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ブラー(Blur)の名曲名盤14選【代表曲・隠れた名曲】

今回はブラーのランキングを作成しました。

彼らはブリットポップの頂点といえるバンドです。

この記事では、そんな彼らの最低限聞いておきたい曲をご紹介してみました。

 

1位「For Tomorrow」(アルバム:Modern Life Is Rubbish)

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■曲名:For Tomorrow
■曲名邦題:フォー・トゥモロー
■アルバム名:Modern Life Is Rubbish
■アルバム名邦題:モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ
■動画リンク:「For Tomorrow」

初めてこの曲を聞いた時は、私はかなり驚きました。

初期デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の影響を感じる曲でしたから。

また曲の出来でも、デヴィッド・ボウイの最高の曲と比べて遜色ないと思います。

名曲が多いこのバンドにおいて、どの曲が1位と決められるものではありません。

10人のファンがいたら全員違うかもしれません。

さてこの曲は単体でも絶品ですが、続く2曲目は性急なトイ・ピアノみたいなイントロで始まります。

Blur – Advert

他にもキンクス(The Kinks)を思わせる、一筋縄ではいかないポップ・センスが尖った曲ばかりです。

 

2位「End of a Century」(アルバム:Parklife)

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■曲名:End of a Century
■曲名邦題:エンド・オブ・ア・センチュリー
■アルバム名:Parklife
■アルバム名邦題:パークライフ
■動画リンク:「End of a Century」

じっくり味わいたい曲です。

もしかしたらメロディの魅力では、この曲が一番かもしれません。

オアシス(Oasis)でいえば「ホワットエヴァー(Whatever)」に匹敵する、普遍性を感じさせるメロディです。

ただこの曲の背景はこんな風です。

デーモンのフラットに蟻の大群が押し寄せてきた「事件」が基となっている。

ブラー ウィキペディア

歌詞では蟻に対して「汚く小さな怪物たちよ、元気のない彼女を驚かせてやれ」とけしかけています(笑)

そしてこんな風に「世紀の終わり」にも、何も特別なことはないのだと。

メロディはストレートですが、歌詞はひとひねりあるのですね。

 

3位「Song 2」(アルバム:Blur)

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■曲名:Song 2
■曲名邦題:ソング2
■アルバム名:Blur
■アルバム名邦題:ブラー
■動画リンク:「Song 2」

このアルバムは、前作から作風がガラリと変わりました。

それまでの作風は1990年代の英国ポップ=ブリットポップでした、

この作品は1997年2月にリリースされています。

当時デーモン・アルバーン(Damon Albarn)は「ブリットポップは死んだ」と宣言しました。

このように作風を変える背景には、いくつかの要因がありました。

まずデーモンとグレアム・コクソン(Graham Coxon)との間で、音楽性の対立があったこと。

グレアムはよりロック的なアプローチを望んでいました。

参考として、グレアムのソロから1曲ご紹介しましょう。

Graham Coxon – Freakin Out

そしてもう1つはペイヴメントの影響。

以前ペイヴメントの曲を聞いたことがない方は、以下の記事でお聞きください。

ペイヴメント(Pavement)の名曲名盤12選

ちなみに「Song 2」では、以下のカバー曲もおすすめです。

The Brilliant Green – Song 2

 

4位「Tender」(アルバム:13)

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■曲名:Tender
■曲名邦題:テンダー
■アルバム名:13
■動画リンク:「Tender」

この曲はリリース時から名曲と言われていました。

洋楽雑誌はこぞってこの曲を絶賛しましたが、一方アルバム自体はそれほど高く評価されなかったように記憶しています。

今でも覚えていますが、この曲以外はクソだと主張するレビューもありましたし。

さてこの曲にはロンドン・コミュニティ・ゴスペル・クワイアが参加し、ゴスペル的な高揚感を醸成しています。

この曲はデーモンが主体に作曲されましたが、グレアムのアドバイスにより更に練り上げられました。

「Oh My Baby」から始まる箇所も、グレアムが提言したのだそうです。

デーモンの才能は疑いようがありません。

ただ彼の欠点は未成熟なアイデアやひらめきの断片を、性急に曲にしてしまうところかもしれません。

その分才気は尖りますが、代償として完成度を犠牲する場合も。

しかし中にはこの曲のように、練り上げることにより更に良い曲へと進化する場合もあるように思います。

 

