今回はペット・ショップ・ボーイズのランキングを作成しました。
このランキングの選曲は、ベスト盤とは性質が異なっています。
シングルやヒット曲については、それほど重視してはいません。
どうしたらアーティストの魅力をうまく伝えられるのか、それだけを考えて選曲しています。
今回は様々な時期の魅力をご紹介する為、有名曲や定番でも外した曲があります。
ただ重要な曲については文中に曲のリンクを貼っていますので、余力のある方はチェックしてみてください。
なお動画は必ずしもアルバム・バージョンではありませんので、予めご了承ください。
- 1 1位「New York City Boy」(アルバム:Nightlife)
- 2 2位「Suburbia」(アルバム:Please)
- 3 3位「It’s a Sin」(アルバム:Actually)
- 4 4位「Saturday Night Forever」(アルバム:Bilingual)
- 5 5位「Go West」(アルバム:Very)
- 6 6位「Being Boring」(アルバム:Behaviour)
- 7 7位「Always on My Mind」(アルバム:Introspective)
- 8 8位「Before」(アルバム:Bilingual)
- 9 9位「Home and Dry」(アルバム:Release)
- 10 10位「Casanova in Hell」(アルバム:Fundamental)
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1位「New York City Boy」(アルバム:Nightlife)
■曲名:New York City Boy
■曲名邦題:ニューヨーク・シティ・ボーイ
■アルバム名:Nightlife
■アルバム名邦題:ナイトライフ
■動画リンク:「New York City Boy」
デビュー時の彼らは、哀愁漂うクールなエレポップといった音楽性でした。
しかしその後哀愁がひかえめになり、サウンド面での主張が強めに変化していきました。
「Very」あたりが分水嶺だったかもしれません。
この曲ではハウス・ミュージックといった音づくりに変化しています。
ただマイナー調のメロディは、ここにはありません。
その点で評価が分かれるかもしれませんが、この高揚感は格別ではないでしょうか。
この曲は、大都会ニューヨークにやって来た少年をテーマにした曲です。
ニール・テナントはイギリスの小さな漁師町の出身の人ですから、都会へのあこがれが強かったのかもしれません。
2位「Suburbia」(アルバム:Please)
■曲名:Suburbia
■曲名邦題:サバービア
■アルバム名:Please
■アルバム名邦題:ウエスト・エンド・ガールズ
■動画リンク:「Suburbia」
ファーストアルバムの曲です。
久しぶりに聞き直してみたところ、曲の質の高さにうなってしまいました。
他にも2曲だけリンクを貼っておきましょう。
Pet Shop Boys – West End Girls
Pet Shop Boys – Opportunities (Let’s Make Lots of Money)
人によっては「恋はすばやく(Love Comes Quickly)」が一番好きという人もいることでしょう。
これだけヒット曲が多いデビュー・アルバムは、そうそうあるものではありません。
さてこの曲のタイトルは「Suburbia」は「郊外」という意味です。
この曲の主人公は田舎の退屈な暮らしを嫌悪していて、犬と一緒に逃げようとしています。
彼らはラブソングが少なく、一筋縄ではいかない歌詞を美しいメロディに乗せて歌うところに魅力がありました。
歌詞に興味のある方には、日本盤をおすすめいたします。
3位「It’s a Sin」(アルバム:Actually)
■曲名:It’s a Sin
■曲名邦題:哀しみの天使
■アルバム名:Actually
■アルバム名邦題:哀しみの天使
■動画リンク:「It’s a Sin」
彼らは以下の2人組です。
・ニール・テナント(Neil Tennant):ボーカル、作詞担当
・クリス・ロウ(Chris Lowe):キーボード、作曲担当
この曲の歌詞で、ニールは自分の心の内を告白しています。
出だしの歌詞は、こんな感じです。
これまでの人生を振り返ると、自分が恥ずかしくなるよ。
ずっと誰かに責められてきたように思う。
僕がやってきたこと、やりたいこと、僕がいた場所、それらは全て罪深さに満ちている。
おそらくキリスト教の原罪や禁欲的な考え方が背景にあると思われます。
