今回はブレッカー・ブラザーズのランキングを作成しました。
硬派でテクニカルなフュージョンを代表するグループです。
音楽にスリルを求める人は、ぜひこの機会にお聞きください。
- 1 1位「Some Skunk Funk」(アルバム:Heavy Metal Be-Bop)
- 2 2位「Rocks」(アルバム:The Brecker Bros.)
- 3 3位「Song for Barry」(アルバム:Return of the Brecker Brothers)
- 4 4位「Squids」(アルバム:Heavy Metal Be-Bop)
- 5 5位「Tabula Rasa」(アルバム:Don’t Stop the Music)
- 6 6位「Slang」(アルバム:Out of the Loop)
- 7 7位「Finger Lickin’ Good」(アルバム:Don’t Stop the Music)
- 8 8位「Not Ethiopia」(アルバム:Straphangin’)
- 9 9位「Night Fight(Alternative Take)」(アルバム:The Bottom Line Archive Series)
- 10 10位「I Love Wastin’ Time With You」(アルバム:Back to Back)
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1位「Some Skunk Funk」(アルバム:Heavy Metal Be-Bop)

■曲名:Some Skunk Funk
■曲名邦題:サム・スカンク・フアンク
■アルバム名:Heavy Metal Be-Bop(1978年)
■アルバム名邦題:ヘヴィ・メタル・ビ・バップ
■動画リンク:「Some Skunk Funk」
このバンドの一番の人気曲です。
「Heavy Metal Be-Bop」というアルバム名の意図を、最もよく表した演奏かもしれません。
つまり「Heavy Metal」のように重く激しく、「Be-Bop」のように刺激的な音楽。
彼らの音楽は、フュージョンかクロスオーバーに分類されます。
しかし彼らの音楽は、多くのフュージョン/クロスオーバーと違って聞きやすくありません。
このアルバムの1曲目をご紹介します。
彼らが上の曲を生み出した時、どのようなリスナーを想定していたのか、私には分かりません。
既存のリスナーに迎合するのではなく、自らシーンをつくろうとしていたような気がします。
2位「Rocks」(アルバム:The Brecker Bros.)

■曲名:Rocks
■曲名邦題:ロックス
■アルバム名:The Brecker Bros.(1975年)
■アルバム名邦題:ザ・ブレッカー・ブラザーズ
■動画リンク:「Rocks」
デビュー・アルバムの曲です。
彼らは元々腕利きのセッション・ミュージシャンが集まって結成したグループです。
この時点の主要メンバーをご紹介しましょう。
・ランディ・ブレッカー(Randy Brecker):トランペット
・マイケル・ブレッカー(Michael Brecker):テナー・サックス
・デイヴィッド・サンボーン(David Sanborn):アルト・サックス
・ドン・グロルニック(Don Grolnick):キーボード
・ウィル・リー(Will Lee):ベース
・ハーヴィー・メイソン(Harvey Mason):ドラム
とても豪華なメンバーです。
さてこの曲の聞きどころは、後半のマイケル・ブレッカーとデイヴィッド・サンボーンの掛け合いです。
マイケル・ブレッカーの音域が高いので、アルト・サックスが2本あるかのように聞こえますね。
そして2人を心地良くグルーヴさせるハーヴィー・メイソンの存在感。
40秒から始まるハーヴィー・メイソンのドラムは、彼の特徴がよく表れている決定的な名演です。
3位「Song for Barry」(アルバム:Return of the Brecker Brothers)

■曲名:Song for Barry
■曲名邦題:ソング・フォー・バリー
■アルバム名:Return of the Brecker Brothers(1992年)
■アルバム名邦題:リターン・オブ・ザ・ブレッカー・ブラザーズ
■動画リンク:「Song for Barry」
彼らは1982年に一度活動を停止しました。
ただ彼らの場合、各自が人気セッション・プレイヤーでしたので、仕事に困ることはありません。
ソロ・アルバムで自分のやりたい音楽に取り組む意向もあったことでしょう。
当時ブレッカー・ブラザーズとしては、音楽的に行き詰っていた感じもしましたし。
しかし10年後の1992年、活動を再開しこのアルバムがリリースされました。
その1曲目がこの曲。
なんとも屈託のない伸びやかな演奏です。
まるで演奏する楽しさそのものを表現しているかのような。
終わり間際に入るマイク・スターン(Mike Stern)のギターは必聴です。
4位「Squids」(アルバム:Heavy Metal Be-Bop)