5位「Girls & Boys」(アルバム:Parklife)

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■曲名:Girls & Boys
■曲名邦題:ガールズ&ボーイズ
■アルバム名:Parklife
■アルバム名邦題:パークライフ
■動画リンク:「Girls & Boys」

彼らはファースト・アルバム「Leisure」の時、ロック・ジャーナリズムから猛プッシュされました。

その結果彼らはそれなりに売れましたが、音楽的にはまだ助走段階だったと思います。

その後彼らは2枚目「Modern Life Is Rubbish」で音楽的に大きく飛躍しましたが、シングル/アルバム共に前作には及びませんでした。

彼らはセカンド・アルバムまで、音楽の質と人気が一致していなかったかもしれません。

そのギャップはこのサード・アルバムで解消されました。

このアルバムはすばらしい出来でしたが、ビッグ・ヒットとなりました。

バンド初のアルバム全英1位を獲得すると90週にもわたりチャート40位圏内に残り続け、1995年のブリット・アワードでもベスト・アルバム賞他、2016年現在(アデルと並び)同賞史上最多タイとなる4部門を受賞。

ブラー ウィキペディア

なおこの曲には以下のペット・ショップ・ボーイズによる別バージョンがあります。

ロック系のクラブでは、以下のリミックス・バージョンの方が人気だったかもしれません。

Blur – Girls & Boys (Pet Shop Boys Remix)

 

6位「Country House」(アルバム:The Great Escape)

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■曲名:Country House
■曲名邦題:カントリー・ハウス
■アルバム名:The Great Escape
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・エスケープ
■動画リンク:「Country House」

この曲は「ブラー・オアシス戦争」の曲として知られています。

当時ブラーはブリットポップの創始者として、揺るぎない立場を確立していました。

その後ブレイクしたのが、ライバル関係にあるオアシス(Oasis)。

両者は特に注目される存在でした。

ブラーの先行シングル「カントリー・ハウス」の発売日が当初、オアシスのシングル「ロール・ウィズ・イット」の発売日(1995年8月14日)と1週間の間隔しかなかったため、ブラー側の判断で敢えてオアシスのシングルの発売日に重ねて、売り上げを競うこととなった。

ブラー ウィキペディア

どうやらブラーから売った喧嘩らしいですね。

この勝負は「Country House」が1位を獲得して、ブラーの勝利に終わりました。

しかしアルバムの方では、オアシスの「モーニング・グローリー(Morning Glory)」に完敗しました。

オアシスに興味のある方は、以下の記事でお聞きください。

オアシス(Oasis)の名曲名盤15選【代表曲・隠れた名曲】

 

7位「Chemical World」(アルバム:Midlife: A Beginner’s Guide to Blur)

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■曲名:Chemical World
■曲名邦題:ケミカル・ワールド
■アルバム名:Midlife: A Beginner’s Guide to Blur
■アルバム名邦題:ミッドライフ:ビギナーズ・ガイド・トゥ・ブラー
■動画リンク:「Chemical World」

ベスト・アルバムの曲です。

彼らのベスト盤では「ザ・ベスト・オブ・ブラー(The Best of Blur)」が知られています。

そのベストでは、ファン投票によって収録曲が決められました。

一方こちらのベスト「Midlife: A Beginner’s Guide to Blur」は、更に後年に発売されました。

前者はファン投票の選曲、後者は曲数が増えて2枚組です。

ただこのバンドは良い曲が多すぎて、そもそもベスト盤向きではありません。

ちなみにこの曲は「The Best of Blur」に収録されていません。

この曲のシングル・バージョンがどうしてもほしい方は「Midlife: A Beginner’s Guide to Blur」がいいでしょう。

一方「The Best of Blur」はアルバム未収録曲「Music Is My Radar」を聞きたい方におすすめです。

Blur – Music Is My Radar

 

