今回はエドガー・ウィンターのランキングを作成しました。
この記事では1971年の「Edgar Winter’s White Trash」から1975年の「Jasmine Nightdreams」までを対象にしました。
その期間の彼はソロと2つのバンドを含め3つの名義があります。
この記事ではそれらの名義に関係なく選曲しました。
- 1 1位「Free Ride」(アルバム:They Only Come Out at Night)
- 2 2位「I Can’t Turn You Loose」(アルバム:Roadwork)
- 3 3位「Someone Take My Heart Away」(アルバム:Shock Treatment)
- 4 4位「Dying to Live」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
- 5 5位「Keep Playin’ That Rock ‘n’ Roll」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
- 6 6位「Back In the U.S.A.」(アルバム:Roadwork)
- 7 7位「Fly Away」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
- 8 8位「Frankenstein」(アルバム:They Only Come Out at Night)
- 9 9位「Maybe Some Day You’ll Call My Name」(アルバム:Shock Treatment)
- 10 10位「Tell Me In A Whisper」(アルバム:Jasmine Nightdreams)
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1位「Free Ride」(アルバム:They Only Come Out at Night)
■曲名:Free Ride
■曲名邦題:フリー・ライド
■アルバム名:They Only Come Out at Night
■アルバム名邦題:ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト
■名義:Edgar Winter Group
■動画リンク:「Free Ride」
この曲はディスコで評価されているように思います。
そういえばこの曲はタヴァレスもカバーしていましたし。
ただこの曲のオリジナルは1973年のリリースされています。
ディスコは1970年代中ばぐらいから本格的に流行り始めました。
この曲の登場は少し早かったかもしれません。
しかしこの曲は同じく1973年にリリースされたドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)」の「ロング・トレイン・ランニン(Long Train Runnin)」などと同じく、ディスコ全盛時代に人気曲になりました。
この曲の肝はダン・ハートマン(Dan Hartman)のリズム・ギターで、彼はこの曲を書きボーカルも担当しています。
ダン・ハートマンといえば後に「インスタント・リプレイ(Instant Replay)」がヒットしたりなど、ディスコでも活躍した人。
彼のディスコへの素養がよく表れている曲かもしれません。
2位「I Can’t Turn You Loose」(アルバム:Roadwork)
■曲名:I Can’t Turn You Loose
■曲名邦題:アイ・キャント・ターン・ユー・ルース
■アルバム名:Roadwork
■アルバム名邦題:ロードワーク
■名義:Edgar Winter’s White Trash
■動画リンク:「I Can’t Turn You Loose」
オーティス・レディングの名唱で有名な曲です。
Otis Redding – Can’t Turn You Loose
ソウルの曲をロックバンドが取り上げる場合、どうしても白いカバーになりがちです。
しかしこの曲は異なります。
この曲で歌っているのはブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ(Blood, Sweat & Tears)やレア・アース(Rare Earth)などで活躍したジェリーラクロア(Jerry LaCroix)。
アルバム・ジャケットの右半分に掲載されるのも伊達ではありません。
ホワイト・トラッシュ名義の曲では、彼のボーカルを聞くことができます。
オーティスの曲を歌うのはいささか覚悟が必要だと思いますが、ジェリー・ラクロアは見事その大役をはたしました。
原曲と聞き比べると分かりますが、彼はかなりオーティスを意識していることが分かります。
3位「Someone Take My Heart Away」(アルバム:Shock Treatment)
■曲名:Someone Take My Heart Away
■曲名邦題:待ちわびた誘惑
■アルバム名:Shock Treatment
■アルバム名邦題:恐怖のショック療法
■名義:Edgar Winter Group
■動画リンク:「Someone Take My Heart Away」
今回の選曲時一番感じたことがあります。
