今回はシャカタクのランキングを作成しました。
最初に申し上げると、今回の選曲はいささかワンパターンかもしれません。
ただそのワンパターンがとても魅力的です。
つまり彼ら特有の勝ちパターンがあるので、自然とワンパターンになるのですね。
1曲目を聞いて好きになれないと思ったら、この記事はスルーしていただいてかまいません。
- 1 1位「Nightbirds」(アルバム:Nightbirds)
- 2 2位「Invitations」(アルバム:Invitations)
- 3 3位「Livin in the U.K.」(アルバム:Drivin’ Hard)
- 4 4位「Déjà Vu (To The Wind)」(アルバム:Into The Blue)
- 5 5位「Golden Wings」(アルバム:Golden Wings)
- 6 6位「Stranger」(アルバム:Platinum Best)
- 7 7位「Easier Said Than Done」(アルバム:Night Birds)
- 8 8位「Summer Sky」(アルバム:Down On The Street)
- 9 9位「Brazilian Dawn」(アルバム:Drivin’ Hard)
- 10 10位「Don’t Say That Again」(アルバム:Out Of This World)
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1位「Nightbirds」(アルバム:Nightbirds)
■曲名:Nightbirds
■曲名邦題:ナイト・バーズ
■アルバム名:Nightbirds(1982年)
■アルバム名邦題:ナイト・バーズ
■動画リンク:「Nightbirds」
曲名は知らなくとも、誰もが聞いたことがある曲だと思います。
近所のスーパーからテレビ番組など、普通に生活していればどこからとなく流れてくる曲ですから。
曲名の「Nightbirds」は、直訳すると「夜の鳥」。
意味合い的には「夜遊びが好きな人」というニューアンスがある言葉なのだとか。
確かにこの曲には、夜の時間を楽しみたい人の華やかさを感じます。
彼らの音楽は良い意味でBGMに向いています。
音楽ブログを運営し発信していると忘れがちですが、世の中の多くの人はそれほど音楽に興味がありません。
またそれを悪いことだとも思いませんし。
私のように音楽を中心に生活が回っている人は極めて少数派です。
その点シャカタクは、ライトなリスナーに受け入れられる心地良い音楽を提供しました。
その間口の広さが彼らの魅力です。
2位「Invitations」(アルバム:Invitations)
■曲名:Invitations
■曲名邦題:インヴィテイションズ
■アルバム名:Invitations(1982年)
■アルバム名邦題:インヴィテイションズ
■動画リンク:「Invitations」
先程今回の選曲はワンパターンだと書きました。
このグループの中心にはいつもビル・シャープ(Bill Sharpe)の明快なシングルノート、つまり単音弾きがありました。
華を添えるのは主にギターと女性コーラス。
後に歌ものにシフトした時期もありますが、その時期はセールスがかんばしくありませんでした。
その頃の曲を1曲ご紹介しましょう。
Sakatak – Day By Day (Duet with Al Jarreau)
通常彼らのようなフュージョン系のバンドは、歌ものの方がはるかにヒットしやすいと言われています。
しかしこのバンドについては、そのセオリーは当てはまりませんでした。
それはビル・シャープのキーボードがボーカルに似た役割を果たしていたせいかもしれません。
3位「Livin in the U.K.」(アルバム:Drivin’ Hard)
■曲名:Livin in the U.K.
