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フォープレイ(Fourplay)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はフォープレイのランキングを作成しました。

彼らはスムースジャズのグループです。

フュージョンの達人たちによる真に大人の音楽です。

スムースですが、スムースなだけではない奥深い魅力をご堪能ください。

 

1位「Snowbound」(アルバム:Snowbound)

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■曲名:Snowbound
■曲名邦題:スノーバウンド
■アルバム名:Snowbound
■アルバム名邦題:スノーバウンド
■動画リンク:「Snowbound」

ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)の曲のカバーです。

オリジナルも名曲ですが、私はこちらに軍配を挙げたいと思います。

比較できるよう、原曲のリンクを貼っておきましょう。

Donald Fagen – Snowbound

フォープレイの方では、ラリー・カールトン(Larry Carlton)がギターを弾いています。

彼はドナルド・フェイゲンが在籍していたバンド、スティーリー・ダン(Steely Dan)で、時々ゲストでギターを弾いていた人。

そのせいかスティーリー・ダンっぽい感じがしないでもありません。

このグループは演奏の平均点が高いので、どれが1位か決めがたいところがあります。

彼らの場合演奏が良いのは当たり前なので、曲の良し悪しが決め手になります。

その点この曲は、楽曲の質としては申し分ありません。

ただ原曲は洗練されすぎているせいか、演奏面では少し物足りないところがあります。

私は含蓄が感じられるこのカバーの方が好みです。

 

2位「The Ivy Variations」(アルバム:Snowbound)

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■曲名:The Ivy Variations
■曲名邦題:アイヴィー・ヴァリエーションズ
■アルバム名:Snowbound
■アルバム名邦題:スノーバウンド
■動画リンク:「The Ivy Variations」

どことなくウィンダム・ヒルっぽい曲です。

ジョージ・ウィンストン(George Winston)の「オータム(Autumn)」の収録曲みたいではないでしょうか。

曲を書いたのはボブ・ジェームスで、そのせいか彼のピアノが躍動しています。

ちなみにこのアルバムは冬をテーマにしていて、クリスマス・ソングも数曲収録されています。

ほぼクリスマス・アルバムといっていいかもしれません。

クリスマス・アルバムと聞くと、普段聞くアルバムではないように感じるかもしれませんが、その点この作品は問題ありません。

クリスマス関係なくすばらしい作品ですから。

彼らの音楽は、とても良いBGMになります。

ただ流しているだけでも機能しますし、聞くシーンを選びません。

それでいて聞き流していても耳に留まる瞬間がありますし。

邪魔にならないのに上質であるという、ありそうで無い音楽だと思います。

 

3位「The Closer I Get to You」(アルバム:Elixir)

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■曲名:The Closer I Get to You
■曲名邦題:クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー(私の気持ち)
■アルバム名:Elixir
■アルバム名邦題:エリクシール
■動画リンク:「The Closer I Get to You」

こちらはボーカル曲です。

オリジナルは、ロバータ・フラック(Roberta Flack)とダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)のデュエット曲です。

こちらのカバーでは、パティ・オースティン(Patti Austin)とピーボ・ブライソン(Peabo Bryson)が歌っています。

原曲に近い人選かもしれません。

彼らはカバー曲が多いですが、原曲のメロディを忠実に再現することが多いです。

自分なりの解釈にこだわる人は、よくメロディを崩して歌うものです。

しかしオリジナルを超えるケースは、ほとんどありません。

その点彼らは素材の良さを活かすよう徹していて、音楽にエゴを感じることがありません。

それでも良い音楽に仕上げられる自信の表れでしょうか。

そういうところからも、大人の音楽という感じがします。

 

4位「Someone to Love」(アルバム:4)

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■曲名:Someone to Love
■曲名邦題:サムワン・トゥ・ラヴ
■アルバム名:4
■アルバム名邦題:4
■動画リンク:「Someone to Love」

