今回はシガー・ロスのランキングを作成しました。
このバンドは、表現力豊かなヨンシーのボーカルと美しいサウンドが魅力です。
彼らの音楽には、ニューアンスに富んだ音の粒子が溶け込んでいます。
ほとんどアートといえる繊細な音の造形美をご堪能ください。
- 1 1位「Staralfur」(アルバム:Agaetis Byrjun)
- 2 2位「Vaka(The name of Orri’s daughter)」(アルバム:Hvarf/Heim)
- 3 3位「Gobbledigook」(アルバム:Med sud i eyrum vid spilum endalaust)
- 4 4位「Hoppipolla」(アルバム:Takk…)
- 5 5位「Med Blodnasir」(アルバム:Takk…)
- 6 6位「Agaetis Byrjun」(アルバム:Agaetis Byrjun)
- 7 7位「Leit af lífi(Search for life)」(アルバム:Von Brigdi)
- 8 8位「Inni Mer Syngur Vitleysingur(Within me a lunatic sings)」(アルバム:Med sud i eyrum vid spilum endalaust)
- 9 9位「Fljotavik」(アルバム:Inni)
- 10 10位「Untitled(Njosnavelin)」(アルバム:( ))
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1位「Staralfur」(アルバム:Agaetis Byrjun)
■曲名:Staralfur
■アルバム名:Agaetis Byrjun
■アルバム名邦題:アゲイティス・ビリュン
■動画リンク:「Staralfur」
多くの人はこのアルバムで彼らを知りました。
しかしそれ以前の彼らとは、音楽的に変質しています。
サウンドが多彩になり、電子音以外にも様々な楽器が加わり、淡いサウンドスケープを構成しています。
そのキーマンはキャータン・スヴェインソン(Kjartan “Kjarri” Sveinsson)。
彼はマルチ・インストゥルメンタリストで、キーボードを中心に、ギターやフルート、オーボエ、バンジョーなどを演奏できます。
以前のアルバムは、もっと音の輪郭が明確でした。
しかしこのアルバムではキャータンの加入により、柔らかくふくらみのある音像に変化しました。
キャータンは「遠い鼓動(valtari)」を最後にバンドを去っています。
そのせいか、その後リリースされた「Kveikur」は、普通のロック・バンドに近いサウンドに戻りました。
2位「Vaka(The name of Orri’s daughter)」(アルバム:Hvarf/Heim)
■曲名:Vaka(The name of Orri’s daughter)
■アルバム名:Hvarf/Heim
■アルバム名邦題:消えた都
■動画リンク:「Vaka(The name of Orri’s daughter)」
この曲のオリジナル・バージョンは「( )」に収録されています。
そちらも絶品ですが、私はこちらのライブ・バージョンの方を取り上げてみました。
このアルバムは2枚組。
1枚目は「Hvarf」で、既発表曲の別バージョンと未発表曲が収録されています。
2枚目の「Heim」には、アコースティック・ライブが収録されています。
今回選んだ「Vaka(The name of Orri’s daughter)」は、ライブ録音の方をご紹介してみました。
オリジナルはアンビニエントなピアノから始まっていて、かなりアレンジが違います。
原曲のリンクも貼っておきましょう。
原曲はアンビニエントなピアノがすばらしいですが、ライブの方はヴィブラフォンが入っています。
どちらも鎮静作用が強い曲に仕上がっています。
3位「Gobbledigook」(アルバム:Med sud i eyrum vid spilum endalaust)
■曲名:Gobbledigook
■アルバム名:Med sud i eyrum vid spilum endalaust
■アルバム名邦題:残響
■動画リンク:「Gobbledigook」
いきなり曲調が変わったので、驚いたかもしれません。
この曲はこのアルバムの1曲目で、私も最初に聞いた時には面を食らいました。
ただとてもすばらしい曲であることには変わりません。
彼らにはドラムが目立つ曲はあまり多くありません。
まあこの曲もドラムというより、トライバルなパーカッションみたいな感じですし。
ドラムのオーリー・ディラソン(Orri Pall Dyrason)が、生き生きと演奏していますね。
また全裸で走っているアルバム・ジャケットも話題になりました。
ちなみにPVでは男女関係なく、全裸で森を駆け回ったり、湖で泳いでいます。
ただ彼らのつくり出す世界観の中では、それほどエロさは感じません。
人間が本来持っている原初の喜びを爆発させているように感じます。
4位「Hoppipolla」(アルバム:Takk…)
■曲名:Hoppipolla
■アルバム名:Takk…
■アルバム名邦題:タック…(ありがとう)
■動画リンク:「Hoppipolla」
このバンドは聞く人を選ぶバンドだと思います。
私は彼らにロック的なカタルシスを求めていません。
彼らはシューゲイザーを引き合いに出されることが多いかもしれません。
確かにファースト・アルバムの「希望(Von)」にも、それらしき曲が収録されています。
なかなか良い曲ではないでしょうか。
しかし彼らのコアは、音のたたずまいの美しさです。
必ずしもロックのフォーマットに留まっている必要はありません。
実際彼らはエレクトロニカに分類されたり、アンビニエントに分類されることもあります。
私は真の意味でポスト・ロックといえる音楽だと思います。
5位「Med Blodnasir」(アルバム:Takk…)
■曲名:Med Blodnasir
■アルバム名:Takk…
■アルバム名邦題:タック…(ありがとう)
■動画リンク:「Med Blodnasir」
このアルバムは、2曲目の「Glosoli」から「Hoppípolla」「Med Blodnasir」という3曲の流れが秀逸です。
