今回はフォープレイのランキングを作成しました。
彼らはスムースジャズのグループです。
フュージョンの達人たちによる真に大人の音楽です。
スムースですが、スムースなだけではない奥深い魅力をご堪能ください。
- 1 1位「Snowbound」(アルバム:Snowbound)
- 2 2位「The Ivy Variations」(アルバム:Snowbound)
- 3 3位「The Closer I Get to You」(アルバム:Elixir)
- 4 4位「Someone to Love」(アルバム:4)
- 5 5位「Play Lady Play」(アルバム:Elixir)
- 6 6位「Between the Sheets」(アルバム:Between the Sheets)
- 7 7位「Let’s Make Love」(アルバム:Heartfelt)
- 8 8位「101 Eastbound」(アルバム:Fourplay)
- 9 9位「Be My Lover」(アルバム:X)
- 10 10位「Free Range」(アルバム:Yes, Please!)
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1位「Snowbound」(アルバム:Snowbound)
■曲名:Snowbound
■曲名邦題:スノーバウンド
■アルバム名:Snowbound
■アルバム名邦題:スノーバウンド
■動画リンク:「Snowbound」
ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)の曲のカバーです。
オリジナルも名曲ですが、私はこちらに軍配を挙げたいと思います。
比較できるよう、原曲のリンクを貼っておきましょう。
フォープレイの方では、ラリー・カールトン(Larry Carlton)がギターを弾いています。
彼はドナルド・フェイゲンが在籍していたバンド、スティーリー・ダン(Steely Dan)で、時々ゲストでギターを弾いていた人。
そのせいかスティーリー・ダンっぽい感じがしないでもありません。
このグループは演奏の平均点が高いので、どれが1位か決めがたいところがあります。
彼らの場合演奏が良いのは当たり前なので、曲の良し悪しが決め手になります。
その点この曲は、楽曲の質としては申し分ありません。
ただ原曲は洗練されすぎているせいか、演奏面では少し物足りないところがあります。
私は含蓄が感じられるこのカバーの方が好みです。
2位「The Ivy Variations」(アルバム:Snowbound)
■曲名:The Ivy Variations
■曲名邦題:アイヴィー・ヴァリエーションズ
■アルバム名:Snowbound
■アルバム名邦題:スノーバウンド
■動画リンク:「The Ivy Variations」
どことなくウィンダム・ヒルっぽい曲です。
ジョージ・ウィンストン(George Winston)の「オータム(Autumn)」の収録曲みたいではないでしょうか。
曲を書いたのはボブ・ジェームスで、そのせいか彼のピアノが躍動しています。
ちなみにこのアルバムは冬をテーマにしていて、クリスマス・ソングも数曲収録されています。
ほぼクリスマス・アルバムといっていいかもしれません。
クリスマス・アルバムと聞くと、普段聞くアルバムではないように感じるかもしれませんが、その点この作品は問題ありません。
クリスマス関係なくすばらしい作品ですから。
彼らの音楽は、とても良いBGMになります。
ただ流しているだけでも機能しますし、聞くシーンを選びません。
それでいて聞き流していても耳に留まる瞬間がありますし。
邪魔にならないのに上質であるという、ありそうで無い音楽だと思います。
3位「The Closer I Get to You」(アルバム:Elixir)
■曲名:The Closer I Get to You
■曲名邦題:クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー(私の気持ち)
■アルバム名:Elixir
■アルバム名邦題:エリクシール
■動画リンク:「The Closer I Get to You」
こちらはボーカル曲です。
オリジナルは、ロバータ・フラック(Roberta Flack)とダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)のデュエット曲です。
こちらのカバーでは、パティ・オースティン(Patti Austin)とピーボ・ブライソン(Peabo Bryson)が歌っています。
原曲に近い人選かもしれません。
彼らはカバー曲が多いですが、原曲のメロディを忠実に再現することが多いです。
自分なりの解釈にこだわる人は、よくメロディを崩して歌うものです。
しかしオリジナルを超えるケースは、ほとんどありません。
その点彼らは素材の良さを活かすよう徹していて、音楽にエゴを感じることがありません。
それでも良い音楽に仕上げられる自信の表れでしょうか。
