今回はB.B.キングのランキングを作成しました。
この人は「キング・オブ・ブルース」と呼ばれています。
私はマディ・ウォーターズの記事を書いた後、B.B.キングの記事も書かなくてはと思いました。
その2人を聞くことで、ブルースを好きになる人が増えるのではないかと。
ブルースの陽の側面を代表する彼の曲をご堪能ください。
- 1 1位「Every Day I Have the Blues」(アルバム:Live at the Regal)
- 2 2位「How Blue Can You Get」(アルバム:Live in Cook County Jail)
- 3 3位「Gambler’s Blues」(アルバム:Blues Is King)
- 4 4位「Please Love Me」(アルバム:Live at the Regal)
- 5 5位「Just A Little Love」(アルバム:Live & Well)
- 6 6位「Sweet Sixteen」(アルバム:Live in Japan)
- 7 7位「The Thrill Is Gone」(アルバム:Completely Well)
- 8 8位「5 Long Years」(アルバム:The Jungle)
- 9 9位「Sweet Little Angel」(アルバム:Singin’ the Blues)
- 10 10位「Lucille」(アルバム:Lucille)
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1位「Every Day I Have the Blues」(アルバム:Live at the Regal)
■曲名:Every Day I Have the Blues
■曲名邦題:エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース
■アルバム名:Live at the Regal(1965年)
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・ザ・リーガル
■動画リンク:「Every Day I Have the Blues」
一般的にこの人の代表曲としては、7位の「The Thrill Is Gone」が有名かもしれません。
しかし彼のライブ盤が大好きな私は、真っ先にこの曲が思い浮かびます。
この記事の前半は5枚のライブ・アルバムから選曲しましたが、その内3枚でこの曲が1曲目ですし。
まさにあいさつ代わりの1曲といった位置づけの曲なのですね。
実際この曲は聞く人をエキサイトさせて引き込むのにうってつけです。
アナウンスに導かれて高らかにホーンが鳴りBBのギターが始まると、観客の興奮は最高潮に達します。
これほど人をホットにさせる曲は稀かもしれません。
歌詞は毎日憂鬱だという内容ですが、私の耳にはこれからパーティーが始まるぜと聞こえます(笑)
2位「How Blue Can You Get」(アルバム:Live in Cook County Jail)
■曲名:How Blue Can You Get
■曲名邦題:ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット
■アルバム名:Live in Cook County Jail(1971年)
■アルバム名邦題:ライヴ・イン・クック・カウンティ・ジェイル
■動画リンク:「How Blue Can You Get」
この頃の彼の曲は最初からしばらくギターの演奏が続き、歌は曲の半ばから始まる形式が散見されます。
もはやイントロというよりも、二部構成というべきかもしれません。
彼はギタリストである一方シンガーでもあります。
しかし彼にはこういう特徴があります。
彼は歌っているときにはギターを一切弾かないが、これは本人によると「歌いながらギターを弾くことは難しい」「何ともバカな手を持って生まれてしまったものでね」ということである。
一般的にはギターを弾きつつ歌うことが多いです。
しかしBBの場合は片方ずつでも特に問題はありません。
彼の特徴はよく歌うことですが、歌う手段が2つあるということかもしれません。
この曲も前半のギターと後半の歌、どちらもすばらしいです。
3位「Gambler’s Blues」(アルバム:Blues Is King)
■曲名:Gambler’s Blues
■曲名邦題:ギャンブラーズ・ブルース
■アルバム名:Blues Is King(1967年)
■アルバム名邦題:ブルース・イズ・キング
■動画リンク:「Gambler’s Blues」
私は彼のライブ・アルバムを好んでいます。
その為この記事でも6位までの上位は、全てライブ盤の曲ばかりになりました。
もっと正直に選曲すれば、全曲ライブの曲になっていても不思議はありません。
少々偏っているかもしれませんが、実際普段私が聞き返すのはライブ盤ばかりです。
そういえばオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)の記事を書いた時も、ライブ・アルバムばかりから選曲したくなりました。
ただ私はライブ盤を優遇しがちかといえば、必ずしもそうではありません。
むしろ他の多くの記事ではライブの曲を冷遇しているほどですし。
しかしことBBについては、ライブ特有の荒さがことごとく良い方向に出ているように感じます。
この記事を読む方は、BBはライブに限るという私の傾向をご理解の上で聞いていただければ幸いです。
4位「Please Love Me」(アルバム:Live at the Regal)
■曲名:Please Love Me
■曲名邦題:プリーズ・ラヴ・ミー
■アルバム名:Live at the Regal(1965年)
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・ザ・リーガル
■動画リンク:「Please Love Me」
2位と3位にスローにしたのは、このアップの曲への伏線にしようと考えたからです。
BBはアップとスローどちらも良いですが、緩急をつけて配置すると、両方が引き立つように思いました。
さてこのアルバムが録音されたライブ会場は、シカゴのリーガル・シアター。
そのライブ会場は黒人が集まることで有名な場所のようです。
サム・クック(Sam Cooke)のハーレム盤でも同様ですが、同胞が集まる場所でのライブは熱くなる傾向があります。
当時はまだ人種差別が横行していたので尚更。
黒人に限りませんが、当時のブルースは若者が熱狂する音楽でした。
若き日のエリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、マーク・ノップラー(Mark Knopfler)などは皆、このアルバムに感化されようです。
濃い場所と若いエネルギー、脂の乗ったBBと三拍子がそろい、名ライブになる条件が整いました。
5位「Just A Little Love」(アルバム:Live & Well)
■曲名:Just A Little Love
■曲名邦題:ジャスト・ア・リトル・ラヴ
■アルバム名:Live & Well(1969年)
■アルバム名邦題:ライヴ&ウェル
■動画リンク:「Just A Little Love」
ブルースはとかくシブい音楽と形容されがちです。
たしかにそういうものもありますが、それもブルースの一側面にすぎません。
あとブルースといえば情念や悲しみ、やるせなさなど負の感情を連想する方がいらっしゃるかもしれません。
BBにもそういう側面がないわけではありませんが、そういう聞き方を中心にする人ではないような気がします。
あと悪魔に魂を売ったなど、中二病心をくすぐるブルース・マンでもありません。
どちらかというと彼はエンターテイナー色が強い人かもしれません。
そのせいか現在の彼は若者受けではなく、大人になって初めて魅力に開眼するタイプの人のような気がします。
そういえば近藤房之助のB.B.クィーンズは、B.B.キングをリスペクトしていたようです。
「キング(王様)」のところを「クイーン(女王)」にしたのですね。
とにかくBBのブルースは楽しい、この記事で私は一番それを伝えたいと思いました。
6位「Sweet Sixteen」(アルバム:Live in Japan)
■曲名:Sweet Sixteen
■曲名邦題:スウィート・シックスティーン
■アルバム名:Live in Japan(1971年)
■アルバム名邦題:B.B.キング・ライヴ・イン・ジャパン
■動画リンク:「Sweet Sixteen」
初来日時のライブの模様を収録したアルバムの曲です。
BBは日本でかなり人気があります。
また、キングのアルバムとしては唯一、日本のオリコンLPチャート(1970年 – 1989年集計)でトップ100入りを果たし、94位を記録している[2]。
なにせサザンオールスターズの桑田佳祐もBBのファンで「B.B.KING STYLE FOR BEGINNERS」という編集盤の選曲をしたり、共演もしています。
この「Sweet Sixteen」は、その編集盤にも収録されていました。
さてBBのライブでのパフォーマンスには、ショーマンシップを感じます。
この曲でも全身全霊で歌いギターを弾いていますね。
こんな曲をやられたら好きにならない方がおかしいぐらいの名演です。
彼のパフォーマンスはかなり評判が良かったと思われ、それ以来BBは何度も来日することになりました。
7位「The Thrill Is Gone」(アルバム:Completely Well)
■曲名:The Thrill Is Gone
■曲名邦題:ザ・スリル・イズゴーン
■アルバム名:Completely Well(1969年)
■アルバム名邦題:コンプリートリー・ウェル
■動画リンク:「The Thrill Is Gone」
ここからはスタジオ録音の曲を取り上げていきましょう。