さてこの曲は初めて聞いた方でも、聞いたことがあると思うかもしれません。
それもそのはず、よくパクられていますから。
その一例をご紹介しておきましょう。
1:03からお聞きになってみてください。
内面を掘り下げている原曲とは、真逆のベクトルの曲かもしれません。
4位「Saturday Night Forever」(アルバム:Bilingual)
■曲名:Saturday Night Forever
■曲名邦題:土曜の夜は永遠に
■アルバム名:Bilingual
■アルバム名邦題:バイリンガル
■動画リンク:「Saturday Night Forever」
やっと土曜日の夜になった、退屈な日常から解放されるという喜びがテーマの曲です。
歌詞を書いたニール・テナントは、小さい頃からスターにあこがれていたそうです。
しかし夢は叶わず、時間だけが過ぎていきました。
彼は音楽雑誌の編集者として、キラキラした人たちの周辺にいる立場に甘んじていました。
その後ニールに運命的な出会いが訪れます。
1981年に、ミュージシャン兼雑誌記者のニール・テナントと、当時学生だったクリス・ロウの2人が出会って結成された。
楽器屋で2人同時に同じキーボードに手を出したことより運命的なものを強く感じたとのこと。
「West End Girls」のヒットで注目を浴びた時、ニールは既に31歳になっていました。
ポップ・ミュージックの世界では、遅咲きといえるでしょう。
この曲の歌詞には「僕にもチャンスはあるのだろうか」という一節があります。
ニールは最適なパートナーを見つけることにより、夢を叶えることができたようです。
5位「Go West」(アルバム:Very)
■曲名:Go West
■曲名邦題:ゴー・ウェスト
■アルバム名:Very
■アルバム名邦題:ヴェリー
■動画リンク:「Go West」
この曲はカバー曲です。
原曲となるヴィレッジ・ピープル(Village People)のリンクを貼っておきます。
ヴィレッジ・ピープルはニューヨーク出身のグループで、ゲイのメンバーが在籍していました。
しかしその頃のニューヨークは、ゲイに理解があるとはいえませんでした。
今もそうですが、アメリカは西海岸の方がリベラルな考え方をする人が多いようです。
彼らは「さあ西に行こう」と歌っていますが、西とはゲイに寛容なアメリカ西海岸のことを指しています。
ニール・テナントもゲイですから、テーマに共感してカバーしたのかもしれません。
ただ現在この曲はその文脈から切り離され、サッカーの応援歌として人気です。
イギリスのアーセナル、ドイツのドルトムントなど数多くのチームが、応援歌として採用しています。
クイーン(Queen)の「ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)」と同じような立ち位置の曲かもしれません。
ヨーロッパのサッカーニュースで、今もよく使われている曲です。
6位「Being Boring」(アルバム:Behaviour)
■曲名:Being Boring
■曲名邦題:ビーイング・ボアリング
■アルバム名:Behaviour
■アルバム名邦題:ビヘイヴィアー:薔薇の旋律
■動画リンク:「Being Boring」
このアルバムで彼らは少し路線を変えました。
初期の彼らは、ユーロビート/ハイエナジーっぽい曲が目立っていました。
しかしこのアルバムでは、地味で陰りのある曲が増えています。
ただ地味であっても美メロの曲が多く、じっくり聞きたい方向けのアルバムかもしれません。
この曲もその中の1曲です。
初めて聞く方は、印象に残らないかもしれません。
しかしこの曲は、かなりジワります。
私も最初は悪くない程度の評価でしたが、今では最も胸を締めつけられる曲だと感じます。
もう一曲「トゥ・フェイス・ザ・トゥルース(To Face The Truth)」という曲もご紹介しておきましょう。
Pet Shop Boys – To Face the Truth
スタイル・カウンシル(The Style Council)の「コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ(Confesstions of A Pop Group)」が好きな方は、このアルバムが気に入ると思います。
7位「Always on My Mind」(アルバム:Introspective)
■曲名:Always on My Mind
■曲名邦題:オールウェイズ・オン・マイ・マインド
■アルバム名:Introspective
■アルバム名邦題:イントロスペクティヴ
■動画リンク:「Always on My Mind」
