今回はスタッフのランキングを作成しました。
彼らはフュージョンに分類されることが多いように思いますが、個人的にはソウル・インストと呼んだ方がしっくりきます。
テクニックではなく、独特の味わいが特徴のグループです。
リラックスしてお聞きください。
- 1 1位「Talkin’ About My Love for You」(アルバム:Stuff It)
- 2 2位「Love of Mine」(アルバム:More Stuff)
- 3 3位「My Sweetnes」(アルバム:Stuff)
- 4 4位「Honey Coral Rock」(アルバム:More Stuff)
- 5 5位「That’s The Way Of The Word」(アルバム:Live at Montreux 1976)
- 6 6位「Shuffle」(アルバム:Live in New York)
- 7 7位「As」(アルバム:More Stuff)
- 8 8位「How Long Will It Last」(アルバム:Stuff)
- 9 9位「Mighty Love」(アルバム:Stuff It)
- 10 10位「Do It Again」(アルバム:Live at Montreux 1976)
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1位「Talkin’ About My Love for You」(アルバム:Stuff It)
■曲名:Talkin’ About My Love for You
■曲名邦題:トーキン・アバウト・マイ・ラヴ・フォー・ユー
■アルバム名:Stuff It
■アルバム名邦題:スタッフ・イット
■動画リンク:「Talkin’ About My Love for You」
私はこのバンドのボーカル曲が好きです。
フュージョン系のバンドは、ゲスト・ボーカルを迎えることが多いです。
しかしこのバンドは、自分たちでボーカルをまかなっていました。
この曲で歌っているのは、リーダーでベースのゴードン・エドワーズ(Gordon Edwards)です。
はっきり言って上手いとは思いません。
ヘタウマなボーカルですが、そこがまた良いという人もいることでしょう。
私もその1人です。
私はこのバンドについて、こういうあか抜けないところが良いと思っています。
その代表として、この曲を1位にしてみました。
2位「Love of Mine」(アルバム:More Stuff)
■曲名:Love of Mine
■曲名邦題:あこがれの君
■アルバム名:More Stuff
■アルバム名邦題:モア・スタッフ
■動画リンク:「Love of Mine」
もう1曲ボーカル曲をご紹介しましょう。
歌は先程と同じくゴードン・エドワーズです。
先程の曲はサード・アルバムからで、この曲はセカンド・アルバムからです。
心なしか先程の曲よりも、更に素人感が漂っている感じがしますね。
ちなみにセカンド・アルバムではリチャード・ティー(Richard Tee)も「ニード・サムボディ(Need Somebody)」でボーカルを披露していますが、そちらも歌が上手いとはいえません。
私は最初このバンドを聞いた時、肩透かしを食らったような気がしたものです。
なぜかというと、売れっ子のスタジオ・ミュージシャンが結成したバンドという評判だったからです。
しかしそれほどテクニカルでもなければ、これぞプロという演奏には聞こえませんでした。
その後良さが理解できてきましたが。
今ではその何気ないリラックスした雰囲気を味わうべきではないかと思っています。
この曲にも肩肘はらない魅力が感じられないでしょうか。
3位「My Sweetnes」(アルバム:Stuff)
■曲名:My Sweetnes
■曲名邦題:いとしの貴女
■アルバム名:Stuff
■アルバム名邦題:スタッフ!!
