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トム・ペティ(Tom Petty)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はトム・ペティのランキングを作成しました。

彼は日本ではアメリカほどの人気はないかもしれません。

しかし彼は誰よりもアメリカン・ロックの魅力を体現している人でした。

アメリカン・ロックとは何か知りたい方は、彼の音楽を聞いてみてください。

 

1位「American Girl」(アルバム:Tom Petty & The Heartbreakers)

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■曲名:American Girl
■曲名邦題:アメリカン・ガール
■アルバム名:Tom Petty & The Heartbreakers(1976年)
■アルバム名邦題:アメリカン・ガール
■動画リンク:「American Girl」

デビュー・アルバムの曲で、この人の代表曲です。

ただこの曲はリリース当時ヒットチャート圏外、つまり200位にさえ入りませんでした。

この曲は後に再評価されたのですね。

イギリスの音楽はひねりや毒、自虐的なユーモア、陰りや湿り気などが特徴です。

一方アメリカの音楽は、よりストレートでカラッと乾いています。

アメリカにはトム・ペティの音楽が受け入れやすい土壌があり、そのせいかこれ以降イギリスよりも高く評価されました。

というより彼らはアメリカ以外ではそれほど売れていません。

この曲の曲名は「American Girl」

第二次世界大戦時の米軍の飛行機には、よく女性のイラストが描かれていました。

アメリカ人男性は、女性へのあこがれもストレートなのかもしれません。

ちなみにこの曲はアメリカ建国200周年の年に録音されて、生前トム・ペティが最後に演奏した曲なのだそうです。

アメリカを象徴する曲の1つといえるかもしれません。

 

2位「Refugee」(アルバム:Damn The Torpedoes)

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■曲名:Refugee
■曲名邦題:逃亡者
■アルバム名:Damn The Torpedoes(1979年)
■アルバム名邦題:破壊
■動画リンク:「Refugee」

彼らはこのアルバムで一躍ブレイクしました。

このアルバムは全米チャートで2位を記録しました。

その時1位に鎮座していたのはピンク・フロイド(Pink Floyd)の「ザ・ウォール(The Wall)」

「The Wall」は3000万枚という途方もないセールスを記録したモンスター・アルバムで、ビートルズ(The Beatles)の「ホワイト・アルバム(The Beatles)」を上回り、世界一売れた2枚組なのだそうです。

このアルバムは運が悪かったとしか言いようがありません。

その結果、彼らが全米アルバム・チャート1位を獲得するのは、2014年の「ヒプノティック・アイ(Hypnotic Eye)」まで待たなければいけませんでした。

ちなみにこの記事では次作「ハード・プロミス(Hard Promises)」と「ロング・アフター・ダーク(Long After Dark)」から選曲していません。

その2枚から1曲ずつリンクを貼っておきましょう。

Tom Petty – Letting You Go

Tom Petty – Straight Into Darkness

それらのアルバムも良い出来です。

ただ彼らのピークは2回あって、この記事ではその2つの時期の曲を多めに選曲しました。

 

3位「Out In The Cold」(アルバム:Into The Great Wide Open)

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■曲名:Out In The Cold
■曲名邦題:アウト・イン・ザ・コールド
■アルバム名:Into The Great Wide Open(1991年)
■アルバム名邦題:イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン
■動画リンク:「Out In The Cold」

トム・ペティの話になると、時々話題になることがあります。

それはジェフ・リン(Jeffrey Lynne)がプロディースした曲に対するネガティヴな意見。

私は嫌いではありません。

試しに嫌われる理由を、私なりに推測してみましょう。

まずジェフ・リンがプロデュースした曲は、ジェフ・リン色が強くなりがちであること。

ジェフ・リンの刻印が押されてしまうあまり、トム・ペティの作品というより、ジェフ・リンの作品と感じることがあります。

またポップ色が強まる傾向があり、ロックンロールとしてのエッジが削がれたと感じることも。

あと私のリスニング環境のせいかもしれませんが、音域が狭くこもったような音になりがちです。

たとえばこのアルバムに収録された以下の曲も、そういう傾向がなきにしもあらず。

Tom Petty – Learning To Fly

ただジェフ・リンのプロデュースに否定的な人でも、ELOやトラヴェリング・ウィルベリーズ(Traveling Wilburys)は嫌いではないのが不思議です。

知っている風なことを書きましたが、やはり私にはよく分かりません。

 

