今回はジョージ・ベンソンのランキングを作成しました。
この人はギタリストとボーカリスト、どちらにおいても一流です。
本質的に「フィーリング」が優れた人なのだと思います。
そのため彼の音楽は聞きやすくても味気なくなりません。
- 1 1位「Nothing’s Gonna Change My Love for You」(アルバム:20/20)
- 2 2位「Love X Love」(アルバム:Give Me the Night)
- 3 3位「My Cherie Amour」(アルバム:Tell It Like It Is)
- 4 4位「Gonna Love You More」(アルバム:In Flight)
- 5 5位「Breezin’」(アルバム:Breezin’)
- 6 6位「You Are the Love Of My Life」(アルバム:20/20)
- 7 7位「We All Remember Wes」(アルバム:Weekend in L.A.)
- 8 8位「Turn Your Love Around」(アルバム:The George Benson Collection)
- 9 9位「Love Ballad」(アルバム:Livin’ Inside Your Love)
- 10 10位「Flute Song」(アルバム:Benson & Farrell)
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1位「Nothing’s Gonna Change My Love for You」(アルバム:20/20)

■曲名:Nothing’s Gonna Change My Love for You
■曲名邦題:変わらぬ想い
■アルバム名:20/20(1985年)
■アルバム名邦題:20/20
■動画リンク:「Nothing’s Gonna Change My Love for You」
この人はジャズ/フュージョン・ギタリストであると同時にボーカリストでもあります。
ただ彼は良いボーカリストであっても、強烈な個性を感じません。
派手に熱唱したり、モノマネしやすそうな際立った特徴もありませんし。
私は安定感のある仕事人タイプだと思います。
彼がギタリストとしてあるセッションに呼ばれた時のエピソードをご紹介します。
彼は要望を聞き、曲に合いそうな演奏をいくつ残した後「どれでも好きなテイクを使ってくれていい」と言い残して立ち去ったとのこと。
このエピソードからも分かるように、彼はアーティストタイプではなく、仕事人タイプではないでしょうか。
自分のこだわりよりもクライアントの意見を尊重するような。
私は彼の歌にもそうしたプロ意識を感じます。
彼は歌とギターのどちらも、強い個性ではなく質の高さで勝負していたように思います。
2位「Love X Love」(アルバム:Give Me the Night)

■曲名:Love X Love
■曲名邦題:愛の幾何学
■アルバム名:Give Me the Night(1980年)
■アルバム名邦題:ギヴ・ミー・ザ・ナイト
■動画リンク:「Love X Love」
このアルバムは、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)との仕事で有名なクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)がプロデュースを担当しています。
私はクインシー・ジョーンズのプロデュース作品に、いつも感じることがあります。
それは異常なほど曲の粒がそろっていること。
その点に関しては執念じみたものさえ感じます。
この曲はクインシーの右腕であるヒートウェイヴ(Heatwave)のロッド・テンパートン(Rod Temperton)が曲を提供しています。
なかなかすばらしい曲ではないでしょうか。
またロッド・テンパートンは同作で、ジョージ・ベンソン最大のヒット曲「Give Me the Night」も提供しました。
思えばロッド・テンパートンはマイケル・ジャクソンの時も、決定的な楽曲を提供しています。
ロッド・テンパートンは、良い曲を欲しいクインシーの要望に必要不可欠な人でした。
一方ジョージ・ベンソンは、素材を活かすことに長けた料理人みたいな人。
このアルバムは良い曲にこだわるクインシー・ジョーンズと素材を活かすジョージ・ベンソンの相性が抜群でした。
3位「My Cherie Amour」(アルバム:Tell It Like It Is)

■曲名:My Cherie Amour
■曲名邦題:マイ・シェリー・アモール
■アルバム名:Tell It Like It Is(1969年)
■アルバム名邦題: テル・イット・ライク・イット・イズ
■動画リンク:「My Cherie Amour」
この人の隠れた名曲を挙げよと言われたら、真っ先に思い付く曲です。
他には以下の曲もおすすめです。
さて「My Cherie Amour」のオリジナルは、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)です。
ジョージ・ベンソンは、原曲を大きく改変する人ではありません。
それでいていつも最高の曲に仕上がります。
この曲も原曲に忠実な演奏ですが、込められたニューアンスは半端なくコクの深さを醸しています。
加えて随所で駆使している小技は、隠し味のように利いています。
私はこうした曲に彼の表現者としての地力、背骨の強さを感じます。
4位「Gonna Love You More」(アルバム:In Flight)

■曲名:Gonna Love You More
■曲名邦題:君のとりこに
■アルバム名:In Flight(1977年)
■アルバム名邦題:イン・フライト
■動画リンク:「Gonna Love You More」
この人はキャリア全般に渡ってほぼ駄作がない人です。
ただ一般的に全盛期といわれているのは、1976年の「Breezin’」から1983年の「ユア・アイズ(In Your Eyes)」あたりかもしれません。
このアルバムでは。ナット・キング・コール(Nat King Cole)で知られる「ネイチャー・ボーイ(Nature Boy)」など、すばらしい曲がそろっています。
この曲の曲名は「もっと愛してやるぜ」みたいな感じでしょうか。
この人は見ての通り色男で、実際かなり女性に人気があったようです。
特に1970年代の一連のアルバム・ジャケットは、色男シリーズみたいですし。
色男がすばらしい歌とギターを披露する、まさにスターの花道です。
5位「Breezin’」(アルバム:Breezin’)