そういうところからも、大人の音楽という感じがします。
4位「Someone to Love」(アルバム:4)
■曲名:Someone to Love
■曲名邦題:サムワン・トゥ・ラヴ
■アルバム名:4
■アルバム名邦題:4
■動画リンク:「Someone to Love」
ここからギターがラリー・カールトンに替わりました。
このアルバムでは「セクシャル・ヒーリング(Sexual Healing)」のカバーが話題になりました。
しかし私が選んだのは、ベイビーフェイス(Babyface)が歌ったこの曲です。
メロウな曲のシンガーとしては、これ以上の人選は望めないかもしれません。
ベイビーフェイスとフォープレイは、持ち味が少し似ているように思います。
どちらも表面的には薄味に聞こえるかもしれません。
しかし薄めであっても、出汁が利いている感じといいますか。
両者の持ち味が似ているせいか、この曲はベイビーフェイスとフォープレイの個性が、重なりつつも相乗効果を生んでいます。
この曲には女性ボーカルも入っています。
クレジットを見ると、シャイニース・ウィルソン(Shanice Wilson)となっていて、最初は誰だろうと思いました。
調べたところ「アイ・ラヴ・ユア・スマイル(I Love Your Smile)」のヒットで有名なシャイニースなのですね。
5位「Play Lady Play」(アルバム:Elixir)
■曲名:Play Lady Play
■曲名邦題:プレイ・レディ・プレイ
■アルバム名:Elixir
■アルバム名邦題:エリクシール
■動画リンク:「Play Lady Play」
このバンドはデビュー以来、ギター以外のメンバーが同じです。
ギター以外のメンバーを挙げておきましょう。
・ボブ・ジェームス(Bob James):ピアノ、キーボード
・ネイザン・イースト(Nathan East):ベース、時々ボーカル
・ハーヴィー・メイソン(Harvey Mason):ドラム
このバンドを最初聞いた時、明らかにボブ・ジェームス主導の音楽だと思いました。
実際に結成のきっかけは、ボブのアルバムのレコーディングです。
1990年、ボブ・ジェームスのリーダー・アルバム『グランド・ピアノ・キャニオン』にて、リー・リトナー、ネイザン・イースト、ハービー・メイソンを加えた4人で揃ってセッションを行い意気投合しグループを結成した。
ただハーヴィーの貢献を軽視することはできません。
ハーヴィー・メイソンは、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)などのバンドで活躍した人で、簡素で趣味の良いドラマーです。
シンプルなグルーヴをキープすることに関しては、最高峰のドラマーといっていいでしょう。
この曲は比較的アップテンポな曲で、ハーヴィーの持ち味が良く出ています。
6位「Between the Sheets」(アルバム:Between the Sheets)
■曲名:Between the Sheets
■曲名邦題:ビトゥイーン・ザ・シーツ
■アルバム名:Between the Sheets
■アルバム名邦題:ビトゥイーン・ザ・シーツ
■動画リンク:「Between the Sheets」
アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)のカバー曲です
ボーカルは、チャカ・カーン(Chaka Khan)とベースのネイザン・イースト(Nathan East)です。
少々ブラック・コンテンポラリーっぽい曲かもしれません。
ネイサンはアルバムで時々歌っていますが、シンガーとしてもかなりの実力者です。
彼のボーカル曲では、以下の曲もおすすめです。
ネイザンはエリック・クラプトン(Eric Clapton)と共演したことで知られています。
そのせいか上の曲はエリック・クラプトン激似ですね(笑)
フュージョンのアルバムは、ボーカル曲の有無で売れ行きがかなり違うそうです。
そのためフュージョンのバンドはゲスト・ボーカルを招くことが多いのですが、ライブを考えるとメンバーにシンガーがいた方が好都合です。
その点ネイザンはボーカリストとベーシスト、どちらでもできましたし共に一流です。
彼のユーティリティ性は、このグループが成功した大きな要因かもしれません。
7位「Let’s Make Love」(アルバム:Heartfelt)
■曲名:Let’s Make Love
■曲名邦題:レッツ・メイク・ラヴ
■アルバム名:Heartfelt
■アルバム名邦題:ハートフェルト
■動画リンク:「Let’s Make Love」
再度ベイビーフェイスのボーカル曲です。
本当に両者は相性がいいですね。
お互いの持ち味をすり合わせただけで、自然と名曲が出来上がります。
さて彼らの最高傑作として取り上げられるのは、1枚目か2枚目という声が多いように思います。
フュージョン名盤の企画記事で、その2枚以外が取り上げられているのを見たことがありません。
