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ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)の名曲名盤11選【代表曲・隠れた名曲】

今回はウェス・モンゴメリーのランキングを作成しました。

彼は史上最高のジャズ・ギタリストの1人だと言われています。

オクターブ奏法で知られている人ですが、その切り口だけで語ることはできません。

この記事ではウェスの多彩な魅力に焦点を当ててみました。

文章を動画にしたYoutubeラジオもご用意しています。

 

1位「No Blues」(アルバム:Smokin’ at the Half Note)

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■曲名:No Blues
■曲名邦題:ノー・ブルース
■アルバム名:Smokin’ at the Half Note(1965年)
■アルバム名邦題:ハーフノートのウェスモンゴメリーとウイントンケリー
■動画リンク:「No Blues」

このアルバムはウィントン・ケリー(Wynton Kelly)のピアノ・トリオに、ウェスが加わった4人編成です。

A面がライブ録音、B面がスタジオ録音という二部構成になっています。

ライブ・アルバムらしいアルバム名ですが、ライブ録音はA面の2曲だけなのですね。

「Smokin’ At The Half Note Vol. 2」という続編っぽいアルバムもありますが、そちらは全編でハーフノートのライブ演奏が収録されています。

ただこのアルバムとはA面の2曲が重複していて、正確には続編ではありません。

こちらのスタジオ録音も名演ぞろいですので、ファンならば2枚とも買わざるを得ません。

ハーフノートの音源は、他にも「Willow Weep For Me」など、様々な作品に分散して収録されています。

その中で、特に名演と名高いのがこの曲。

ウェスについては、とかくオクターブ奏法ばかりで説明されがちかもしれません。

しかしこの曲では効果的にコード奏法を織り交ぜていますね。

あとこの曲の作曲者はマイルス・デイヴィス(Miles Davis)ですが、ブルースなのに「ブルースではない」という曲名とは、いかにもマイルスらしい感じがします。

 

2位「Impressions」(アルバム:Complete Live in Paris 1965)

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■曲名:Impressions
■曲名邦題:インプレッションズ
■アルバム名:Complete Live in Paris 1965(2003年)
■動画リンク:「Impressions」

私が長年ウェスの最高傑作だと思っていたのは、先程ご紹介した「Smokin’ at the Half Note」です。

しかしその後、それを上回るライブ盤があるという話を聞きました。

それが「ソリチュード ~ライブ・イン・パリ(Solitude Complete Live in Paris)」というアルバムです。

「Complete」とありますが、そのアルバムはコンプリート盤ではありません。

その後真の意味でコンプリート盤としてリリースされたのが、こちらの「Complete Live in Paris 1965」です。

初めて聞いた時、私は本当に驚きました。

通常は死後発表された作品が、最高傑作になることはほとんどありません。

しかしこのライブ・アルバムは最高傑作と呼ぶにふさわしい、実に堂々たる内容です。

この曲は、モード奏法の金字塔として知られるジョン・コルトレーン(John Coltrane)がオリジナルです。

ここでのウェスは鬼気迫る演奏を聞かせてくれました。

思い出補正がなければ「No Blues」を差し置いて、この曲を1位にしたかもしれません。

 

3位「Fly Me to the Moon」(アルバム:Road Song)

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■曲名:Fly Me to the Moon
■曲名邦題:フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
■アルバム名:Road Song(1968年)
■アルバム名邦題:ロード・ソング
■動画リンク:「Fly Me to the Moon」

バロック調のイントロは、お好みに合わなければ27秒まで飛ばしてください。

この頃のウェスはA&M/CTIレーベルから、イージーリスニング系の作品をリリースしていました。

この曲の室内楽的なアレンジも、白人中間層に向けたものだといえるでしょう。

しかしウェスの演奏に関しては、イージーリスニングでもいつも通りの演奏をしています。

思えばウェスはデビュー時からそういう面を合わせ持っていました。

初リーダー作「ザ・ウェス・モンゴメリー・トリオ(The Wes Montgomery Trio)」にも、イージーリスニングっぽい曲が入っています。

自分の音楽性を曲げているわけではないのですね。

さてこの演奏を聞くと、ウェスのギターが跳ねている感じがしないでしょうか。

私なりの言い方をすると、この跳ね感が彼の特徴の1つだと思っています。

ライブでの野性的な演奏でも、この跳ね感が独特の躍動感を生んでいます。

ウェスの演奏にはイージーリスニング的な素養と野性味あふれる演奏、その両者が違和感なく同居していました。

 

4位「Stablemates」(アルバム:Bags Meets Wes)

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■曲名:Stablemates
■曲名邦題:ステイブルメイツ
■アルバム名:Bags Meets Wes(1962年)
■アルバム名邦題:バグス・ミーツ・ウェス
■動画リンク:「Stablemates」

