今回はピーター・ガブリエルのランキングを作成しました。
ただしテーマに沿った曲だけ限定にしました。
この記事のテーマは「癒し」です。
そのため代表曲「ビコ(Biko)」「ショック・ザ・モンキー(Shock the Monkey)」「スレッジハンマー(Sledgehammer)」を選んでいません。
深く静かに心を揺さぶる曲を選んでみました。
- 1 1位「Don’t Give Up」(アルバム:So)
- 2 2位「Sky Blue」(アルバム:Up)
- 3 3位「Washing of the Water」(アルバム:Us)
- 4 4位「Solsbury Hill」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
- 5 5位「Here Comes the Flood」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
- 6 6位「Home Sweet Home」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
- 7 7位「White Shadow」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
- 8 8位「The Power of Heart」(アルバム:Scratch My Back)
- 9 9位「Wallflower」(アルバム:Peter Gabriel/Security)
- 10 10位「Lead a Normal Life」(アルバム:Peter Gabriel/Melt)
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1位「Don’t Give Up」(アルバム:So)
■曲名:Don’t Give Up
■曲名邦題:ドント・ギヴ・アップ
■アルバム名:So(1986年)
■アルバム名邦題:So
■動画リンク:「Don’t Give Up」
この曲はケイト・ブッシュ(Kate Bush)とのデュエットです。
ピーター・ガブリエルはこの曲以外にも「ゲームス・ウィズアウト・フロンティアーズ(Games Without Frontiers)」でも、彼女とデュエットしています。
ケイト・ブッシュについては、以下の記事を書きました。
この曲の彼女の歌は気高く透き通っていて、まさに女神といった感じがします。
一方ピーター・ガブリエルは、この曲で悩む人を演じています。
我々は戦うこと、そして勝つようにと教えられてきた。しかしそれでも挫折することもあると。
しかしそんな彼にケイト・ブッシュが語りかけています。
あきらめないでと。
今の自分を恥じることはない。まずは身体を休めてほしい。
そんなあなたにも居場所があるし、あなたには私たちが付いていると。
2位「Sky Blue」(アルバム:Up)
■曲名:Sky Blue
■曲名邦題:スカイ・ブルー
■アルバム名:Up(2002年)
■アルバム名邦題:Up
■動画リンク:「Sky Blue」
もしかしたらこの曲は、大人向きの曲かもしれません。
この曲では、心の内側に秘めた思いがひかえめに表現されています。
この曲に身をゆだねていると、心の中で静かな感動が沸き起ります。
この曲の主人公はふとつぶやきます。「なぜ泣きそうになったんだろう」と。
日々の忙しさに追われ、何気なく空を見上げた時に心にわき起こる様々な思い。
虚空に感情があふれていく。
忙しくて我を忘れている人にこそ聞いていただきたい曲です。
3位「Washing of the Water」(アルバム:Us)
■曲名:Washing of the Water
■曲名邦題:河は流れて
■アルバム名:Us(1992年)
■アルバム名邦題:Us
■動画リンク:「Washing of the Water」
彼の曲の中でも、最もナイーヴでセンチメンタルな曲です。
初期のトム・ウェイツ(Tom Waits)を思わせるところがありますね。
ここには勇ましく社会問題に切り込むピーター・ガブリエルの姿はありません。
この曲の主人公はもし私が川に落ちたら、奥底深くまで飲み込んでほしいと願っています。
先程ご紹介した「Don’t Give Up」でも、失意の主人公が橋の上に立って、川を見下ろすシーンがありました。
彼は水について、全てを洗い流し浄化するものと考えているようです。
4位「Solsbury Hill」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
■曲名:Solsbury Hill
■曲名邦題:ソルスベリー・ヒル
■アルバム名:Peter Gabriel/Car(1977年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 1: Car
■動画リンク:「Solsbury Hill」
ファースト・アルバムの曲です。
シングルチャートで13位と、まずまずのヒットを記録しています。
彼は当時人気だったジェネシス(Genesis)を脱退して、ソロ・デビューしました。
脱退理由は結婚や子どもが生まれたことなど、私生活の変化が背景にあるようです。
当時のジェネシスは難解で濃密でしたが、ソロになって最初のシングルは肩の力が抜けた曲でした。
ちなみに「Solsbury Hill」とはイギリスにある実在の丘のことで、緑豊かな風光明媚な土地です。
当時彼を癒したのはこういう田園風景でした。
5位「Here Comes the Flood」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
■曲名:Here Comes the Flood
■曲名邦題:洪水
■アルバム名:Peter Gabriel/Car(1977年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 1: Car
■動画リンク:「Here Comes the Flood」
Robert Fripp – Here Comes The Flood
初期の彼を代表する曲です。
この曲はロバート・フリップ(Robert Fripp)の「エクスポージャー(Exposure)」にも収録されています。