■動画リンク:「My Sweetnes」
この曲はラジオ番組「軽音楽をあなたに」のテーマ曲に使われたのだそうです。
当時のオープニングの音源を見つけたので、ご紹介しておきましょう。
スタッフの曲の中では、おそらく一番知名度の高い曲の1つだと思います。
まずイントロのエレクトリック・ピアノが最高です。
弾いているのは、リチャード・ティー。
リチャード・ティーは、このバンドでフェンダーローズ、オルガン、ピアノなど、キーボード関係を担当しています。
彼の演奏はエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のように、楽器によってプレイスタイルを変えている感じがしますね。
私はこの人のエレピの演奏が大好きです。
ひんやりとしてリリカルな音が、1970年代のクロスオーヴァーの魅力を余さず伝えてくれます。
4位「Honey Coral Rock」(アルバム:More Stuff)
■曲名:Honey Coral Rock
■曲名邦題:ハニー・コーラル・ロック
■アルバム名:More Stuff
■アルバム名邦題:モア・スタッフ
■動画リンク:「Honey Coral Rock」
このバンドの看板プレイヤーは全員と言いたいところですが、ギターの2人が注目です。
エリック・ゲイル(Eric Gale)とコーネル・デュプリー(Cornell Dupree)の2人は、プレイスタイルが少し似ているかもしれません。
個人的な印象としては、どちらもブルース・ギタリストがフュージョンのバンドに参加したような印象を受けます。
スタイル的に共通点も多く、私も時々どちらの演奏か自信がない時があります。
ではこの曲で聞き分けてみましょう。
私の感じだと3:24からはコーネル・デュプリーで、4:02からがエリック・ゲイルの演奏に聞こえます。
その後数秒でコーネル・デュプリーに戻りますが。
言葉ではうまく説明できないのですが、エリックの方が音のアタックが強く、音が引き締まっているように感じます。
一方コーネルはより音色がまろやかで、フュージョン的なサステインの利かせ方をしているという感じでしょうか。
ただリズム・ギターに回った時などは、はっきり識別できないこともあります。
5位「That’s The Way Of The Word」(アルバム:Live at Montreux 1976)
■曲名:That’s The Way Of The Word
■曲名邦題:暗黒への挑戦
■アルバム名:Live at Montreux 1976
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・モントルー 1976
■動画リンク:「That’s The Way Of The Word」
先程このバンドは、スタジオ・ミュージシャンが結成したバンドだと書きました。
彼らは自分たちも曲を書きますが、良い曲はカバー曲の方に多いかもしれません。
この曲は、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)の有名曲のカバーです。
前半のピアノは、デイヴ・グルーシン(Dave Grusin)に似た雰囲気がありますね。
曲の中盤からは2人のギターの独壇場です。
2人ともソウル出身なだけに、こうしたメロウな演奏もお手のものです。
良いプレイヤーが良い曲に出会うと、こういうすばらしい演奏が生まれるのですね。
6位「Shuffle」(アルバム:Live in New York)
■曲名:Shuffle
■曲名邦題:シャッフル
■アルバム名:Live in New York
■アルバム名邦題:イン・ニューヨーク
■動画リンク:「Shuffle」
このバンドはライブ・アルバムが多いです。
オリジナル・メンバーの時期に限定すれば、スタジオ・アルバム3枚、ライブ・アルバム3枚と同数リリースされています。
今回ご紹介できなかった「ライヴ・スタッフ(Live Stuff)」からも、1曲ご紹介しておきましょう。
Stuff – Junior Walker Medley: Road Runner / Pucker up Buttercup
彼らをフュージョン・バンドと言っていいのかと思うのは、こういう曲を聞いた時です。
彼らは大都会ニューヨーク出身のバンドなのですが、なぜこんなにいなたいのかうれしい誤算だと感じます。
私のように彼らのバタくさいところが好物の人間にとっては、この曲は最高のごちそうです。
7位「As」(アルバム:More Stuff)
■曲名:As
■曲名邦題:アズ
■アルバム名:More Stuff
■アルバム名邦題:モア・スタッフ
■動画リンク:「As」
先程はEW&Fのカバーでしたが、こちらはスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)のカバーです。
私はスタジオ・アルバムの代表作は、このセカンド・アルバムだと思っています。
前作よりも彼らの持ち味であるソウルっぽさが、よく表れているように感じますし。
そこにはプロデューサーである、ヴァン・マッコイ(Van McCoy)の貢献が大きかったかもしれません。
ヴァンは1970年代後半、売れ筋のソウル・インストやディスコ・ナンバーで手腕を発揮した人です。
ファーストは本国アメリカで不振に終わりましたが、次作に向けてテコ入れするにはうってつけの人材だったのでしょう。
スティーヴィーの原曲は1976年リリースされていますが、このアルバムのレコーディングも1976年から開始されています。
当時原曲がヒットして、すぐにカバーしたのですね。
そういう目の付け所は、ヴァン・マッコイらしいかもしれません。
8位「How Long Will It Last」(アルバム:Stuff)
■曲名:How Long Will It Last
■曲名邦題:ハウ・ロング・ウィル・イット・ラスト
■アルバム名:Stuff
■アルバム名邦題:スタッフ!!