■曲名:Squids
■曲名邦題:スクイッズ
■アルバム名:Heavy Metal Be-Bop(1978年)
■アルバム名邦題:ヘヴィ・メタル・ビ・バップ
■動画リンク:「Squids」
彼らの最高傑作を選ぶ時、10人中9人はこのアルバムを挙げかもしれません。
私もこのアルバムを推します。
さて先程彼らの音楽は、フュージョンとかクロスオーバーという括りでは言い表せないと書きました。
彼らの音楽は、ファンクと呼んだ方がいいかもしれません。
さしずめこの曲などは、都市型重量級ミディアム・ファンクと言った感じでしょうか。
この曲に重みを加えているのは、テリー・ボジオ(Terry Bozzio)のドラムとニール・ジェイソン(Neil Jason)のベースです。
2人で生み出す太いファンク・ビートの上で、時にワウを付けたランディとマイケルが気持ちよさそうに演奏しています。
ジャケットを含め、とてもかっこいいアルバムです。
ただ次作の「デタント(Detente)」は、どことなく煮え切らない作品でした。
5位「Tabula Rasa」(アルバム:Don’t Stop the Music)

■曲名:Tabula Rasa
■曲名邦題:タブラ・ラサ
■アルバム名:Don’t Stop the Music(1977年)
■アルバム名邦題:ドント・ストップ・ザ・ミュージック
■動画リンク:「Tabula Rasa」
このバンドの演奏面のキーマンはマイケル・ブレッカーです。
この曲を聞けばそれがお分かりいただけるかもしれません。
特に55秒から始まるマイケル・ブレッカーの演奏を聞いていると、私は金縛りにあったかのように動けなくなります。
彼らの音楽はBGM向きではありませんね(苦笑)。
マイケル・ブレッカーの特徴は、圧倒的なテクニックをベースとしたスリルです。
後年には思慮深い演奏も増えましたが、血気盛んなこの頃激しくブロウしては、リスナーの心に火を点けまくっていました。
続くランディのソロもすばらしいですし、6:47からのレニー・ホワイト(Lenny White)のドラム・ソロも聞きものです。
6位「Slang」(アルバム:Out of the Loop)

■曲名:Slang
■曲名邦題:スラング
■アルバム名:Out of the Loop(1994年)
■アルバム名邦題:アウト・オブ・ザ・ループ
■動画リンク:「Slang」
初期の彼らのアルバムは、品質が安定していないと感じます。
ある曲は良いけれど、次の曲で肩透かしをくらうことが少なくありません。
アルバム単位で比較的安定しているのは、ファースト・アルバムと「Heavy Metal Be-Bop」ぐらいでしょうか。
しかし活動再開後GRPからリリースされた2枚は、アルバム一枚通してほぼムラがありません。
このアルバムは再結成後の2枚目です。
第37回グラミー賞で、最優秀コンテンポラリー・ジャズ・パフォーマンス賞を受賞しました。
アルバムを通じて、HIPHOPの影響を感じさせるシンプルなリズムが心地良いです。
デビュー時の彼らはテンションの高さが魅力でした。
それにしてもスリルを追い求めていた彼らがその後こんな風に安定し成熟したと思うと、少々感慨深いものがあります。
このアルバムは1枚通して聞くことをおすすめいたします。
7位「Finger Lickin’ Good」(アルバム:Don’t Stop the Music)

■曲名:Finger Lickin’ Good
■曲名邦題:フィンガー・リッキン・グッド
■アルバム名:Don’t Stop the Music(1977年)
■アルバム名邦題:ドント・ストップ・ザ・ミュージック
■動画リンク:「Finger Lickin’ Good」
このバンドの魅力は、各自のキレたソロが交差する瞬間のスリルとか、変態的なコード進行と展開です。
当初私はこのランキングで、彼らの多面的な魅力をご紹介しようとしました。
そこで激しい曲を半分以下にするつもりでしたが、想定より多めに選んでしまいました。
純粋に音楽面だけ考えると、どうしても激しくスリリングな曲に偏ってしまいます。
ただ初期のアルバムを聞くと、聞きやすいボーカル曲が少なくありません。
彼らの音楽をご紹介する時、そういう側面も軽視できません。
ただ正直なところスリリングなインストに比肩するほどの曲は、それほど多くないように思いました。
結局この曲とラストの曲だけになりました。
8位「Not Ethiopia」(アルバム:Straphangin’)

