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ドナ・サマー(Donna Summer)の名曲名盤12選【代表曲・隠れた名曲】

今回はドナ・サマーのランキングを作成しました。

彼女はディスコのイメージで語られることが多い人かもしれません。

しかし私は彼女の多様な魅力をご紹介したいと考えています。

彼女の魅力を再発見してもらえたらうれしいです。

1位「Bad Girls」(アルバム:Bad Girls)

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■曲名:Bad Girls
■曲名邦題:バッド・ガール
■アルバム名:Bad Girls
■アルバム名邦題:華麗なる誘惑
■動画リンク:「Bad Girls」

このアルバムは2枚組にもかわらず大ヒットしました。

私はリアルタイムでヒットチャートを確認していませんが、調べたところ興味深い事実が判明しました。

ビルボードのアルバムチャートで、このアルバムはスーパートランプ(Supertramp)の「ブレックファスト・イン・アメリカ(Breakfast in America)」と、1位を競い合っていました。

5月19日から4週間:スーパートランプが1位

6月16日から1週間:ドナ・サマーが1位

6月23日から2週間:スーパートランプが1位

7月7日から5週間:ドナ・サマーが1位

2枚の歴史的な名盤が、トップ争いをしています。

きっと当時のヒットチャート・マニアは、この1位争いを興奮して見守ったことでしょう。

 

2位「Hot Stuff」(アルバム:Bad Girls)

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■曲名:Hot Stuff
■曲名邦題:ホット・スタッフ
■アルバム名:Bad Girls
■アルバム名邦題:華麗なる誘惑
■動画リンク:「Hot Stuff」

このアルバムで彼女は、ロックとディスコを融合したと言われています。

実際ディスコっぽいリフと、ロックっぽいギターの組み合わせは、とても魅力的でした。

ギターを弾いているのは、元スティーリー・ダン(Steely Dan)のジェフ・バクスター(Jeff Baxter)です。

ちなみにこのアルバムの収録曲は、グラミーで以下のように評価されています。

「Hot Stuff」は、最優秀女性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞

「Bad Girls」は、ベスト・ディスコ・レコーディングにノミネート

「Dim All the Lights」は、最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンスにノミネート

つまり当時の彼女は、ロック、ディスコ、R&Bの3分野にノミネートされていたのです。

実に彼女らしい状況だと思います。

 

3位「Happily Ever After」(アルバム:Once Upon a Time)

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■曲名:Happily Ever After
■曲名邦題:ハッピリィ・エヴァー・アフター
■アルバム名:Once Upon a Time
■アルバム名邦題:ワンス・アポン・ア・タイム
■動画リンク:「Happily Ever After」

今回の記事は、トニー・ブラス(Tony Blass)という人物との交流がきっかけで生まれました。

彼は、エミット・ローズ(Emitt Rhodes)の復活する姿を追った傑作ドキュメンタリー「ワン・マン・ビートルズ(The One Man Beatles)」の制作者として知られている人物です。

彼は音楽業界に幅広い人脈を持っており、ドナ・サマーとも友人関係にありました。

私は彼からドナ・サマーについてどう思うか聞かれ、レビュー記事で返答することにしました。

彼と私は似た問題意識を共有しているように感じましたし、私も彼女について書きたいことが沢山あります。

この記事を書くきっかけを与えてくれて、彼には感謝しています。

ただしこのランキングの選曲は、純粋に私の好みを反映しています。

もし選曲が偏っていると感じたら、それは私個人に帰すべき問題です。

 

4位「Protection」(アルバム:Donna Summer)

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■曲名:Protection
■曲名邦題:プロテクション
■アルバム名:Donna Summer
■アルバム名邦題:恋の魔法使い
■動画リンク:「Protection」

このアルバムのプロデューサーは、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)です。

彼はマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)を、ディスコから軌道修正し、より大きな成功に導いた立役者です。

クインシーはその変革時に、ロックっぽい要素をうまく活用しました。

さてこの曲を書いたのは、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)です。

彼は自分が書いた曲を簡単に外部に提供することで知られています。

あの傑作「ハングリー・ハート(Hungry Heart)」でさえ、周囲の人が彼を止めなかったら他人にプレゼントしようとしたのですから。

クインシーは、ボスが書いた曲を1980年代らしいハード・ポップな曲に仕上げています。

 