■動画リンク:「How Long Will It Last」
彼らの活動は意外と古く、1960年代後半にまでさかのぼります。
ゴードン・エドワーズのバンド、エンサイクロペディア・オブ・ソウルを母体に、その発展形としてデビューすることになったのが、このスタッフです。
そうした流れからそのままゴードンがリーダーになりました。
このデビュー・アルバムではメロウな曲が多いのですが、プロデューサーがトミー・リピューマ(Tommy LiPuma)であることが影響しているかもしれません。
私はソウル色が強まった次作の方が好みです。
私はこの曲を選びましたが、メロウな路線がお好みの方には、以下の曲をおすすめしておきましょう。
出来としては、どちらもほぼ同等だと思います。
さてフュージョンのベースというとバカテクだったり、チョッパーなどの派手な技を想像する人もいるかもしれません。
しかしゴードンのベースは、あまり派手ではありません。
比較的シンプルで、時にはディスコっぽいフレーズもあったりするせいか、一般的にはそれほど高く評価されていません。
しかしこの曲の後半を聞いてみてください。
曲をグルーヴさせる実にすばらしい演奏ではないでしょうか。
9位「Mighty Love」(アルバム:Stuff It)
■曲名:Mighty Love
■曲名邦題:マイティ・ラヴ
■アルバム名:Stuff It
■アルバム名邦題:スタッフ・イット
■動画リンク:「Mighty Love」
サード・アルバムからの選曲です。
このアルバムの評判はあまり良くありません。
前2作にあったような素朴なソウル風味が減退して、チープなサウンドにシフトしてしまいました。
スティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)のプロデュースですが、流行りに迎合した感じがしないでもありません。
特に「ダンス・ウィズ・ミー(Dance with Me)」のカバーを最初聞いた時は、その安っぽいサウンドメイクに愕然とした記憶があります。
しかし改めてアルバムを聞き直すと、それほど悪くないと思いました。
特にアルバム冒頭のこの曲は、ワウがかかったキーボードがおもしろい効果を生んでいます。
2人のギターも快調ですしね。
オリジナルはスピナーズ(The Spinners)の有名曲ですが、他のカバーと同じく原曲に忠実なのが勝因かもしれません。
10位「Do It Again」(アルバム:Live at Montreux 1976)
■曲名:Do It Again
■曲名邦題:ドゥ・イット・アゲイン
■アルバム名:Live at Montreux 1976
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・モントルー 1976
■動画リンク:「Do It Again」
アルバム名の後にある「1976」に、ご注目ください。
1976年といえば彼らがデビューした年ですが、実はこの演奏はデビュー前のものです。
このアルバムは、ジャズ・フェスティバルで有名なスイスのモントルーで行われたライブ演奏を収録しています。
彼らはそのフェスティバルに参加して、一躍脚光を浴びました。
その時のライブは日本でもラジオで放送されて、当時注目を浴びたのだとか。
私は名作ぞろいの彼らのライブ・アルバムの中で、このアルバムが最も出来が良いと思っています。
ちなみに彼らはギターだけでなく、ドラムも2人います。
スティーヴ・ガッド(Steve Gadd)
クリストファー・パーカー(Chris Parker)
特に目立っているのは、ガットの方かもしれません。
この曲でもガットは、大変すばらしい演奏をしていますね。
イントロの段階で耳を惹きつけるところは、さすがとしか言いようがありません。
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