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ティアーズ・フォー・フィアーズ(Tears for Fears)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はティアーズ・フォー・フィアーズのランキングを作成しました。

彼らのバンド名は、アーサー・ヤノフ(Arthur Janov)という心理学者の精神療法、抑圧された心の傷を叫ぶことで昇華しようという考え方から名付けられています。

実際に彼らは叫ぶ代わりに歌うことで、不幸な記憶を乗り越えようとしました。

彼らの音楽を聞くことは、癒しのプロセスを追体験することなのかもしれません。

辛い状況に置かれた人に、ぜひおすすめしたい音楽です。

 

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1位「Sowing the Seeds of Love」(アルバム:The Seeds of Love)

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■曲名:Sowing the Seeds of Love
■曲名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■アルバム名:The Seeds of Love
■アルバム名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■動画リンク:「Sowing the Seeds of Love」
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名曲ぞろいの中で、どれを1位に選ぶのかは難しい問題です。

私は解放感のあるこの曲がベストだと思います。

この曲は発表当時から、ビートルズの影響を受けていると言われていました。

確かに愛を訴えるメッセージ、そしてアレンジは露骨なぐらいビートルズに寄せているように感じられます。

ただアルバムジャケットを見ると、一時ビートルズの覆面バンドだと噂されたクラトゥ(Klaatu)を思い出しますけどね。

マニアな話はここまでにして、この曲ができた背景には、当時の政治状況が関係しているといわれています。

当時イギリスは、サッチャー首相率いる保守党が圧倒的な人気でしたが、ローランドはその風潮に物申したかったようです。

当時サッチャー首相は、貧富の差を拡大するような改革を推し進めていました。

この曲ではそうした改革に異を唱えてる一方で、僕たちは愛の種を蒔こうではないかと訴えています。

ローランドのたくましい歌唱が魅力の曲です。

 

2位「Everybody Wants to Rule the World」(アルバム:Songs From The Big Chair)

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■曲名:Everybody Wants to Rule the World
■曲名邦題:ルール・ザ・ワールド
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Everybody Wants to Rule the World」
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まず曲名が穏やかではありません。

「Everybody Wants to Rule the World」を直訳すると「誰もが世界を支配したがっている」です。

何かオチでもあるのかと思いながら歌詞を読んでみると、確かにそういう内容の曲でした。

自由や快楽は永続しない。だって誰もが世界を支配したがっているのだからと歌われています。

ある意味、哲学的なテーマかもしれません。

まあ私は世界を支配したいと思ったことはないですけどね(笑)

こういう気難しいテーマは、ローランド・オーザバル(Roland Orzabal)の気質を反映していると思われます。

ただ彼だけでなく、イギリス人はよく気難しいと言われます。

その意味でこの曲はイギリス人らしい歌詞だと思いますが、そのせいかこの曲はイギリス版グラミー賞の最優秀シングルを受賞しています。

テーマには共感しませんが、すばらしい曲だと思います。

 

3位「Shout」(アルバム:Songs From The Big Chair)

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■曲名:Shout
■曲名邦題:シャウト
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Shout」
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このアルバムのファーストシングルと書く前に、一応確認してみたところ違っていました。

念のため調べて良かったです。

もしかしたら私と同じような勘違いをしている方も多いのではないでしょうか。

「マザーズ・トーク(Mothers Talk)」がファーストシングルで、この曲はセカンドシングルでした。

冒頭で彼らがアーサー・ヤノフの影響を受けていると書きましたが、この曲はヤノフ氏の「プライマル・スクリーム療法」そのものといえる曲です。

「プライマル・スクリーム療法」とは、ジョン・レノン(John Lennon)が「ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)」のレコーディング中に実践していたことで有名です。

叫んだり表現することによって、心の傷を昇華してしまおうという考え方です。

確かにこの曲では「さあ叫べ」と訴えていますね。

ちなみに「Everybody Wants to Rule the World」ではカート・スミス(Curt Smith)がメインボーカルでしたが、こちらはローランドがメインボーカルを務めています。

カートの方が高くイノセントな声ですが、ローランドの声には説得力と力強さがあります。

この曲はローランド向きの曲だといえるかもしれません。

 

4位「Pale Shelter」(アルバム:The Hurting)

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■曲名:Pale Shelter
■曲名邦題:ペイル・シェルター
■アルバム名:The Hurting
■アルバム名邦題:ザ・ハーティング
■動画リンク:「Pale Shelter」
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このファーストアルバムのアルバム名「Hurting」とは「傷つける」という意味です。