8位「Charmless Man」(アルバム:The Great Escape)

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■曲名:Charmless Man
■曲名邦題:チャームレス・マン
■アルバム名:The Great Escape
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・エスケープ
■動画リンク:「Charmless Man」

彼らの最高傑作は「Modern Life Is Rubbish」「Parklife」「Blur」のどれかだと言われています。

このアルバムは一般的な評価は高くないかもしれません。

ただ彼らはこのアルバムの時、ヒットチャートではピークを記録していました。

私もこの記事で唯一3曲選んでいますし。

内容は悪くないどころか、さすが全盛期の1枚といった感じがします。

確かに彼の作風が定着して新鮮味が薄れたかもしれませんし、若干曲がとっちらかった印象も受けます。

しかし少なくとも後者については、私は良い変化だと思っています。

 

9位「Ong Ong」(アルバム:The Magic Whip)

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■曲名:Ong Ong
■曲名邦題:オン・オン
■アルバム名:The Magic Whip
■アルバム名邦題:ザ・マジック・ウィップ
■動画リンク:「Ong Ong」

前作「Think Tank」のレコーディング中にグレアムが脱退しました。

背景にはデーモンとの軋轢があります。

初期のブリットポップ三部作と「Blur」は、グレアムとスティーヴン・ストリートが中心となってプロデュースしていました。

スティーヴン・ストリート(Stephen Street)はロック色が強く、グレアムとの相性の良さそうな人。

しかし前作「Think Tank」でデーモンは、ノーマン・クック(Norman Cook))にプロデュースを依頼しました。

それに反発したグレアムは、2003年バンドを脱退したそうです。

その後2008年デーモンは「ブラーは終わった」と発言しました。

それを知ったグレアムはデーモンに会いに行きました。

その結果2人は和解し、グレアムはバンドに復帰することにしたようです。

しかし当時デーモンはサイド・プロジェクトのゴリラズ(Gorillaz)の活動で忙しく、すぐにバンドは再開されませんでした。

その後2012年にデーモンとグレアムは、以下の曲を発表しています。

Blur – Under the Westway

その後2015年になってようやく発表されたのがこのアルバム。

当時デーモンは、ゴリラズに興味を失っていたかもしれません。

以前私はゴリラズの記事を書きました。

ゴリラズ(Gorillaz)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

もしよかったら上の記事も合わせてどうぞ。

 

10位「There’s No Other Way」(アルバム:Leisure)

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■曲名:There’s No Other Way
■曲名邦題:ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ
■アルバム名:Leisure
■アルバム名邦題:レジャー
■動画リンク:「There’s No Other Way」

彼らのデビュー・アルバムの代表曲としては「She’s So High」が有名です。

しかし私は「There’s No Other Way」の方が、より重要な曲だと思っています。

実際「She’s So High」が最高位48位なのに対して、この曲は8位止まり。

当時ロック系のクラブでは、この曲ばかりかかっていました。

スティーヴン・ストリートはこの曲をプロデュースした功績が認められて、以後長い間ブラーのプロデューサーを務めました。

リズムは当時流行りのアプローチです。

デーモンとグレアムの2人の組み合わせにはある種の化学反応があって、彼らを特別な存在に押し上げました。

リバティーンズ(The Libertines)のピート・ドハーティ(Pete Doherty)とカール・バラー(Carl Barât)の関係に少し似ているかもしれません。

そのタイプの異なるデーモンとグレアムを媒介したのが、スティーヴン・ストリート。

彼らの曲だけに留まらずく、マッドチェスターを代表する名曲です。

 