エドガー・ウィンターのバラードが良いことは知っていましたが、これほどまでに多いということ。
どのバラードが一番良いかは決め難いですが、今の気分ではこの曲がイチオシです。
甘すぎず地味ですが、じわじわ心を動かしますし。
彼らは派手なキャラですが、その合間でこんなバラードでホロリとさせてきます
この緩急と落差でホロリとさせる作戦は見え見えで、そんな見え透いた手口はお見通しです。
しかし毎回私はそのトラップにひっかかってしまいますが(笑)
今回はバラードとアップを半々にして、彼らの落差を楽しんでいただけるようにしました。
この曲の歌詞では、早く誰かこの心を奪い去ってほしいと訴えています。
私はもう痛みに耐えられない
だから早く奪い去ってほしい
ただそれを訴えている男は、グラマラスな衣装に身を包んだワイルドな男でした。
4位「Dying to Live」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
■曲名:Dying to Live
■曲名邦題:消えそうなハート
■アルバム名:Edgar Winter’s White Trash
■アルバム名邦題:ホワイト・トラッシュ
■名義:Edgar Winter’s White Trash
■動画リンク:「Dying to Live」
もう1曲バラードをご紹介します。
こちらもイノセントでナイーヴな曲です。
エドガー・ウインターの兄は「100万ドルのギタリスト」ことジョニー・ウィンター(Johnny Winter)。
ジョニーは史上最高の白人ブルース・ギタリストの1人です。
その弟であるエドガーは、兄とは違った路線で存在感を醸しました。
それは彼がプレイする楽器にも表れています。
兄のジョニーは凄腕のブルース・ギタリストでした。
一方弟のエドガーはボーカルだけでなく、ピアノやサックス、ヴィブラフォンまで演奏するマルチ・プレイヤーです。
エドガーは兄が大好きなようで、後年こんなアルバム名の作品を発表しています。
2022年には、兄ジョニーに捧げた14年ぶりのソロ・アルバム『Brother Johnny』を発表した[2]。
両者は持ち味こそ違いますがそれぞれに成功を収め、しかも兄弟の仲も良いようです。
5位「Keep Playin’ That Rock ‘n’ Roll」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
■曲名:Keep Playin’ That Rock ‘n’ Roll
■曲名邦題:真夜中のロックンロール・パーティー
■アルバム名:Edgar Winter’s White Trash
■アルバム名邦題:ホワイト・トラッシュ
■名義:Edgar Winter’s White Trash
■動画リンク:「Keep Playin’ That Rock ‘n’ Roll」
陽気なパーティ・ロックンロールです。
ヒット曲でも有名曲でもありませんが、ファンから愛されている曲です。
この曲は陽気でおおらかなノリがすばらしいですね。
演奏ではホーンが耳を惹きますが、私がこの曲で一番の聞きどころだと思うのは、リック・デリンジャー(Rick Derringer)のギター。
以下のリンクでは、そのギター・ソロの箇所から再生されるようにしています。
改めてそこだけ聞いてみていただければと思います。
Edgar Winter’s White Trash – Keep Playin’ That Rock ‘n’ Roll
後にリック・デリンジャーは、エドガー・ウィンター・グループにも参加しました。
こんな演奏をされたら、もっと起用したくなりますね。
6位「Back In the U.S.A.」(アルバム:Roadwork)
■曲名:Back In the U.S.A.
■曲名邦題:バック・イン・ザ・USA
■アルバム名:Roadwork
■アルバム名邦題:ロードワーク
■名義:Edgar Winter’s White Trash
■動画リンク:「Back In the U.S.A.」
この曲はチャック・ベリー(Chuck Berry)が書いた曲です。
私は彼らのロックンロール・ナンバーを聞いていて、いつも思うことがあります。
それはR&Bの影響が強いこと。
思えばチャック・ベリーもまたロックらしさとR&B、両方の魅力を兼ね備えた人でした。
その意味でチャック・ベリーのカバーは、彼らに似つかわしいと思います。
さてこの曲のボーカルはリック・デリンジャー。
このアルバムはジェリー・ラクロワ、エドガー・ウィンター、ジョニー・ウィンターなど曲によってリードボーカルが頻繁に変わります。
エドガー・ウィンターの最高傑作は決め難いかもしれません。
一般的には「They Only Come Out at Night」か「Shock Treatment」を推す声が多いかもしれません。
しかし個人的にはこのライブ盤が一番好きです。
7位「Fly Away」(アルバム:Edgar Winter’s White Trash)
■曲名:Fly Away
■曲名邦題:鳥になりたい
■アルバム名:Edgar Winter’s White Trash
■アルバム名邦題:ホワイト・トラッシュ
■名義:Edgar Winter’s White Trash
■動画リンク:「Fly Away」
