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クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はクインシー・ジョーンズのランキングを作成しました。

この人は「大物」という呼称が似合います。

この記事では彼のどこがそんなに偉大なのか、私の思うことを書いてみました。

ただそれでも彼のスケールは計りきれません。

 

1位「Theme From “The Anderson Tapes”」(アルバム:Smackwater Jack)

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■曲名:Theme From “The Anderson Tapes”
■曲名邦題:”アンダーソン・テープス”のテーマ
■アルバム名:Smackwater Jack
■アルバム名邦題:スマックウォーター・ジャック
■動画リンク:「Theme From “The Anderson Tapes”」

「The Anderson Tapes」という映画のテーマ曲です。

初期のクインシー・ジョーンズは、ジャズ・トランペッターでした。

しかしある日クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)からアレンジャーになってはどうかと言われました。

クリフォード・ブラウンといえば、ジャズ史上最高の誉れ高いトランぺッターです。

クリフォードは演奏に人間味がありながら、大学で数学を専攻していた知性派です。

クインシーはそのアドバイスに従ってビッグバンドを率い、そのアレンジは高い評価を得ました。

彼の卓越した編曲の才能は、この曲を聞いても明らかではないでしょうか。

私は若い頃この曲を聞いて驚愕しました。

この曲をクインシーのランキングで1位にするのは私ぐらいかもしれませんが、その時の衝撃をふまえこの順位にしてみました。

 

2位「If I Ever Lose This Heaven」(アルバム:I Heard That!!)

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■曲名:If I Ever Lose This Heaven
■曲名邦題:イフ・アイ・エヴァー・ルーズ・ディス・ヘヴン
■アルバム名:I Heard That!!
■アルバム名邦題:アイ・ハード・ザット!!
■動画リンク:「If I Ever Lose This Heaven」

彼は多くの肩書を持っています。

ウィキペディアではその1つとして「作曲家」と記載されていました。

確かに彼は作曲もしますが、それ以上に私は良い曲を見つけてくる人だと思います。

この曲は当時無名だったレオン・ウェア(Leon Ware)が書いた、1970年代ソウル屈指の名曲。

彼は良い曲を見つけてきて、その魅力を引き出すことに優れています。

私はそこに彼の自分のエゴに流されない、仕事人としての本領を見る思いです。

彼は自分が書いた曲より良い曲があれば、迷いなく採用する人なのでしょう。

ザ・仕事人という感じがします。

 

3位「Ai No Corrida (feat. Dune)(アルバム:The Dude)

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■曲名:Ai No Corrida (feat. Dune)
■曲名邦題:愛のコリーダ(Feat. デューン)
■アルバム名:The Dude
■アルバム名邦題:愛のコリーダ
■動画リンク:「Ai No Corrida (feat. Dune)」

クインシーで一番有名な曲だと思います。

この曲はクインシーがオリジナルだと思われがちですが、原曲は以下です。

Chaz Jankel – Ai No Corrida

原曲も良いですが聞きなれているせいか、クインシーのバージョンの方がしっくりきます。

やはりここでも彼は良い曲を見つけてきて、曲の魅力を引き出していますね。

ちなみに「Ai No Corrida」の「「Ai No」とは日本語の「愛の」で、「Corrida」はスペイン語で「闘牛」を意味しているそうです。

つまり「愛の闘牛士」という意味なのですね。

この曲名は大島渚の映画のタイトルから取られたそうですが、その映画はエロティックな描写が話題になりました。

それを知ると曲名も意味深に思えてきます。

 

4位「Tomorrow (A Better You, Better Me)(feat Tevin Campbell)」(アルバム:Back on the Block)

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■曲名:Tomorrow (A Better You, Better Me) (feat Tevin Campbell)
■曲名邦題:トゥモロー(feat. テヴィン・キャンベル)
■アルバム名:Back on the Block
■アルバム名邦題:バック・オン・ザ・ブロック
■動画リンク:「Tomorrow (A Better You, Better Me)(feat Tevin Campbell)」

