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マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の名曲名盤10選【定番・隠れた名曲】

今回はマーヴィン・ゲイを取り上げます。

「What’s Going On」からラストアルバムまでと、その時期の未発表曲集を対象にしています。

モータウン時代前期も良い曲はたくさんありますが、ここでは対象外とさせていただきました。

この人は「What’s Going On」と「Let’s Get It On」を聞けば、もうそれで充分と思われているところがあります。

どちらのアルバムも大傑作であることに異論はありません。

しかしそれ以外のアルバムにも、聞き逃せない曲がたくさん入っています。

最後まで聞き終えた時に、名盤と呼ばれているアルバム以外にも良い曲があるなと思っていただけたらうれしいです。

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1位「What’s Going On」(アルバム:What’s Going On)

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■曲名:What’s Going On
■曲名邦題:ホワッツ・ゴーイン・オン
■アルバム名:What’s Going On
■アルバム名邦題:ホワッツ・ゴーイン・オン
■動画リンク:「What’s Going On」
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ご存知、この人の代表曲です。

この曲はベトナム戦争に対する反戦メッセージを歌った曲です。

マーヴィン・ゲイは、基本的にパーソナルな問題に焦点を当てた曲を書く傾向にあります。

特に男女の性愛をテーマにした曲が多く、実際に2位以降にはそういう曲ばかりです。

ただこの曲では彼にしては珍しく、世の中に対してこれでいいのかと呼び掛けている内容です。

この曲をシングルカットすることに対して、当時所属していたモータウンのベリー・ゴーディ(Berry Gordy, Jr.)は、難色を示したそうです。

当時のモータウンはそれなりにメッセージ性のある曲は認めていました。

しかし従来の典型的なヒット曲のパターンとは異なっているせいだったかもしれません。

確かに分かりやすいサビとか、心弾むような曲とは大きく異なります。

しかしこのボーカルの冴えは、いかがでしょうか。

そして演奏面では、コンガの柔らかなリズムの上を、才気煥発なジェームス・ジェマーソン(James Jamerson)のベースラインが躍動しています。

ベースをやっている人は特に必聴の曲です。

 

2位「Let’s Get It On」(アルバム:Let’s Get It On)

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■曲名:Let’s Get It On
■曲名邦題:レッツ・ゲット・イット・オン
■アルバム名:Let’s Get It On
■アルバム名邦題:レッツ・ゲット・イット・オン
■動画リンク:「Let’s Get It On」
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この人は「What’s Going On」と「Let’s Get It On」という2枚のアルバムを聞けば、それでいいような気がするかもしれません。

確かにどちらのアルバムも内容がすばらしく、ベスト盤を聞くよりもアルバム単体で聞いた方が充実感が味わえるかもしれません。

今回はその名盤の壁を突破しようと、他のアルバムからも名曲をかき集めてみました。

とはいえ、その代表作2枚をランキングから外すとことはできません。

まだマーヴィン・ゲイをきちんと聞いたことがない方は、1位と2位の曲を聞いてから、他の曲を押さえていただきたいと思います。

2枚の比較でいえば、確かに「What’s Going On」はすばらしいアルバムでしたが、メロウな曲が多く、典型的なソウルミュージックという感じではありませんでした。

一方こちらの曲は、より人間的な側面を表現したコテコテのソウルミュージックです。

曲名は女性に対して「さあやろうぜ」という、どストレートな求愛ソングです。少し恥ずかしいかもしれませんね。

彼の人間くさい面がうかがえる傑作だと思います。

 

3位「When Did You Stop Loving Me, When Did I Stop Loving You」(アルバム:Here, My Dear)

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■曲名:When Did You Stop Loving Me, When Did I Stop Loving You
■曲名邦題:涙のむこう側
■アルバム名:Here, My Dear
■アルバム名邦題:離婚伝説
■動画リンク:「When Did You Stop Loving Me, When Did I Stop Loving You」
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このアルバムは邦題の通り、彼のプライベートな離婚問題がテーマです。

