今回はピーター・ガブリエルのランキングを作成しました。
ただしテーマに沿った曲だけ限定にしました。
テーマは「癒し」です。
そのため代表曲「ビコ(Biko)」「ショック・ザ・モンキー(Shock the Monkey)」「スレッジハンマー(Sledgehammer)」が入っていません。
静かに心を揺さぶる曲を中心に選曲してみました。
- 1 1位「Don’t Give Up」(アルバム:So)
- 2 2位「Sky Blue」(アルバム:Up)
- 3 3位「Washing of the Water」(アルバム:Us)
- 4 4位「Solsbury Hill」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
- 5 5位「Here Comes the Flood」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
- 6 6位「Home Sweet Home」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
- 7 7位「White Shadow」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
- 8 8位「The Power of Heart」(アルバム:Scratch My Back)
- 9 9位「Wallflower」(アルバム:Peter Gabriel/Security)
- 10 10位「Lead a Normal Life」(アルバム:Peter Gabriel/Melt)
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1位「Don’t Give Up」(アルバム:So)
■曲名:Don’t Give Up
■曲名邦題:ドント・ギヴ・アップ
■アルバム名:So
■アルバム名邦題:So
■動画リンク:「Don’t Give Up」
この曲はケイト・ブッシュ(Kate Bush)とのデュエットです。
ピーター・ガブリエルはこの曲以外にも「ゲームス・ウィズアウト・フロンティアーズ(Games Without Frontiers)」でも、彼女と共演しています。
そちらの曲もかなり出来が良いので、相性が良いのかもしれません。
この曲での彼女のボーカルは透明で気高く、女神といった感じです。
ピーター・ガブリエルは、悩む人を演じています。
我々は戦うこと、そして勝つようにと教えられてきた。しかしそれでも挫折することがある。
そんな彼にケイト・ブッシュが語りかけています。
あきらめないでと。
今の自分を恥じることはない。まずは身体を休めてほしい。あなたにも居場所がある。
あなたには私たちが付いているのだと。
2位「Sky Blue」(アルバム:Up)
■曲名:Sky Blue
■曲名邦題:スカイ・ブルー
■アルバム名:Up
■アルバム名邦題:Up
■動画リンク:「Sky Blue」
もしかしたらこの曲は、大人向きの曲かもしれません。
心の内側に秘めた思いをひかえめに表現している曲ですから。
この曲に身をゆだねていると、心の内で静かな感動が広がってきます。
この曲の主人公は「なんで泣きそうになったんだろう」と、ふとつぶやきます。
日々の忙しさに追われ、何気なく空を見上げた時に沸き起こる様々な思い。
忙しい人にこそ聞いていただきたい曲です。
3位「Washing of the Water」(アルバム:Us)
■曲名:Washing of the Water
■曲名邦題:河は流れて
■アルバム名:Us
■アルバム名邦題:Us
■動画リンク:「Washing of the Water」
彼の曲の中でも、最もナイーヴでセンチメンタルな曲です。
少し初期のトム・ウェイツ(Tom Waits)を思わせる感じもありますね。
ここには勇ましく社会問題に切り込むピーターの姿はありません。
この曲の主人公は、もし私が川に落ちたら、ずっと奥底まで飲み込んでほしいと願っています。
先程ご紹介した「Don’t Give Up」でも、失意の主人公が橋の上に立って、川を見下ろすシーンがありました。
彼は水について、全てを洗い流し癒しを与えるものとして見ているようです。
4位「Solsbury Hill」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
■曲名:Solsbury Hill
■曲名邦題:ソルスベリー・ヒル
■アルバム名:Peter Gabriel/Car
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 1: Car
■動画リンク:「Solsbury Hill」
彼のファーストアルバムの曲です。
シングルカットされて、13位とまずまずのヒットを記録しています。
彼は当時人気だったジェネシス(Genesis)を脱退して、ソロデビューしました。
脱退理由は、結婚や子どもが生まれたことなど、私生活の変化が背景にあるようです。
当時のジェネシスは少し難解で濃密でしたが、ソロになって最初のシングルは肩の力が抜けたこんな曲でした。
ちなみに「Solsbury Hill」とはイギリスにある実在の丘のことで、緑豊かな風光明媚な土地です。
彼を癒した場所について歌ったのがこの曲。
曲名で画像検索すると、田園風景の写真がたくさん出てきます。
5位「Here Comes the Flood」(アルバム:Peter Gabriel/Car)
■曲名:Here Comes the Flood
■曲名邦題:洪水
■アルバム名:Peter Gabriel/Car
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 1: Car
■動画リンク:「Here Comes the Flood」
初期の彼を代表する曲で、ロバート・フリップ(Robert Fripp)の「エクスポージャー(Exposure)」にも収録されていました。
1:33で劇的に歌い上げる展開では、ピンク・フロイド (Pink Floyd)っぽいカタルシスが味わえます。
