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マリーナ・ショウ(Marlena Shaw)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はマリーナ・ショウのランキングを作成しました。

彼女の音楽は一般にR&Bに分類されます。

しかし私はアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)とルー・リード(Lou Reed)の間みたいに考えているところがあります。

彼女の歌声はドキュメンタリー映画のようにリアルに響きます。

 

1位「Feel Like Makin’ Love」(アルバム:Who Is This Bitch, Anyway?)

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■曲名:Feel Like Makin’ Love
■曲名邦題:フィール・ライク・メイキン・ラヴ
■アルバム名:Who Is This Bitch, Anyway?
■アルバム名邦題:フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?
■動画リンク:「Feel Like Makin’ Love」

この曲はロバータ・フラック(Roberta Flack)のオリジナルが決定的な名曲だと言われています。

しかし特に玄人のリスナーでは、マリーナのこのカバーを推す人が少なくありません。

彼らの主張には一理あります。

その評価には、参加している2人のギタリストの名演が関係しています。

この曲では左チャネルのデビッド・T・ウォーカー(David T. Walker)、右のラリー・カールトン(Larry Carlton)と2人のギターが入っています。

私はラリーの演奏を賞賛しつつも、特にデビッド・T・ウォーカーのギターが鳥肌ものだと思っています。

ボーカルとの距離感が絶妙で、前半は短い音を差し込み徐々に歌に寄り添ってきますが、どちらもメロウの極み。

抑制美を感じさせつつも、官能的なプレイとは一体どういうことなのでしょうか。

シンプルで簡素なのにその音楽空間はとても濃密です。

 

2位「You Taught Me How to Speak in Love」(アルバム:Who Is This Bitch, Anyway?)

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■曲名:You Taught Me How to Speak in Love
■曲名邦題:ユー・トート・ミー・ハウ・トゥー・スピーク・イン・ラブ
■アルバム名:Who Is This Bitch, Anyway?
■アルバム名邦題:フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?
■動画リンク:「You Taught Me How to Speak in Love」

この曲は「いとしのエリー」に似ているとよく指摘されます。

さて私は地方出身ですが、東京の大学に進学し上京しました。

その後帰省した時詳しい経緯は忘れましたが、見ず知らずの男性に今は東京在住だと伝えたところ「東京者に負けるなよ」と言われました。

その時私が思ったのは「良い人も多いし、そもそも張り合うつもりもない」ということ。

ただ私は田舎にいる時他人と敷居が低いのが苦手でしたが、その帰省時には意外とこういうのも悪くないと思いました。

他人の領域に土足で踏み込んでも、多くの場合悪意はありませんから。

その人も見ず知らずの私を励まそうとしたのでしょうし、実際私は心が温められました。

当時私はバイト先では友達ができましたが、大学での友達づくりに難航していました。

一方都会の人は他人に対して一定の距離を取りますが、それはある種の配慮とやさしさだと思います。

人であふれかえっているのに、孤独になりやすいかもしれません。

都会では近づきすぎると傷つけ合うが、離れていたら孤独にさいなまれる、ハリネズミのジレンマにおちいりがちです。

マリーナはニューヨーク生まれの都会の女性。

この曲は「あなたは愛について話す方法を教えてくれた」という意味です。

この曲の主人公はハリネズミのジレンマを乗り越えて、相手に愛を伝える方法を見つけたようですね。

 

3位「The Feeling’s Good」(アルバム:From the Depths of My Soul)

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■曲名:The Feeling’s Good
■曲名邦題:フィーリングズ・グッド
■アルバム名:From the Depths of My Soul
■アルバム名邦題:フロム・ザ・デプス・オブ・マイ・ソウル
■動画リンク:「The Feeling’s Good」

この曲はホセ・フェリシアーノ(Jose Feliciano)のバージョンが知られています。

しかしこちらもかなりの名曲です。

ニューソウル期の彼女はパワーバラード系シンガーのように声を張り上げるタイプではありませんでした。

かといってかよわいタイプでもありませんが。

彼女は実力派ですが、技術をひけらかしませんでした。

知的な抑制を感じますが、そのせいで過剰表現ならない代わりに表面的なインパクトに欠けていました。

その分歌の解釈力やニューアンスに富んだ地味な魅力がありました。

ただそれらの魅力は、彼女の歌とじっくり向き合って初めて気付くもの。

その点で彼女の魅力は決して分かりやすくはなかったかもしれません。

その後彼女は派手な歌い方に変化しましたが、私はこの時期の繊細な感受性を感じる歌い方が好きです。

当時の彼女のようなシンガーは、アメリカ人より日本人に受け入れられやすかったかもしれませんね。

 

