今回はデュラン・デュランのランキングを作成しました。
ただし順位については、いつもと趣向と変えています。
便宜上順位は付けましたが、一部を除いてアルバムのリリース順にしました。
時系列で並べることで、バンドの変化を分かりやすくしてみました。
1980年代の定番曲しか聞いたことがない方は、ラスト2曲だけ聞いてみてください。
- 1 1位「Girls on Film」(アルバム:Duran Duran(1981))
- 2 2位「Planet Earth」(アルバム:Duran Duran(1981))
- 3 3位「Rio」(アルバム:Rio)
- 4 4位「Hungry Like the Wolf」(アルバム:Rio)
- 5 5位「Save a Prayer」(アルバム:Rio)
- 6 6位「New Moon on Monday」(アルバム:Seven and the Ragged Tiger)
- 7 7位「Shadows on Your Side」(アルバム:Seven and the Ragged Tiger)
- 8 8位「Serious」(アルバム:Liberty)
- 9 9位「White Lines」(アルバム:Thank You)
- 10 10位「Ordinary World」(アルバム:Duran Duran(The Wedding Album))
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1位「Girls on Film」(アルバム:Duran Duran(1981))

■曲名:Girls on Film
■曲名邦題:グラビアの美少女
■アルバム名:Duran Duran(1981年)
■アルバム名邦題:デュラン・デュラン(1981)
■動画リンク:「Girls on Film」
彼らはニューロマンティック(ニュー・ロマンティックス)を代表するバンドです。
ニューロマンティックとは、1980年代前半に流行ったキーボード主体の音楽のこと。
華やかでグララマスなファッション、そしてきらびやかなエレポップが一世を風靡しました。
ルーツをたどると、クラフトワーク(Kraftwerk)あたりに行き着きます。
デュラン・デュランのキーボードを担当するニック・ローズは、ニューロマンティックの発祥といわれる「デヴィッド・ボウイ・ナイト」のDJでした。
つまり彼らはニューロマンティックの中心地から誕生したというわけです。
ただ一方で彼らはホワイト・ファンクの流れも汲んでいました。
そちらのルーツをたどると、ジャパン(Japan)に行き着くように思います。
この曲は特にホワイト・ファンク色が強めかもしれません。
アンディ・テイラーのギターのカッティングが、とてもかっこいいですね。
2位「Planet Earth」(アルバム:Duran Duran(1981))

■曲名:Planet Earth
■曲名邦題:プラネット・アース
■アルバム名:Duran Duran(1981年)
■アルバム名邦題:デュラン・デュラン(1981)
■動画リンク:「Planet Earth」
彼らのバンド名の由来を調べてみました。
バンド名はジェーン・フォンダが主演したSF映画『バーバレラ』(1968年)で登場する悪役「デュラン・デュラン (Durand-Durand) 博士」より。
当時バンドの登竜門となっていた、バーミンガムのクラブ『バーバレラ』が、同映画から命名されていたため、バーバレラでの演奏を目指す意思を表明したものである。
1970年代後期の「バーバレラ」は、パンクの聖地だったようです。
セックス・ピストルズ(Sex Pistols)やクラッシュ(The Clash)などが出演していました。
ドラムのロジャーテイラーはデュラン・デュラン加入前、パンク・バンドに在籍し、バーバレラで演奏した経験があるとのこと。
当初彼らはパンクから影響を受けていましたが、その後ニューロマンティック路線にシフトしたようです。
ちなみに結成時のボーカルは、後にライラック・タイム(Lilac Time)として活躍したスティーヴン・ダフィ(Stephen Duffy)でした。
The Lilac Time – All For Love And Love For All
しかしすぐにダフィーは脱退し、後任としてサイモン・ル・ボンが加入しました。
また当初ギタリストはジョン・テイラーでした。
しかしアンディ・テイラーが加入すると、ジョンはベースに回りました。
この曲は彼らのデビュー・シングルですが、この頃は完全にニューロマンティックになっていますね。
3位「Rio」(アルバム:Rio)