原題では少しぼかしているのに、日本盤のタイトルでは「離婚伝説」と直接的な表現です。

これマーヴィンは知っていたのでしょうか(笑)まあ分かりやすくて良いタイトルだと思いますが。

しかし曲名は原題の方がきついです。

「When Did You Stop Loving Me, When Did I Stop Loving You」

直訳すると「あなたが私を愛するのを止めた時、私があなたを愛するのを止めた時」です。

いやあなんだかすごいですね。

ちなみにこのアルバムは、泥沼裁判の末、離婚で支払わなければいけなくなった慰謝料を捻出する目的で制作されています。

マーヴィンは少しナイーヴな性格の人みたいで、男女の関係に心の安らぎを過剰なまでに求めるところがあります。

時にはうまくいかない時もあるでしょう。

そういう背景があるにせよ、この曲はすばらしい出来です。

この曲はマーヴィンの曲づくりの才能を示す1曲ではないでしょうか。

ちなみにこの曲はダリル・ホール(Daryl Hall)がカバーしていることでも有名です。

 

4位「All the Way Around」(アルバム:I Want You)

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■曲名:All the Way Around
■曲名邦題:恋人たちの神話
■アルバム名:I Want You
■アルバム名邦題:アイ・ウォント・ユー
■動画リンク:「All the Way Around」
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これも男女間の性愛をテーマにしたアルバムの曲です。

前作のタイトルが「さあ、やろうぜ」で、このアルバムは「あなたがほしい」というタイトルです。

このアルバムは元々リオン・ウェア(Leon Ware)が発表予定だった楽曲を、マーヴィンが譲り受けて歌ったという、少し特殊な背景があります。

ただ実際に聞くと、マーヴィンのボーカルが冴えわたっているせいか、完全にマーヴィンのアルバムになっています。

もともとレオン・ウェアと音楽性も近かったですし、一部の曲では曲づくりに参加しているせいでしょうか。

この曲はマーヴィンのセクシーな歌唱を堪能できる曲です。

実際彼は女性からの人気も抜群で、1970年代のライブを聞くと、女性特有の黄色い歓声がものすごいです。

セックスシンボル的な人気があったのですね。

演奏面では2:01からのサックスソロがすばらしいと思います。

 

5位「Got to Give It Up」(アルバム:Live at the London Palladium)

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■曲名:Got to Give It Up
■曲名邦題:黒い夜
■アルバム名:Live at the London Palladium
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・ザ・ロンドン・パレディアム
■動画リンク:「Got to Give It Up」
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この曲はライブアルバムからの選曲ですが、この曲だけスタジオ録音です。

ライブアルバムを売るためだと思いますが、スタジオ録音のシングル曲を入れています。今でもこういう売り方はありますね。

全米チャートで1位を獲得したので、その作戦が成功したといえるでしょう。

私はこの人のリズムについてのセンスが少し独特だと思います。少しチープなドラムを好むのかもしれません。

一方ベース比較的動き回るベースラインがお好みのようです。

しかしこの曲では、彼のリズムに対するセンスが際立っています。

まるでリズムボックスのような簡素でチープなリズムが、6分越えと長尺でも飽きさせません。

後半になると少しずつリズムが太くなってきますが、それもまたいい感じです。

今回動画で取り上げたのはシングルバージョンですが、アルバムバージョンでは10分を超えていますので、そちらはさすがに長すぎるとは思いますけどね。

 

6位「You Are Everything」(アルバム:Diana & Marvin)

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■曲名:You Are Everything
■曲名邦題:ユー・アー・エブリシング
■アルバム名:Diana & Marvin
■アルバム名邦題:ダイアナ&マーヴィン
■動画リンク:「You Are Everything」
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この曲はダイアナ・ロス(Diana Ross)とのデュエットです。

彼はタミー・テレル(Tammi Terrell)とのデュエットアルバムを何枚も出しています。

このアルバムはマーヴィンの希望ではなく、会社の方針でやむを得なくつくられたようです。

おそらく気乗りしなかったのではないかと推測されますが、それなりの出来になっています。

確かにここで聞かれる2人のコンビには、タミー・テレルとの間に感じられた特別なマジックは感じません。

しかしそこはやはり両者とも厳しい歌の世界で生き延びてきた強者です。

サッカーでいえば、タミーとのコンビはスター選手ばかりでなくても観客を熱くさせる試合をするチーム、ダイアナとのコンビは連携に難はあるが個人技にすぐれた選手のスターチームといった感じでしょうか。

確かに大物2人を共演させるという安易な企画アルバムですが、すぐれた歌唱によって、かたくなリスナーの心をこじ開けてきます。

ただ名前の表記と歌の順番は、ダイアナ・ロスが先なのですね。

この時のモータウンレーベル内での序列がうかがえて興味深いです。

 

7位「Rockin’ After Midnight」(アルバム:Midnight Love)

