます。
前作の「Is This Whatcha Wont?」は最高125位と、とても不本意な結果に終わりました。
その次作がこのアルバムです。
これまで彼は、ほとんどの曲を自分で書いていました。
しかしこのアルバムでは一転彼が単独で書く曲がなくなり、大半は外部のライターの曲です。
この曲もバリーの書いた曲ではありません。
しかしこの曲はシングルチャート4位まで駆け上がり、アルバムも8位と人気を挽回しました。
実際これまでご紹介した曲とは、少し違った魅力があるかもしれません。
この曲はのリズムは、まるでスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)みたいですし。
マンネリだと言われがちな彼も、少しずつ変わろうとしていたのですね。
9位「I Love to Sing the Songs I Sing」(アルバム:I Love to Sing the Songs I Sing)
■曲名:I Love to Sing the Songs I Sing
■曲名邦題:アイ・ラブ・トゥ・シング・ザ・ソング・アイ・シング
■アルバム名:I Love to Sing the Songs I Sing
■アルバム名邦題:アイ・ラブ・トゥ・シング・ザ・ソング・アイ・シング
■動画リンク:「I Love to Sing the Songs I Sing」
彼はデビュー以来、レコード会社は20th Century一筋でした。
しかし彼は経営方針に不満を抱くようになり、このアルバムを最後にUnlimited Goldに移籍することになりました。
次作「ザ・メッセージ・イズ・ラヴ(The Message Is Love)」は、このアルバムの7ヶ月後というあわただしい移籍となりました。
同じ頃音楽面でも変化の兆しが現れ始めていました。
基本こってり味な彼も、少しライトな曲が増えてきたように思います。
この曲もバリー・ホワイトの曲と知らせずに聞かせたら、どれほどの人が当てられるでしょうか。
このアルバムにも「Oh Me, Oh My (I’m Such A Lucky Guy)」など、ストリングスが華麗に舞っている曲もあります。
しかし以前よりそういう曲の割合が減ってきたように思います。
その分彼の歌が目立つようになりました。
以前は大音量のストリングスに、彼のボーカルが埋没しがちでしたし。
このアルバムは「I Love to Sing the Songs I Sing」つまり「歌うのが大好きだ」と言っています。
ストリングスを減らして、歌に焦点を当てようとしていたのかもしれません。
10位「Can’t Get Enough of Your Love, Babe」(アルバム:Can’t Get Enough)
■曲名:Can’t Get Enough of Your Love, Babe
■曲名邦題:あふれる愛を
■アルバム名:Can’t Get Enough
■アルバム名邦題:キャント・ゲット・イナフ
■動画リンク:「Can’t Get Enough of Your Love, Babe」
この曲はアメリカのシングルチャートで1位を記録しています。
この人の代表曲と言ってもいいでしょう。
元々この人はセールス面での実績は申し分のない人です。
ただあまり玄人受けはしません。
一般的な人気も低迷し始めると、その後彼は急速に過去の人になりました。
そんな彼が再評価されたのは、HIPHOP方面からでした。
彼の曲はサンプリング・ソースとして重宝され、一説によるとサンプリングされた曲は600曲とも言われています。
中でもこの曲とこのアルバムの1曲目「メロウ・ムード[パート1](Mellow Mood (Pt. I))」は頻繁に使用され、後年彼の人気が復活する後押しとなりました。
ただ一般的にはまたイージーリスニングの人というイメージが残っているように感じます。
私もそういう側面があることは否定しません。
しかし本格派ソウル・ミュージックの側面をお伝えしたいと思い、この記事を書くことにしました。
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