■曲名:Rio
■曲名邦題:リオ
■アルバム名:Rio(1982年)
■アルバム名邦題:リオ
■動画リンク:「Rio」
この曲は、シンセサイザーのオートアルペジオという機能を使っています。
曲の間中シンセがくるくると同じ音を繰り返しているところがそれです。
当時はこれが新しかったのですね。
久しぶりにこの曲を聞き返しましたが、ジョン・テイラーのベースがスリリングで驚きました。
もしかしたらこの曲は、ジャパン(Japan)の「クワイエット・ライフ(Quiet Life)」という曲を参考にしているかもしれません。
そちらのリンクを貼っておきましょう。
ジャパンの曲はジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)がプロデュースしています。
この「Rio」のオートアルペジオの部分も、ジョルジオ・モロダーっぽい感じがしないでもありません。
4位「Hungry Like the Wolf」(アルバム:Rio)

■曲名:Hungry Like the Wolf
■曲名邦題:ハングリー・ライク・ザ・ウルフ(狼のように飢えて)
■アルバム名:Rio(1982年)
■アルバム名邦題:リオ
■動画リンク:「Hungry Like the Wolf」
私はこのアルバムが最高傑作だと思っています。
今回このアルバムからシングル3曲を選びましたが、それ以外もすばらしい曲が多く、ベスト盤「グレイテスト(Greatest)」に比べても遜色ありません。
このアルバムには収録されなかった、アルバム未収録シングルをご紹介しておきましょう。
Duran Duran – Is There Something I Should Know?
「Is There Something I Should Know?」では、ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
この曲の邦題は「プリーズ・テル・ミー・ナウ」ですが、そちらの方がしっくりきますね。
さて今回ご紹介した「Hungry Like the Wolf」は、映像的にも印象深い曲です。
映画「レイダース/失われたアーク」風のMVは、20世紀末に選ばれた「MTV史上最高の100本のビデオ」で11位を獲得しています。
5位「Save a Prayer」(アルバム:Rio)

■曲名:Save a Prayer
■曲名邦題:セイヴ・ア・プレイヤー
■アルバム名:Rio(1982年)
■アルバム名邦題:リオ
■動画リンク:「Save a Prayer」
初期の彼らは、アイドル的な人気がありました。
当時の彼らの写真を貼っておきましょう。
顔面レベルの高さは、どんなアイドル・バンドと比べても遜色ありません。
ただ彼らの人気は、女性だけに偏っていたわけではありませんでした。
純粋に楽曲がすばらしいこともあり、多くの男性からも支持されていました。
彼らのバラードには味わい深い曲が多く、特にこの曲は彼らを代表する傑作だと思います。
ニック・ローズの哀愁漂うシンセサイザーとジョンのベースの絡みが、とても美しい曲ですね。
6位「New Moon on Monday」(アルバム:Seven and the Ragged Tiger)

■曲名:New Moon on Monday
■曲名邦題:ニュー・ムーン・オン・マンデイ
■アルバム名:Seven and the Ragged Tiger(1983年)
■アルバム名邦題:セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー
■動画リンク:「New Moon on Monday」
このアルバムでは、前2作でプロデューサーを務めてきたコリン・サーストン(Colin Thurston)から、アレックス・サドキン(Alex Sadkin)に交代しました。
コリン・サーストンは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の「ヒーローズ(Heroes)」のエンジニアを務めた人です。
他にも多くのニューロマンティックのバンドを手がけていました。
一方後任のアレックス・サドキンは、グレイス・ジョーンズ(Grace Jones)やトーキング・ヘッズ(Talking Heads)など、先鋭的なサウンドに特徴のある人です。
彼らはアイドルから脱皮しようとしていたのかもしれません。
実際、難解な歌詞の曲が増えて、サウンドも以前より分厚くなりました。
またキーボード主体の曲が増え、相対的にギターの出番が減っています。
彼らはこの後「アリーナ(Arena)」というライブ・アルバムを最後に、ニューロマンティック路線と決別することになりました。
7位「Shadows on Your Side」(アルバム:Seven and the Ragged Tiger)