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■曲名:Rockin’ After Midnight
■曲名邦題:ロッキン・アフター・ミッドナイト
■アルバム名:Midnight Love
■アルバム名邦題:ミッドナイト・ラヴ
■動画リンク:「Rockin’ After Midnight」
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順位を付けると、どうしても1970年代の曲が上位になりますが、1980年代にも良い曲はあります。

私の中ではこの曲がその筆頭です。

このアルバムでは一般的に大ヒットした「Sexual Healing(セクシャル・ヒーリング)」が有名です。

私も大好きな曲ですが、こちらの方がより好みです。

サウンドがアーリーエイティーズ特有の音づくりに変化していますが、これがなかなか悪くありません。

少しブラコンっぽい音ですが、この人は元祖ブラコンみたいなところがありますからね。

ここでも少し簡素なリズムを背景にして歌うボーカルの表現力が、さすがとしかいいようがありません。

曲の間中ずっとギターが軽快に鳴り続けていて、とても心地よいリズムをつくり出しています。

難をいえば、少し曲が長いぐらいでしょうか。

2分ぐらいカットしても良かったかもしれません。

 

8位「’T’ Plays It Cool」(アルバム:Trouble Man)

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■曲名:’T’ Plays It Cool
■曲名邦題:“T”プレイズ・イット・クール
■アルバム名:Trouble Man
■アルバム名邦題:トラブル・マン
■動画リンク:「’T’ Plays It Cool」
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この曲はインストです。

映画のサントラからの曲で、ボーカルは入っていません。

しかしこれがなかなかかっこいいです。

この頃マーヴィンは、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)にもらったムーグ・シンセサイザーにはまっていたようです。

マーヴィンはこのアルバム全体で、変てこなフレーズを弾きまくっています。

この人が演奏面で言及される機会はあまり多くありませんが、意外と奇妙なフレーズを弾く人なんですね。

あとこの曲はリズムがかっこいいです。

音楽的には、当時のクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)なんかの音楽に近い感じがします。

この曲は大きな音かヘッドホンで聞いた方がいい曲かもしれません。曲の印象が変わります。

エレピの使い方のせいか、少し浮遊感を感じさせてくれる演奏です。

1972年の曲ですが、現代のクラブシーンの文脈で再評価したい曲だと思います。

 

9位「Love Party」(アルバム:In Our Lifetime)

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■曲名:Love Party
■曲名邦題:ラヴ・パーティ
■アルバム名:In Our Lifetime
■アルバム名邦題:イン・アワー・ライフタイム
■動画リンク:「Love Party」
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このアルバムは過小評価されすぎています。

私は「Midnight Love」と同程度の評価ですが、巷では駄作という評価が一般的です。

もしかしたら過小評価の原因は、ジャケットがつまらないせいかもしれません。

しかしこの曲なんかはいかがでしょうか。

少し小粒ですが、私はなかなかいける曲だと思っています。

特に4:16から入るファルセットボーカルは鳥肌ものです。

しかもこれと同じぐらいの曲が他にも数多く入っていて、楽曲の粒がそろっています。

音楽的には少しディスコっぽい要素も入っていて、いかにも「Here, My Dear」と「Midnight Love」の中間といった音づくりになっています。

過去に駄作だと思った人も、今一度聞きなおしてみていただきたいと思います。

 

10位「Sanctified Lady」(アルバム:Dream of a Lifetime)

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■曲名:Sanctified Lady
■曲名邦題:聖女
■アルバム名:Dream of a Lifetime
■アルバム名邦題:永遠への旅立ち
■動画リンク:「Sanctified Lady」
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最初にあやまっておきます。

ごめんなさい。かなり趣味に走った選曲をしました。

かなり好みが分かれる曲だと思います。

マーヴィンの資質の中にあるチープさは、1980年代に少し増幅したようなところがあって、時にこういう時代と心中してしまったかもしれない曲をつくっています。

しかし私は、大大大好きな曲です。

本当は6位ぐらいでもいいと思っていますが、末席に加えさせていただきました。

ミッドナイト・スター(Midnight Star)みたいなシンセサイズドファンクの名曲だと思います。

このアルバムは、父親にピストルで撃たれて非業の死を遂げたマーヴィンの死後に発売されたアルバムからの選曲です。

「Midnight Love」でボツになった曲などを中心にした未発表曲が収録されていますが、収録されている曲の出来には、かなりばらつきがあります。

しかしマーヴィンのような巨人の場合、そうした落ち葉拾いのようなアルバムにすら輝きを放つ曲が入っています。

これから第二の全盛期だったかもしれないと予感させる曲です。

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