11位「The Narcissist」(アルバム:The Ballad of Darren)

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■曲名:The Narcissist
■曲名邦題:ザ・ナルシスト
■アルバム名:The Ballad of Darren
■アルバム名邦題:ザ・バラード・オブ・ダーレン
■動画リンク:「The Narcissist」

このアルバムは前作から8年ぶりにリリースされました。

しかしその前は12年ぶりですし。

この作品はアルバム名が示している通り、バラードを中心としています。

初期の彼らはおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドが魅力でした。

しかしこのアルバムでの、彼らは全く作風が異なります。

じっくり聞いて初めて良さが分かるバンドへと成熟しました。

私はアルバムが発売されても、誰かの反応を気にしないタイプです。

しかしこのアルバムに関しては、どのように評価されているのか気になりました。

地味ですが高品質なこのアルバムが正当に評価されているのか、勝手に私は心配したのですね。

私の観測範囲ではこのアルバムは好評のようです。

 

12位「Out of Time」(アルバム:Think Tank)

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■曲名:Out of Time
■曲名邦題:アウト・オブ・タイム
■アルバム名:Think Tank
■アルバム名邦題:シンク・タンク
■動画リンク:「Out of Time」

このアルバムのレコーディング中、グレアムが脱退しました。

そのせいかギターが目立っていませんが、当時のデーモンはギターに興味がなかったかもしれません。

彼はこのアルバムで、ノーマン・クックなど従来とは違ったタイプのプロデューサーを数人を起用しました。

以下の曲では、ウィリアム・オービット(William Orbit)がプロデュースしています。

Blur – Sweet Song

ギターを偏重しなさそうな人ばかりです。

ギターが後退した分、ベースのアレックス・ジェームス(Alex James)とドラムのデイヴ・ロウントゥリー(Dave Rowntree)の存在が浮かび上がりました。

 

13位「Coffee & TV」(アルバム:13)

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■曲名:Coffee & TV
■曲名邦題:コーヒー&TV
■アルバム名:13
■動画リンク:「Coffee & TV」

この曲はグレアムがボーカルを担当しています。

ただ曲を書いたのはデーモン。

当時このアルバムは様々な憶測を呼びました。

というのは、デーモンが交際していたエラスティカ(Elastica)のジャスティーン・フリッシュマン(Justine Frischmann)との別れを匂わせる曲が多かったからです。

エラスティカは、ブラーと同じくブリットポップの人気バンドでした。

私はブラーっぽい以下の曲が好きです。

Elastica – Connection

さてこの曲の歌詞には、以下のような箇所があります。

この巨大でひどい世界から俺を連れ出して
そして俺と結婚してくれ
もう一度やり直したい

Blur – Coffee & TV(翻訳:おとましぐら)

デーモンが自分で歌いたくなかった理由が、なんとなく分かる感じがしないでしょうか。

 

14位「The Universal」(アルバム:The Great Escape)

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■曲名:The Universal
■曲名邦題:ザ・ユニヴァーサル
■アルバム名:The Great Escape
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・エスケープ
■動画リンク:「The Universal」

この記事では、比較的分かりやすい曲を中心に選曲しました。

しかし彼らの魅力は本質的にとらえどころがありません。

そもそもBlurというバンド名からして「ぼやけたもの」という意味ですし。

この記事は私の好みで選曲していませんが、1曲私の好みの曲をご紹介しておきましょう。

Blur – Yuko and Hiro

彼らの音楽には、様々なアーティストの影響を感じます。

思い付くまま挙げると、デヴィッド・ボウイ、キンクス、XTC、ビートルズ(The Beatles)、そしてブライアン・イーノ(Brian Eno)です。

しかし彼らは影響を消化して、最高の楽曲に仕上げました。

その際ひとひねり加えて、とらえどころのなさを魅力的に響かせるところに、彼らの本質がありました。

 

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