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オハイオ・プレイヤーズ(Ohio Players)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はオハイオ・プレイヤーズのランキングを作成しました。

このバンドの魅力は、歌ものとファンク・バンドとしての魅力、どちらも拮抗していることです。

彼らはスローばかり言及されがちですが、ダンサーも強力です。

1970年代ソウルの醍醐味をご堪能ください。

 

1位「Sweet Sticky Thing」(アルバム:Honey)

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■曲名:Sweet Sticky Thing
■曲名邦題:スウィート・スティッキー・シング
■アルバム名:Honey
■アルバム名邦題:ハニー
■動画リンク:「Sweet Sticky Thing」

彼らの知っている曲についてアンケートをとったら、ほとんどの人がこの曲を挙げることでしょう。

ダントツ1位は確定で、次点は「Fire」かもしれません。

ただ当時はシングルチャートで最高位33位ですから、それほど大ヒットしたわけではありません。

つまり再評価で有名になったというわけです。

「フリー・ソウル・ライツ(Free Soul Lights)」にも収録されましたし。

今や定番となったビル・ウィザース(Bill Withers)の「ラヴリー・デイ(Lovely Day)」も30位止まりでしたが、それと同じパターンといえるでしょう。

ただ曲名がいけません。

「Sweet Sticky Thing」は「甘く粘着質なもの」という意味です。

彼らはエロなイメージで売っているバンドで、他にもこんなジャケットがあります。

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「Graduation」というアルバムの中ジャケです。

「Graduation」とは「卒業」の意味ですが、何の卒業だと言いたくなりますね。

 

2位「Fire」(アルバム:Fire)

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■曲名:Fire
■曲名邦題:ファイアー
■アルバム名:Fire
■アルバム名邦題:ファイアー
■動画リンク:「Fire」

彼らの最大のヒット曲です。

彼らはこのアルバムで初めて全米1位を獲得し、この曲もシングル・チャートで1位を記録しました。

名実ともに彼らの代表作といってもいいでしょう。

曲の始まりはミディアム・ファンクといった感じですが、1:43からねちっこいギターとコンガが、ひと盛り上がりをつくっています。

その後ファンクに回収された後、再度3:11からギターとコンガが燃え上がりますが、この一連の展開が聞きものです。

ファンクは良いグルーヴがあるだけで充分ですが、このように展開に工夫があった方があきずに聞けますね。

彼らはファンク・バンドの中でも、重低音を軸にゴリゴリ攻めてくるタイプではありません。

シンプルで骨太なグルーヴを追求するファンク・バンドとは違うタイプといえるでしょう。

ただ彼らはノリに依存しない分、聞かせる工夫があるタイプだと思います。

 

3位「You And I」(アルバム:Ecstasy)

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■曲名:You And I
■曲名邦題:ユー・アンド・アイ
■アルバム名:Ecstasy
■アルバム名邦題:エクスタシー
■動画リンク:「You And I」

今回選んだ中では、最も初期の曲です。

彼らはキャピトル・レコード(Capitol Records)でデビューしましたが、その後ウェストバウンド・レコード(Westbound Records)から3枚リリースしています。

この曲はウェストバウンドの2作目から選びました。

この頃は後のマーキュリー・レコード(Mercury Records)の頃ほど完成度は高くありませんが、個性的ですばらしい楽曲が他にも数多くあります。

この頃の曲を、もう2曲ご紹介しておきましょう。

余力のある方だけお聞きください。

Ohio Players – Funky Worm

Ohio Players – Ecstasy

どちらもHOPHOPのサンプリング・ソースとして有名な曲です。

ただ私はスウィート・ソウルといった感じのこの曲が、一番のお気に入りですが。

 

4位「Streakin’ Cheek To Cheek」(アルバム:Skin Tight)

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■曲名:Streakin’ Cheek To Cheek
■曲名邦題:ストリーキン・チーク・トゥ・チーク
■アルバム名:Skin Tight
■アルバム名邦題:スキン・タイト
■動画リンク:「Streakin’ Cheek To Cheek」

