今回はワム!のランキングを作成しました。
彼らは実質的な活動期間が3年程度にもかかわらず、数多くのヒット曲を生みました。
彼らの音楽は、1980年代最強のブルー・アイド・ソウルです。
- 1 1位「Freedom」(アルバム:Make It Big)
- 2 2位「Last Christmas」(アルバム:Japanese Singles Collection: Greatest Hits)
- 3 3位「Club Tropicana」(アルバム:Fantastic)
- 4 4位「If You Were There」(アルバム:Make It Big)
- 5 5位「The Edge of Heaven」(アルバム:Music from the Edge of Heaven)
- 6 6位「Come On」(アルバム:Fantastic)
- 7 7位「Heartbeat」(アルバム:Make It Big)
- 8 8位「Bad Boys」(アルバム:Fantastic)
- 9 9位「I’m Your Man」(アルバム:Music from the Edge of Heaven)
- 10 10位「Careless Whisper」(アルバム:Make It Big)
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1位「Freedom」(アルバム:Make It Big)
■曲名:Freedom
■曲名邦題:フリーダム
■アルバム名:Make It Big
■アルバム名邦題:メイク・イット・ビッグ
■動画リンク:「Freedom」
1980年代は、モータウン・サウンドの影響を受けたヒット曲の宝庫です。
ダリル・ホール&ジョン・オーツ(Daryl Hall & John Oates)の「マンイーター(Maneater)など、挙げるとキリがありません。
「Freedom」もその中の1曲。
モータウン・サウンドがどういうものかよく分からない方は、この曲の15秒過ぎと3分過ぎをお聞きください。
ただこの曲はモータウンの影響だけでは語れません。
ジョージ・マイケルの弾けんばかりのボーカル、サビでの2人のコーラスもすばらしすぎます。
また最後の方では、英国らしいブリリアントなホーンが更に高揚感を高めています。
完全無欠のポップ・ソングといえるでしょう。
2位「Last Christmas」(アルバム:Japanese Singles Collection: Greatest Hits)
■曲名:Last Christmas
■曲名邦題:ラスト・クリスマス
■アルバム名:Japanese Singles Collection: Greatest Hits
■アルバム名邦題:ジャパニーズ・シングル・コレクション:グレイテスト・ヒッツ
■動画リンク:「Last Christmas」
クリスマスには必ず聞くことになる曲です。
しかし彼らのCDでこのシングル・バージョンを見つけるのは、容易なことではありません。
この曲は「The Final」と「Music from the Edge of Heaven」に収録されています。
しかし両作品共に、7分近くある「Last Christmas” (Pudding Mix)」ですので、シングル・バージョンではありません。
やはりシングル・バージョンにこだわりたいと思い探してみたところ、このベスト盤を発見しました。
私はこのベスト・アルバムを持っていません。
違うベストは持っていますが、シングル・バージョンのためだけに買い替えるかどうかは、とても悩ましい問題です。
そうでなくても、毎年黙っていても聞こえてきますし(笑)
ご紹介した動画はシングル・バージョンですので、安心してお聞きください。
3位「Club Tropicana」(アルバム:Fantastic)
■曲名:Club Tropicana
■曲名邦題:クラブ・トロピカーナ
■アルバム名:Fantastic