ウェスは安定して質の高さを維持していました。

好不調の波が少なく、好みの問題はあってもつまらないと思うアルバムはありません。

最低ラインが高いといえるでしょう。

しかし同時に上限が高くて、好調時にはまさに天井知らずでした。

特に相性が良い共演者を得た時には、汲めども尽きせぬ豊かなフレーズを連発して、リスナーを圧倒しました。

一例としてこのミルト・ジャクソン(Milt Jackson)と共演した、この曲をお聞きください。

ミルトのヴィブラフォンとウェスのギターが、スパークリング・ワインのようにはじけています。

ピアノのウィントン・ケリを含めて、全員ソウルフルなことこの上ありません。

ジャズ入門者の方におすすめしたい曲です。

 

5位「Airegin」(アルバム:The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery)

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■曲名:Airegin
■曲名邦題:エアジン
■アルバム名:The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery(1960年)
■アルバム名邦題:インクレディブル・ジャズ・ギター
■動画リンク:「Airegin」

この曲はソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)が書いたジャズ・スタンダード。

「Airegin」という曲名は、ナイジェリア(Nigeria)の綴りを逆読みにしたものです。

アルバム名は「ウェス・モンゴメリーの信じられないほど(すばらしい)ジャズ・ギター」という意味です。

このアルバムは2作目ですが、彼は最初から完成の域に達していたことが分かります。

ウェスはアメリカのインディアナポリスで生まれました。

彼は20歳の頃に結婚しましたが、ギターを始めたのも同じ頃ですから、大人になってからギターを始めたのですね。

当時彼は7人の子供を養うために、溶接工として働いていました。

しかしその後彼は音楽の道に進みたいと思うようになり、1957年には兄弟と一緒にモンゴメリー・ブラザーズ(Montgomery Brothers)を結成し、デビューを果たしています。

その後1960年にこの作品で一躍脚光を浴びました。

彼はこのアルバムで高く評価され、1960年メトロノーム誌の読者投票で、ギター部門の第2位を獲得しました。

 

6位「California Nights」(アルバム:A Day in the Life)

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■曲名:California Nights
■曲名邦題:カリフォルニア・ナイツ
■アルバム名:A Day in the Life(1967年)
■アルバム名邦題:ア・デイ・イン・ザ・ライフ
■動画リンク:「California Nights」

イージーリスニング時代の最高傑作と名高いアルバムです。

ウェスは作品のアベレージが高いのが特徴ですが、中でもこのアルバムは突出した人気作です。

人気の秘密は、印象的なアルバム・ジャケットと、ビートルズ(The Beatles)のカバー曲の存在が大きかったかもしれません。

ビートルズの曲は、アルバム・タイトルの「A Day in the Life」と「Eleanor Rigby」の2曲が取り上げられています。

「Eleanor Rigby」のリンクを貼っておきましょう。

Wes Montgomery – Eleanor Rigby

さてそれらを差し置いて選んだ「California Nights」は、レスリー・ゴーア(Lesley Gore)のヒット曲のカバーです。

当時この種のアルバムは、いかに白人に受け入れられるかが重要でした。

この選曲は、プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)が提案したのかもしれません。

ドン・セベスキー(Don Sebesky)が手がけた、淡いホーン・アレンジも光っています。

 

7位「Four on six」(アルバム:Complete Live in Paris 1965)

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■曲名:Four on six
■曲名邦題:フォー・オン・シックス
■アルバム名:Complete Live in Paris 1965(2003年)
■動画リンク:「Four on six」

この曲は「Smokin’ at the Half Note」に収録されているスタジオ・バージョンが定番です。

しかし私はこちらのバージョンの方を推します。

この曲はウェスが書きました。

彼は初リーダー作でも「ミサイル・ブルース(Missile Blues)」と「ジングルズ(Jingles)」を作曲しています。

このライブ音源は、元々「ORTF」というフランスの国営放送が所有していたものです。

それをBYGというフランスのジャズ・レーベルが買い取り、フランスでリリースしようとしました。

しかし何らかの事情でそれが実現せず、1973年日本でライセンスを取得した東宝芸音がリリースしたのが「Solitude Complete Live in Paris」。

しかしあまりの評判の良さに、更に曲を追加して再発したのが、この「Complete Live in Paris 1965」です。

「Solitude Complete Live in Paris」にあった曲名の記載間違いが、後者のコンプリート盤では正しい表記に訂正されています。

 

8位「Twisted Blues」(アルバム:So Much Guitar!)