この曲はインストです。

彼らは1970年代後半頃になると、よりライトな感覚のファンク・サウンドに移行しました。

しかしこの曲がリリースされた1974年は、ニュー・ソウルがシーンを席巻していました。

そうした時代背景が影響したのか、この曲ではエッジの立ったファンク・サウンドに仕上がっています。

彼らの定番として挙げられる曲は、ボーカル曲ばかりかもしれません。

確かにバリントンのリロイ・シュガーフット・ボナー(Leroy “Sugarfoot” Bonner)と、ファルセットのビリー・ベック(Billy Beck)のツイン・ボーカルは、大変すばらしいです。

ただ彼らはファンク・バンドとしても一流です。

そのサンプルとして、まずこの曲をお聞きになってみてください。

この曲ではシュガーフットとビリーが、歌ではなく演奏で大活躍しています。

短いフレーズを多用したキレの良い演奏は、とてもスリリングではないでしょうか。

またドラムのジェイムズ・ダイアモンド・ウィリアムズ(James “Diamond” Williams)も、イントロから絶好調です。

 

5位「Honey」(アルバム:Honey)

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■曲名:Honey
■曲名邦題:ハニー
■アルバム名:Honey
■アルバム名邦題:ハニー
■動画リンク:「Honey」

1970年代のR&B系ボーカル・グループの魅力は歌に尽きます。

特にタイプの異なるボーカルによる掛け合いは、聞いていて胸が熱くなります。

このバンドは本来ファンク・バンドですが、ボーカル・グループに負けない歌の掛け合いを聞かせてくれます。

たとえばこの曲の1:20ぐらいからをお聞きください。

ボーカルの絡みにグッとこないでしょうか。

彼らはエロのイメージが先行しがちですが、この曲はスピリチュアルに訴えかけています。

私は自分の中にある愛を、世界に伝えなければいけない。

私の夢は一歩一歩叶いつつあるのだ。

そういう歌詞です。

曲調とあいまって、大変感動的な曲ではないでしょうか。

 

6位「Who’d She Coo?」(アルバム:Contradiction)

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■曲名:Who’d She Coo?
■曲名邦題:いかすぜ!クー(フード・シー・クー?)
■アルバム名:Contradiction
■アルバム名邦題:コントラディクション
■動画リンク:「Who’d She Coo?」

彼らはオハイオ・ファンクを代表的するバンドです。

彼らの出身地オハイオ州のデイトンは、すばらしいファンク・バンドを数多く輩出しています。

彼ら以外にも、次のような人たちがデイトン出身です。

・レイクサイド(Lakeside)
・スレイヴ(Slave)
・ザップ(Zapp)
・ヒートウェイヴ(Heatwave)
・サン(Sun)

デイトンは14万人程度の都市にすぎません。

それなのにこれほど多くのファンク・レジェンドたちを輩出しているとは驚きですね。

ちなみにオハイオ州に範囲を広げると、以下のような人たちがいます。

・アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)
・ブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)

随分ファンキーな州ではないでしょうか。

この曲は以前に比べるとサウンドが軽くなりましたが、ギターのループがいい感じの曲です。

 

7位「Speak Easy」(アルバム:Mr. Mean)

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■曲名:Speak Easy
■曲名邦題:スピーク・イージー
■アルバム名:Mr. Mean
■アルバム名邦題:ミスター・ミーン
■動画リンク:「Speak Easy」

この曲をご存知ない方も多いかもしれません。

全盛期を過ぎた頃の曲ですし、それ以上にサウンドトラックの曲ですから。

このアルバムは、フレッド・ウィリアムソン監督の映画「Mr. Mean」のサントラです。

どういう映画か調べてみましたが、1977年公開ということ以外にほとんど情報が見つかりませんでした。

おそらくヒットはしていないようですね。

今回のランキングでは2曲インストゥルメンタルの曲を選びましたが、こちらではフルートが大活躍しています。

クラレンス・サッチ・サッチェル(Clarence “Satch” Satchell)によるフルートが聞きものです。

 