5位「Try Me, I Know We Can Make It」(アルバム:Live and More)

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■曲名:Try Me, I Know We Can Make It
■曲名邦題:トライ・ミー、アイ・ノウ・ウィ・キャン・メイク・イット
■アルバム名:Live and More、
■アルバム名邦題:ライブ・アンド・モア
■動画リンク:「Try Me, I Know We Can Make It」

このアルバムは、ヘッドホンかボリュームを上げて聞くことをおすすめします。

温めて食べた方が美味しい料理みたいなものかもしれません。

私はボリュームを上げて聞いて初めて、このアルバムの真価に気付きました。

その点に留意していただければ、とても甘美でエキサイティングな音楽体験をお約束できます。

この曲は2:08と3:42からが聞きどころです。

この曲のオリジナルは「ラブ・トリロジー(A Love Trilogy)」に収録されています。

そのアルバムにはもう1曲、私の大好きな曲が入っていますので、ご紹介しておきましょう。

Donna Summer – Come With Me

彼女はもっとクラブDJに注目されていい人です。

 

6位「I Remember Yesterday」(アルバム:I Remember Yesterday)

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■曲名:I Remember Yesterday
■曲名邦題:アイ・リメンバー・イエスタデイ
■アルバム名:I Remember Yesterday
■アルバム名邦題:アイ・リメンバー・イエスタデイ
■動画リンク:「I Remember Yesterday」

彼女はセカンド・アルバムの収録曲「愛の誘惑(Love to Love You Baby)」のヒットで、活動が軌道に乗りました。

その後「A Love Trilogy」「フォー・シーズンズ・オブ・ラブ(Four Seasons of Love)」を経てリリースされたのが、このアルバムです。

このアルバムでの彼女は、まだ個性が確立していません。

初期の彼女は、時々ダイアナ・ロス(Diana Ross)に似ている時があります。

たとえばこの曲をお聞きください。

この曲での彼女は、甘くてエレガントです。

後に彼女はタフなイメージを強調しますが、この時の彼女もすばらしいと思います。

 

7位「I Feel Love」(アルバム:I Remember Yesterday)

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■曲名:I Feel Love
■曲名邦題:アイ・フィール・ラブ
■アルバム名:I Remember Yesterday
■アルバム名邦題:アイ・リメンバー・イエスタデイ
■動画リンク:「I Feel Love」

7位と同じアルバムからの曲です。

先程のような古いイメージの曲と、この曲のような先鋭的なイメージの曲が同居していたのが、この時期の興味深いところです。

ただしこの曲の場合、プロデューサーのジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)とピート・ベロッテ(Pete Bellotte)の貢献が大きいかもしれません。

私はジョルジオ・モロダーが過小評価されていると思っています。

ちなみにジョルジオ・モロダーは、以下の曲もプロデュースしています。

Japan – Quiet Life

この2曲は、リズム・パターンが似ていないでしょうか。

更に言えば、このリズム・パターンは後に、アンダー・ワールド(Underworld)などにも継承されています。

この曲はクラフトワーク(Kraftwerk)やディーヴォ(Devo)の曲と同様に評価されるべきだと思います。

 

8位「True Love Survives」(アルバム:I’m a Rainbow)

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■曲名:True Love Survives
■曲名邦題:トゥルー・ラブ・サバイブス (真の愛は生き残る)
■アルバム名:I’m a Rainbow
■アルバム名邦題:アイム・ア・レインボー
■動画リンク:「True Love Survives」

このアルバムをご存じない方も多いかもしれません。

このアルバムは1996年にリリースされましたが、レコーディングされたのは1981年です、

元々は「The Wanderer」の後にリリースされる予定でしたが、発売されませんでした。

それは当時彼女が在籍していたゲフィン・レコード(Geffen Records)の意向だったようです。

問題は音楽の品質ではありません。

むしろこのアルバムは、ヒットが約束されていたといえるでしょう。

このアルバムには「フラッシュダンス(Flashdance)」で使われてヒットした「ロミオ(Romeo)」が収録されていましたから。

Donna Summer – Romeo

1980年代では、以下の曲もヒットしています。

Donna Summer – She Works Hard for the Money

私はレーベルが彼女を尊重して、創作上の自由を与えてほしかったと思います。

 

