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ビル・ウィザース(Bill Withers)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

ビル・ウィザースは2020年3月30日、心臓疾患で亡くなりました。

そこで今回は追悼企画としてランキングを作成しました。

あらかじめ申し上げておくと、グローヴァー・ワシントンJr.(Grover Washington, Jr.)と共演した「Just the Two of Us(クリスタルの恋人たち)」は入っていません。

そちらは他人名義のアルバムですので、ランキング外とさせていただきました。

それに本人名義の曲だけでもご紹介したい曲が山ほどあります。

珠玉の名曲の数々をご堪能ください。

 

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1位「Lovely Day」(アルバム:Menagerie)

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■曲名:Lovely Day
■曲名邦題:ラヴリー・デイ
■アルバム名:Menagerie
■アルバム名邦題:メナジェリィ
■動画リンク:「Lovely Day」
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有名曲が多いこの人の中でも、屈指の知名度を誇る曲です。

おそらく聞いたことがある人も多いと思います。

ただこの曲の最高位は30位ですから、それほど大ヒットしたという順位ではありません。

しかし改めてシングルチャートを眺めてみると、この曲はミックス違いを含めて、3回もシングルとして発売されています。

こんなことはめったにありません。

これはおそらくCMや映画・ドラマでよく使用されているせいでしょう。

また彼の曲が入っているコンピレーションアルバムも、数えきれないほどあります。

つまり単なるヒット曲ではなく、聴き継がれる定番曲になったということを示しています。

この曲の魅力はとてもポジティブなメッセージ性です。

「世界と自分を肯定しよう」
「とても素敵な日じゃないか」

歌詞にもアルバムジャケットにも、彼の人徳が表れている気がします。

 

2位「Lean on Me」(アルバム:Still Bill)

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■曲名:Lean on Me
■曲名邦題:リーン・オン・ミー
■アルバム名:Still Bill
■アルバム名邦題:スティル・ビル
■動画リンク:「Lean on Me」
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初期の名曲です。

彼は早くもデビュー作でヒット曲を生み出しています。

このセカンドアルバムでは、この曲が全米1位を獲得し、次シングルも全米2位を獲得しました。

一般的にこの時期が、彼の全盛期だと言われています。

彼は幼い頃小さなピアノを買い、その時に弾いたピアノのフレーズがこの曲の元になったのだそうです。

彼が幼い頃は、彼だけでなくアフリカ系アメリカ人の多くが、社会的に不利な立場に置かれ、貧しい生活を強いられていました。

この曲の歌詞はこんな感じです。

人生には時に痛みや悲しみがあることは知っている。しかしそんな時はプライドを捨てて僕を頼ってほしい。僕を呼んでほしいんだ。

そう呼びかけている曲です。

この曲はイントロからゴスペルっぽいところがありますが、曲の内容もゴスペルのような救済を意識した内容になっています。

 

3位「Don’t It Make It Better」(アルバム:’Bout Love)

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■曲名:Don’t It Make It Better
■曲名邦題:ドント・イット・メイク・イット・ベター
■アルバム名:’Bout Love
■アルバム名邦題:バウト・ラブ
■動画リンク:「Don’t It Make It Better」
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この人は意外と活動期間が長くありません。

ファーストアルバムが1971年で、ラストアルバムが1985年ですから、15年も経過していません。

そのせいか過小評価されがちです。

ちなみに私はこのアルバムが、彼の最高傑作だと思っています。

マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)であれば「ホワッツ・ゴーイン・オン(What’s Going On)」か「レッツ・ゲット・イット・オン(Let’s Get It On)」クラスで、ようやくこのアルバムと比肩できると思います。

しかしそれにも関わらず、このアルバムは現在、1枚もののCDとしては入手できません。

上のAmazonリンクに貼った商品のように、5枚組の内の1枚として入手するしかありません。

遺族はぜひ再発を要望してほしいと思います。

私は死後遺族が余計な口を出して、質の低い作品まで乱発する風潮は好きではありません。

しかしこのレベルのアルバムが単体で発売されていないとは、看過しがたいと思っています。

 

4位「Use Me」(アルバム:Still Bill)

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■曲名:Use Me
■曲名邦題:ユーズ・ミー
■アルバム名:Still Bill
■アルバム名邦題:スティル・ビル
■動画リンク:「Use Me」
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この曲もコマーシャルで使われています。

特にイントロが印象的な曲です。

この曲を聞くといつもレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)っぽいと感じます。

もちろんレニーはビルの大ファンで、影響を受けている側です。

実際レニーはミック・ジャガー(Mick Jagger)のアルバムで客演し、この曲を忠実にカバーしています。

大物アーティストに強く影響を与えるほどのカリスマ性を備えた曲です。

この曲の魅力は、演奏面の比重が大きいように思います。

演奏はワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンド(The Watts 103rd Street Rhythm Band)です。