8位「Glad to Know You’re Mine」(アルバム:Angel)

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■曲名:Glad to Know You’re Mine
■曲名邦題:ユーア・マイン
■アルバム名:Angel
■アルバム名邦題:エンジェル
■動画リンク:「Glad to Know You’re Mine」

彼らは全盛期を過ぎてから、徐々にセールスが低迷してきました。

彼らの絶頂期は一般的に「Skin Tight」「Fire」「Honey」だと言われています。

しかし今回取り上げていない「Jass-Ay-Lay-Dee」もすばらしい出来ですし、個人的には「Everybody Up」までが全盛期だと思っています。

彼らの場合どのアルバムが一番良いかは、人によって異なるかもしれません。

ライトでメロウな曲が好きな方なら、私はこのアルバムを押します。

他にも以下のような名曲が収録されていますし。

Ohio Players – O-H-I-O

上の曲はP-Funkっぽいところがありますが、かなりの名曲ではないでしょうか。

1970年代後期ならではの質感が好きな人には、たまらない曲です。

 

9位「Together」(アルバム:Fire)

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■曲名:Together
■曲名邦題:トゥゲザー
■アルバム名:Fire
■アルバム名邦題:ファイアー
■動画リンク:「Together」

このアルバムは彼らの最高傑作として名高く、特に前半は圧巻です。

「Fire」はもちろんのこと「ランニン・フロム・ザ・デヴィル(Runnin’ from the Devil)」「自由の魂(I Want to Be Free)」も、ほぼ同じ水準です。

そして、この曲も輝かしいA面の1曲。

彼らはアルバム単位では、あまり聞かれていないかもしれません。

レコード屋でよく見かける「ゴールド(Gold)」はベスト盤ですが、それで済ませている人が多いように思います。

ただ彼らはシングル以外にも良い曲が多く、このランキングでも10曲中シングル曲は3曲だけです。

つまり他の7曲は、アルバムの収録曲にすぎません。

ジャズを除けば、最もシングルの割合が少ないランキングだと思います。

シングル以外に良い曲が多いので、自然とそうなりました。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)がカバーした「愛のローラーコースター(Love Rollercoaster)」もランキング外となりましたし。

一応シングルの代表曲も網羅しておきたいので、リンクだけ貼っておきましょう。

Ohio Players – Love Rollercoaster

ベスト盤で済ませるか、それともコツコツアルバム単位でそろえるかは、悩ましい問題です。

もしこのランキングのシングル以外の曲が気に入ったら、アルバム単位のチェックをご検討ください。

 

10位「Make Me Feel」(アルバム:Everybody Up)

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■曲名:Make Me Feel
■曲名邦題:メイク・ミー・フィール
■アルバム名:Everybody Up
■アルバム名邦題:エヴリバディ・アップ
■動画リンク:「Make Me Feel」

このバンドのジャケットは、エロ・ジャケばかりです。

このアルバムでも、濡れたTシャツを着た女性がメガホンらしきもので、何かを呼び掛けていますね。

またアルバム名は「Everybody Up」つまり「みんなアップして」みたいな感じでしょうか。

それはともかく、このアルバムは黄金期の最後を飾る作品です。

このアルバムは最高位80位でしたが、次作「Tenderness」は165位まで落ちてしまいました。

低迷の原因は、主要メンバーが離脱したことです。

一部のメンバーがシャドウ(Shadow)という別グループを結成するために、グループを脱退してしました。

シャドウは、リオン・ウェア(Leon Ware)がプロデュースを手掛けた作品など、3枚のアルバムを発表しています。

ファンクの要素も残しつつ、よりアーバン・ソウル寄りにマイナーチェンジしています。

1曲だけリンクを貼っておきましょう。

Shadow – Born to Hustle

彼らは1988年全盛期のメンバーが集結して「Back」というアルバムをリリースした後、2002年に解散しています。

 

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