今回はヴァン・ヘイレンのランキングを作成しました。
このバンドはヒット曲「ジャンプ」ばかりが注目されがちです。
しかし聞き逃せない曲は、他にも沢山あります。
今回は便宜上順位を付けましたが、12位までほぼ同水準の名曲が並びました。
ハードロックの魅力が味わえる曲ばかりです。
- 1 1位「Jump」(アルバム:1984)
- 2 2位「You Really Got Me」(アルバム:Van Halen)
- 3 3位「Can’t Stop Lovin’ You」(アルバム:Balance)
- 4 4位「Mean Street」(アルバム:Fair Warning)
- 5 5位「Why Can’t This Be Love」(アルバム:5150)
- 6 6位「Little Guitars」(アルバム:Diver Down)
- 7 7位「Ain’t Talkin’ ‘bout Love」(アルバム:Van Halen)
- 8 8位「Dance The Night Away」(アルバム:Van Halen II)
- 9 9位「Unchained」(アルバム:Fair Warning)
- 10 10位「Dreams」(アルバム:5150)
- 11 11位「Romeo Delight」(アルバム:Women and Children First)
- 12 12位「Right Now」(アルバム:For Unlawful Carnal Knowledge)
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1位「Jump」(アルバム:1984)

■曲名:Jump
■曲名邦題: ジャンプ
■アルバム名: 1984(1984年)
■動画リンク:「Jump」
この曲の特徴はシンセサイザーのリフです。
このシンセは、ギターのエドワード・ヴァン・ヘイレン(Edward Van Halen)が弾いています。
実は以前からエディは、シンセサイザーを取り入れたかったのだとか。
しかしデイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)とプロデューサーのテッド・テンプルマン(Ted Templeman)から反対されていました。
エディはこの曲のシンセのリフを2年前には考えていたそうですが、デイヴから強烈に拒否されて発表できなかったようですね。
しかし最終的にはエディの意見が通り、この曲は世界中で大ヒットしました。
一気に形勢逆転というわけです。
当時バンド内ではエディとデイヴの関係が悪化していたようです。
デイヴはこのアルバムの後、バンドを去りました。
2位「You Really Got Me」(アルバム:Van Halen)

■曲名:You Really Got Me
■曲名邦題:ユー・リアリー・ガット・ミー
■アルバム名:Van Halen(1978年)
■アルバム名邦題:炎の導火線
■動画リンク:「You Really Got Me」
この曲は元々キンクス(The Kinks)がオリジナルです。
彼らはキンクスがお気に入りらしく、他にも「グッド・タイムズ(Where Have All the Good Times Gone!)」もカバーしています。
この曲は彼らのファースト・シングルで、全米36位を記録しました。
当時彼らは新人バンドでしたから発言権が弱く、シングルカットの際にはプロデューサーのテッド・テンプルマンの意見が通ることが多かったようです。
本人たちは、この曲のシングルカットに不満だったそうですが。
バンド側が選んだら「ジェイミーの涙(Jamie’s Cryin)」がシングルになったようです。
さてこの曲は、イントロのリフの段階で勝負ありではないでしょうか。
このリフはキンクスのバージョンを参考にしていますが、若干違う点もあります。
ギターのリフにタメとキレが同居しています。
それによって独特のグルーヴ感が生まれていますね。
3位「Can’t Stop Lovin’ You」(アルバム:Balance)

■曲名:Can’t Stop Lovin’ You
■曲名邦題:キャント・ストップ・ラヴィン・ユー
■アルバム名:Balance(1995年)
■アルバム名邦題:バランス
■動画リンク:「Can’t Stop Lovin’ You」
10枚目のアルバムの曲です。
このアルバムはサミー・ヘイガー(Sammy Hagar)が在籍した最後の作品になりました。
ボーカルがゲイリー・シェローン(Gary Cherone)に代わった次作「ヴァン・ヘイレンIII(Van Halen III) 」も、決して悪い出来ではありません。
ただ一つの時代が終わった感じがして、感慨深いものがありますね。
このバンドは、基本的にボーカルとギターという上ものが強力なバンドです。
この記事を書くにあたって、私はベースのマイケル・アンソニー(Michael Anthony)と、ドラムのアレックス・ヴァン・ヘイレン(Alex van Halen)にも注意して聞きなおしました。
しかし正直なところ、やはりボーカルとギターに尽きると思ってしまいます。
このバンドに感じられるマジックは、強い個性を持ったボーカルとギターのぶつかり合いから生まれているのかもしれません。
この曲は、レイ・チャールズ(Ray Charles)の「愛さずにはいられない(I Can’t Stop Loving You)」を参考に書かれた曲のようです。
サミー色の強い曲ですが、イントロを始めとするエディのギターも拮抗しています。
4位「Mean Street」(アルバム:Fair Warning)