特にジェームス・ギャドソン(James Gadson)のドラムと、レイ・ジャクソン(Ray Jackson)の低音を強調したクラビネットの絡みが最高です。

ビルの音楽はバンドに恵まれた曲が多いと思いますが、この曲はその頂点ともいえるかもしれません。

初期のビルの音楽にうっすら漂うストリート感覚は、この人たちの演奏によるところが大きいと思います。

 

5位「Family Table」(アルバム:Making Music)

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■曲名:Family Table
■曲名邦題:ファミリー・テーブル
■アルバム名:Making Music
■アルバム名邦題:メイキング・ミュージック
■動画リンク:「Family Table」
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この人は前期と後期では音楽性が異なります。

レーベルが変わったことで音楽が一変しました。

前期はSussex Records、後期はColumbia Recordsで、このアルバムは後期の第一弾です。

前期はヒリヒリしたり生々しい演奏をバックに、シンガーソングライター色の強い作風でした。

後期はよりメジャー感のある作風へと変化し、アルバムトータルの完成度が上がりました。

バックのメンバーも移籍によって、これまでとはガラリと変わりました。

このアルバムに参加しているギタリストは、レイ・パーカー Jr,(Ray Parker Jr.)、デイヴィッド・T・ウォーカー(David T. Walker)、ワー・ワー・ワトソン(Wah-Wah Watson)というそうそうたる面々です。

ベースもジェームス・ジェマーソン(James Jamerson)、ドラムはハーヴィー・メイソン(Harvey Mason)、キーボードはデイヴ・グルーシン(Dave Grusin)という鉄壁すぎる布陣です。

さすがメジャーのColumbia Recordsです。お金をかけてきています。

ビルも外部のライターと協力して曲づくりをする比率を上げています。

ビルの作家性は希薄になったかもしれませんが、よりプロっぽい音楽になってきたように思います。

 

6位「Can We Pretend」(アルバム:+’Justments)

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■曲名:Can We Pretend
■曲名邦題:キャン・ウィ・プリテンド
■アルバム名:+’Justments
■アルバム名邦題:+’ジャストメンツ
■動画リンク:「Can We Pretend」
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この曲は異色作です。

スパニッシュ・ギターみたいな演奏が入っていますが、弾いているのは、ホセ・フェリシアーノ(Jose Feliciano)です。

ギターがもう1人の主役といってもいいぐらいの存在感を発揮しています。

このアルバムは悪い出来ではありませんが、セールスが急落した時期でした。

この曲などは、テリー・キャリアー(Terry Callier)のようなフォーキーソウルに仕上がっています。

そういえばちょうど同時期、テリー・キャリアーも同じような作風で、セールス的に苦戦していましたね。

内省+フォーキー+ソウルという組み合わせは、そもそもあまり売れる音楽ではなのでしょう。

しかしこの頃の彼は、実際に悩んでいた時期のようです。

ちなみに「+’Justments」というアルバムタイトルですが、そもそも「Justments」という単語はありません。

実は「Justments」は「adjustments」のことで、「適応」という意味の言葉です。

つまりこの時期の彼は、音楽ビジネスの世界に適応できず悩んでいたのですね。

それを少し言葉をぼかして表現したというわけです。

アルバムジャケットもすばらしいですが、内省的なアルバムコンセプトをそのまま反映しています。

 

7位「All Because Of You」(アルバム:’Bout Love)

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■曲名:All Because Of You
■曲名邦題:オール・ビコーズ・オブ・ユー
■アルバム名:’Bout Love
■アルバム名邦題:バウト・ラブ
■動画リンク:「All Because Of You」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから

この頃のアルバムは作家性や音の黒さが希薄になってきたせいか、ストイックな黒人音楽ファンの中にはこの頃を評価しない人もいます。

それが再発事情に関係しているせいもあると思います。

しかしこの頃の彼は、より洗練された曲を書けるようになってきていました。

この曲はそうでもありませんが、中にはベニー・シングス(Benny Sings)を思い起こさせるぐらいポップで洗練された曲も見受けられます。

この人が本格的に音楽の道に進んだのは30歳を過ぎてからです。

いわゆる遅咲きの花ですが、それまでは海軍やフォード自動車などで働いていて、いわゆる一般労働者でした。

デビューの頃はニューソウルの機運が高まっていたこともあって、うまく軌道に乗りましたが、このアルバムあたりではより洗練されたアプローチができるようになっています。

ただこの頃の彼は良い曲を書いても、セールスには苦戦する傾向がありました。

1位にした超名曲「Lovely Day」ですら、30位止まりというぐらいですからね。

この時期は今でこそ再評価すべきではないでしょうか。

 

8位「If I Didn’t Mean You Well」(アルバム:Naked & Warm)