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■曲名:Twisted Blues
■曲名邦題:ツイステッド・ブルース
■アルバム名:So Much Guitar!(1961年)
■アルバム名邦題:ソー・マッチ・ギター!
■動画リンク:「Twisted Blues」

ウェスについては、初期のリバーサイド(Riverside)時代を好む人と、後期のイージーリスニング時代が良いと言う人に分かれます。

ただ玄人の方ほど、リバーサイド時代を評価しているかもしれません。

さてこのブルースの曲については、シングル・ノートの演奏に注目してお聞きください。

ウェスの演奏については、まずオクターブ奏法、次にコード奏法が話題になりますが、単音でメロディを弾く面についてはあまり触れられません。

しかしこの曲はいかがでしょうか。

31秒ぐらいから彼のアドリブが始まりますが、単音でもすばらしい演奏を披露しています。

この人はコード奏法でもオクターブ奏法でもシングルノートでも、何でもできる人なのですね。

そういえば、ウェスに影響を与えたチャーリー・クリスチャン(Charlie Christian)は、シングルノートの達人でした。

この曲ではチャーリー・クリスチャン直系のすばらしい演奏を聞かせてくれます。

 

9位「Blue ‘n’ Boogie」(アルバム:Full House)

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■曲名:Blue ‘n’ Boogie
■曲名邦題:ブルーン・ブギ
■アルバム名:Full House(1962年)
■アルバム名邦題:フル・ハウス
■動画リンク:「Blue ‘n’ Boogie」

このアルバムには、テナー・サックス奏者のジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)が参加しています。

テーマの後、33秒からウェスのソロが始まりますが、そこの入り方がいいですね。

その後4:37から、グリフィンのアドリブが始まります。

この曲でのグリフィンの演奏はとてもすばらしく、適度に熱くリラックスした演奏が絶品です。

このアルバムは、カルフォルニアのバークレーにあるライブ・ハウスで収録されました。

後に名盤「Smokin’ at the Half Note」を生んだ、以下のメンバーとの初共演でした。

・ウィントン・ケリー(Wynton Kelly):ピアノ
・ポール・チェンバース(Paul Chambers):ベース
・ジミー・コブ(Jimmy Cobb):ドラム

3人はマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の仕事で有名ですが、ウェスとも相性が抜群でした。

そのメンバーをそろえたプロデューサーのオリン・キープニュース(Orrin Keepnews)の貢献は、とても大きかったと思います。

 

10位「Canadian Sunset」(アルバム:Boss Guitar)

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■曲名:Canadian Sunset
■曲名邦題:カナディアン・サンセット
■アルバム名:Boss Guitar(1963年)
■アルバム名邦題:ボス・ギター
■動画リンク:「Canadian Sunset」

ウェスの枕詞のように言われるオクターブ奏法とは、ある音とその1オクターブ上の音を同時に鳴らすこと。

といっても感覚的によく分からないかもしれません。

ざっくり言えば、2本のギターがハモっている感じといいますか、同じフレーズを重ねて弾いている感じ。

その例として、この曲を最初から聞いてみてください。

ギターの音が重なっているように感じられないでしょうか。

少なくとも単音弾きではないだろうと。

そう感じたところがオクターブ奏法です。

彼のギターの音色はクリアーなトーンが多いのですが、それだけでなくオクターブ奏法によって音にふくらみが出ています。

 

11位「Sunny」(アルバム:California Dreaming)

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■曲名:Sunny
■曲名邦題:サニー
■アルバム名:California Dreaming(1966年)
■アルバム名邦題:夢のカリフォルニア
■動画リンク:「Sunny」

彼はこのあたりからイージーリスニング色を強めました。

彼のイージーリスニング・アルバムには、以下のような特徴があります。

・クラシックっぽいアレンジ
・おしゃれで洗練されたアルバム・ジャケット
・ジャズ・スタンダードではなく、ロック・ポップスの曲をカバー

この曲のオリジナルは、ボビー・ヘブ(Bobby Hebb)の有名曲です。

彼は譜面が読めなかったそうですが、こういうアレンジされた曲でも問題ありませんね。

ちなみに彼はピックを使わず、親指でギターを弾いています。

そのためアタックが柔らかいのですが、そういうところもイージーリスニング向きかもしれません。

さて当時絶頂期を迎えていたウェスですが、2年後の1968年、45歳の若さでこの世を去りました。

死因は心臓発作。

実質的な活動期間は10年ぐらいですから、それほど長い活動期間とはいえません。

しかし彼が後世に与えた影響は大きく、discovermusic.jpの「史上最高のジャズ・ギタリストBEST50」では1位に輝いています。

彼は大人になってからギターを始めた人の希望の星です。

彼の演奏は人を選ばない一方、決して無難にならず、安定してずば抜けた演奏を聞かせてくれました。

ジャズ史に残る、まさに不世出のギタリストといえるでしょう。

 

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