今回はサウスサイド・ジョニー&ジ・アズベリー・ジュークスのランキングを作成しました。
サウスサイド・ジョニーは、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)のフォロワーみたいに思われがちです。
確かに同じニュージャージー出身で、音楽的にも共通点が多いかもしれません。
しかし私は少し違った持ち味があると考えています。
ただどちらも共通してアメリカン・ロックの醍醐味が味わえます。
- 1 1位「Talk To Me」(アルバム:Hearts of Stone)
- 2 2位「I Don’t Want to Go Home」(アルバム:I Don’t Want to Go Home)
- 3 3位「Hearts of Stone」(アルバム:Hearts of Stone)
- 4 4位「Be My Baby」(アルバム:Live at the Bottom Line)
- 5 5位「Without Love」(アルバム:This Time It’s for Real)
- 6 6位「Trapped Again」(アルバム:Hearts of Stone)
- 7 7位「You Mean So Much to Me」(アルバム:I Don’t Want to Go Home)
- 8 8位「Love on the Wrong Side of Town」(アルバム:This Time It’s for Real)
- 9 9位「Little Girl So Fine」(アルバム:This Time It’s for Real)
- 10 10位「Havin’ a Party」(アルバム:Havin’a Party with Southside Johnny)
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1位「Talk To Me」(アルバム:Hearts of Stone)
■曲名:Talk To Me
■曲名邦題:トーク・トゥ・ミー
■アルバム名:Hearts of Stone
■アルバム名邦題:ハーツ・オブ・ストーン
■動画リンク:「Talk To Me」
まずイントロは小気味良いドラムから始まり、その後高らかにホーンが高らかに鳴り響いていますね。
このイントロは、彼らの音楽がソウル・ミュージックの影響下にあることを示しています。
彼らはホーン・セクションがいるので人数が多いです。
数えてみたところ、総勢11人もいました。
しかしこの曲を聞けば、そのぐらいの人数が必要だと理解できるかもしれません。
ホーンを背負ったサウスサイド・ジョニーの歌も、覇気のある歌唱を聞かせてくれていますね。
ロックというジャンルは元々黒人音楽の影響を強く受けているジャンルです。
彼らの音楽は、改めてその事実を思い出させてくれます。
2位「I Don’t Want to Go Home」(アルバム:I Don’t Want to Go Home)
■曲名:I Don’t Want to Go Home
■曲名邦題:アイ・ドント・ワナ・ゴー・ホーム
■アルバム名:I Don’t Want to Go Home
■アルバム名邦題:アイ・ドント・ワナ・ゴー・ホーム
■動画リンク:「I Don’t Want to Go Home」
ファースト・アルバムからの曲です。
アメリカに限りませんが、昔は遊びといえば外遊びでした。
今はインターネットやゲームなど様々な娯楽がありますし、SNSで誰かと繋がることもできます。
昔は今のように屋内の娯楽は多くありませんでした。
しかし家の外に出かければ、そこには楽しい仲間がいました。
この曲でもこんな箇所があります。
俺は誰かが笑うのを聞いていたい
楽しい時間を過ごすんだ
私はこの曲を聞くと中高生の頃時間を気にしながら、夜友達と過ごしていた時のことを思い出します。
3位「Hearts of Stone」(アルバム:Hearts of Stone)
■曲名:Hearts of Stone
■曲名邦題:ハーツ・オブ・ストーン
■アルバム名:Hearts of Stone
■アルバム名邦題:ハーツ・オブ・ストーン
■動画リンク:「Hearts of Stone」
この曲はブルース・スプリングスティーンが書いた曲です。
スプリングスティーンは、サウスサイド・ジョニーに多くの曲を提供しています。
サウスサイド・ジョニーに対してかなり思い入れがあるようですね。
またジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi)が、サウスサイド・ジョニーの大ファンであることは有名な話です。
知名度でいえばジョンの方がはるかに上ですが、今でもあこがれの存在のようです。
ジョン・ボン・ジョヴィがサウスサイド・ジョニーと共演している動画が見つかりました。
Bon Jovi and Southside Johnny – Heart of Stone
上の動画でジョン・ボン・ジョヴィはとてもうれしそうで、世界的大スターがただのロック小僧になっています。