4位「Swingin’」(アルバム:Echo)

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■曲名:Swingin’
■曲名邦題:スウィンギン
■アルバム名:Echo(1999年)
■アルバム名邦題:エコー
■動画リンク:「Swingin’」

この記事ではこのアルバムまでを対象にしました。

通常才能あるアーティストは、初期から才能が顕著に表れるものです。

実際1970年代のトム・ペティも良いアルバムを連発していました。

しかし1988年彼がトラヴェリング・ウィルベリーズに参加した時、私は違和感をおぼえました。

なにせ他のメンバーは、ロイ・オービソン(Roy Orbison)、ボブ・ディラン(Bob Dylan)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)、ジェフ・リンとレジェンドぞろいですから。

失礼を承知で当時の感想を告白すると、横綱ばかりの中に大関が入っているように感じたのですね。

しかしトラヴェリング・ウィルベリーズの後、1990年以降トム・ペティの存在感は更に高まりました。

今では上記のメンバーと比べても遜色ないと感じます。

おそらく最初からそうだったのに、私の理解が浅かっただけだったようです。

 

5位「A Higher Place」(アルバム:Wildflowers)

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■曲名:A Higher Place
■曲名邦題:ハイヤー・プレイス
■アルバム名:Wildflowers(1994年)
■アルバム名邦題:ワイルドフラワーズ
■動画リンク:「A Higher Place」

先程彼は1990年以降、存在感が高まったと書きました。

それには彼の全盛期が2回あることが関係しています。

1970年代と1990年代以降。

実際この記事でも、主にその2つの時期から選曲しています。

1970年代は若さゆえのピュアなロックンロールがとても魅力的でした。

しかし1990年代は一段と成熟の度合いを深め、表現の厚みが増しました。

若さと成熟のどちらを取るか、その人の好みが分かれるかもしれません。

私は彼の最高傑作を聞かれたら、初期は「Damn The Torpedoes」を、1990年代以降では「Wildflowers」と「Echo」を推します。

このアルバムは、リック・ルービン(Rick Rubin)がプロデューサーを務めています。

リック・ルービンがアメリカン・ロックの作品をプロデュースするのですから、悪かろうはずがありません。

 

6位「Feel a Whole Lot Better」(アルバム:Full Moon Fever)

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■曲名:Feel a Whole Lot Better
■曲名邦題:すっきりしたぜ
■アルバム名:Full Moon Fever(1989年)
■アルバム名邦題:フル・ムーン・フィーヴァー
■動画リンク:「Feel a Whole Lot Better」

彼はソウル・ミュージックとザ・バーズ(The Byrds)から影響を受けています。

個人的にはザ・バーズ解散後のロジャー・マッギン(Roger McGuinn)ソロに、少し作風が似ているように感じます。

そういえばロジャー・マッギンは「American Girl」をカバーしてましたし。

さてこの曲はザ・バーズのカバーです。

以下にオリジナルのリンクを貼っておきましょう。

The Byrds – I’ll Feel A Whole Lot Better

トム・ペティがオリジナルに敬意を払っていることが伝わってきますね。

このアルバムでは以下のヒット曲がよく知られています。

Tom Petty – Free Fallin’

 

7位「Jammin’ Me」(アルバム:Let Me Up (I’ve Had Enough))

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■曲名:Jammin’
■曲名邦題:ジャミン・ミー
■アルバム名:Let Me Up (I’ve Had Enough)(1987年)
■アルバム名邦題:レット・ミー・アップ
■動画リンク:「Jammin’ Me」