4位「Rhythm Of Love」(アルバム:Acting Up)

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■曲名:Rhythm Of Love
■曲名邦題:リズム・オブ・ラヴ
■アルバム名:Acting Up
■アルバム名邦題:アクティング アップ
■動画リンク:「Rhythm Of Love」

この記事では対象期間をブルーノート(Blue Note)とコロムビア(Columbia)時代に限定しました。

初期のカデット(Cadet)期の曲は、除外とさせていただきました。

本来はカデット期の「The Spice of Life」からも選曲したかったところです。

このブログは入門者向けの選曲方針ですから、比較的聞きやすい後期の曲を多めにしました。

つまり売れ線で良い曲をご紹介しようとしました。

実際この時期までは、内容と売れ線のバランスが良かったように思います。

しかし1979年の次作「Take a Bite」ではディスコ色が強まり、ご紹介したい曲が見つかりませんでした。

その後1987年には「It Is Love」がジャズチャートで7位を記録しています。

 

5位「Look at Me, Look at You (We’re Flying)」(アルバム:Sweet Beginnings)

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■曲名:Look at Me, Look at You (We’re Flying)
■曲名邦題:ルック・アット・ミー、ルック・アット・ユー(ウィー・アー・フライング)
■アルバム名:Sweet Beginnings
■アルバム名邦題:スウィート ビギニングス
■動画リンク:「Look at Me, Look at You (We’re Flying)」

このアルバムはフリーソウル名盤として知られています。

個人的な考えでは、彼女は次のように変化していきました。

ジャズ →ニューソウル →フリーソウル →ディスコ →ジャズ

ジャズはいつの時期も土台にあったように思います。

たとえば私がニューソウル期に分類する1974年にリリースされた「Marlena Shaw Live at Montreux」はジャズ色が強いですし。

この記事では聞きやすさを重視し、ニューソウルとフリーソウルの割合を多めにしました。

ちなみに各時期の作品は、以下の通り。

・ニューソウル:「Marlena」「From the Depths of My Soul」「Who Is This Bitch, Anyway?」
・フリーソウル:「Sweet Beginnings」「Acting Up」

フリーソウル期の曲は少し精神性が薄れましたが、その分ダンスフロアーでは機能しました。

 

6位「Pictures and Memories」(アルバム:Sweet Beginnings)

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■曲名:Pictures and Memories
■曲名邦題:ピクチャーズ・アンド・メモリーズ
■アルバム名:Sweet Beginnings
■アルバム名邦題:スウィート ビギニングス
■動画リンク:「Pictures and Memories」

このアルバムは唯一総合アルバムチャートで62位を獲得し、トップ100に入りました。

ちなみに「Who Is This Bitch, Anyway?」はジャズチャートでは8位ですが、総合チャートでは159位と苦戦しました。

その為次作の「Just a Matter of Time」では、総合チャート向けの売れ線路線に変化しました。

コンテンポラリーなR&Bシンガーへの脱皮です。

私は「Who Is This Bitch, Anyway?」を至高と考えていますが、上記の変化は比較的うまくいったように思います。

先程申し上げたような結果にも少し表れていますし。

ただそれは音楽業界で生き延びられるほど決定的ヒットではありませんでした。

先程の「Look at Me, Look at You (We’re Flying)」やこの曲は、その後レア・グルーヴとして再評価されています。

つまり当時から無名だが曲は良いという評価だったのですね。

その後日本ではレア・グルーヴの流れを汲むフリーソウルの文脈で紹介されました。

 

7位「Street Walking Woman」(アルバム:Who Is This Bitch, Anyway?)