この曲はBBで最も有名な曲で、US R&Bチャートで3位を記録したヒット曲でもあります。
確かに聞きやすい曲ですし、売れたのもうなづけます。
この頃から彼は白人やブルース人脈以外との仕事が増えてきました。
1970年代に入るとレオン・ラッセル(Leon Russell)と共演したり、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の曲を演奏したりしています。
1970年代のスタジオ録音から2曲ご紹介します。
B.B. King – Better Not Look Down
B.B. King – To Know You Is to Love You
どちらも良い曲ですが、この記事ではブルース色の濃い曲を優先しました。
「The Thrill Is Gone」はブルースらしい曲です。
ちなみに「The Thrill Is Gone」をプロデュースしたのは、イーグルスのプロデューサーとして知られるビル・シムジク(Bill Szymczyk)。
そういえばビル・シムジクがプロデュースしたイーグルスには「After the Thrill Is Gone」という曲がありますね。
8位「5 Long Years」(アルバム:The Jungle)
■曲名:5 Long Years
■曲名邦題:ファイヴ・ロング・イヤーズ
■アルバム名:The Jungle(1967年)
■アルバム名邦題:ザ・ジャングル
■動画リンク:「5 Long Years」
若い頃の私はディスクガイドを買っては、1枚1枚聞き潰すスタイルでした。
当時私は数冊のディスクガイドを比較していましたが、BBの代表作としては「Live at the Regal」がよく掲載されていたように記憶しています。
しかしある1冊にこのアルバムが最高傑作として紹介されていました。
そこで試しに買って聞いてみたところ、スタジオ録音でもすばらしい作品だと感じました。
さてBBはブルースの入門者向きみたいに言われることがあります。
確かに彼の特徴であるシンプルに歌うギターなど、決して難しい音楽ではありません。
ただブルースに影や異端を求める人にとっては、逆に理解が難しいかもしれません。
とはいえ、スタジオ録音の聞きやすさも捨てがたい。
私はスタジオ盤ではこのアルバムをおすすめします。
9位「Sweet Little Angel」(アルバム:Singin’ the Blues)
■曲名:Sweet Little Angel
■曲名邦題:スウィート・リトル・エンジェル
■アルバム名:Singin’ the Blues(1956年)
■アルバム名邦題:シンギン・ザ・ブルース
■動画リンク:「Sweet Little Angel」
この曲も彼の代表曲の一つです。
初期のスタジオ・アルバムからご紹介しました。
個人的には以下のライブ・バージョンが好みですが、比較して聞くのも一興です。
B.B. King – Sweet Little Angel
さてここでBBの立ち位置について私見を述べたいと思います。
BBキングは「キング・オブ・ブルース」と呼ばれています。
私が存在の大きさにおいてBBに比肩すると思うのは、ブルースの裏番長マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)。
どちらもブルースという豊かな鉱脈を掘る上で欠かせない存在です。
私はこの2人が、1980年代における表の代表マイケルと裏の代表プリンスの関係に似ているように思います。
1980年代の洋楽シーンは、この2人がいたことで大いに盛り上がりました。
これからブルースを聞こうという方は表のBB、裏のマデイを合わせて聞くのがおすすめです。
それが私の考えるブルース沼にはまる最短距離だと思っています。
10位「Lucille」(アルバム:Lucille)
■曲名:Lucille
■曲名邦題:ルシール
■アルバム名:Lucille(1968年)
■アルバム名邦題:ルシール
■動画リンク:「Lucille」
さて最後に少し長い曲ではありますが、この曲は外せません。
先程私はBBについて「楽しい」と書きました。
ただ当然ながら「楽しい」という一語だけでこの人を語ることができません。
彼は歌もギターもシンプルさが特徴で、テクニック的には決して難しくありませんが表現が太字、とにかくよく歌います。
シンプルなフレーズをシンプルなまま弾いても決して陳腐にならなず、逆に表現者としての素の実力が際立ちます。
改めて彼の評価を確認しておきましょう。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第3位、2011年の改訂版では第6位。
先程申し上げたように、若い時は彼の魅力に気付きにくいかもしれません。
しかしそれでもある日突然彼の魅力に開眼する日が来るかもしれません。
この記事が、その時期が早まるお手伝いとなればうれしいです。
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