若い頃からビッグバンドを率いてきた彼は、常に多くの人の中にいてリーダーシップを発揮しました。

上のアルバム・ジャケットを見ても、ついボスと呼びたくなる風格があります。

実際彼は右腕とか参謀とか、お抱え作曲家や作詞家、シンガーなど多くの人に囲まれていました。

この曲を歌っているテヴィン・キャンベル(Tevin Campbell)も、彼の秘蔵っ子といわれるシンガー。

この曲を聞くと、彼女の起用は正解だったと思います。

彼はごく自然にリーダーシップを発揮して、適材適所で才能を配置しました。

彼の基本的な方法論はとてもシンプルです。

良い曲を見つけてきて、その魅力を活かすアレンジを提供し、プロフェッショナルなチームの総力で完成させる。

彼が良い音楽を生み出した背景には、そうした必然性があります。

そういえば彼はアメリカのスーパースターが集結した「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」のプロデューサーも担当しました。

彼以上に適任者はいるでしょうか。

 

5位「You’ve Got It Bad Girl」(アルバム:You’ve Got It Bad Girl)

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■曲名:You’ve Got It Bad Girl
■曲名邦題:バッド・ガール
■アルバム名:You’ve Got It Bad Girl
■アルバム名邦題:バッド・ガール
■動画リンク:「You’ve Got It Bad Girl」

クインシーが亡くなった時、彼は大物プロデューサーと報道されました。

確かにマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の「オフ・ザ・ウォール(Off The Wall)」「スリラー(Thriller)」「バッド(Bad)」という全盛期の3作をプロデュースしたことは、彼の名声を更に高めました。

その他もジョージベンソン(George Benson)の「ギヴ・ミー・ザ・ナイト(Give Me the Night)」などもプロデュースしています。

彼のプロデュース作はアーバン・ソウル、ディスコ、ブラコンっぽいサウンド・プロダクションが特徴です。

同時に彼のプロデュースワークは、良い楽曲がそろえることが特徴でした。

特にクインシーの腹心といえるロッド・テンパートン(Rod Temperton)は、マイケルに「Thriller」や「Rock With You」など決定的な曲を提供しました。

この人は7割のアルバムを9割の出来にしようとしました。

さてこの曲はスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)のカバーです。

私はスティーヴィーの「キー・オブ・ライフ(Songs in the Key of Life)」を、クインシーがプロデュースしたらと想像することがあります。

クインシーならば曲をもっと短くして、良いアレンジで傑作を更に傑作にしたのではないかと。

 

6位「What’s Going On?」(アルバム:Smackwater Jack)

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■曲名:What’s Going On?
■曲名邦題:ホワッツ・ゴーイング・オン
■アルバム名:Smackwater Jack
■アルバム名邦題:スマックウォーター・ジャック
■動画リンク:「What’s Going On?」

マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の有名曲のカバーです。

クインシーはジャズ畑出身ですが、その後幅広いジャンルで活躍しました。

その中で特に画期的だったのは、1969年にリリースされた「ウォーキング・イン・スペース(Walking in Space)」です。

当時既にマイルス・デイヴィス(Miles Davis)は、エレクトリック・ジャズの衝撃作を連発していました。

その新しい音楽をいち早く取り上げ、商業ベースに乗せられる作品に仕上げたクインシーの手腕は見事でした。

このアルバムはアメリカのアルバムチャートで56位、次作の「グラ・マタリ(Gula Matari)」は63位、そしてこの「Smackwater Jack」は56位と、ロックやポップスではないことを考えると、かなり健闘していると思います。

音楽の質が高く、聞きやすくとも聞き手に媚びず、商業と芸術性におけるバランス感覚はこの人ならではかもしれません。

 

7位「I’ll Be Good To You (feat. Ray Charles & Chaka Khan)」(アルバム:Back on the Block)

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■曲名:I’ll Be Good To You (feat. Ray Charles & Chaka Khan)
■曲名邦題:アイル・ビー・グッド・トゥ・ユー(feat. レイ・チャールズ、チャカ・カーン)
■アルバム名:Back on the Block
■アルバム名邦題:バック・オン・ザ・ブロック
■動画リンク:「I’ll Be Good To You (feat. Ray Charles & Chaka Khan)」

