今回はオハイオ・プレイヤーズのランキングを作成しました。
このバンドの魅力は、歌ものとファンク・バンドとしての魅力、どちらも拮抗していることです。
彼らはスローばかり言及されがちですが、ダンサーも強力です。
1970年代ソウルの醍醐味をご堪能ください。
- 1 1位「Sweet Sticky Thing」(アルバム:Honey)
- 2 2位「Fire」(アルバム:Fire)
- 3 3位「You And I」(アルバム:Ecstasy)
- 4 4位「Streakin’ Cheek To Cheek」(アルバム:Skin Tight)
- 5 5位「Honey」(アルバム:Honey)
- 6 6位「Who’d She Coo?」(アルバム:Contradiction)
- 7 7位「Speak Easy」(アルバム:Mr. Mean)
- 8 8位「Glad to Know You’re Mine」(アルバム:Angel)
- 9 9位「Together」(アルバム:Fire)
- 10 10位「Make Me Feel」(アルバム:Everybody Up)
- 11 関連記事
- 12 記事一覧
- 13 他ブログ・SNS等
- 14 Amazon広告
1位「Sweet Sticky Thing」(アルバム:Honey)
■曲名:Sweet Sticky Thing
■曲名邦題:スウィート・スティッキー・シング
■アルバム名:Honey
■アルバム名邦題:ハニー
■動画リンク:「Sweet Sticky Thing」
彼らの知っている曲についてアンケートをとったら、ほとんどの人がこの曲を挙げることでしょう。
ダントツ1位は確定で、次点は「Fire」かもしれません。
ただ当時はシングルチャートで最高位33位ですから、それほど大ヒットしたわけではありません。
つまり再評価で有名になったというわけです。
「フリー・ソウル・ライツ(Free Soul Lights)」にも収録されましたし。
今や定番となったビル・ウィザース(Bill Withers)の「ラヴリー・デイ(Lovely Day)」も30位止まりでしたが、それと同じパターンといえるでしょう。
ただ曲名がいけません。
「Sweet Sticky Thing」は「甘く粘着質なもの」という意味です。
彼らはエロなイメージで売っているバンドで、他にもこんなジャケットがあります。
「Graduation」というアルバムの中ジャケです。
「Graduation」とは「卒業」の意味ですが、何の卒業だと言いたくなりますね。
2位「Fire」(アルバム:Fire)
■曲名:Fire
■曲名邦題:ファイアー
■アルバム名:Fire
■アルバム名邦題:ファイアー
■動画リンク:「Fire」
彼らの最大のヒット曲です。
彼らはこのアルバムで初めて全米1位を獲得し、この曲もシングル・チャートで1位を記録しました。
名実ともに彼らの代表作といってもいいでしょう。
曲の始まりはミディアム・ファンクといった感じですが、1:43からねちっこいギターとコンガが、ひと盛り上がりをつくっています。
その後ファンクに回収された後、再度3:11からギターとコンガが燃え上がりますが、この一連の展開が聞きものです。
ファンクは良いグルーヴがあるだけで充分ですが、このように展開に工夫があった方があきずに聞けますね。
彼らはファンク・バンドの中でも、重低音を軸にゴリゴリ攻めてくるタイプではありません。
シンプルで骨太なグルーヴを追求するファンク・バンドとは違うタイプといえるでしょう。
ただ彼らはノリに依存しない分、聞かせる工夫があるタイプだと思います。
3位「You And I」(アルバム:Ecstasy)
■曲名:You And I
■曲名邦題:ユー・アンド・アイ
■アルバム名:Ecstasy
■アルバム名邦題:エクスタシー
■動画リンク:「You And I」
今回選んだ中では、最も初期の曲です。
彼らはキャピトル・レコード(Capitol Records)でデビューしましたが、その後ウェストバウンド・レコード(Westbound Records)から3枚リリースしています。
この曲はウェストバウンドの2作目から選びました。
この頃は後のマーキュリー・レコード(Mercury Records)の頃ほど完成度は高くありませんが、個性的ですばらしい楽曲が他にも数多くあります。
この頃の曲を、もう2曲ご紹介しておきましょう。
余力のある方だけお聞きください。
どちらもHOPHOPのサンプリング・ソースとして有名な曲です。
ただ私はスウィート・ソウルといった感じのこの曲が、一番のお気に入りですが。
4位「Streakin’ Cheek To Cheek」(アルバム:Skin Tight)
■曲名:Streakin’ Cheek To Cheek