4位「Be My Baby」(アルバム:Live at the Bottom Line)
■曲名:Be My Baby
■曲名邦題:ビー・マイ・ベイビー
■アルバム名:Live at the Bottom Line
■アルバム名邦題:ジュークス・ライヴ・アット・ボトムライン
■動画リンク:「Be My Baby」
彼らはオールディーズ色の強いバンドです。
オールディーズからの影響は、スプリングスティーンと共通しているかもしれません。
さてこの曲は、ザ・ロネッツ(The Ronettes)のカバー。
この曲ではサウスサイド・ジョニーではなく、ロニー・スペクター(Ronnie Spector)という女性がボーカルを務めています。
サウスサイドジョニーはバック・コーラスの一員として、彼女の歌をサポートしています。
ロニー・スペクターとは誰だろうと思われるかもしれません。
彼女の正体は、ロネッツのリード・シンガー、ヴェロニカ・ベネット(Veronica Bennett)です。
このバンドの準メンバー的な存在といえるかもしれません。
バック・コーラスは明らかにロイ・オービソン(Roy Orbison)を意識していて、とてもほほえましいです。
5位「Without Love」(アルバム:This Time It’s for Real)
■曲名:Without Love
■曲名邦題:ウィズアウト・ラヴ
■アルバム名:This Time It’s for Real
■アルバム名邦題:ジス・タイム・イッツ・フォー・リアル
■動画リンク:「Without Love」
彼らは日本ではそれほど有名とはいえません。
日本語のウィキペディアがないという現状は、少々寂しいものがあります。
ブルース・スプリングスティーンの人気の高さを思えば、なぜという気がしてしまいます。
サウスサイドのボーカルは、スプリングスティーンほどド迫力ではないかもしれません。
しかし彼は情感を表現することに長けています。
また彼はスプリングスティーンほど分厚いステーキではありませんが、脂の乗り方はむしろ上回るかもしれません。
ボーカリストとしては、ほぼ互角だと思っています。
ただフォークがルーツのスプリングスティーンに対して、サウスサイド・ジョニーはより黒人音楽の影響が色濃いように思います。
スプリングスティーンにはあまりないブルース・ナンバーもありますし。
この曲では演奏もすばらしいです。
特に2:24からのホーンは聞きもので、胸が熱くなってしまいます。
6位「Trapped Again」(アルバム:Hearts of Stone)
■曲名:Trapped Again
■曲名邦題:騙されるのも悪くない(トラップト・アゲイン)
■アルバム名:Hearts of Stone
■アルバム名邦題:ハーツ・オブ・ストーン
■動画リンク:「Trapped Again」
サウスサイドジョニーとスプリングスティーンは、同じニュージャージー出身です。
彼らの地元ニュージャージーはニューヨークに近く、大都市周辺の郊外みたいな場所だそうです。
埼玉や千葉に似たイメージかもしれません。
当時のニュージャージーでは、スプリングスティーンのバックバンドであるEストリート・バンド(The E Street Band)と、アズベリー・ジュークスは、兄弟バンドのような関係だったそうです。
大都会近辺の郊外では、都会ほど流行に流されず、やんちゃな文化が育つものです。
彼らの音楽は古いロックンロールやR&B、オールディーズなどの影響を強く受けていますが、総称してジャージー・ショア・サウンド(Jersey Shore Sound)という呼び方をします。
具体的にはスプリングスティーンとサウスサイド・ジョニーみたいな音楽のことと考えて差し支えありません。
私はこの曲の「騙されるのも悪くない」という邦題がも気に入っています。
7位「You Mean So Much to Me」(アルバム:I Don’t Want to Go Home)
■曲名:You Mean So Much to Me
■曲名邦題:ユー・ミーン・ソー・マッチ・トゥ・ミー
■アルバム名:I Don’t Want to Go Home
■アルバム名邦題:アイ・ドント・ワナ・ゴー・ホーム
■動画リンク:「You Mean So Much to Me」
この曲は先程ご紹介したロニー・スペクターとのデュエット曲です。
彼らの最高傑作は「Hearts of Stone」だと言われていますが、最初の3枚はどれも外れはありません。
彼らはデビュー前から地元では有名な存在だったようです。
確かにこのデビュー・アルバムの時点で、既に骨格が出来上がっている感じがしますね。
サウスサイド・ジョニーの両親は、ブルースとジャズのレコード・コレクションを持っていて、彼はそれらの音楽を聞きながら成長しました。
サウスサイド・ジョニーとは芸名で、彼の本名はジョン・ライオンという名前です。