ここからギターがラリー・カールトンに替わりました。

このアルバムでは「セクシャル・ヒーリング(Sexual Healing)」のカバーが話題になりました。

しかし私が選んだのは、ベイビーフェイス(Babyface)が歌ったこの曲です。

メロウな曲のシンガーとしては、これ以上の人選は望めないかもしれません。

ベイビーフェイスとフォープレイは、持ち味が少し似ているように思います。

どちらも表面的には薄味に聞こえるかもしれません。

しかし薄めであっても、出汁が利いている感じといいますか。

両者の持ち味が似ているせいか、この曲はベイビーフェイスとフォープレイの個性が、重なりつつも相乗効果を生んでいます。

この曲には女性ボーカルも入っています。

クレジットを見ると、シャイニース・ウィルソン(Shanice Wilson)となっていて、最初は誰だろうと思いました。

調べたところ「アイ・ラヴ・ユア・スマイル(I Love Your Smile)」のヒットで有名なシャイニースなのですね。

 

5位「Play Lady Play」(アルバム:Elixir)

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■曲名:Play Lady Play
■曲名邦題:プレイ・レディ・プレイ
■アルバム名:Elixir
■アルバム名邦題:エリクシール
■動画リンク:「Play Lady Play」

このバンドはデビュー以来、ギター以外のメンバーが同じです。

ギター以外のメンバーを挙げておきましょう。

・ボブ・ジェームス(Bob James):ピアノ、キーボード
・ネイザン・イースト(Nathan East):ベース、時々ボーカル
・ハーヴィー・メイソン(Harvey Mason):ドラム

このバンドを最初聞いた時、明らかにボブ・ジェームス主導の音楽だと思いました。

実際に結成のきっかけは、ボブのアルバムのレコーディングです。

1990年、ボブ・ジェームスのリーダー・アルバム『グランド・ピアノ・キャニオン』にて、リー・リトナー、ネイザン・イースト、ハービー・メイソンを加えた4人で揃ってセッションを行い意気投合しグループを結成した。

フォープレイ ウィキペディア

ただハーヴィーの貢献を軽視することはできません。

ハーヴィー・メイソンは、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)などのバンドで活躍した人で、簡素で趣味の良いドラマーです。

シンプルなグルーヴをキープすることに関しては、最高峰のドラマーといっていいでしょう。

この曲は比較的アップテンポな曲で、ハーヴィーの持ち味が良く出ています。

 

6位「Between the Sheets」(アルバム:Between the Sheets)

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■曲名:Between the Sheets
■曲名邦題:ビトゥイーン・ザ・シーツ
■アルバム名:Between the Sheets
■アルバム名邦題:ビトゥイーン・ザ・シーツ
■動画リンク:「Between the Sheets」

アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)のカバー曲です

ボーカルは、チャカ・カーン(Chaka Khan)とベースのネイザン・イースト(Nathan East)です。

少々ブラック・コンテンポラリーっぽい曲かもしれません。

ネイサンはアルバムで時々歌っていますが、シンガーとしてもかなりの実力者です。

彼のボーカル曲では、以下の曲もおすすめです。

Fourplay – Journey

ネイザンはエリック・クラプトン(Eric Clapton)と共演したことで知られています。

そのせいか上の曲はエリック・クラプトン激似ですね(笑)

フュージョンのアルバムは、ボーカル曲の有無で売れ行きがかなり違うそうです。

そのためフュージョンのバンドはゲスト・ボーカルを招くことが多いのですが、ライブを考えるとメンバーにシンガーがいた方が好都合です。

その点ネイザンはボーカリストとベーシスト、どちらでもできましたし共に一流です。

彼のユーティリティ性は、このグループが成功した大きな要因かもしれません。

 

7位「Let’s Make Love」(アルバム:Heartfelt)

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■曲名:Let’s Make Love
■曲名邦題:レッツ・メイク・ラヴ
■アルバム名:Heartfelt
■アルバム名邦題:ハートフェルト
■動画リンク:「Let’s Make Love」

再度ベイビーフェイスのボーカル曲です。

本当に両者は相性がいいですね。

お互いの持ち味をすり合わせただけで、自然と名曲が出来上がります。

さて彼らの最高傑作として取り上げられるのは、1枚目か2枚目という声が多いように思います。

フュージョン名盤の企画記事で、その2枚以外が取り上げられているのを見たことがありません。

しかし私はそれ以降も、同等かそれ以上にすばらしいと思っています。

彼らの音楽はスムースジャズと呼ばれています。

スムースジャズはフュージョンの一種ですが、より聞き心地の良さを追求した音楽。

刺激よりも、スムースさに特化した音楽といえるかもしれません。

フォープレイはその代表格ですが、問題はマンネリになりがちだということです。

しかし彼らはこのアルバムで、マイナーチェンジを試みています。

スムースであるよりも、より明快でポップな楽曲が増えました。

もしこの曲が気に入ったら、このアルバムから聞いてみるといいと思います。

 