彼の音楽聞くと、私はローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)、ボブ・ディラン(Bob Dylan)、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)、ザ・バーズなどの影響を感じます。

私はトム・ペティについて、それらレジェンドたちからバトンを受け取った人だと考えています。

この記事を書くにあたって、改めて彼の魅力のコアについて改めて考えてみました。

まず先達の影響を隠さない、まっすぐなロックということ。

私はD・H・ロレンスの以下の格言を思い出しました。

英雄に讃仰と忠節を捧げたまえ。そうすれば自分自身、英雄的となる。

名言集7

トム・ペティは先人の影響を受けながら、現在は同様に尊敬を集める存在になりました。

 

8位「Walls (No. 3)」(アルバム:She’s The One)

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■曲名:Walls (No. 3)
■曲名邦題:ウォールズ(No.3)
■アルバム名:She’s The One(1996年)
■アルバム名邦題:彼女は最高
■動画リンク:「Walls (No. 3)」

このアルバムは同名映画のサウンドトラックです。

しかしオリジナル・アルバムと同等に考えて差支えありません。

彼の音楽は「ハートランド・ロック」と呼ばれます。

ハートランドロックとは何か引用しましょう。

ハートランドは、労働者・農民の割合が比較的高く[1]、それらの階層の人々の喜び、悲しみをロックの歌詞とサウンドにのせたロックが人気がある。ハートランド・ロックのロッカーには代表的なブルース・スプリングスティーン[2]、ボブ・シーガー[3]、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ[4]の他に、ジョン・メレンキャンプ、ジョン・ハイアット[5]、女性ロッカーのメリッサ・エスリッジ[6]らがいる。

ハートランド・ロック ウィキペディア

つまり労働者に好まれるロック・ミュージックなのですね。

過剰な装飾を排した素朴で極めて人間的な音楽。

イギリスでいえば、パブロックの立ち位置に似ているかもしれません。

トム・ペティの音楽もまた飾り気のなさが魅力です。

 

9位「I Need to Know」(アルバム:You’re Gonna Get It!)

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■曲名:I Need to Know
■曲名邦題:アイ・ニード・トゥ・ノウ
■アルバム名:You’re Gonna Get It!(1978年)
■アルバム名邦題:ユア・ゴナ・ゲット・イット!
■動画リンク:「I Need to Know」

この人のアルバムに駄作はありません。

多少の好き嫌いはあるにせよ、音楽の質は高い水準で安定しています。

このセカンド・アルバムは地味だと言われますし、私もそう感じなくもありません。

しかし地味でも極めて質が高く、この曲のように目を見張る楽曲も収録されています。

彼の音楽は地力があり底堅く、ある一定水準以下にはなりません。

その品質の維持については、律儀に感じられるほど。

彼の音楽を聞くと、勤勉で思慮深い人柄がうかがい知れます。

いたずらにキャッチーにならない一方で渋さにも傾きすぎず、その中間でバランスをとった音楽。

それでいてロックとしての野性味は失われていません。

 

10位「Southern Accents」(アルバム:Southern Accents)

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■曲名:Southern Accents
■曲名邦題:サザン・アクセンツ
■アルバム名:Southern Accents(1985年)
■アルバム名邦題:サザン・アクセンツ
■動画リンク:「Southern Accents」

このブログでは良い曲を重視した結果、ヒット曲を優遇しないことが多いです。

ヒット曲が最良の曲と一致していなことも少なくないですから。

異論もある思いますが、個人的にはトム・ペティは良い曲とシングルが一致しないタイプだと考えています。

この記事では文中でランク外にした有名曲、ヒット曲のリンクを貼りました。

このアルバムでは、以下の曲がシングルカットされています。

Tom Petty – Don’t Come Around Here No More

単に曲の平均水準が高いせいあると思いますが。

トム・ペティについてはベスト盤のような選曲では、真価は把握できないかもしれません。

もしこの記事の曲が気に入ったら、アルバム単位で聞いてみていただければと思います。

先程書いたように、彼のアルバムは律儀なほど高い水準で安定していますし。

 

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