■アルバム名邦題:ファンタスティック
■動画リンク:「Club Tropicana」
デビュー当時の彼らは、ファンカラティーナっぽい印象が強かったように思います。
ファンカラティーナとは「ファンク」と「ラテン」を組み合わせた造語。
ラテンの要素を取り入れた軟派なホワイト・ファンクといえるかもしれません。
そのイメージはこの曲のヒットによるものだと思われますが、彼らの実像は違っていたかもしれません。
音楽面で主導権を握っていたジョージ・マイケルは、あまりチャラい人ではありません。
彼らの歌詞を読むと、意外と社会問題やシリアスな問題を取り上げていることに気が付きます。
「クレジット・カード・ベイビー(Credit Card Baby)」の歌詞などは、本当に手厳しいですし。
学生時代のジョージ・マイケルは、典型的な陰キャだったそうです。
確かにこの曲の歌詞は、南に旅行してバカ騒ぎする陽キャをやゆしている感じがします。
私も歌詞を読むまで、能天気な彼らが素の姿だと思っていました。
4位「If You Were There」(アルバム:Make It Big)
■曲名:If You Were There
■曲名邦題:イフ・ユー・ワー・ゼア
■アルバム名:Make It Big
■アルバム名邦題:メイク・イット・ビッグ
■動画リンク:「If You Were There」
アイズリーブラザーズ(The Isley Brothers)のカバー曲です。
原曲を引用しておきましょう。
The Isley Brothers – If You Were There
オリジナルもかなりの名曲ですが、私はワム!のバージョンの方が好きなぐらいです。
彼らは1970年代のソウル・ミュージックから影響を受けています。
ファースト・アルバムでも、ミラクルズ(The Miracles)の「ラブ・マシーン(Love Machine)」をカバーしていました。
ある曲をカバーする時、自分たちのルーツを示している場合があります。
「この曲はすばらしいだろう。俺はこういう音楽を好きな男なんだぜ」のような。
イギリス人にはノーザン・ソウル好きの人がとても多いですが、ジョージもその中の一人でした。
原曲の良さを活かしたカバーに、オリジナルへのリスペクトがうかがえます。
5位「The Edge of Heaven」(アルバム:Music from the Edge of Heaven)
■曲名:The Edge of Heaven
■曲名邦題:エッジ・オヴ・ヘヴン
■アルバム名:Music from the Edge of Heaven
■アルバム名邦題:エッジ・オヴ・ヘヴン
■動画リンク:「The Edge of Heaven」
私はこのアルバムを、サード・アルバムだと思っていました。
しかし英語版ウィキペディアの分類を見たところ、編集盤に分類されていました。
確かに既発曲の寄せ集めという感じがしないでもありません。
ただ「ワム!ラップ’86(Wham! Rap ’86)」が、リミックス・バージョンで収録されている以外、前2作とは曲が被っていません。
曲の出来も上々です。
今回惜しくも選外となった以下の曲は、ただのアルバム収録曲にしておくには惜しいほどですし。
実質的にサード・アルバムといえる質を持った作品だと思います。
6位「Come On」(アルバム:Fantastic)
■曲名:Come On
■曲名邦題:カム・オン!
■アルバム名:Fantastic
■アルバム名邦題:ファンタスティック
■動画リンク:「Come On」
私が彼らのマイベストを作成するとしたら、シングルカットされていませんが、この曲と次の「Heartbeat」は絶対外せません。
ファースト・アルバムでは、ヒット曲「ヤング・ガンズ(Young Guns (Go for It))」よりこの曲を推します。
聞き比べられるよう、リンクを貼っておきましょう。
Wham! – Young Guns (Go For It!)