■曲名:Mean Street
■曲名邦題:ミーン・ストリート
■アルバム名:Fair Warning(1981年)
■アルバム名邦題:戒厳令
■動画リンク:「Mean Street」
私は昔、ギターとベースを少しかじっていました。
バンドでは既に凄腕のギターがいたので、私はやむを得ずベースに回っていましたが、家ではギターばかり弾いていました。
そんなある日、友達からすすめられてこの曲を聞きました。
イントロのギターはあまりに衝撃的で、何度も繰り返し聞いたことを覚えています。
正直こんなのコピーできるわけがないと思いました。
そもそもどうやって弾いているのか、見当も付きませんし。
この曲でエディは、世界中のギタリストに踏み絵を迫ったかもしれません。
君たちはこの曲を耳コピできるのか、みたいな感じで。
今ではハーモニクスなど様々な小技が織り込まれていることを、より感じ取ることができます。
しかし今だににコピーできる気がしません(笑)
5位「Why Can’t This Be Love」(アルバム:5150)

■曲名:Why Can’t This Be Love
■曲名邦題:ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ
■アルバム名:5150(1986年)
■動画リンク:「Why Can’t This Be Love」
このアルバムから、ボーカルがサミー・ヘイガーに替わりました。
サミーヘイガーは既にモントローズ(Montrose)やソロでの実績がある人でしたから、デイヴに比べても見劣りしません。
よくファンの間では、デイヴ時代とサミー時代のどちらが好きかという話になることがあります。
私は正直同じぐらいで、決められません。
ただこのアルバムは楽曲の出来が半端ないと思います。
おそらくメイン・ソングライターはエディだと思われますが、クレジット上では全員の共作となっています。
以前のアルバムでは、いつも2-3曲出来が落ちる曲が入っていました。
曲を書ける人が、もう1人くらい必要だったかもしれません。
曲が書けるサミーの加入後は、そうした詰めの甘さがなくなったように思います。
6位「Little Guitars」(アルバム:Diver Down)

■曲名:Little Guitars
■曲名邦題:リトル・ギター
■アルバム名:Diver Down(1982年)
■アルバム名邦題:ダイヴァー・ダウン
■動画リンク:「Little Guitars」
「Van Halen III」以前では、最も人気がないアルバムかもしれません。
ただ「オー・プリティ・ウーマン」の大ヒットのおかげで、セールス的には好調でした。
しかしカバー曲が多かったり、ジャズっぽい曲が入っていたりして、全体的に統一感は感じられません。
ただ中に好きな曲もあって、この曲などは本当に大好きです。
この曲の1曲手前には「Little Guitars (Intro) 」という曲があります。
リンクを貼っておきましょう。
Van Halen – Little Guitars (Intro)
この曲の後、本編を聞いていただいた方がいいかもしれません。
7位「Ain’t Talkin’ ‘bout Love」(アルバム:Van Halen)

■曲名:Ain’t Talkin’ ‘bout Love
■曲名邦題:叶わぬ賭け
■アルバム名:Van Halen(1978年)
■アルバム名邦題:炎の導火線
■動画リンク:「Ain’t Talkin’ ‘bout Love」
1978年にリリースされたデビュー・アルバムの曲です。
彼らがバンドを結成したのは、1964年にまでさかのぼります。
エディは1955年生まれですから、9歳の時にはバンドをやっていたのですね。
その後彼らは何度かバンド名を変えながら精力的に活動し、徐々に知名度を上げてきました。
ただその過程ではライブ前に地元の高校でチラシ配りなどをしたりして、地道な努力をしてきたそうです。
その後彼らはワーナー・ブラザーズの幹部にスカウトされ、ようやく契約を勝ち取りました。
実力があるにもかかわらず、随分下積みが長かったのですね。
ただその間彼らは、自分たちのスタイルを確立することができました。
この曲は今でもファンに人気が高い曲です。
リフもすばらしいですが、1:22から始まるメラメラと燃え上がるギター・ソロが最高です。
8位「Dance The Night Away」(アルバム:Van Halen II)