しかし私はそれ以降も、同等かそれ以上にすばらしいと思っています。
彼らの音楽はスムースジャズと呼ばれています。
スムースジャズはフュージョンの一種ですが、より聞き心地の良さを追求した音楽。
刺激よりも、スムースさに特化した音楽といえるかもしれません。
フォープレイはその代表格ですが、問題はマンネリになりがちだということです。
しかし彼らはこのアルバムで、マイナーチェンジを試みています。
スムースであるよりも、より明快でポップな楽曲が増えました。
もしこの曲が気に入ったら、このアルバムから聞いてみるといいと思います。
8位「101 Eastbound」(アルバム:Fourplay)
■曲名:101 Eastbound
■曲名邦題:101・イーストバウンド
■アルバム名:Fourplay
■アルバム名邦題:フォープレイ
■動画リンク:「101 Eastbound」
ファースト・アルバムの曲です。
彼らは穏やかでなお且つ成熟したサウンドで、シーンに衝撃を与えました。
ここまでスムースにしてもいいというような。
確信を持ってスムースな音楽をやっているというような、ある種の潔さを感じます。
そのせいかこのアルバムは、セールス面でも大きな成功を収めました。
このアルバムは、ビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・チャートで33週間1位を記録した。
このアルバムは100万枚以上を売り上げ、この種の音楽としては異例の大ヒットとなりました。
この曲はリー・リトナー(Lee Ritenour)色が強く、初期を代表する名演になりました。
同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。
リー・リトナーとラリー・カールトンは、ギタリストとしては互角だと思います。
しかしリーの方がこのグループの一体感に向いていたかもしれません。
その点ラリーは他のメンバーと異なる方向性の個性があって、3人とラリーみたいな感じになります。
リー在籍時のまとまりの良さを取るか、ラリーの個性を取るか、どちらも捨てがたいです。
9位「Be My Lover」(アルバム:X)
■曲名:Be My Lover
■曲名邦題:ビー・マイ・ラヴ
■アルバム名:X
■アルバム名邦題:X
■動画リンク:「Be My Lover」
この曲では、ミッシェル・ピラー(Michele Pillar)がボーカルを務めています。
ただ彼らの曲でよくあるように、しっかり歌うのではなく、アレンジの一部にボーカルが参加しているような印象を受けます。
「X」とある通り「The Best of Fourplay」を含めて、10枚目のアルバムです。
一区切りといっていい作品ではないでしょうか。
その後も彼らは良い作品を世に送り出していますが、その間にいくつか紆余曲折がありました。
2010年ラリー・カールトンからチャック・ローブ (Chuck Loeb)に、ギターが交代しました。
「レッツ・タッチ・ザ・スカイ(Let’s Touch the Sky)」からは、チャックがギターを弾いています。
しかしチャックは2017年に悪性腫瘍で亡くなり、その後ラリーが復帰して現在に至ります。
現在ボブ・ジェームスは81歳になり、活動のペースが落ちてきました。
2015年に「Silver」をリリースしてから、オリジナル・アルバムが発表されていません。
10位「Free Range」(アルバム:Yes, Please!)
■曲名:Free Range
■曲名邦題:フリー・レンジ
■アルバム名:Yes, Please!
■アルバム名邦題:イエス、プリーズ!
■動画リンク:「Free Range」
アルバム・ジャケットがヴィーナス・レコードみたいですね。
アメリカは国土が広いせいか、日本よりもラジオが人気だと聞いたことがあります。
車の移動中にラジオを聞く人が多いと。
またアメリカには大人向けの音楽を流すラジオ局が多いそうです。
それらのラジオ局では、エリック・クラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド(Change the World)」のような曲が好まれているのだとか
フォープレイも、そういうラジオ局で重宝されているようです。
確かに彼らの音楽は聞き心地が良いといえるでしょう。
ただ彼らの音楽は「神は細部に宿る」という言葉を想起させます。
酸いも甘いも噛み分けた達人たちが醸すその音楽は、薄味でも複雑且つ繊細な料理、たとえば懐石料理の汁物みたいなところがあります。
しかしそれだけではありません。
彼らの音楽は隠し味として人間らしい体温が感じられて、時にはその人間らしさが主役になることも。
たとえばこの曲などはいかがでしょう。
4:10あたりから始まるギターとスキャットは、実にヒューマンな響きがあります。
広大なハイウェイでこんな曲が流れてきたら、さぞかし快適なドライブになることでしょう。
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