■曲名邦題:リヴィン・イン・ザ・UK
■アルバム名:Drivin’ Hard(1981年)
■アルバム名邦題:トワイライト・ドライヴィン
■動画リンク:「Livin in the U.K.」
ファースト・アルバムの曲です。
彼らはジャズ・ファンクの流れから派生したグループです。
日本で彼らが注目を浴びるきっかけとなった編集盤も「Slipstream – The Best of British Jazz Funk」というタイトルでしたし。
彼らはそのコンピに収録された、以下の曲で一躍注目を浴びました。
Shakatak – Feels Like the Right Time
この1枚目に収録された「Livin in the U.K.」を聞き合わせると、最初からビル・シャープのキーボードを中心に据えていたようですね。
彼らはかなり早い時期から、日本で人気を獲得しました。
彼らはやりたい音楽のビジョンが明確で、都会的でセンチメンタルなメロディは、当時シティポップを好んでいた日本人の好みに合っていました。
4位「Déjà Vu (To The Wind)」(アルバム:Into The Blue)
■曲名:Déjà Vu (To The Wind)
■曲名邦題:デジャ・ヴ
■アルバム名:Into The Blue(1986年)
■アルバム名邦題:イントゥ・ザ・ブルー
■動画リンク:「Déjà Vu (To The Wind)」
このアルバムは日本のみでリリースされ、テレビ・ドラマ「男女7人夏物語」のBGMに使用されました。
ちなみに「男女7人夏物語」は、トレンディ・ドラマの先駆け的存在だったそうです。
当時の日本は空前のバブル景気を謳歌していました。
シャカタクの音楽は浮かれたような時代の雰囲気を演出する中、とても重宝されました。
その楽曲はテレビドラマ『男女7人夏物語』『男女7人秋物語』のBGMにも使用され、1987年度・1988年度・1989年度と3年連続で、日本ゴールドディスク大賞のインストゥルメンタル部門アルバム賞にも輝いた(受賞はそれぞれ翌年)。
ちなみにバブル景気は1985年から1991年ですが、その少し前から彼らは認知度を高めていました。
ただ彼らはバブル崩壊後も日本で人気を維持しています。
世界2位の音楽市場である日本で得た根強い人気を背景に、現在までコンスタントにアルバムをリリースしています。
5位「Golden Wings」(アルバム:Golden Wings)
■曲名:Golden Wings
■曲名邦題:ゴールデン・ウイングス
■アルバム名:Golden Wings(1987年)
■アルバム名邦題:ゴールデン・ウイングス
■動画リンク:「Golden Wings」
こちらのアルバムは「男女7人秋物語」のBGMとして使われたアルバムです。
さて彼らについて、個人的な思い出を書きたいと思います。
私は大学の時にレコード屋でアルバイトをしていました。
その店でジャズ雑誌の編集者と仲良くなると、次第に飲み会に誘われるようになり、ジャズ系の音楽評論家と話す機会が増えました。
そういう場で何度かシャカタクの話になったことがあります。
多くの人は良いイメージを持っていない様子でした。
一方私は当時からシャカタクを好んでいましたが、当然反論できるはずもなく、随分ひどい言われようだと思うだけでした。
もしかしたら彼らはラッセンの絵に似たイメージを持っていたのかもしれません。
表面的で中身のない音楽だと。
私も表面的だとは思いますが、極めて表面的に質の高い音楽だと思っています。
6位「Stranger」(アルバム:Platinum Best)
■曲名:Stranger
■曲名邦題:ストレンジャー
■アルバム名:Platinum Best(2013年)
■アルバム名邦題:プラチナム・ベスト シャカタク
■動画リンク:「Stranger」
この曲は「Invitations」の収録曲ですが、ベスト盤の曲としてご紹介しました。
このベスト・アルバムは、この記事の10曲中6曲が収録されています。
もし彼らの概要をつかみたい方は、この2枚組ベストから入るのもアリだと思います。
もともとこのバンドは求道的に聞くのではなく、ライトに接した方が良いように思いますし。
ただこのベストは2枚組ですが、2枚目はボーカル中心の曲ばかり。
1枚目とは少し印象が異なりますので、ご注意ください。
あと彼らの最高傑作は「Nightbirds」か「Invitations」のどちらかだと思います。
オリジナル・アルバムをご検討の方は、まず上記2枚から集めるのがおすすめです。
7位「Easier Said Than Done」(アルバム:Night Birds)