エドガー・ウィンターの音楽はカテゴライズしにくいかもしれません。
ソロ・アルバムはソウル色が強いですし、エドガー・ウィンター・グループはグラムロック風、ホワイト・トラッシュはファンキー。
ただ常にそうしたジャンル分けからみ出る感じがしてしまいます。
たとえばこのアルバムには、ラテンの大物レイ・バレット(Ray Barretto)が参加しているにもかかわらずブルース・ロックらしい曲が収録されています。
Edgar Winter – Let’s Get It On
この「Fly Away」はゴスペル色が強い曲です。
私は単純なジャンル分けで彼の音楽を語ることができる気がしません。
「黒人音楽の影響を受けたロック」というように、大まかに考えた方が良いように思います。
8位「Frankenstein」(アルバム:They Only Come Out at Night)
■曲名:Frankenstein
■曲名邦題:フランケンシュタイン
■アルバム名:They Only Come Out at Night
■アルバム名邦題:ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト
■名義:Edgar Winter Group
■動画リンク:「Frankenstein」
エドガー・ウィンターは兄ジョニー・ウィンターと同じく、髪や皮膚が白くなるアルビノです。
サリフ・ケイタ(Salif Keïta)は、アルビノというだけで一族から追放同然の扱いを受けました。
一方エドガー・ウィンターは白人のアルビノです。
そのせいか黒人のアルビノよりは外見上は目立たないかもしれません。
しかしそれでもよく見れば分かるようですし、白人でもアルビノは差別されるようです。
ただ白いというだけで差別される意味が分かりません。
このアルバム・ジャケットを見ると、エドガー・ウィンターは上半身裸でアップの写真を使用しました。
上半身裸になったしこれだけアップならば、俺がアルビノと分かるだろうと言わんばかりです。
昔はサイズの大きなレコードが主流でしたから、CDよりインパクトがあったでしょうね。
さてこの曲はエドガー・ウィンター随一の有名曲です。
しかもインストで全米シングルチャート1位を獲得した最大のヒット曲でもあります。
強烈にアルビノをアピールしたこのアルバムも3位を記録しました。
9位「Maybe Some Day You’ll Call My Name」(アルバム:Shock Treatment)
■曲名:Maybe Some Day You’ll Call My Name
■曲名邦題:君を抱きしめて
■アルバム名:Shock Treatment
■アルバム名邦題:恐怖のショック療法
■名義:Edgar Winter Group
■動画リンク:「Maybe Some Day You’ll Call My Name」
エドガー・ウィンター・グループはメンバーが豪華です。
このアルバムの参加メンバーと主な役割をご紹介しておきましょう。
・ジョニー・ウィンター:ボーカル、キーボード、サックス等
・リック・デリンジャー:ギター
・ダン・ハートマン:ベース
・チャック・ラフ:ドラム
ちなみに前作「They Only Come Out at Night」では、ギターはロニー・モントローズ(Ronnie Montrose)でした。
チャック・ラフ(Chuck Ruff)を除くメンバーは、自分中心のグループを結成できる人ばかり。
またアルバム・ジャケットもロック史に残る名ジャケです。
メンバーのノリも近いようですね(笑)
これで良い作品ができないわけがありません。
10位「Tell Me In A Whisper」(アルバム:Jasmine Nightdreams)
■曲名:Tell Me In A Whisper
■曲名邦題:テル・ミー・イン・ア・ウィスパー(愛をください)
■アルバム名:Jasmine Nightdreams
■アルバム名邦題:ジャスミンの香りと夜の夢
■名義:Edgar Winter
■動画リンク:「Tell Me In A Whisper」
彼のソロ名義作品では、バンド名義よりもソウル色が強くなっています。
思えば彼のソロ・デビュー作「Entrance」から、そういう傾向がありました。
この曲はセルジオ・メンデス(Sergio Mendes)もカバーしているせいか、AORやフリーソウル界隈でも高く評価されています。
バンド名義の曲と曲調が違うためラストに配置し、9位に中間的な「Maybe Some Day You’ll Call My Name」を置いて、唐突さを回避しようとしました。
ただ「Tell Me In A Whisper」のクレジットを確認すると、メンバーはエドガー・ウィンターと近しい人ばかりです。
彼はバンドとは異なるこんなメロウな曲をやりたかったのですね。
彼はソロ以外にバンドを2つ使い分けていて、やりたい音楽を表現していました。
この人はマルチ奏者というだけでなく、音楽性でも多様性が強味だったように思います。
そこはブルース一筋の兄、ジョニー・ウィンターと最も異なる部分かもしれません。
加えてソングライターとしては、偉大な兄をもしのぐように思います。
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