彼らはジョージが音楽面の主導権を握っています。
一方アンドリューは、ステージ構成やビジュアル面で主導権を握っていたようです。
初期の彼らは不良っぽいところと、キラキラしたアイドル的なところを合わせ持っていました。
このアルバム・ジャケットも、この曲とよく合っています。
私は彼らが成功する上で、アンドリューのイメージ戦略が重要な役割を果たしたと思っています。
7位「Heartbeat」(アルバム:Make It Big)
■曲名:Heartbeat
■曲名邦題:ハートビート
■アルバム名:Make It Big
■アルバム名邦題:メイク・イット・ビッグ
■動画リンク:「Heartbeat」
本来は「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ(Wake Me Up Before You Go-Go)」の方をご紹介すべきかもしれません。
リンクだけ貼っておきましょう。
Wham! – Wake Me Up Before You Go-Go
好きな人には申し訳ありませんが、私の中では10選に入りませんでした。
代わりに「恋のかけひき(Everything She Wants)」と迷いましたが、僅差で「Heartbeat」の方を選びました。
さて彼らのデビューは衝撃的でした。
1983年、ファースト・アルバム『ファンタスティック』を発表。イギリスでは史上4組目となるデビュー・アルバムの初登場1位を獲得。
ちなみに「Wham!」という名前は「ドカン」とか「ガツン」のような、ぶつかった時の衝撃音のこと。
だから「!」が付いているのですね。
8位「Bad Boys」(アルバム:Fantastic)
■曲名:Bad Boys
■曲名邦題:バッド・ボーイズ
■アルバム名:Fantastic
■アルバム名邦題:ファンタスティック
■動画リンク:「Bad Boys」
先程彼らには不良っぽさとキラキラ感があると書きました。
この曲は不良サイドの曲です。
歌詞を読むと俺はワルいぜというアピールがすごいですが、当時のイギリスのティーンには強くアピールしました。
彼らは自己プロデュース能力があったのですね。
さて彼らは日本でも大人気でした。
日本では不良っぽさではなく、アイドルとして売り出されました。
それを確認できる資料として、マクセルのカセットテープのCMをご覧ください。
当時の彼らはアイドル人気と実力派アーティスト、両面を兼ね備えた稀有な存在でした。
9位「I’m Your Man」(アルバム:Music from the Edge of Heaven)
■曲名:I’m Your Man
■曲名邦題:アイム・ユア・マン
■アルバム名:Music from the Edge of Heaven
■アルバム名邦題:エッジ・オヴ・ヘヴン
■動画リンク:「I’m Your Man」
今更ですが、メンバー紹介をしておきましょう。
ジョージ・マイケル(George Michael)
アンドリュー・リッジリー(Andrew Ridgeley)
ジョージ・マイケルがゲイであることはよく知られていますが、アンドリュー・リッジリーはゲイではありません。
誤解する人もいるようですが、彼らはゲイのカップルではありません。
2人は幼なじみで、学校のクラスメートでした。
人気者のアンドリューはジョージのあこがれる存在で、アンドリューは奥手のジョージと一緒に表舞台に出ようとしました。
またこちらも誤解されがちですが、解散の理由は2人の不仲ではありません。
解散の理由としては、日本盤ベスト・アルバムのライナーノーツなどには「ユニットとしてやることはやりつくしたから」ということが理由として挙げられていたが、
実際は所属レーベルの親会社であるソニーが、当時アパルトヘイトを実施していた南アフリカ共和国と貿易を続けていることに抗議してのことだという。
同時期にジョージがソロ活動を本格的に開始したことも理由の一つだった。
実際ジョージは後年のインタビューで、人生最大の後悔はワム!を解散したことだと答えています。
解散後も2人は度々共演していますし。
私はアンドリュー・リッジリーの貢献が、軽視されがちだと感じています。
やはりこの2人がいてこそのワム!です。
10位「Careless Whisper」(アルバム:Make It Big)
■曲名:Careless Whisper
■曲名邦題:ケアレス・ウィスパー
■アルバム名:Make It Big
■アルバム名邦題:メイク・イット・ビッグ
■動画リンク:「Careless Whisper」
この曲は昔好きではありませんでした。
あまりにも濃厚なロマンティシズムに、辟易していたのですね。
イントロのサックスからして、もう無理という感じでした。
この曲は日本の歌手にもカバーされ、西城秀樹の「抱きしめてジルバ-Careless Whisper-」や郷ひろみ「ケアレス・ウィスパー」などとしてヒットしました。
しかし月日の経過は人を変えるものです。
一度聞いてから決めるようとしたところ、そう悪くないと思えてきました。
ついでに同系統の「哀愁のメキシコ(Where Did Your Heart Go?)も聞きなおしてみたら、そちらも以前より良い印象を受けました。
Wham! – Where Did Your Heart Go?
「Careless Whisper」は、ワム!名義のアルバムに収録されていますが、正式にはジョージのソロ名義の曲です。
ワム!解散後ジョージは、より大人向けの音楽性を打ち出しました。
ソロ名義でこの曲を書いた時点で、ジョージは自分の進みたい方向性が見えていたように思います。
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