8位「101 Eastbound」(アルバム:Fourplay)

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■曲名:101 Eastbound
■曲名邦題:101・イーストバウンド
■アルバム名:Fourplay
■アルバム名邦題:フォープレイ
■動画リンク:「101 Eastbound」

ファースト・アルバムの曲です。

彼らは穏やかでなお且つ成熟したサウンドで、シーンに衝撃を与えました。

ここまでスムースにしてもいいというような。

確信を持ってスムースな音楽をやっているというような、ある種の潔さを感じます。

そのせいかこのアルバムは、セールス面でも大きな成功を収めました。

このアルバムは、ビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで33週間1位を記録した。

フォープレイ ウィキペディア

このアルバムは100万枚以上を売り上げ、この種の音楽としては異例の大ヒットとなりました。

この曲はリー・リトナー(Lee Ritenour)色が強く、初期を代表する名演になりました。

同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。

Fourplay – Bali Run

リー・リトナーとラリー・カールトンは、ギタリストとしては互角だと思います。

しかしリーの方がこのグループの一体感に向いていたかもしれません。

その点ラリーは他のメンバーと異なる方向性の個性があって、3人とラリーみたいな感じになります。

リー在籍時のまとまりの良さを取るか、ラリーの個性を取るか、どちらも捨てがたいです。

 

9位「Be My Lover」(アルバム:X)

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■曲名:Be My Lover
■曲名邦題:ビー・マイ・ラヴ
■アルバム名:X
■アルバム名邦題:X
■動画リンク:「Be My Lover」

この曲では、ミッシェル・ピラー(Michele Pillar)がボーカルを務めています。

ただ彼らの曲でよくあるように、しっかり歌うのではなく、アレンジの一部にボーカルが参加しているような印象を受けます。

「X」とある通り「The Best of Fourplay」を含めて、10枚目のアルバムです。

一区切りといっていい作品ではないでしょうか。

その後も彼らは良い作品を世に送り出していますが、その間にいくつか紆余曲折がありました。

2010年ラリー・カールトンからチャック・ローブ (Chuck Loeb)に、ギターが交代しました。

「レッツ・タッチ・ザ・スカイ(Let’s Touch the Sky)」からは、チャックがギターを弾いています。

しかしチャックは2017年に悪性腫瘍で亡くなり、その後ラリーが復帰して現在に至ります。

現在ボブ・ジェームスは81歳になり、活動のペースが落ちてきました。

2015年に「Silver」をリリースしてから、オリジナル・アルバムが発表されていません。

 

10位「Free Range」(アルバム:Yes, Please!)

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■曲名:Free Range
■曲名邦題:フリー・レンジ
■アルバム名:Yes, Please!
■アルバム名邦題:イエス、プリーズ!
■動画リンク:「Free Range」

アルバム・ジャケットがヴィーナス・レコードみたいですね。

アメリカは国土が広いせいか、日本よりもラジオが人気だと聞いたことがあります。

車の移動中にラジオを聞く人が多いと。

またアメリカには大人向けの音楽を流すラジオ局が多いそうです。

それらのラジオ局では、エリック・クラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド(Change the World)」のような曲が好まれているのだとか

フォープレイも、そういうラジオ局で重宝されているようです。

確かに彼らの音楽は聞き心地が良いといえるでしょう。

ただ彼らの音楽は「神は細部に宿る」という言葉を想起させます。

酸いも甘いも噛み分けた達人たちが醸すその音楽は、薄味でも複雑且つ繊細な料理、たとえば懐石料理の汁物みたいなところがあります。

しかしそれだけではありません。

彼らの音楽は隠し味として人間らしい体温が感じられて、時にはその人間らしさが主役になることも。

たとえばこの曲などはいかがでしょう。

4:10あたりから始まるギターとスキャットは、実にヒューマンな響きがあります。

広大なハイウェイでこんな曲が流れてきたら、さぞかし快適なドライブになることでしょう。

 

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