■曲名:Not Ethiopia
■曲名邦題:ノット・エチオピア
■アルバム名:Straphangin’(1981年)
■アルバム名邦題:ストラップハンギン
■動画リンク:「Not Ethiopia」
ランディ・ブレッカーは、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ(Blood, Sweat & Tears)のメンバーでした。
その後ランディは、ドリームス(Dreams)というバンドに参加しました。
ドリームスは商業的に成功せず、セカンド・アルバム「イマジン・マイ・サプライズ(Imagine My Surprise)」を最後に解散しています。
ブレッカー・ブラザーズは、ドリームス時代のメンバーを中心に結成されました。
これまでのバンドでランディは、中心的存在ではありませんでした。
しかし待望の兄弟バンドを結成すると、デビュー・アルバムでは全曲で作曲を担当し、画期的なサウンド・コンセプトを提示しています。
その後バンド人気をけん引したのは、弟のマイケル・ブレッカー。
するとランディはすかさず、弟マイケルの演奏を前面に押し出しました。
先程ご紹介した「Tabula Rasa」でも、兄ランディのソロに比べて倍ぐらいの時間を、弟マイケルのソロに与えています。
そして作曲面でもこのアルバムでは、この曲を始めとしてマイケル・ブレッカーが3曲提供しています。
急速に成長する弟と、それを後押しして更に成長をうながす兄。
このバンドは本当の意味で、兄弟二人三脚のバンドだったのだなと感じます。
9位「Night Fight(Alternative Take)」(アルバム:The Bottom Line Archive Series)

■曲名:Night Fight(Alternative Take)
■曲名邦題:ナイト・フライト(オルタナティヴ・テイク)
■アルバム名:The Bottom Line Archive Series(2015年)
■アルバム名邦題:ライブ・アット・ザ・ボトム・ライン
■動画リンク:「Night Fight(Alternative Take)」
※リンク切れ
彼らのライブ盤といえば「Heavy Metal Be-Bop」が有名ですが、こちらはデビュー直後1975年の演奏です。
この曲はランディのトランペットが聞きものです。
ランディのプレイスタイルは、マイケルと少し似ているかもしれません。
つまりテクニカルで、熱いプレイが特徴です。
当時は両者とも情緒を排したメカニカルなフレーズも似ていて、さすがは兄弟といったところでしょうか。
実力的にも拮抗していて、互いに当たり負けしない強度が、彼らの音楽が持つスリルの源泉でした。
2人のプレイと比較するために、当時バンドに在籍していたデイヴィッド・サンボーンの演奏を引用してみます。
同じライブ・アルバムからの曲です。
Brecker Brothers – It Took a Long Time
※リンク切れ
そういう曲調だからというのもありますが、こちらは打って変わって情緒豊かですね。
方向性の違いを感じたのか、サンボーンはセカンド・アルバムを最後にバンドを去りました。
10位「I Love Wastin’ Time With You」(アルバム:Back to Back)

■曲名:I Love Wastin’ Time With You
■曲名邦題:ウェイスティン・タイム・ウィズ・ユー
■アルバム名:Back to Back(1976年)
■アルバム名邦題:バック・トゥ・バック
■動画リンク:「I Love Wastin’ Time With You」
最後にもう一度R&Bっぽい曲をご紹介しましょう。
この曲では、ベースのウィル・リーがボーカルを担当しています。
セカンド・アルバムからの曲ですが、こういう曲を聞くと、同じくスタジオ・ミュージシャンが結成したニューヨークのバンド、スタッフ(Stuff)との共通点を感じます。
さて最後にその後の彼らについて触れておきましょう。
彼らは「Out of the Loop」をリリースした後、再度活動を停止しました。
その後2005年にマイケル・ブレッカーは、骨髄異形成症候群により亡くなりました。
2013年には、ランディの妻でテナーサックス奏者の妻を代役にして、ブレッカー・ブラザーズ・リユニオン(The Brecker Brothers Band Reunion)名義のアルバムをリリースしています。
その他の注目音源としては「Live and Unreleased」という、未発表ライブがリリースされました。
この記事ではそのライブから選んでいませんが、とてもすばらしいライブ盤です。
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