アルバムジャケットにも泣いているらしき子供が使われていますが、このアルバムコンセプトをとてもよく表しているかもしれません。

彼らには抑圧された状況を題材にした曲が散見されますが、この曲もその中の1つです。

あなたは愛を与えず、代わりに弱々しい避難所を与えたと歌われています。

「Pale」をどう訳すのか難しいのですが、青ざめたとか弱々しいとか、そういうネガティブな言葉です。

大雑把にいえば「Pale Shelter」とは「不幸な家庭環境」と置き換えてもいいかもしれません。

ちなみにローランドとカートの2人は、共に離婚した家庭で育ったという共通点があり、13歳からの友達なんだそうです。

そのため彼らの特に初期の曲には、不幸な家庭に育ち心に傷を負った子供の視点が感じられます。

 

5位「Advice for the Young at Heart」(アルバム:The Seeds of Love)

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■曲名:Advice for the Young at Heart
■曲名邦題:アドヴァイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート
■アルバム名:The Seeds of Love
■アルバム名邦題:シーズ・オブ・ラヴ
■動画リンク:「Advice for the Young at Heart」
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このサードアルバムは、彼らのキャリアの中で一番大きな変化といってもいいと思います。

曲が長くなり、アレンジが多彩になり、プログレッシヴな展開が目立つようになりました。

またオリータ・アダムス(Oleta Adams)のボーカルが大きくフィーチャーされ、「ウーマン・イン・チェインズ(Woman in Chains)」を代表とする、ホワイトソウルといえそうな曲が収録されています。

この曲もそういう1曲です。

それまでの彼らのイメージとはかなり異なりましたが、内容的にもヒットチャート的にも大成功を収めました。

ただこの時点で2人の関係はかなり悪化していたようです。

実際このアルバム後、カートはローランドに相談することなく一方的に脱退を宣言してしまいました。

その前兆はこのアルバムのクレジットからも伺えます。

彼らの曲のほどんとはローランドによるものですが、前作までローランドは様々な人と共作していて、ある意味バランスが取れていたと思います。

しかしこのアルバムでローランドはニッキー ホランド(Nicky Holland)との曲づくりが増え、8曲中5曲を共作しています。

一方カートとの共作は1曲のみです。

ただソロになってからのカートの曲を聞くと、カート自身も優れたソングライターであることが分かります。

自分の曲が採用されず軽視される状況に、相当不満が溜まっていたのではないでしょうか。

 

6位「Mad World」(アルバム:The Hurting)

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■曲名:Mad World
■曲名邦題:狂気の世界
■アルバム名:The Hurting
■アルバム名邦題:ザ・ハーティング
■動画リンク:「Mad World」
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実は今回ファーストアルバムからどの曲を選ぶか、それが一番の悩みでした。

XTCっぽいアルバムタイトル曲もすばらしいですが、最終的に陰りのあるエレポップの曲を選んでみました。

陰りがあるのは曲調だけではありません。歌詞にも色濃い陰りが感じられます。

この曲では、毎日全力で努力しなければ生き残れないなんて、なんと狂った世界かと訴えています。

もう少し続けてみましょう。

とてもおかしくて悲しいことだけど、今まで見た中で最高の夢は、自分が死ぬ夢だったりする。

言いにくいことは分かっているが、あえて言わせてもらう。

みんな必死で輪の中をぐるぐる走り回っているけれど、僕にはそんなことは受け入れ難い。

本当に狂った世界だよ。

こんな感じです。

このアルバムは1983年にリリースされていますが、こういう世相は今もあまり変わっていないかもしれませんね。

 

7位「Head over Heels」(アルバム:Songs From The Big Chair)

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■曲名:Head over Heels
■曲名邦題:ヘッド・オーヴァー・ヒールズ
■アルバム名:Songs From The Big Chair
■アルバム名邦題:シャウト
■動画リンク:「Head over Heels」
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「Head over Heels」とは「あの娘にぞっこん」みたいな意味だそうです。