Robert Fripp – Here Comes the Flood
1:33で劇的に歌い上げるカタルシスは、ピンク・フロイド (Pink Floyd)を思わせます。
この曲の歌詞は、彼の幻視的ヴィジョンを歌った内容です。
彼は神に向かって、あなたは洪水で我々を洗い流そうとしているのかと問いかけています。
ここでも水が出てきましたね。
彼にとって水とは、汚れ穢れを洗い流すものでした。
どうやら彼は水について、破壊をもたらすと一方で救済するものと考えているようです。
洪水は見せかけのものを破壊するけれど、君と僕は残るだろうと。
6位「Home Sweet Home」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
■曲名:Home Sweet Home
■曲名邦題:ホーム・スウィート・ホーム
■アルバム名:Peter Gabriel/Scratch(1978年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 2: Scratch
■動画リンク:「Home Sweet Home」
この時期の彼は新婚で子宝を授かり、幸せの絶頂にありました。
ソロのデビュー・アルバムは7位と好調で、先程ご紹介したシングル「Solsbury Hill」もヒットしました。
幸せいっぱいの彼が、帰るべき我が家を歌ったのがこの曲。
歌詞は主人公がある女性と出会い子供ができて、家を手に入れるまでのドタバタ劇が描かれています。
この人にしては珍しくハッピーの曲かもしれません。
「ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)」の頃のジョン・レノン(John Lennon)にも似た幸福感を感じます。
7位「White Shadow」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
■曲名:White Shadow
■曲名邦題:ホワイト・シャドウ
■アルバム名:Peter Gabriel/Scratch(1978年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 2: Scratch
■動画リンク:「White Shadow」
今回選んだ曲は、一般的な彼のイメージとは異なる曲が多めかもしれません。
この曲も前半は聞きやすいプログレというか、フュージョンっぽい演奏から始まります。
イントロは1分半近くありますが、演奏があまりにすばらしいので、このままボーカルなしでもいいと思えるほど。
この曲については、他の曲と違ってボーカルや歌詞で癒される曲ではありません。
ただひたすら心地よい演奏によって癒される曲です。
あまり知られていないのがもったいないと思い、あえて取り上げることにしました。
この曲は記事でも少し浮き気味かもしれませんが、裏の目玉となる隠れ名曲だと思います。
8位「The Power of Heart」(アルバム:Scratch My Back)
■曲名:The Power of Heart
■曲名邦題:ザ・パワー・オブ・ザ・ハート
■アルバム名:Scratch My Back(2010年)
■アルバム名邦題:スクラッチ・マイ・バック
■動画リンク:「The Power of Heart」
この作品は他の人の曲をカバーした、カバー・アルバムです。
この曲はルー・リード(Lou Reed)が書いた曲です。
歌詞では離婚した男性が元の奥さんにもう一度結婚してほしいと、再びプロポーズしています。
どうやらプロポーズは受け入れられたようで、ハッピーエンドに終わっています。
失ったものを取り戻す原動力、それは心の力。
それがテーマの曲です。
希代のストーリーテラー、ルー・リードらしい曲かもしれません。
原曲のリンクも貼っておきましょう。
Lou Reed – The Power of the Heart
9位「Wallflower」(アルバム:Peter Gabriel/Security)
■曲名:Wallflower
■曲名邦題:ウォールフラワー
■アルバム名:Peter Gabriel/Security(1982年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 4: Security
■動画リンク:「Wallflower」
「Wallflower」とは「壁の花」のこと。
パーティなどで壁際に一人ポツンといる人のことを指す言葉です。
つまり華やかな舞台に参加できていない、仲間外れにされていたり、誰にも相手にされていない人。
この曲は最初とても静かに始まり、盛り上がるまでも時間がかかります。
しかしそれは冷えた身体を暖めるのに時間をかけているみたいなところがあるかもしれません。
彼はこの曲でこう呼びかけています。
君はこのまま消え去ってしまうのかもしれないが、僕はできるだけのことをしてあげたい。
この人のインタビューを読んでいるといつも思いますが、彼は常に弱い人の側に立とうとしています。
彼は成功者でありながら、敗者側の目を併せ持つ人です。
10位「Lead a Normal Life」(アルバム:Peter Gabriel/Melt)
■曲名:Lead a Normal Life
■曲名邦題:リード・ア・ノーマル・ライフ
■アルバム名:Peter Gabriel/Melt(1980年)
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 3: Melt
■動画リンク:「Lead a Normal Life」
最後に個人的に大好きなアンビニエントの曲をご紹介しましょう。
ブライアン・イーノ(Brian Eno)のアンビニエント作品みたいかもしれません。
この曲の歌詞では、ある情景が歌われています。
緑が豊かな中で家族もしくは仲の良い人たちと一緒に、ピクニックをしているようです。
曲名は「普通の暮らしを過ごす」。
普通の生活とは、こういうリラックスして楽しい時間だというメッセージが込められています。
今回ご紹介した中でも、特に鎮静効果の高い曲ではないでしょうか。
働きすぎていたり強いストレス下に置かれている方におすすめしたい曲です。
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