■曲名:Shadows on Your Side
■曲名邦題:運命の影
■アルバム名:Seven and the Ragged Tiger(1983年)
■アルバム名邦題:セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー
■動画リンク:「Shadows on Your Side」
改めてこのアルバムを聞いて、よく出来ていると思いました。
しかし同時に、これほど完成度が高いのに「Rio」には及ばないように感じます。
加えてこのアルバムからのシングルは、以前とはどこか違っている感じがします。
もしかしたら彼らはヒットチャートの攻略方法を見つけて、それを実践しているだけなのかもしれません。
良い作品であることに疑いはありませんが。
ヒットした「ザ・リフレックス(The Reflex)」と「ユニオン・オブ・ザ・スネイク(Union of the Snake)」をご紹介しておきましょう。
Duran Duran – The Reflex
Duran Duran – Union of the Snake
私は上の有名曲より、今回ご紹介した「Shadows on Your Side」や「7番目の男(Seventh Stranger)」の方に惹かれます。
完成度の高さは目を見張るものの、どことなく行き詰っている印象を受けるアルバムです。
8位「Serious」(アルバム:Liberty)

■曲名:Serious
■曲名邦題:シリアス
■アルバム名:Liberty(1990年)
■アルバム名邦題:リバティ
■動画リンク:「Serious」
デビュー以来彼らは毎年アルバムをリリースしてきましたが、この作品の前には3年のブランクがありました。
その間彼らは、2組のサイド・プロジェクトに分かれて活動していました。
2組のメンバー構成を確認しておきましょう。
■パワー・ステーション (The Power Station)
・アンディ・テイラー (Andy Taylor)
・ジョン・テイラー (John Taylor)
■アーケイディア(Arcadia)
・サイモン・ル・ボン(Simon Le Bon)
・ニック・ローズ(Nick Rhodes)
・ロジャー・テイラー(Roger Taylor)
より話題になったのは、ロバート・パーマー(Robert Palmer)と組んだパワー・ステーションの方です。
しかしアーケイディアのアルバム「情熱の赤い薔薇(So Red the Rose)」も玄人受けするすばらしい作品でした。
その後アンディ・テイラーとロジャー・テイラーは、バンドを脱退しています。
残ったメンバーはよりソウル/ファンク色を強めた「ノトーリアス(Notorious)」をリリースしました。
タイトル曲をご紹介しておきましょう。
この頃から彼らは硬派バンドへと舵を切りました。
9位「White Lines」(アルバム:Thank You)

■曲名:White Lines
■曲名邦題:ホワイト・ラインズ
■アルバム名:Thank You(1995年)
■アルバム名邦題:サンキュー
■動画リンク:「White Lines」
今回ご紹介した曲の中でも、一番の問題作です。
この作品はカバー・アルバムで、この曲のオリジナルはグランドマスター・フラッシュ(Grandmaster Flash)です。
ただイントロを聞くと、へヴィロックみたいですね。
「ワイルド・ボーイズ(The Wild Boys)」「007/美しき獲物たち(A View to a Kill)」から10年が経過した1995年には大きな変貌を遂げていました。
やりたい音楽を追及してきた彼らの一つの到達点といえる曲です。
その後彼らは、2004年の「アストロノート(Astronaut)」は全英3位、2015年の「ペイパー・ゴッズ(Paper Gods)」も全英5位を記録しています。
その後も人気を維持しているようですね。
10位「Ordinary World」(アルバム:Duran Duran(The Wedding Album))

■曲名:Ordinary World
■曲名邦題:オーディナリー・ワールド
■アルバム名:Duran Duran(The Wedding Album)(1993年)
■アルバム名邦題:デュラン・デュラン(ザ・ウェディング・アルバム)
■動画リンク:「Ordinary World」
この曲は「Save a Prayer」と並ぶバラードの傑作です。
オアシス(Oasis)の名曲と比べても、遜色ないすばらしい曲ではないでしょうか。
このアルバムは正式なタイトルは「Duran Duran」で、ファーストと同じアルバム名です。
一般的には「The Wedding Album(ザ・ウェディング・アルバム)」と呼ばれています。
歌詞を要約してご紹介しましょう。
昨日のことで泣いたりしないよ
だってそこには普通の世界があるから
とにかく僕は見つけなければいけない
そして自分の道を切り開かなければいけない
普通の世界を
僕は生きることを学ばなければいけないな
アイドル人気から脱皮して、普通のロック・バンドとして成熟しようとしたこのバンドらしい歌詞です。
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