彼らにしては珍しいラブソングですが、たまにはこういう曲があってもいいと思います。

なぜならこの頃彼らは、23~24歳ぐらいの若者でしたから。

プロモーションビデオを見ると、ローランドは図書館の女性に恋しているようですが、気を惹こうとしているローランドはその女性から怪訝な視線を浴びています。

お得意の自虐モードが入っていますね。

さてファーストアルバムは繊細なエレポップ路線でしたが、このアルバムで彼らはロック色を強めて、サウンドプロダクションの強化に成功しています。

それによって世界的なヒットを生み出せる下地ができあがりました。

その陰にはプロデューサーのクリス・ヒューズ(Chris Hughes)の貢献が大きかったと言われています。

クリスはファーストアルバムでもプロデューサーの1人として関わっていましたが、このアルバムでは単独でプロデュースしています。

ちなみにクリスの他のプロデュース作を挙げると、プロパガンダ(Propaganda)、ワン・チャン(Wang Chung)、ハワード・ジョーンズ(Howard Jones)などです。

確かに彼らと相性が良さそうな気がしないでしょうか。

 

8位「Change」(アルバム:The Hurting)

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■曲名:Change
■曲名邦題:チェンジ
■アルバム名:The Hurting
■アルバム名邦題:ザ・ハーティング
■動画リンク:「Change」
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正統派エレポップの名曲を取り上げます。

まずイントロからコロコロと転がるようなシンセサイザーの音が心地良いですね。

世界的なヒットは「Shout」を待たなければいけませんが、実はイギリスではファーストアルバムの段階で既にアルバムチャートの1位を記録していました。

ただ世界的にはまだ大きな注目を浴びていませんでした。

このアルバムがリリースされた1983年のイギリスは、エレポップの全盛時代です。

1982年
デュラン・デュラン(Duran Duran)が「リオ(Rio)」を発表
カジャグーグー(Kajagoogoo)が「君はTOO SHY(Too Shy)」を発表
ABCが「ルック・オブ・ラヴ (The Lexicon of Love)」を発表

1983年
スパンダー・バレエ(Spandau Ballet))が「トゥルー(True)」を発表

全部イギリスのバンドです。

この曲もエレポップをアピールしていますが、上記の通りそういう時代でしたし、その波にうまく乗れて良かったと思います。

彼らには深みのある楽曲が多い中で、気軽に聞ける魅力を持った曲です。

 

9位「Goodnight Song」(アルバム:Elemental)

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■曲名:Goodnight Song
■曲名邦題:グッドナイト・ソング
■アルバム名:Elemental
■アルバム名邦題:ブレイク・イット・ダウン・アゲイン
■動画リンク:「Goodnight Song」
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このアルバムまではチェックしていない方も多いかもしれません。

このアルバムは1993年リリースです。1989年の「The Seeds of Love」から4年が経過しています。

たった4年間ですが、その間に音楽シーンは大きく様変わりをしていました。

たとえば以下のような作品の登場です。

1989年
ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)がデビューアルバムを発表

1991年
プライマル・スクリーム(Primal Scream)が「スクリーマデリカ(Screamadelica)」を発表

これらの作品によって、1980年代の音楽が急速に古くなろうとしていました。

当時はカートが脱退して、ティアーズ・フォー・フィアーズはローランドを中心としたバンドとして活動していました。

楽曲の出来は悪くありませんが、どことなく時代とのズレが生じてきたような気がします。

ただその中で白眉といえるのがこの曲です。

ちなみに次点は「ブレイク・イット・ダウン・アゲイン(Break It Down Again)」です。

全盛期のようなオーラは感じられませんが、曲の出来はさすがという他ありません。

 

10位「Closest Thing to Heaven」(アルバム:Everybody Loves A Happy Ending)

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■曲名:Closest Thing to Heaven
■アルバム名:Everybody Loves A Happy Ending
■動画リンク:「Closest Thing to Heaven」
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2004年の最新作からご紹介します。

このアルバムではうれしい変化がありました。カート・スミスの復帰です。

彼らはカートが脱退してから、別々に音楽活動を続けていました。

両者ともにそれなりに健闘していたと思いますが、新しいファンを獲得するほどの作品ではありませんでした。

しかし彼らは再び合流して、このアルバムをつくり上げます。

この2人はつくづく組み合わせの妙があるようです。

ローランドがメインボーカルですが、カートのファルセットが時々入るだけで、収まるべきところに収まった感じが半端ありません。

確かにこの曲も今の時代に聞く必然性はないと思われるかもしれません。

しかしノスタルジーの助けを借りなくても、耳を惹きつける魅力を持ったすばらしい曲だと思います。

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