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■曲名:Street Walking Woman
■曲名邦題:ストリート・ウォーキング・ウーマン
■アルバム名:Who Is This Bitch, Anyway?
■アルバム名邦題:フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?
■動画リンク:「Street Walking Woman」

私はこのアルバムが彼女の最高傑作だと思います。

好きすぎるあまり気軽に聞けない神棚盤になっています。

今回久々に聞き直して、改めて信仰心が強まりました(笑)

次点は「From the Depths of My Soul」を推します。

その次に「Sweet Beginnings」「Acting Up」でしょうか。

この作品はアルバム・タイトルとジャケットの写真が印象的です。

アルバム名は「それはとにかく、このビッチは誰なのか」という意味ですが、もちろんジャケはマリーナ自身。

虚勢と自虐をファニーに表現したアルバム名は、クールで挑発的なアルバム・ジャケットと合致しています。

アルバム・ジャケットの彼女の凛としたたたずまいが、この世紀の名盤の格を示しています。

さてこの曲は16ビートとジャズ風の4ビートが交互に繰り返されています。

こうした曲は時々ありますが、これほどスリリングな例は他に思い出せません。

 

8位「So Far Away」(アルバム:Marlena)

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■曲名:So Far Away
■曲名邦題:ソー・ファー・アウェイ
■アルバム名:Marlena
■アルバム名邦題:マリーナ
■動画リンク:「So Far Away」

彼女は実力派シンガーですが、決してクセの強いシンガーではありません。

私はフェイクを多用するシンガーはごく一部を除いて好みません。

曲の良さを損なっていることが多く、楽曲に対する敬意が感じられないと思うことさえあります。

ただオリジナルのメロディをそのまま歌うのもまた味気ないものです。

そのバランスをどうするかが、シンガーの腕の見せどころ。

先程彼女は歌の解釈力があると書きました。

比較できるよう原曲も貼っておきましょう。

Carole King – So Far Away

明快なメロディの原曲に対して、マリーナはニューソウル的なすばらしい解釈を施しています。

その曲の新しい魅力を発見できるような。

彼女はクセの強いシンガーではありませんが、趣味の良い解釈力を持っているシンガーでした。

このアルバムでは以下の曲もおすすめです。

Marlena Shaw – Save the Children

 

9位「It’s Better Than Walkin’ Out」(アルバム:Just a Matter of Time)

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■曲名:It’s Better Than Walkin’ Out
■曲名邦題:イッツ・ベター・ザン・ウォーキン・アウト
■アルバム名:Just a Matter of Time
■アルバム名邦題:ジャスト・ア・マター・オブ・タイム
■動画リンク:「It’s Better Than Walkin’ Out」

今回ご紹介した中で、最もディスコに接近した曲です。

当時はディスコが一大ブームを巻き起こしていました。

私はディスコが好きですが、ディスコには功罪があると思っています。

繊細なニューアンスに富んだ歌唱との相性が悪く、比較的定型的な歌い方ばかりになるということ。

マリーナのような細部で違いを生む人とは相性が悪かったかもしれません。

名作「Who Is This Bitch, Anyway?」でも、バックの演奏に呼応してあの繊細な歌が生まれたと思いますし。

人によってはこの曲が一番好きと言う人がいてもおかしくありません。

私もこの曲が好きです。

しかしこれが彼女の魅力を表現するのに、最適なサウンドかと言われたら違和感があると答えます。

 

10位「I’m Back For More」(アルバム:Acting Up)

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■曲名:I’m Back For More
■曲名邦題:アイム・バック・フォー・モア
■アルバム名:Acting Up
■アルバム名邦題:アクティング アップ
■動画リンク:「I’m Back For More」

彼女は作品によって様々な表情を見せてくれました。

彼女は女優でいえばリアルな演技力に定評のあるタイプです。

中でも彼女が得意とする配役があります。

それは都会に住む悩みを抱えた女性の役。

この曲では恋を失った事実を受け入れられず「戻ってきてほしい」と、狂おしい気持ちが歌われています。

また以下の曲では「愛されたい」「一人になりたくない」と歌われています。

Marlena Shaw – Just Don’t Want To Be Lonely

彼女は都会に住む人の憂いとセンチメントをすくい上げ、刺さる歌を歌えるシンガーでした。

かつて彼女は自分について、このビッチは誰だと自虐的に問いかけました。

それは以下のウディ・アレンの映画のセリフに似ています。

「私を入れるようなクラブには入会したくない」

彼女はそんなアイロニカルな都市に住む人の虚勢、自虐、不安、孤独、快楽への依存など、揺れ動く心を表現しました。

彼女の音楽は「アーバン・ブルース」という言葉が似合います。

 

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