彼はその後スティーヴ・ヴァン・ザント(Steven Van Zandt)という別名を持つ、リトル・スティーヴン(Little Steven)などとの出会いを経て、チャンスを手にしました。
デビューにこぎつけたのは、時流も味方したかもしれません。
前年にあたる1975年、スプリングスティーンの「明日なき暴走(Born to Run)が大ヒットしたのです。
レコード会社はブルースに続く存在として、サウスサイド・ジョニーと契約しました。
残念ながらセールス的には大きな成功を収めることはできませんでしたが、彼らは高い評価を得ることができました。
8位「Love on the Wrong Side of Town」(アルバム:This Time It’s for Real)
■曲名:Love on the Wrong Side of Town
■曲名邦題:ラヴ・オン・ザ・ウロング・サイド・オブ・タウン
■アルバム名:This Time It’s for Real
■アルバム名邦題:ジス・タイム・イッツ・フォー・リアル
■動画リンク:「Love on the Wrong Side of Town」
このアルバムはジャケットが最高です。
ニュージャージーで撮影されたと思いきや、舞台はニューヨークとのこと。
グリニッジ・ビレッジのミネッタ・ストリートで撮影されたようですね。
ほぼ全員おそろいのスタジャンを着て、集合写真のような趣きで撮影されています。
またアルバム・タイトルの「This Time It’s for Real」は「今度は本気だぜ」といった感じでしょうか。
さて彼らを語る時、リトル・スティーヴンの貢献を忘れてはいけません。
リトル・スティーヴンは、スプリングスティーンの片腕的な存在として知られています。
彼はサウスサイド・ジョニーとスプリングスティーン両方でプロデューサーを務めています。
彼自身もソロ活動をしていますので、興味のある方はチェックしてみてください。
彼はジャージー・ショア・サウンドのキーマンです。
9位「Little Girl So Fine」(アルバム:This Time It’s for Real)
■曲名:Little Girl So Fine
■曲名邦題:リトル・ガール・ソー・ファイン
■アルバム名:This Time It’s for Real
■アルバム名邦題:ジス・タイム・イッツ・フォー・リアル
■動画リンク:「Little Girl So Fine」
これもボスことスプリングスティーンとスティーヴ・ヴァン・ザントが書いた曲です。
先程からこの2人の貢献ばかり書いていますが、この3人は相互に影響を与え合う、不可分な関係かもしれません。
あまり知られていませんが、3人は元々ドクター・ズーム&ザ・ソニック・ブーム(Dr. Zoom & The Sonic Boom)という前身バンドのメンバーでした。
その頃の音源を見つけました。
Dr Zoom and the Sonic Boom – Zoom Song 1971 05 15, Newark State College, Union, NJ
残念ながら1年ほどで解散したようですが。
ただこのバンドは13人と大所帯で、解散後アズベリー・ジュークスとEストリート・バンドという2つのバンドに分かれました。
10位「Havin’ a Party」(アルバム:Havin’a Party with Southside Johnny)
■曲名:Havin’ a Party
■曲名邦題:ハヴィング・ア・パーティ
■アルバム名:Havin’a Party with Southside Johnny
■アルバム名邦題:ハヴィング・ア・パーティ. サウスサイド・ジョニー
■動画リンク:「Havin’ a Party」
※アルバムとは異なるライブ・バージョン
「Havin’a Party」と同じ音源がなかったので、似た感じの動画をご紹介したいと思います。
この曲は彼らのライブのハイライトで演奏されることが多く、時には10分以上演奏されることがあります。
動画のタイトルにはありませんが、最初の方はザ・インプレッションズ(The Impressions)の「イッツ・オール・ライト(It’s All Right)」という別の曲のカバーから始まっています。
動画を見ると、サウスサイド・ジョニー、スプリングスティーン、リトル・スティーブンの並びがいいですね。
観客がすし詰め状態ですが、めちゃくちゃ楽しそうです。
しかしJ・ガイルズ・バンド(The J. Geils Band)といい、なぜアメリカのロック・バンドが演奏するR&Bの曲は、こんなに楽しいのでしょうか。
このあたりまでが彼らの全盛期といえるかもしれません。
彼らはこの後徐々に低迷していきました。
私が次に注目したのは、1991年の「ベター・デイズ(Better Days)」というアルバムです。
今回ご紹介した作品に匹敵する充実作ですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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