この曲もカバー曲です。
エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)やウィリーネルソン(Willie Nelson)がカバーしたことでも知られています。
今ではペット・ショップ・ボーイズのこのバージョンが、最も有名でしょうが。
ちなみにアルバムには、ロング・バージョンで収録されています。
アルバム・バージョンは9分超えですから、ここではシングル・バージョンでお聞きください。
もう1曲、同じアルバムからご紹介しておきましょう。
Pet Shop Boys – Domino Dancing
どちらの曲もアレンジが古めかしいですが、当時はこれが普通の時代でした。
このアルバムが発売された1988年は、Winkが「愛が止まらない ~Turn it Into Love~」をリリースした年ですから。
8位「Before」(アルバム:Bilingual)
■曲名:Before
■曲名邦題:ビフォー
■アルバム名:Bilingual
■アルバム名邦題:バイリンガル
■動画リンク:「Before」
ここからは少し違った魅力をご紹介していきたいと思います。
このアルバムがリリースされたのは1996年ですから、1980年代に比べて音が洗練されていますね。
この曲では、ニール・テナントのボーカルにご注目ください。
ニールのボーカルはか細いのですが、中性的な魅力があります。
この曲ではファルセット気味で歌っていますが高音が美しく、私は聞く度に聞きほれてしまいます。
今の耳で聞くと彼らの曲のアレンジは、時代を感じさせるものが少なくありません。
しかし楽曲の魅力とニールのイノセントなボーカルは、全く風化していないように思います。
9位「Home and Dry」(アルバム:Release)
■曲名:Home and Dry
■曲名邦題:ホーム・アンド・ドライ
■アルバム名:Release
■アルバム名邦題:リリース
■動画リンク:「Home and Dry」
さて次にクリス・ロウについて書きたいと思います。
クリスは作曲とキーボード担当ですが、スターにあこがれていたニールとは違って、引っ込み思案な人らしいです。
ちなみにいつもサングラスをかけている方が、クリス・ロウ。
ニールとクリスは、互いに足りないところを補っていて、最高のコンビだと思います。
ニールは目立つことが好きで、良い歌詞を書く卓越したボーカリスト。
一方クリスは裏方気質で、良いメロディを書けて、演奏の要となるキーボードの演奏に長けています。
まさに相互補完的で、絶妙の組み合わせではないでしょうか。
さてこの曲は、彼らにしては珍しいタイプの曲かもしれません。
彼らはシンセ・ポップみたいな曲が多いのですが、この曲では珍しくギターが目立っています。
ギターを弾いているのはジョニー・マー(Johnny Marr)で、ここではポリス(Police)の「見つめていたい(Every Breath You Take)」を思わせる印象的なギターを弾いています。
10位「Casanova in Hell」(アルバム:Fundamental)
■曲名:Casanova in Hell
■曲名邦題:カサノヴァ・イン・ヘル
■アルバム名:Fundamental
■アルバム名邦題:ファンダメンタル
■動画リンク:「Casanova in Hell」
彼らについては「Nightlife」あたりからご無沙汰という方も少なくないかもしれません。
しかし私はその後の方が興味深いと思っています。
以前ほど電子音に頼らず、より成熟した音楽になってきていますから。
「Nightlife」以降では「リリース(Release)」「ファンダメンタル(Fundamental)」「イエス(Yes)」「エリシオン(Elysium)」の4枚は、どれもすばらしい出来です。
この曲もその時期のものですが、もう1曲引用しておきましょう。
どちらをランクインさせるか、最後まで迷った曲です。
ただその後「エレクトリック(Electric)」「スーパー(Super)」「ホットスポット(Hotspot)」の3枚は、また派手な路線に戻ってしまいました。
近作のプロデューサー、スチュアート・プライス(Stuart Price)の音づくりは、いま一つ私の好みに合わないようです。
もうニールもいい年ですし、無理にテンションを上げなくてもいいと思いますけどね。
さてこの曲はシンプルなアレンジが、逆に新鮮に感じます。
ニールのボーカルは、こういうオーケストラの中でも映えるのですね。
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