この曲の歌詞は、彼の幻視的ヴィジョンを歌った内容です。
彼は神に向かって洪水で我々を洗い流そうとしているのかと問いかけています。
ここでも水が出てきましたね。
彼にとって水とは、汚れ穢れを洗い流すものでした。
洪水に対して怖いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、彼は破壊をもたらす一方で、救済するものとして描いています。
洪水は見せかけのものを破壊してしまうかもしれないけれど、君と僕は残るのだと。
6位「Home Sweet Home」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
■曲名:Home Sweet Home
■曲名邦題:ホーム・スウィート・ホーム
■アルバム名:Peter Gabriel/Scratch
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 2: Scratch
■動画リンク:「Home Sweet Home」
この時期のピーターガブリエルは、新婚で更には子宝を授かり、幸せの絶頂にありました。
ソロのデビューアルバムは7位と好調で、先程ご紹介した「Solsbury Hill」もヒットしました。
幸せいっぱいの彼が、帰るべき我が家を歌ったのがこの曲。
歌詞を読むと、主人公はある女性と出会い子供が出来て、家を手に入れるまでのドタバタ劇が描かれています。
この人にしては珍しくハッピーな曲かもしれません。
「ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)」の頃のジョン・レノン(John Lennon)を思わせるような、幸せを感じさせてくれます。
後半に入るサックスなども、まるでシティポップのように軽快ですし。
7位「White Shadow」(アルバム:Peter Gabriel/Scratch)
■曲名:White Shadow
■曲名邦題:ホワイト・シャドウ
■アルバム名:Peter Gabriel/Scratch
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 2: Scratch
■動画リンク:「White Shadow」
今回選んだ曲は、一般的な彼のイメージから外れる曲が多いかもしれません。
この曲も前半は聞きやすいプログレといいますか、フュージョンみたいな演奏から始まります。
1分半近くイントロが続きますが、演奏があまりにすばらしいので、このままボーカルなしでもいいと思えるぐらいです。
この曲については、他の曲と違ってボーカルとか歌詞で癒される曲ではありません。
ただひたすら心地よい演奏によって癒される曲です。
あまり知られていないのがもったいないと思い、あえて取り上げることにしました。
この曲はランキングの中でも少し浮き気味ですが、裏の目玉となる曲だと思います。
8位「The Power of Heart」(アルバム:Scratch My Back)
■曲名:The Power of Heart
■曲名邦題:ザ・パワー・オブ・ザ・ハート
■アルバム名:Scratch My Back
■アルバム名邦題:スクラッチ・マイ・バック
■動画リンク:「The Power of Heart」
このアルバムは他の人の曲をカバーした、カバーアルバムです。
この曲はルー・リード(Lou Reed)が書いた曲です。
歌詞では、一度離婚した男性が元の奥さんにもう一度結婚してほしいと、再びプロポーズしています。
どうやらプロポーズは受け入れられたようで、ハッピーエンドに終わっています。
失ったものを取り戻す原動力、それは心の力。
そういうテーマの曲です。
希代のストーリーテラーであるルー・リードらしい曲かもしれません。
9位「Wallflower」(アルバム:Peter Gabriel/Security)
■曲名:Wallflower
■曲名邦題:ウォールフラワー
■アルバム名:Peter Gabriel/Security
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 4: Security
■動画リンク:「Wallflower」
「Wallflower」とは「壁の花」のこと。
パーティなどで壁際に一人ポツンといる人のことを指す言葉です。
つまり華やかな舞台に参加できていない、仲間外れにされていたり、誰にも相手にされていない人という意味。
この曲は最初とても静かな始まり方をしますし、盛り上がるまで時間がかかります。
しかしそれは冷えた身体を暖めるのに時間をかけているようなところがあるかもしれません。
彼はこの曲でこう呼びかけています。
君はこのまま消え去ってしまうのかもしれないが、僕はできるだけのことをしてあげたいと。
この人のインタビューを読んでいるといつも思いますが、彼は常に弱い人の側に立とうとしています。
彼は成功者でありながら、敗者側の目を併せ持つ人だと思います。
10位「Lead a Normal Life」(アルバム:Peter Gabriel/Melt)
■曲名:Lead a Normal Life
■曲名邦題:リード・ア・ノーマル・ライフ
■アルバム名:Peter Gabriel/Melt
■アルバム名邦題:Peter Gabriel 3: Melt
■動画リンク:「Lead a Normal Life」
最後にアンビニエントな曲をご紹介しましょう。
ブライアン・イーノ(Brian Eno)のアンビニエント作品みたいかもしれません。
この曲の歌詞では、ある情景が歌われています。
緑が豊かな中で家族もしくは仲の良い人たちと一緒に、ピクニックをしているようです。
この曲名は「普通の暮らしを過ごす」です。
普通の生活とは、こういうリラックスして楽しい時間であるべきではないかというメッセージが込められています。
この曲は今回ご紹介した中でも、最も鎮静効果の高い曲でしょう。
働きすぎていたり、強いストレス下に置かれている方には、この曲を一番におすすめします。
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