「Glosoli」については、リンクだけ貼っておきましょう。
ただそれ以外もすばらしい曲が多く、最も完成度が高いアルバムではないでしょうか。
聞き終わった時、多幸感が残るのもいいですね。
その幸せな感じは、裏ジャケットで表現されています。
おぼろげな描写とライトなワビサビを感じさせる色彩感。
彼らの音楽をよく表している絵だと思います。
6位「Agaetis Byrjun」(アルバム:Agaetis Byrjun)
■曲名:Agaetis Byrjun
■アルバム名:Agaetis Byrjun
■アルバム名邦題:アゲイティス・ビリュン
■動画リンク:「Agaetis Byrjun」
彼らの最高傑作については、人によって意見が異なります。
一般的には「Agaetis Byrjun」「Takk…」「Med sud i eyrum vid spilum endalaustn」のどれかだと言われています。
私のイチオシは、幻想的な「Agaetis Byrjun」です。
今回は1枚のアルバムから2曲までに制限しました。
そのため「Svefn-g-englar」と「Ny batteri」も選外になりました。
彼らを聞いた当初、アイスランドのバンドということもあり、より神秘的に思えました。
このバンドについても、今ほど情報がありませんでしたし。
エレクトロニクスを多用しながらも、豊かな自然を感じさせるサウンドも新鮮でしたし。
ちなみにアイスランドは人口が35万にすぎません。
しかし他にもビョーク(Bjork)やムーム(mum)など、世界的なアーティストを生んでいます。
7位「Leit af lífi(Search for life)」(アルバム:Von Brigdi)
■曲名:Leit af lífi(Search for life)
■アルバム名:Von Brigdi
■アルバム名邦題:絶望
■動画リンク:「Leit af lífi(Search for life)」
この曲をご存じない方も多いかもしれません。
このアルバムは、初期音源のリミックス・アルバムです。
特にこの曲は「Agaetis Byrjun」以前の姿が垣間見える傑作です。
ゲオルグ・ホルム(Georg “Goggi” Holm)のベースが躍動していますね。
少しニューウェーヴ色も感じますが、途中入るアンニュイなサックスなど、型にはまらない魅力があります。
彼らは1997年に「Von」でデビューすると、翌年このファースト・アルバムのリミックス集をリリースしました。
ちなみに彼らのバンド名には、以下のような由来があるそうです。
バンドを結成した日にヨンシーの妹が生まれ、Sigurrósと名づけられたためバンド名もここから取った。
ヨンシー(Jonsi)の妹さんの名前は、世界的に有名になってしまいましたね。
8位「Inni Mer Syngur Vitleysingur(Within me a lunatic sings)」(アルバム:Med sud i eyrum vid spilum endalaust)
■曲名:Inni Mer Syngur Vitleysingur(Within me a lunatic sings)
■アルバム名:Med sud i eyrum vid spilum endalaust
■アルバム名邦題:残響
※ジャケットはシングルのものを使用しています
■動画リンク:「Inni Mer Syngur Vitleysingur(Within me a lunatic sings)」
彼らの音楽には、肯定的な力があります。
この曲はその筆頭といえるかもしれません。
まるでキラキラした光の粒子を音にしたような曲です。
この曲の歌詞は「美しい自然を目に焼き付けて目を閉じたら、きっと願いが叶うよ」という内容です。
歌詞を読まなくても、音楽を聞いただけでそう感じさせてくれますね。
彼らの音楽が多くの人に支持されているのは、ポジティヴな気持ちにさせる効用面が大きいかもしれません。
このアルバムの2年後の2010年、ボーカルのヨンシーは「ゴー(Go)」というソロ・アルバムを発表しました。
タイトルから伺えるように、そのアルバムでもポジティブなメッセージを訴えています。
その後彼らは「valtari」と2013年「Kveikur」を最後に、活動が途絶えています。
活動の再開が待ち遠しい人も多いのではないでしょうか。
9位「Fljotavik」(アルバム:Inni)
■曲名:Fljotavik
■アルバム名:Inni
■アルバム名邦題:インニイ
■動画リンク:「Fljotavik」
彼らは緻密なスタジオワークを駆使した傑作をリリースしてきました。
しかし彼らはライブも聞き逃せません。
この曲はライブ音源の方ですが、私はスタジオ・バージョンより好きなぐらいです。
ライブではスタジオ録音に比べて、ヨンシーのボーカルが目立つ曲が多いように感じます。
たとえばこの曲。
ヨンシーの歌は特にファルセットが格別の美しさで、声だけで確固たる世界を表現することができます。
この曲はバックが簡素なので、彼の美声を味わうのに最適です。
10位「Untitled(Njosnavelin)」(アルバム:( ))
■曲名:Untitled(Njosnavelin)
■アルバム名:( )
■動画リンク:「Untitled(Njosnavelin)」
彼らの音楽は、地味な美メロの宝庫です。
この曲では同じメロディを7分近く繰り返していますが、一度ハマるといつまでも聞いていたくなります。
いや聞くというより、音に身を任せるというべきか。
このアルバムは他の作品に比べてドラマティックな曲が少な目ですが、その分BGMとして重宝します。
こんなにクリエイティヴな音楽なのに、睡眠導入剤としての機能性も抜群です。
アルバム名は「( )」というもので、カッコの中には何も入っていませんね。
私はこのアルバムの内容を、的確に表していると思います。
聞き終わった後には、いい具合に頭が空っぽになる感じがしますし。
ただ穏やかなだけではない、真のヒーリング・ミュージックだと思います。
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