■曲名邦題:ストリーキン・チーク・トゥ・チーク
■アルバム名:Skin Tight
■アルバム名邦題:スキン・タイト
■動画リンク:「Streakin’ Cheek To Cheek」
この曲はインストです。
彼らは1970年代後半頃になると、よりライトな感覚のファンク・サウンドに移行しました。
しかしこの曲がリリースされた1974年は、ニュー・ソウルがシーンを席巻していました。
そうした時代背景が影響したのか、この曲ではエッジの立ったファンク・サウンドに仕上がっています。
彼らの定番として挙げられる曲は、ボーカル曲ばかりかもしれません。
確かにバリントンのリロイ・シュガーフット・ボナー(Leroy “Sugarfoot” Bonner)と、ファルセットのビリー・ベック(Billy Beck)のツイン・ボーカルは、大変すばらしいです。
ただ彼らはファンク・バンドとしても一流です。
そのサンプルとして、まずこの曲をお聞きになってみてください。
この曲ではシュガーフットとビリーが、歌ではなく演奏で大活躍しています。
短いフレーズを多用したキレの良い演奏は、とてもスリリングではないでしょうか。
またドラムのジェイムズ・ダイアモンド・ウィリアムズ(James “Diamond” Williams)も、イントロから絶好調です。
5位「Honey」(アルバム:Honey)
■曲名:Honey
■曲名邦題:ハニー
■アルバム名:Honey
■アルバム名邦題:ハニー
■動画リンク:「Honey」
1970年代のR&B系ボーカル・グループの魅力は歌に尽きます。
特にタイプの異なるボーカルによる掛け合いは、聞いていて胸が熱くなります。
このバンドは本来ファンク・バンドですが、ボーカル・グループに負けない歌の掛け合いを聞かせてくれます。
たとえばこの曲の1:20ぐらいからをお聞きください。
ボーカルの絡みにグッとこないでしょうか。
彼らはエロのイメージが先行しがちですが、この曲はスピリチュアルに訴えかけています。
私は自分の中にある愛を、世界に伝えなければいけない。
私の夢は一歩一歩叶いつつあるのだ。
そういう歌詞です。
曲調とあいまって、大変感動的な曲ではないでしょうか。
6位「Who’d She Coo?」(アルバム:Contradiction)
■曲名:Who’d She Coo?
■曲名邦題:いかすぜ!クー(フード・シー・クー?)
■アルバム名:Contradiction
■アルバム名邦題:コントラディクション
■動画リンク:「Who’d She Coo?」
彼らはオハイオ・ファンクを代表的するバンドです。
彼らの出身地オハイオ州のデイトンは、すばらしいファンク・バンドを数多く輩出しています。
彼ら以外にも、次のような人たちがデイトン出身です。
・レイクサイド(Lakeside)
・スレイヴ(Slave)
・ザップ(Zapp)
・ヒートウェイヴ(Heatwave)
・サン(Sun)
デイトンは14万人程度の都市にすぎません。
それなのにこれほど多くのファンク・レジェンドたちを輩出しているとは驚きですね。
ちなみにオハイオ州に範囲を広げると、以下のような人たちがいます。
・アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)
・ブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)
随分ファンキーな州ではないでしょうか。
この曲は以前に比べるとサウンドが軽くなりましたが、ギターのループがいい感じの曲です。
7位「Speak Easy」(アルバム:Mr. Mean)
■曲名:Speak Easy
■曲名邦題:スピーク・イージー
■アルバム名:Mr. Mean
■アルバム名邦題:ミスター・ミーン
■動画リンク:「Speak Easy」
この曲をご存知ない方も多いかもしれません。
全盛期を過ぎた頃の曲ですし、それ以上にサウンドトラックの曲ですから。
このアルバムは、フレッド・ウィリアムソン監督の映画「Mr. Mean」のサントラです。
どういう映画か調べてみましたが、1977年公開ということ以外にほとんど情報が見つかりませんでした。
おそらくヒットはしていないようですね。
今回のランキングでは2曲インストゥルメンタルの曲を選びましたが、こちらではフルートが大活躍しています。
クラレンス・サッチ・サッチェル(Clarence “Satch” Satchell)によるフルートが聞きものです。
8位「Glad to Know You’re Mine」(アルバム:Angel)
■曲名:Glad to Know You’re Mine
■曲名邦題:ユーア・マイン
■アルバム名:Angel
■アルバム名邦題:エンジェル
■動画リンク:「Glad to Know You’re Mine」