この曲はレイ・チャールズ(Ray Charles)の参加が話題になりました。

クインシーとレイは古くからの友人です。

10歳の頃にワシントン州に転居。そこで盲目のピアノ・プレーヤーの少年レイ・チャールズと知り合い、ともにバンド活動を始める。

クインシー・ジョーンズ ウィキペディア

2人は10代からの付き合いなのですね。

古くから彼がかかわってきたアーテイストは誰も彼もが大物ばかりで、類は友を呼ぶ状態。

彼は才能のある一アーティストというだけでなく人たらしです。

このアルバムは参加ミュージシャン数がとても多いです。

興味のある方は、英語のウィキペディアの「Personnel」をご覧ください。

Back on the Block

スクロールも大変なほどの参加者数です(笑)

彼はこの後も「Q’sジューク・ジョイント(Q’s Jook Joint)」という同傾向のアルバムを発表しましたが、そちらも参加者がかなり多いです。

その曲から1曲ご紹介しておきましょう。

Quincy Jones feat. Brandy & Heavy D – Rock With You

 

8位「My Cherie Amour」(アルバム:Mellow Madness)

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■曲名:My Cherie Amour
■曲名邦題:マイ・シェリー・アモール
■アルバム名:Mellow Madness
■アルバム名邦題:メロー・マッドネス
■動画リンク:「My Cherie Amour」

スティーヴィー・ワンダーの曲のカバーです。

クインシーは黒人ですが、もはや黒人とか白人とか関係なく、アメリカ音楽業界の顔役みたいなところがありました。

普段から音楽を聞く方は「黒い」という表現をご存じかもしれません。

一方それほど「白い」と言われませんが、「黒い」の対義語としてたまに見かけます。

クインシーの音楽を聞いて思うのは、「白い」と「黒い」の中間で機能しているということ。

現代はあまり違いがないかもしれませんが、昔は今よりも白人と黒人は聞く音楽が違ってました。

その点この曲は白人黒人関係なく受け入れられたと思われます。

まさにユニバーサルな音楽。

思えばマイケル・ジャクソンもそういう音楽でした。

だからこそ多くのアメリカ人、そして世界を魅了する音楽になったかもしれません。

 

9位「Tell Me A Bedtime Story」(アルバム:Sounds…and Stuff Like That!!)

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■曲名:Tell Me A Bedtime Story
■曲名邦題:テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー
■アルバム名:Sounds…and Stuff Like That!!
■アルバム名邦題:スタッフ・ライク・ザット
■動画リンク:「Tell Me A Bedtime Story」

このランキングではボーカル曲とインストが混在しています。

加えて彼がプロデュースしていないアルバムすらあります。

初めて聞く方は彼のどこがすごいのか、いぶかしく思うかもしれません。

歌やトランペットの演奏は時々披露する程度ですし、彼が書く曲もそれほど多くはありません。

私は彼の本分はアレンジャーで、的確な指示を与えられる人だと思っています。

しかし彼にはそれだけに収まり切らないスケールを持ち合わせていました。

この人は音楽ではなく純粋なビジネスでも成功した人だと思います。

人望があり、適材適所に人的資源を配置して管理するマネジメント力、良い結果に導くリーダーシップを備えた敏腕社長みたいな人。

そういう人がたまたま音楽の才能に恵まれていような気がします。

この人のどこがすごいのかとい問いに対して、私は規格外の総合力を備えた人だと答えます。

 

10位「Soul Bossa Nova」(アルバム:Big Band Bossa Nova)

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■曲名:Soul Bossa Nova
■曲名邦題:ソウル・ボサノヴァ
■アルバム名:Big Band Bossa Nova
■アルバム名邦題:ソウル・ボサ・ノヴァ
■動画リンク:「Soul Bossa Nova」

この記事は残念ながらジャズ時代を対象期間外にしました。

この曲はジャズ時代にリリースされましたが、ボサノヴァ路線のアルバムです。

なぜこの曲をご紹介したかといえば、この曲は今も時折耳にすることがあるからです。

この曲はCMに使用されたり映画「オースティン・パワーズ」にも使われましたし、渋谷系でも再評価されました。

もしビッグバンドのサウンドに興味がある方は、ジャズ時代のアルバムもチェックしてみてください。

あと私は映画やテレビのサウンドトラックをほぼチェックしていません。

この記事は主にオリジナル・アルバムから選曲しました。

その意味でこの記事は、彼の業績のごく一部をご紹介したにすぎません。

彼の音楽を網羅するのは、フランク・ザッパ(Frank Zappa)と同じぐらい大変です。

 

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