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■曲名:If I Didn’t Mean You Well
■曲名邦題:イフ・ディドゥント・ミーン・ユー・ウェル
■アルバム名:Naked & Warm
■アルバム名邦題:ネイキッド&ウォーム
■動画リンク:「If I Didn’t Mean You Well」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから

一瞬サザンオールスターズを思い起こさせるジャケットは何なんでしょうか。

普段の知的で誠実なイメージとは違う感じもしますが、このアルバムで彼は音楽的にも冒険しています。

これまではバックの演奏がすばらしくても、あくまで彼の歌が中心でした。

しかしこのアルバムではミディアムファンク系の曲が多く、バックのサウンドがこれまで以上に主張しています。

たとえばこの曲などは、その代表といえるかもしれません。

ボーカルより存在感がありそうなムーグが、この曲のイメージを決定付けています。

ちなみにこのムーグ・シンセサイザーを弾いているのは、ソウルファンにはおなじみクリフォード・コールター(Clifford Coulter)です。

音楽、もジャケットも彼らしくないかもしれませんが、これはこれでとてもすばらしい音楽に仕上がっています。

 

9位「Oh Year!」(アルバム:Watching You Watching Me)

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■曲名:Oh Year!
■曲名邦題:OH YEAH!
■アルバム名:Watching You Watching Me
■アルバム名邦題:愛の情景
■動画リンク:「Oh Year!」
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この人はベスト盤がとても多いのが特徴です。

ウィキペディアに記載されている正規発売のものだけで、10枚もあります。

ベスト盤が発売されるタイミングは、レーベル移籍や節目の総括等の意味合いがあります。

最初のベスト盤のリリースはレーベル移籍時、次の2枚は「’Bout Love」がリリースされた後に、1980年と1981年に立て続けに発売されています。

普通は2年連続ベスト盤を出したりしません。

おそらく1980年にベスト盤がリリースした時は、ヒットもなくレーベルと揉めていた時期ですから、レコード会社は契約終了を見据えていたのではないかと推測しています。

つまりレコード会社は彼を干す意図があったのではないかと。

実際に次のアルバムをリリースするまでに、7年ものブランクが開いています。

しかし翌1981年に「Just the Two of Us」がヒットしたことで、少し情勢が変わりました。

その曲を収録したベスト盤をリリースしたので、2年連続ベスト盤のリリースということになったというわけです。

儲けられるうちに儲けておこうということかもしれません。

しかしそれだったら、干さずに次のアルバムをリリースしてあげれば良かったのにと思ってしまいます。

 

10位「In the Name of Love」(アルバム:Lovely Day: The Very Best Of Bill Withers)

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■曲名:In the Name of Love
■曲名邦題:イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ
■アルバム名:Lovely Day: The Very Best Of Bill Withers
■アルバム名邦題:ラヴリー・デイ:ベリー・ベスト・オブ・ビル・ウィザース
■動画リンク:「In the Name of Love」
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「’Bout Love」のセールス不振後、ビルはレコード会社との間で、トラブルを抱えることになります。

当時彼はレコード会社の担当者との折り合いが悪く、担当者からそもそもビルの音楽が好きではないというようなことまで言われたようです。

彼が書いた曲はレコード会社からことごとく却下されました。

一方で彼はシンガーとしての実力を買われて、様々なアーティストのゲストボーカルとして活躍し始めます。

その中の1曲「Just the Two of Us」が大ヒットし、彼は他アーテイストとの共演に活路を見出そうとしたようです。

この曲もラルフ・マクドナルド(Ralph MacDonald)との共演で、「Just the Two of Us」の路線を引き継いだフュージョン/AOR路線の曲です。

しかしレコード会社の積極的なサポートが得られなかったせいか、この曲も振るわず、ラストアルバムとなった「Watching You Watching Me」も内容は良いものの、最高位が143位と低迷しました。

ただその頃彼は、投資と印税収入だけで暮らしていけるようになっていました。

そこでこれ以上あこぎな音楽業界にいる必要はないと考えて、引退を決意したようです。

しかし彼は引退してから評価が高まり、1994年以降7枚ものベスト盤がリリースされています。

当然新作が期待されたと思いますが、1985年を最後に、彼がニューアルバムを出すことはありませんでした。

 

番外編「Ain’t No Sunshine」(アルバム:Just as I Am)

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■曲名:Ain’t No Sunshine
■曲名邦題:消えゆく太陽
■アルバム名:Just as I Am
■アルバム名邦題:ジャスト・アズ・アイ・アム
■動画リンク:「Ain’t No Sunshine」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから

最後にこの曲は代表曲として外せないと思い、番外編として取り上げることにしました。

私はこの曲との相性が少し悪いのかもしれません。

悪くはないと思うものの、世評との間に温度差があります。

今回も聞きなおしてみましたが、現時点ではランキングに入れるほどではないと思いました。

もしかしたら、もっと年を重ねたら良さが理解できるようになるかもしれません。

これからも時々聞きなおしていきたいと思っています。

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