■曲名:Breezin’
■曲名邦題:ブリージン
■アルバム名:Breezin’(1976年)
■アルバム名邦題:ブリージン
■動画リンク:「Breezin’」
彼はこのアルバムで一躍ブレイクしました。
前作までの最高位は51位にすぎません。
しかしこのアルバムは世界各国で軒並み1位を記録し、シングル「マスカレード(This Masquerade)」も大ヒットしました。
このアルバムは彼の15枚目ですから、かなり遅咲きといえそうです。
成功の要因は、ワーナー・ブラザーズ(Warner Bros.)に移籍して鉄壁の制作体制が整ったことです。
キーマンは以下の3人。
・プロデューサー:トミー・リピューマ(Tommy LiPuma)
・編曲:クラウス・オガーマン(Claus Ogermann)
・録音:アル・シュミット(Al Schmitt)
特にトミー・リピューマは、マイケル・フランクス(Michael Franks)も手掛けた適任者でした。
彼は洗練されたシティ・サウンドのプロデュースにおいて随一の存在です。
我慢を強いられてきた遅咲きの彼は、ここにきてようやく勝利の方程式を見つけたようです。
6位「You Are the Love Of My Life」(アルバム:20/20)

■曲名:You Are the Love Of My Life
■曲名邦題:ラヴ・オブ・マイ・ライフ
■アルバム名:20/20(1985年)
■アルバム名邦題:20/20
■動画リンク:「You Are the Love Of My Life」
このアルバムには多くのミュージシャンが参加しています。
数えてみたところ、なんと70人のプレイヤーが参加していました。
加えてプロデューサーなどの制作陣も13人です。
私はアルバムのクレジットをよく見ますが、こんなに多いのはかなり珍しいと思います。
他にはクインシー・ジョーンズぐらいでしょうか。
ほとんど映画みたいな制作体制かもしれません。
この曲はマリーナ・ショウ(Marlena Shaw)とのデュエットです。
特にAORファンの間で人気の曲です。
同時期のディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)に似たタイプの曲かもしれません。
7位「We All Remember Wes」(アルバム:Weekend in L.A.)

■曲名:We All Remember Wes
■曲名邦題:我等のウェス
■アルバム名:Weekend in L.A.(1978年)
■アルバム名邦題:メローなロスの週末
■動画リンク:「We All Remember Wes」
この曲を書いたのはスティーヴィー・ワンダーですが、スティーヴィーの原曲は存在しません。
元々はスティーヴィーが、ロニー・フォスター(Ronnie Foster)のために書いた曲です。
当時ロニー・フォスターは、ジョージ・ベンソンのバンドのメンバーでした。
ロニーはジョージ・ベンソンがウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)亡き後、ジャズギター界を背負ってほしいと思いを込めて、彼にこの曲を贈ったそうです。
実際ジョージ・ベンソンは、ウェス・モンゴメリーにかなり影響されています。
このアルバムはギタリストとしての彼を堪能するのに最適です。
こういうギターが好きな方は、本家の記事もチェックしてみてください。
ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)の名曲名盤11選
8位「Turn Your Love Around」(アルバム:The George Benson Collection)

■曲名:Turn Your Love Around
■曲名邦題:ターン・ユア・ラヴ
■アルバム名:G.B.Collection(1981年)
■アルバム名邦題:The George Benson Collection
■動画リンク:「Turn Your Love Around」
1980年代に入ると徐々に彼はブラック・コンテンポラリー(ブラコン)色を強めていきました。
ブラコンとは、都会的で落ち着いた大人向けのソウル・ミュージックです。
その路線を代表するのがこの曲。
ちなみにこの曲は、EAST END×YURIの「DA.YO.NE」にサンプリングされたことでも有名です。
あとこのアルバムは、ただのベスト盤ではありません。
新曲の2曲だけでなく、このベスト盤でしか聞けない曲が数多く収録されています。
たとえばこの曲もオリジナル・アルバム未収録曲ですし。
9位「Love Ballad」(アルバム:Livin’ Inside Your Love)

■曲名:Love Ballad
■曲名邦題:愛のバラード
■アルバム名:Livin’ Inside Your Love(1979年)
■アルバム名邦題:インサイド・ユア・ラヴ
■動画リンク:「Love Ballad」
彼のボーカルには必殺技といえる強味があります。
それはスキャット。
スキャットとは「ドゥビドゥビ」などのように擬音で歌うことです。
「楽器のように歌う」と言ってもいいかもしれません。
この曲では彼の奔放なスキャットを堪能することができます。
1:32からのスキャットで彼は珍しく熱唱していますね。
ギターとスキャットのユニゾンは、必殺技のコンボのように破壊力満点です。
10位「Flute Song」(アルバム:Benson & Farrell)

■曲名:Flute Song
■曲名邦題:地平線のかなたに
■アルバム名:Benson & Farrell(1976年)
■アルバム名邦題:ベンソン&ファレル
■動画リンク:「Flute Song」
このアルバムはジョー・ファレル(Joe Farrell)との共同名義です。
ジョー・ファレルはサックス/フルート・プレイヤーですが、ここではフルートを演奏しています。
このアルバムはCTIから発売されました。
CTI時代の彼は路線が定まらず迷走していた印象があります。
ただそんな時期でも彼のギターは常に聞きごたえがありました。
たとえばこの曲などはいかがでしょうか。
特に1:36からが聞きもので、今回取り上げた中でも特に野性味のある演奏かもしれません。
余裕たっぷりの後年の演奏とはまた違った魅力があります。
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