9位「Looking’ Up」(アルバム:The Wanderer)

■曲名:Looking’ Up
■曲名邦題:ルッキング・アップ
■アルバム名:The Wanderer
■アルバム名邦題:ワンダラー
■動画リンク:「Looking’ Up」

彼女はこのアルバムまで、ジョルジオ・モロダーとピート・ベロッテとの製作体制を維持しました。

この曲は彼女とピート・ベロッテの共作です。

このアルバムではアルバム・タイトル曲が有名ですが、私はこの曲の方が好きです。

ディスコの女王(Queen of Disco)と呼ばれていた彼女は、このアルバムからコンテンポラリーなサウンドに移行しました。

このアルバムの後、1981年からMTVが始まりました。

この曲などは、MTV時代に適した曲かもしれません。

彼女は1980年代前半の音楽シーンを、この路線で生き延びました。

 

10位「MacArthur Park」(アルバム:On the Radio)

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■曲名:MacArthur Park
■曲名邦題:マッカーサー・パーク
■アルバム名:On the Radio
■アルバム名邦題:オン・ザ・レイディオ
■動画リンク:「MacArthur Park」

この記事の目的は、彼女を再評価してもらうことです。

その為以下の曲などの有名なディスコ・ナンバーをランク外にしました。

Donna Summer – On The Radio

しかし「MacArthur Park」を外すことは考えられません。

そもそもこの曲は、彼女の記念すべきナンバーワン・ヒットですし。

さてこのアルバムは、カサブランカ・レコード(Casablanca Records)在籍時の最終作となりました。

このアルバムは前作「Bad Girls」のヒットを受けて、急遽リリースされたベスト・アルバムです。

選曲が良いので、彼女を知るきっかけとしては最適です。

 

11位「Stamp Your Feet」(アルバム:Crayons)

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■曲名:Stamp Your Feet
■曲名邦題:スタンプ・ユア・フィート
■アルバム名:Crayons
■アルバム名邦題:クレヨン
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Stamp Your Feet」

1980年代後半から彼女は低迷したと言われています。

しかし彼女は2008年、このアルバムで復活しました。

このアルバムは、全米アルバム・チャートで17位を獲得しています。

この曲は「アイム・ア・ファイア(I’m a Fire)」「フェイム(ザ・ゲーム)(Fame (The Game))」と並んで、アメリカのダンスチャートで1位を記録しています。

しかしそれ以上にうれしいのは、アルバムの出来がすばらしいこと。

彼女はディスコを象徴するシンガーです。

しかしディスコという音楽が不当に低く評価されていることを、私は残念に思っています。

私はディスコならば全て良いと言いたいのではありません。

ただディスコという音楽を過小評価せず、ロックやジャズなど他のジャンルと同じように扱われてほしいと思っています。

彼女はこのアルバムで、よりコンテンポラリーなダンス・ミュージックに挑戦しています。

 

12位「Last Dance」(アルバム:Live and More)

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■曲名:Last Dance
■曲名邦題:ラスト・ダンス
■アルバム名:Live and More
■アルバム名邦題:ライブ・アンド・モア
■動画リンク:「Last Dance」

彼女はシンガーとしては、黒くないと評価されています。

確かに1960から1970年代初頭にかけてのディープ・ソウル、サザン・ソウルのシンガーと比べたら黒くありません。

私はサザン・ソウルも大好きです。

しかし私はアフロ・アメリカンに対して、音楽的な黒さを求める風潮には違和感を感じます。

実際1980年前後から、以前に比べて黒くないアフロ・アメリカンのシンガーが増えてきました。

例えばライオネル・リッチー(Lionel Richie)やホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)などです。

どちらもすばらしいシンガーですね。

私はドナ・サマーは彼らの先行者だと思っています。

彼女はバーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)と共演していますし、黒さを強調していません。

しかしそれにもかかわらず、彼女は卓越したシンガーです。

私は彼女の魅力を示す証拠として、この曲を提出します。

試しに4:34からを聞いてみてください。

もはや黒いとか白いということは問題ではありません。

純粋に彼女の歌のすばらしさに圧倒されてしまいます。

 

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