■曲名:Dance The Night Away
■曲名邦題:踊り明かそう
■アルバム名:Van Halen II(1979年)
■アルバム名邦題:伝説の爆撃機
■動画リンク:「Dance The Night Away」
このセカンド・アルバムは、初のトップテン・ヒットとなりました。
ヒットチャートで6位を獲得しています。
彼らはファーストが名盤として名高いですが、実はセールス的に飛躍したのは、このセカンド・アルバムです。
イントロの乾いたギターの音色、そしてパーティをテーマにした歌詞。
まさしくアメリカン・ロックそのものといった感じがしないでしょうか。
実際彼らは当時アメリカン・ハードロックとしか言いようがない音楽性でした。
ハード・ロックであっても、ヘヴィ・メタルではありません。
そういう面では、キッス(Kiss)に少し似ているかもしれません。
実はデビュー前の彼らは、キッスのジーン・シモンズ(Gene Simmons)から資金援助を受けて、デモテープを製作したそうです。
ジーンは同類であることを見抜いていたのでしょうか。
その後彼らはキッスと同様に、多くのキッズから愛される存在となりました。
9位「Unchained」(アルバム:Fair Warning)

■曲名:Unchained
■曲名邦題:アンチェインド
■アルバム名:Fair Warning(1981年)
■アルバム名邦題:戒厳令
■動画リンク:「Unchained」
エディのギタープレイでは、ライトハンド奏法が知られています。
有名な「暗闇の爆撃(Eruption)」のリンクを貼っておきましょう。
57秒からのところは、私もコピーしたことがあります。
難しいようですが、練習すれば意外と弾くことができます。
しかしエディのすごさは自由な発想にあって、ただ形式的にまねるだけでは、本質をつかんだことにはなりません。
今聞くと彼のギター・プレイは、王道ハードロックそのものに聞こえます。
それは彼のスタイルを真似るギタリストが多いということを示しています。
ただ王道でありつつトリッキーなところもあるのが、この人らしいといえるかもしれません。
変幻自在な永遠のギター小僧。
ドラゴンボールでいえば、孫悟空みたいな人です。
10位「Dreams」(アルバム:5150)

■曲名:Dreams
■曲名邦題:ドリームス
■アルバム名:5150(1986年)
■動画リンク:「Dreams」
ボーカルがサミーに決まるまでには、かなりの紆余曲折があったようです。
多くの候補が検討され、その中にはパティ・スマイス(Patty Smyth)の名前があったというから驚きです。
結局パティには断られたようですが。
しかしエディは車関係のツテを通じて、ある男が紹介されました。
それがサミー・ヘイガーです。
彼らはすぐに意気投合し、一緒にこのアルバムの製作を始めました。
サミー・ヘイガーはデイヴに比べると、よりオーソドックスなシンガーです。
デイヴのような生粋のエンターテイナーではありませんが、プロフェッショナル度では上かもしれません。
彼の加入によって、バラードなど以前とは違った魅力を打ち出すことができるようになりました。
サミーはキャラではなく、実力でヴァン・ヘイレンの看板になった人だと思います。
11位「Romeo Delight」(アルバム:Women and Children First)

■曲名:Romeo Delight
■曲名邦題:ロメオ・デライト
■アルバム名:Women and Children First(1980年)
■アルバム名邦題:暗黒の掟
■動画リンク:「Romeo Delight」
代表曲が入っていませんし、セールス的にも低迷したアルバムです。
シングルカットも「ロックン・ロール・ベイビー(And the Cradle Will Rock…)」1曲だけですし、それもヒットしませんでした。
ダークな曲が多く地味な作品かもしれません、このアルバムは聞き逃せません。
前2作は派手で明るいパーティ・ロックでした1が、彼らはいきなり路線を変えてきました。
ただ正統派ハードロックファンは、このアルバムを最も気に入るかもしれません。
玄人受けする本格派の作品です。
このアルバムからは、もう1曲ご紹介しておきましょう。
このバンドを掘り下げる時、ぜひチェックしておきたいアルバムです。
12位「Right Now」(アルバム:For Unlawful Carnal Knowledge)

■曲名:Right Now
■曲名邦題:ライト・ナウ
■アルバム名:For Unlawful Carnal Knowledge(1991年)
■アルバム名邦題:F.U.C.K.
■動画リンク:「Right Now」
このバンドで3枚を選べと言われたら、デビュー・アルバム、「5150」、そしてこのアルバムを選びます。
なにせこのアルバムは、楽曲の粒がそろっています。
他のアルバムの選曲時は、それほど時間がかかりませんでした。
そんな中唯一このアルバムだけは、かなり悩みましたし時間がかかりました。
「パウンドケーキ(Poundcake)」「ジャッジメント・デイ(Judgement Day)」「ザ・ドリーム・イズ・オーヴァー(The Dream Is Over)」など、どれも同等クラスの名曲ばかりです。
最終的には傾向の違う曲を入れてみようと思い、この曲に決定しました。
この曲には珍しくピアノが入っています。
サミーの気合の入った熱唱、そして3:52からのエディの熱いギターソロ。
アメリカン・ロックを聞く喜びを堪能できる曲です。
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