■曲名:Easier Said Than Done
■曲名邦題:イージアー・セッド・ザン・ダン
■アルバム名:Night Birds(1982年)
■アルバム名邦題:ナイト・バーズ
■動画リンク:「Easier Said Than Done」
このバンドは以下のような特徴があります。
アメリカのジャズを起源とするフュージョンとは異なり、アドリブ偏重ではなくメロディと編曲を重視した親しみやすいサウンドが特徴
先程私は彼らがジャズ評論家から良く言われていないと書きました。
それもそのはず、アドリブが命のジャズとは真逆の音楽なのですから。
ジャズ評論家が彼らを評するのは、いささか畑違いかもしれません。
ジャズが寿司とか蕎麦のようなものだとしたら、シャカタクはシュークリームみたいなものかもしれません。
ジャズの流れから派生したフュージョンに属していても、ジャズの文脈では正しく評価されにくいように思います。
ただ別物と考えてその違いをふまえ、シュークリームとしてならば評価は一変するはず。
極上のそばと極上のシュークリームは、どちらが優位というわけではありません。
ただ違うだけではないでしょうか。
8位「Summer Sky」(アルバム:Down On The Street)
■曲名:Summer Sky
■曲名邦題:サマー・スカイ
■アルバム名:Down On The Street(1984年)
■アルバム名邦題:ダウン・オン・ザ・ストリート
■動画リンク:「Summer Sky」
彼らの魅力はその明快さですが、その分ワンパターンに陥りがちかもしれません。
実際日本以外で彼らの人気は低迷していきました
ただ早い段階からバンドは、その問題に気付いていたかもしれません。
この作品ではアルバム名が表しているように、ダンサブルで派手な曲が増えました。
その変化は一部の新しいリスナーを惹きつけたと思いますが、従来のファンは少しとまどったかもしれません。
この曲でも、リズムが強化されていることがお分かりいただけると思います。
ちなみこの曲の25秒からを聞くと、高中正義を思い出すのは私だけでしょうか。
その後彼らは次作「City Rhythm」で、歌もの路線にシフトしました。
しかしそれらの変化でも、セールスを好転させるに至りませんでした。
9位「Brazilian Dawn」(アルバム:Drivin’ Hard)
■曲名:Brazilian Dawn
■曲名邦題:ブラジリアン・ドーン
■アルバム名:Drivin’ Hard(1981年)
■アルバム名邦題:トワイライト・ドライヴィン
■動画リンク:「Brazilian Dawn」
今回の記事では、曲調を限定して彼らの魅力をご紹介しています。
そのことは彼らの必勝パターンがいかに強力だったかを示しています。
その上で少し幅を持たせるとしたら、この曲のようなブラジリアン・フュージョン路線の曲が良いかもしれません。
さてここで彼らのグループ名の由来をご紹介します。
グループ名のShakatakとは、デビュー前の彼らのレコードを通信販売で売ってくれたレコード店「RECORD SHACK」に対する感謝の気持ちを込めて、「SHACK」+「ATTACK」から名づけられたものである。
彼らの音楽にはエゴやメッセージ性を感じません。
その分彼らはストイックなまでに心地よさを追求しました。
彼らの音楽には信念を持ったバーテンダーがつくるカクテルにも似た魅力があります。
10位「Don’t Say That Again」(アルバム:Out Of This World)
■曲名:Don’t Say That Again
■曲名邦題:ドント・セイ・ザット・アゲイン
■アルバム名:Out Of This World(1983年)
■アルバム名邦題:今夜はセンチメンタル
■動画リンク:「Don’t Say That Again」
もう1曲ブラジル音楽の影響を感じる曲をご紹介します。
彼らはビル・シャープのピアノ/キーボードがサウンド面の柱でした。
しかしギターのキース・ウィンター(Keith Winter)の貢献も忘れることはできません。
この曲では全編に渡って、すばらしい演奏を披露しています。
サンバのリズムが心地よいですね。
さてこの記事では1987年の「Golden Wings」までを対象にしました。
しかしその後も彼らは順調に良作をリリースしています。
中でも「Da Makani」はかなり出来が良く、名作といえるすばらしい出来でした。
時代のあだ花のように思われたシュークリームのような彼らの音楽は、意外にも賞味期限が長かったようですね。
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