彼らは全盛期を過ぎてから、徐々にセールスが低迷してきました。
彼らの絶頂期は一般的に「Skin Tight」「Fire」「Honey」だと言われています。
しかし今回取り上げていない「Jass-Ay-Lay-Dee」もすばらしい出来ですし、個人的には「Everybody Up」までが全盛期だと思っています。
彼らの場合どのアルバムが一番良いかは、人によって異なるかもしれません。
ライトでメロウな曲が好きな方なら、私はこのアルバムを押します。
他にも以下のような名曲が収録されていますし。
上の曲はP-Funkっぽいところがありますが、かなりの名曲ではないでしょうか。
1970年代後期ならではの質感が好きな人には、たまらない曲です。
9位「Together」(アルバム:Fire)
■曲名:Together
■曲名邦題:トゥゲザー
■アルバム名:Fire
■アルバム名邦題:ファイアー
■動画リンク:「Together」
このアルバムは彼らの最高傑作として名高く、特に前半は圧巻です。
「Fire」はもちろんのこと「ランニン・フロム・ザ・デヴィル(Runnin’ from the Devil)」「自由の魂(I Want to Be Free)」も、ほぼ同じ水準です。
そして、この曲も輝かしいA面の1曲。
彼らはアルバム単位では、あまり聞かれていないかもしれません。
レコード屋でよく見かける「ゴールド(Gold)」はベスト盤ですが、それで済ませている人が多いように思います。
ただ彼らはシングル以外にも良い曲が多く、このランキングでも10曲中シングル曲は3曲だけです。
つまり他の7曲は、アルバムの収録曲にすぎません。
ジャズを除けば、最もシングルの割合が少ないランキングだと思います。
シングル以外に良い曲が多いので、自然とそうなりました。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)がカバーした「愛のローラーコースター(Love Rollercoaster)」もランキング外となりましたし。
一応シングルの代表曲も網羅しておきたいので、リンクだけ貼っておきましょう。
Ohio Players – Love Rollercoaster
ベスト盤で済ませるか、それともコツコツアルバム単位でそろえるかは、悩ましい問題です。
もしこのランキングのシングル以外の曲が気に入ったら、アルバム単位のチェックをご検討ください。
10位「Make Me Feel」(アルバム:Everybody Up)
■曲名:Make Me Feel
■曲名邦題:メイク・ミー・フィール
■アルバム名:Everybody Up
■アルバム名邦題:エヴリバディ・アップ
■動画リンク:「Make Me Feel」
このバンドのジャケットは、エロ・ジャケばかりです。
このアルバムでも、濡れたTシャツを着た女性がメガホンらしきもので、何かを呼び掛けていますね。
またアルバム名は「Everybody Up」つまり「みんなアップして」みたいな感じでしょうか。
それはともかく、このアルバムは黄金期の最後を飾る作品です。
このアルバムは最高位80位でしたが、次作「Tenderness」は165位まで落ちてしまいました。
低迷の原因は、主要メンバーが離脱したことです。
一部のメンバーがシャドウ(Shadow)という別グループを結成するために、グループを脱退してしました。
シャドウは、リオン・ウェア(Leon Ware)がプロデュースを手掛けた作品など、3枚のアルバムを発表しています。
ファンクの要素も残しつつ、よりアーバン・ソウル寄りにマイナーチェンジしています。
1曲だけリンクを貼っておきましょう。
彼らは1988年全盛期のメンバーが集結して「Back」というアルバムをリリースした後、2002年に解散しています。
関連記事
■ギル・スコット・ヘロン(Gil Scott-Heron)の名曲名盤10選
■リック・ジェームス(Rick James)の名曲名盤10選
■タワー・オブ・パワー(Tower of Power)の名曲名盤10選
記事一覧
他ブログ・SNS等
■このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!
■おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています
■おとましぐらnote(おすすめ曲一覧)
※良い曲を1曲単位で厳選してご紹介しています
■おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!
Amazon広告
■Amazonで調べ物、お買い物をご予定の方は、こちらからどうぞ
※上のリンクから購入すると、購入金額の一部がこのブログの収益となります
※収益はブログの運営維持費用として使わせていただきます